「2016年介護サービス施設・事業所調査の概要」より
介護人材確保、安倍首相は「さらなる処遇改善」を明言
最後に、「今後の最大の課題」となる「従事者」の状況を見てみましょう。
各サービスについて、1事業所当たりの看護・介護職員数(常勤換算)を見ると、
▼訪問介護7.3人(前年に比べて0.1人減)
▼訪問看護4.8人(同増減なし)
▼通所介護7.5人(同2.0人増)
▼通所リハビリ7.8人(同0.1人減)
▼短期入所生活介護14.2人(同0.4人増)
▼特定施設入居者生活介護19.9人(同0.1人増)
▼認知症対応型共同生活介護11.5人(同0.1人増)
―などとなっており、サービスによって微増減があります。なお、通所介護の人員増は「小規模事業所が地域密着型通所介護に移行した」ことによる見かけ上の増加である点には留意が必要です。
安倍晋三内閣は「ニッポン一億総活躍プラン」を閣議決定し、介護離職ゼロを目指して特養ホームなどの整備を進める方針を明確にし、今年度(2017年度)には、月1万円程度の処遇改善などを要件とする新たな介護職員処遇改善加算が設けられました(臨時の介護報酬改定)(関連記事はこちらとこちらとこちら)。
さらに安倍首相は、9月25日の経済財政諮問会議において「介護離職ゼロに向けた介護人材確保のため、他の産業との賃金格差をなくしていくよう、更なる処遇改善を進める」考えを明確にしました(内閣府のサイトはこちら。この点は今後の介護給付費分科会でも議論され、2018年度改定で「処遇改善加算の充実」方向が決まったと言えそうです。
ただし、こうした処遇改善が「人材確保」に結びついているのか、その効果を確認・検証するとともに、より抜本的な人材確保方策を「国を挙げて」考えていく必要があります。