無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

介護ロボ時代前夜として有望な会社とその製品が紹介されています。この分野では日本は急速に製品開発が進むとみられています。介護ロボを活用した介護報酬制度や助成金等の条件整備が今後必要になります。
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KABUTAN 2017年11月01日

【特集】老後の暮らしはロボットと、“介護ロボ”時代前夜の期待株 <株探トップ特集>

―保険制度見直しで「介護ロボット加算」の可能性、市場拡大どこまで―

 介護業界の人手不足が一段と深刻さを増している。10月22日に行われた衆院選で自民党が掲げた公約のひとつに「介護人材の確保に向けて、介護職員のさらなる処遇改善を進める」ことが明記されているが、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年を見据え、不足する介護人材をどう確保するのかが大きな課題といえる。

人材確保には「低賃金・重労働」というイメージを払拭することが不可欠となるが、そのためには介護の効率化を進めることが重要で、介護従事者の作業負担を軽減する「
介護ロボット 」への期待度は高い。

●介護ロボット市場、20年に500億円規模へ

 政府は10月26日に衆院選後で初めてとなる経済財政諮問会議を開き、この中で民間議員は年末にまとめられる来年度の予算案での社会保障費の自然増について「目安とされる5000億円増を下回る増加に抑制すべき」だと提言した。来年度の社会保障費は何もしなければ高齢化の進展などで6300億円増となる見込みで、今後は1300億円の削減を巡る具体策が議論される見通し。

増え続ける社会保障費を抑制するため、来年度に実施される介護報酬改定は介護現場にとって厳しいものになることが予想される。一方で、昨年12月に社会保障審議会介護保険部会でとりまとめられた「介護保険制度の見直しに関する意見」には、「ロボットやICT(情報通信技術)、センサーを活用している事業所に対し、介護報酬や人員・設備基準の見直しを検討する」ことが記されており、介護ロボット加算が新たに創設される可能性がある。

 こうしたなか、経済産業省は18年度予算の概算要求に「ロボット介護機器開発・標準化事業」として11億円を新たに計上。厚生労働省は概算要求に6億円の「介護ロボット開発等加速化」を盛り込んだ。

厚労省は25年に約38万人の介護人材が不足すると予測しており、両省は関連企業の開発支援などを通じて介護ロボットの国内市場を20年に500億円規模、30年に2600億円規模にまで拡大するとしている。

●移乗介助でCYBERDYNE、菊池製作所に注目

 厚労省が15年に行った調査によると、日常の介護業務でロボットによる代替期待が強い業務のひとつとして「移乗の介助」が挙げられている。要介護者がベッドから車いすに移ったり、車いすから便座に移ったりする際の介助は力仕事で、足腰への負担が大きく、腰痛は介護従事者の離職の一因ともなっている。

 移乗介護機器には装着型と非装着型があり、装着型の先駆けとなったのがCYBERDYNE <
7779> [東証M]のロボットスーツ「HAL」だ。これは身体に装着されたセンサーで生体電位信号を検出、装着者が意図した動きを感知し、モーターにより介護従事者のアシストを行うもの。これに対して、菊池製作所 <3444> [JQ]が出資するイノフィス(東京都新宿区)が販売する「マッスルスーツ」は、圧縮空気を動力として空気圧式の人工筋肉を収縮させアシストする。

 一方、非装着型では、富士機械製造 <
6134> が16年4月から移乗サポートロボット「Hug T1」の受注を開始。今仙電機製作所 <7266> の子会社は電動簡易移乗機「i-PAL」を手掛けているほか、パナソニック <6752> は電動ケアベッドと電動リクライニング車いすを融合した離床アシストロボット「リショーネ」を販売している。

●パラベッドは見守りでセンサーを活用

 
センサー IoT(モノのインターネット)技術による業務改善や利用者のQOL(Quality of Life=生活の質)向上が期待できる分野として、「見守り」や「排泄介助」が挙げられる。

 例えば現在、多くの見守り機器は夜間の起き上がりを介護従事者が早く検知して要介護者の転倒防止につなげるといった視点のものが多いが、パラマウントベッドホールディングス <
7817> の見守り支援システム「眠りSCAN」はこれを一歩進め、センサーを使って介護者の睡眠状態を把握。生活状態をパソコン画面上で“見える化”することで、介護従事者は無駄な訪室回数を減らすことができる。

