慢性的な人手不足の中で、職員のチェックにも目を配らねばならない、当然と言えば当然ですが、そんな厳しい介護の現場に赤信号がともり続けています。熊本のグループホームでの入所者暴行、死亡もその頂点の中で起きた事件です。慢性的な人手不足で転職や中途採用で業界に入る人も多く、経験や適性を見極めることが難しくなっているというのも事実です。現状ではどこでも、いつでも起こりうるリスクを施設は抱えています。
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介護施設の傷害致死事件 関係者に衝撃広がる
熊本日日新聞2018.08.13
熊本市の高齢者介護施設で、入所者に暴行を加え死亡させた疑いで、職員の男が10日、逮捕された。県認知症対策・地域ケア推進課によると、「施設職員が故意に相手を傷つけて死なせたという事案は県内で初めて」という。職員による虐待の報告が増加傾向にある中、県内で起こってしまった最悪の事態に、関係者らは衝撃を受けている。
施設管理者として甲佐町でグループホーム運営にも携わる高橋支部長は、高齢者に24時間体制で寄り添う介護の過酷さに加えて、職員のストレスチェックの重要性を強調する。「仕事に悩みを抱えていたり、追い詰められたりしている職員がいないか、常に目配りしている」と高橋支部長。高齢者介護のニーズは増加の一途をたどるが、業界は慢性的な人手不足の状態。転職や中途採用で業界に入る人も多く、経験や適性を見極めることが難しくなっているという。