無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

「食べることは命を支え、守る、最も大切な機能で、命そのものと言っても過言ではない」。

茨城県結城市で在宅での歯科医療を行う三木歯科医院
院長の三木次郎氏は前掲のWEDGEの中でこう強調しています。

『三木氏は約10年前から在宅での歯科治療を始め、同市在住の患者さん(90歳)は、在宅治療を受けながら、三木氏の治療を受けている。この患者の娘さんが、「うどんやご飯など食べる物の範囲がひろがり母も喜んでいます」と大変喜んでいる様子。』

この記事を読んで、改めて食の大切さや自分の口から食物を摂ることの大事さを感じさせられます。

しかし、食べたい欲求が満たされない終末期患者は少なくないと言われます。背景にあるのは次の2つのようです。

1つは在宅での歯科治療を行う歯科医師の不足。「在宅中の高齢者は何らかの基礎疾患をもっているため、歯科治療が 生命のリスクになることもある。そのため、医師や看護師らと綿密な 情報交換をして治療の時期や患者の状態を考慮しなければならない。連携は重要な要素だ」。つまり、歯科医師単独での治療はリスクがつきまとうことが壁になっているようです。

もう1つは病院での急性期医療では、嚥下(えんげ)(食べ物を喉の力で肺への侵入を防ぎながら食堂へ送りこむ)能力を回復する訓練をする時間もスタッフもいないことである。それゆえ、食べられなくなった終末患者に対しては、未だに本人や家族が望まない「胃ろう」に頼らざるを得ないのが現実だ。

医療が介入すると、人生の最後まで食べたいという欲求を満たすことが難しくなるケースもあるという。

このことから、在宅での生活を貫こうとすれば、次のことが大変重要なことと思います。

①訪問歯科ドクターが増えること。在宅療養支援歯科診療所の登録
    ドクターを増やすこと。
②在宅療養支援診療所ドクター、訪問看護師、介護士との綿密なチ
    ームワークで在宅生活を支える仕組みを作ること。
③高齢者が安心して食べることできる食材の開発を急ぐこと。


改めて、訪問歯科の今後の取り組みの重要性を強く感じる内容でした。
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前回に続き、WEDGE11月号よりの在宅医療の問題点について紹介をしておきます。

厚生労働省は、在宅医療を推進すべく、06年に「在宅療養支援診療所」制度を開始しました。届出をした診療所は診療報酬上有利な扱いを受けることができます。ですが、09年度調査では、指定診療所での看取り数は2万7000人で、全在宅死亡数の20%程度にとどまるということです。

看取りを行ったことのない診療所も少なくないといいます。夜間は救急車任せという例もあるようです。往診にほとんど出ていない実態も報告されており、地方厚生局が指導を強めた結果、届出を返上する診療所もあるようです。

東京都大田区で在宅医療に携わる鈴木内科医院副院長の鈴木央氏は次のように言っています。

「在宅医療がイメージできない医師は、一生懸命やるとワークライフバランスが崩れると思っている。だが、日頃の往診で訪問看護師やヘルパーと連携し、患者の小さな変化を見逃さず、適切な治療を行い、予想されるステップをきちんと家族に説明しておけば、夜中に呼び出しを受けることもそれほど多くはないことを知って欲しい」

…これは現場をよくご存じの先生が言われるだけあって、その通り
だと思います。多くの先生方が誤解をされている点です。


「病院から在宅へ」と、国は診療報酬という手段で医師を在宅に動かすという常套手段に出ているが、これがうまくいっていない、金銭的インセンティブだけで動かすのではなく、医師の教育、養成のあり方から手をつけるべきではないかという主張があります。

病院改革のためには、在宅医療を発展させねばならない。これは表裏一体だ」と言われますが、これまでの医療のあり方を大きく改善する必要性がありそうです。
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<在宅サービスの充実を急げ>
前回に続き、WEDGE11月号よりご紹介します。今回は、それでも在宅は可能各地の先駆者たちの紹介です。

今回は、やはり在宅で暮らしたいという高齢者のニーズに応えて、在宅を支える医療、患者、介護の分野で先駆者として取り組んでいる方々のご紹介です。

①おやま城北クリニック(栃木県小山市)の事例
  1992年より、地域の診療所や歯科医院などと提携・協力をして「在
   宅で最期を迎えたい」という患者・家族の希望を様々な職種と連携して
   サポートしている。現在約300人の患者を月に2回以上診断し、これ
   まで350人を看取った。

②東京都新宿区白十字訪問看護ステーションの事例
  治す医療から人生の終末期を支える医療へのパラダイムシフトが必
  要」と語る  秋山所長の理念に共鳴した16人の訪問看護師ととも
  に、月約900件の訪問看護を行いながら、年間約60人を看取る。

③新潟県長岡市の高齢者総合ケアセンターこぶし園
  特養などの施設を増やすべきとの議論もあるが、「高齢者を隔離して
  収容する大規模特養のあり方は福祉本来の姿ではない」と考える小
  山園長は、市内各地域に小規模特養を作り、人里離れた丘の上にあ
  るこぶし園の入居者を住み慣れた地域に帰していっている。更に、
  「出来る限り現在の生活を継続したいという高齢者自身のニーズと、
  心身・費用とも過重な負担を強いられる在宅介護者の双方を支える」
  という考えから、全国に先駆けて、小規模多機能居宅介護を始めた。
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少しづつではありますが、在宅で暮らしたいという方々のニーズに応えるべく取り組みがなされてきてはいますが、各地の先駆者に共通していることは、志の高さと多様な職種との連携、長年の蓄積による利用者の安心感だと述べております。

こうしたレベルに到達するには、時間もかかれば、お金もかかる。新規参入者にはハードルが高いのも事実といわれていますが、我々はこれは一つのビジネスモデルの問題と捕えます。

在宅という発想を捨てずに、医療、介護、看護を一つにしていかに終末期までのケアができる体制を整えるか。その為のプラットフォームを作ること、我々はこの問題(ビジネスモデル開発に真正面から取り組んで参りたいと思います。
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