独居=不幸ではない…「おひとりさまの最期」上野千鶴子さん
今は、だれもがおひとりさまの最期を考えなければならなくなった時代だと思います。ひとり暮らしの高齢者は増えていますし、夫婦で暮らしている人でも、いずれ相手に先立たれるからです。
多くのお年寄りは、自分の家が大好きです。家が好きとは、家族と一緒にいたいという意味とは限りません。誰にも遠慮がいらないから、できることなら最期まで家で暮らしたいと思っている。「独居は不幸」という固定観念は正しくありません。
それなのに、家族の意思で施設や病院に入れられてしまう。子どもは「心配だから」と言い、「年寄りを放っておくなんて」と周りも圧力をかける。人生の最期をどこで過ごしたいかという本人の意思決定を支える仕組みが必要です。
「在宅ひとり死」へ備え
10年以上前から、現場を見ていますが、ひとりで自宅で死ぬことは、必ずしも、「孤独死」ではありません。そもそも、「独居=孤立」という考え方は誤りです。介護保険制度を利用すれば、ケアマネジャーが付き、ホームヘルパーが入ったり、デイサービスに通ったりして、人の目が入ります。
<次回に続く>