無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

昨日はロープライス型高齢者住宅がなりたたないのではないかという金融機関の指摘に対して介護報酬をうまく活用することができるかどうかについてお答えをしましたが、、今回は続いて「自社で居宅支援事業所を持たなけば、思うような介護報酬が取れないのではないか」という考えについての見解を述べます。

多くの外部サービス付高齢者住宅において居宅をもたないと、思うように介護報酬が取れないというのは定説になっています。しかし、自社の居宅支援事業所でご入居者に対して無理をしてでも介護保険を取ろうとすれば、それは行政のチェックを受けざるを得ません。当然、併設の居宅支援事業所が、自社の高齢者住宅のみのプランを作るのであれば集中減算の対象となり、事業所としての報酬が削減されるのみならず、顧客の囲い込みとして厳しい行政指導の対象にならざるを得ません。

金融機関の方も、ロープライス型高齢者住宅は、自社の居宅でなければ介護報酬絵を得ることができないのではないかという指摘は一面正しくもありますが、果たしてそうでしょうか。
自社において居宅を持たずに、外部の居宅支援事業所のケアマネに高齢者住宅向けのプランを対象者のライフスタイルに合わせて設計してもらうことは決して不可能なことではありません。

高齢者住宅におけるライフスタイルをベースにご入居者にとって、もっとも利便性の高いプランを作ってもらうことが重要です。加えて、月額利用料が低ければ、当然、介護保険の1割負担をプラスしても総額で支払可能となりますので、できるだけ介護保険を使って良いケアを受けたいと思うのは当然ではないでしょうか。結果として、一人あたりの介護保険の利用率が上がるのは当然のことであり、その内容が適切でありますので、何らやましいこともなく、請求することができます。

私共は高齢者住宅におけて、ライフプランから始まるケアプランの作り方について、外部の居宅支援事業所に説明をして、ご入居者にとって最適なプランを作って頂いております

自社において居宅を持たないと介護保険が使えないというものではありません。この基本を無視し、介護保険が必要ない人にまで無理やり介護保険を使わせようとするので問題が起きるのです。

高齢者の生活をベースとして適切な介護保険の活用と介護保険外サービスの活用により、運営をしていくノウハウこそ、サービス付高齢者住宅の成功ポイントといえるでしょう。
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昨日ある金融機関の方から、ローコスト型で採算がとれるのですか、というご質問を頂きました。その根拠としては、家賃、食事代、管理費の利用料金が低いと、ある程度重篤な方々まで受け入れると、採算が取れないのではないか、というものです。

その根底には、外部サービス型の高齢者住宅では介護保険は限度額の半分程度しか使わないのが定説で、人件費を賄えないのではないかという考えがあります。又、もし、居宅支援事業所を設置して満額介護保険を取るというのであれば、行政からの指摘もあり、それはコンプライアンス上においても介護保険を強制的に使わせているというころで指摘を受けるのではないかというものです。

結果としては永続する事業とならないのではないかという考えであります。

この指摘の問題点は2つあります。一つは多くの方々が外部サービス付けの高齢者住宅は介護保険をどの程度使うかが読めないので、低く見積もるのが常識という錯誤。もう一つは自前の居宅支援事業所を持たないと、介護保険は取れないという錯誤。

逆に介護度相当の介護保険を外部のケアマネの査定により、きちんと使って頂くことができ、一定の介護保険を得ることができれば経営は成り立つということになります。この点が皆さん、よく理解ができていないのです。

統計からくるデータで外部付の高齢者住宅の介護保険は半分程度しかつかってもらえない、と多くの方がみております。平均からすればそうでしょう。しかし、現場を知るものはわかるはずです。介護度に応じて介護保険限度額に対する適用率が異なるのを。重度化すれば介護保険の活用量も多くなります。

問題なのは、月額利用料に介護保険1割負担を乗っけた場合の合計金額なのです

「合計金額が多くなると、介護保険は使わなくなる」というもう一つの要因を見落としているケースが多いのです。要は月額利用料が高くなると、1割負担が重くなり、介護保険をつかわない傾向が強くなるのです。

このことがわかっていないのです。つまり利用料金の設定が介護保険使用の適用率に大きく影響するということを見落としているのです。サービス付高齢者向け住宅等外部サービス利用利用型高齢者住宅の最大のポイントは収益をきちんと読めて、入居促進ができる利用料金の設定にあるのです。

<続きは次回に>
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男性介護者、3割に 周囲の理解、支援必要
2011年9月1日(東京新聞)

 認知症の家族がいる世帯で、男性介護者の割合が急増している-。認知症の人と介護家族でつくる「認知症の人と家族の会」(本部京都市)の調査で、こんな傾向が浮き彫りになった。介護者の高齢化も進んでいる。変化に応じたきめ細かい介護者支援が必要だ。

 認知症の人と家族の会は、1981年からほぼ10年ごとに介護の実態を調査している。昨秋の調査では、認知症の家族を持つ会員のほか、非会員を含む1662人が回答。3月に概要がまとまった。

 男性が「主たる介護者」の割合は、81年8・2%、91年13・5%、99年18・6%と増え、2010年には32・2%に急増した。4分の3が夫で、4分の1が息子だった。 

同居家族の人数が急速に少なくなっているのが要因だ。認知症の人を含む家族を「二人」とする回答は91年にはゼロだったのに、10年には45・3%に増加。息子家族との同居が減り、息子の妻に介護してもらう人が少なくなる一方、高齢の配偶者や独身の子が一人で介護するケースが増えているとみられる。

 調査を担当した同会の元理事で、茨城県立医療大の北川公子教授は「男性介護者は、外に助けを求めるのが苦手。孤立を防ぐ手だてとして、最近は男性介護者の交流会も各地で開かれている。このような催しに参加できない人が心配」と話す。

 中でも、介護者が息子の場合、ストレスを感じやすく、地域や行政は特に目配り、心配りを欠かさないでほしいという。調査で、在宅介護者に介護への思いを聞いたところ「介護を続けたくないが、続けるしかない」と、ストレスを抱えているとみられる回答が、夫は19・9%だったのに対し、息子は36・8%に及んだ。

 親が認知症で目が離せないため「仕事に出られない」と3割の息子が苦しみ、四分の一が「留守をみてくれる人がいない」と悩んでいた。これらの割合も、娘や夫に比べて高い。北川教授は「働きながら親を介護し、悩む息子が多いことに社会は気付いてほしい」と訴える。

 「介護者の高齢化」も顕著に現れた。91年には、50代以下の介護者が半数以上だったのに、10年には3割に減少。代わって、60~80代の介護者が半数以上を占めるようになった。特に、夫が介護をする場合、自身も病気を抱えている割合が高かった。
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2015年には団塊の世代が全て高齢者に、2025年には後期高齢者に、一気に高齢者社会への移行が加速度化してきます。高齢者単独世帯の増加と、独居老人の増加等動きも加速度化していますが、今回のこの記事も、徐々に深刻さを増す実態を表しています。準備を急がねばなりません。

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