また、構造計画研究所 <
4748> [JQ]は2月に介護ベッド用見守りセンサー「EVER Relief(エバー・リリーフ)」を発売。これはベッドでの起き上がり動作を検知してナースコールを鳴らすほか、バイタルセンサーによるセンシングで就寝中の心拍や呼吸の異常を検知することができる。

 このほか、サンヨーホームズ <
1420> は10月31日、日立製作所 <6501> と高齢者の生活を支援する見守りサービスの実証を開始すると発表。サンヨーHの屋内移動支援ロボットと、日立のIoT技術を活用した画像解析システムによって歩行動作を把握し、見える化・フィードバックするシステムの提供を目指す。

 排泄支援機器では、ユニ・チャーム <
8113> はパッドに内蔵されたセンサーが排尿を検知して自動吸引する「吸引ロボ ヒューマニー」をレンタルしているほか、TOTO <5332> はロボット技術を活用した「ベッドサイド水洗トイレ」の販売を10月からスタートさせた。

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<前回に続く>

前述の介護費用約550万円に医療費約184万円を合算すると約734万円です。少し余裕を見て800万円というのが1人当たりの医療・介護費用のメドと考えていいと思います。自分の子供たちに介護費用の負担をかけたくないのであれば、これぐらいの金額は準備しておいた方がいいのではないでしょうか。


 800万円というとかなりの金額と思えるかもしれません。現役時代から老後資金の一部としてコツコツと資産形成するなどして備えましょう。

■ずっと元気なことが最も大切

 もちろん、1人当たり800万円という数字はあくまでも平均的な費用から割り出した目安にすぎません。現実には様々なことが起こりえますので、一人ひとり、金額は当然異なります。

 例えば、介護に関しては平均はあくまで平均です。先ほどの調査でも介護期間は平均5年弱ですが、1年未満の場合が約12%、10年以上の場合が約16%あります。従って、100万円以内で済むこともあれば、1000万円以上かかることもあるわけです。

 ただし、メドを知ることである程度、不安は軽減されると思います。老後の資金計画を練る上でも大いに役立つことでしょう。

 最も大切なことは、要介護にならないようできるだけ普段から健康管理に気をつけることです。ずっと元気なら介護費用はゼロなのですから。

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皆さんが不安に思っている老後の医療と介護にかかる費用についてレポートされています。4年介護の医療費込みで800万円といいますが、1000万円は準備が必要かもしれません。
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老後最大の不安 医療・介護のお金はいくらかかる?

経済コラムニスト 大江英樹
日経マネー研究所 2017/11/2

老後で最大の不安は健康です。長生きするのはいいけれど、寝たきり状態や要介護になるのは避けたいと誰もが思うでしょう。でも、実際にはどうなるかわかりません。医療や介護にかかるお金のことを考えると不安は増します。費用は一体どれぐらいでしょう?

 実は、この金額を正確に把握するのは極めて困難です。老後に必要なお金の中で「これだけあれば安心」と最もいいにくいのが介護費用です。なぜなら、病気も介護も突然やってくることが多いからです。

 私も、元気にしていた母親が突然倒れて寝たきりになるという経験をしました。しかも、それがいつまで続くのか全くわかりません。さらに介護はどの程度のサービスを求めるかによってかかる費用も違ってきますから、はっきりした数字がつかめないのです。

■医療・介護費用は800万円が目安

 そうはいっても、介護や医療にかかるお金がいくらなのかを知ることはかなり切実な願いです。そこで目安となる金額をお教えしましょう。

 介護費用については、実際に介護した経験がある人を対象に調査したデータがあります。

それは公益財団法人の生命保険文化センターが2015年に行った調査で、1人当たりの介護費用(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)は約550万円となっています。内訳は毎月の介護費用が7.9万円、介護期間が平均4年11カ月で計466万円。さらにバリアフリーに対応した住宅への改修など、一時的な費用が計約80万円です。

 次に医療費についてです。これも参考となるデータがあります。それは厚生労働省の統計で、60~89歳までの医療費の自己負担額(保険料を含む)は14年度実績で平均115万円となっています。万が一、がんにかかるなど高額療養費制度を利用した場合についても、70歳以上なら自己負担額の上限は月に5万7600円です。仮に12カ月入院しても自己負担額の合計は約69万円となります。先ほどの115万円と合わせると約184万円です。

<次回に続く>

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