無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

作家の大山眞人(おおやま まひと)氏のシニアレポートをご紹介します。高齢者の置かれている現状を客観的にとらえて頂いており、家族社会が崩壊し、無縁社会にとなった我が国おいて何をなすべきかを大変示唆に富むお話を頂いております。家族が責任を放棄し、国家が責任を放棄する。その中で高齢者の生存戦略をどう組み立てればよいか、新たな共同体の構築が求められています。
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集団的生存戦略を駆使し、無縁社会を乗り切るには(後)
大さんのシニアリポート第66回

(NET-IB NEWS2018年05月18日 )


 ホームに入所しても、“個”の生活を保障してくれるところは少ない。このままの生活が続けられれば良い/子どもたちに迷惑をかけることだけはしたくない/金はあの世にもっていけないし、子どもたちに残しても父親のために使ってくれるとは限らない。捨てられてしまう場合も多い。金は見せ金だ。ちらつかせて子どもたちの機嫌を買う以外にない/結局、子どもに嫌われる親だと簡単に見捨てられる。常日ごろから、子どもたちから可愛がってもらえる年寄りになるしかない。

「血縁(親子)関係が崩壊」しているのであれば、残された道は、桜井政成(立命館大学政策科学部教授 副部長・政策科学)氏の「NPO・ボランティアグループ、互助組織といった集団的な『生存戦略』を駆使し、『無縁社会』を乗り切る方策を考えるべきである」(ネット・「考える犬」~桜井研究室から)という提唱に真剣に耳を傾けるべきだ。

 宮台真司(社会学者・首都大学東京教授)氏が出演する人気ラジオ番組、「荒川強啓 デイ・キャッチ!」の「金曜ボイス」(2018年5月11日放送)で、宮台氏がまた興味深い発言をした。宮台氏の発言を私なりに整理したい。「日本における貧困救済対策の遅れは、国があえて貧困対策を無視し、救済する側(国)とされる側の間にあるはずの共同体を空洞化したままで、救済される側のセルフヘルプ(自助)に判断を委ねたことだ。自己責任化することで肝心の問題を放棄した」という趣旨の発言があった。共同体の存在価値は絶大なものなのである。


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日本でも孤独死は年間3万人に及ぶ問題となっていますが、対策が遅れています。オランダでの早期投資・防止対策に学ぶものがありそうです。「独居者が孤独を感じるか否かは、地域の意識改革と草の根運動が鍵を握るのは間違いない」という宮下氏の意見に賛成です。
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孤独問題が急増するオランダ、政府投資で進む地域運動 - 宮下洋一 (ジャーナリスト)
BLOGOS 2018.05.19
 オランダで、高齢者の「孤独問題」がクローズアップされている。人口1708万の同国で、75歳以上の男女約70万人が「孤独を感じている」という。

欧州連合(EU)統計局が昨年行った「孤独者指数」調査によると、EU加盟国の中で、イタリアとルクセンブルクが最も深刻な数値を表したが、特にオランダの急増率が注目された。保健・福祉・スポーツ省(以下、保健省)は、「助けを求められない」「話す相手がいない」という高齢者の孤独者数が、2030年には110万人に達する見込みと発表した。

年々増加する孤独問題の打開策として、政府は今年2月、2600万ユーロ(約33億8000万円)を投資した。その使い道は、主に3つ。①新聞やネットで「孤独問題」の広告を打ち出し、意識改革と草の根運動を広げる、②小中学生による高齢者の自宅訪問を推進し、お茶会、買い物、スポーツ観戦などを楽しむ、③専門家による孤独度チェックを公共の場や高齢者宅で行う、といった広範囲の活動が計画されている。

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我々も認知症受刑者の出所後の終の棲家としての施設での受け入れを行ったことがあります。その時の印象ですが、刑務所の福祉専門官の対応に大変驚きました。実に親切、丁寧に受刑者と施設側との間の調整をして頂き、無事に受け入れたことを思い出します。何ら問題はありませんでした。その時には福祉専門官の方々のご苦労が伺えましたが、昨今、更に認知症受刑者の出所後の施設探しが増えているようです。
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認知症受刑者 身寄りがなければ出所後の終の棲家探しも支援

(2018年05月18日 07時00分 NEWSポストセブン

“久しぶりに吸うシャバの空気は旨い”──出所する受刑者がそう描かれたのは昔のことのようだ。出所後の社会復帰は老若男女を問わない課題だが、高齢かつ介護などのケアが必要な場合はより深刻だ。

 その対応策として2009年度から導入されたのが、「特別調整」という制度だ。対象は、65歳以上の高齢者か、若年でも障害があるなどの事情があり、かつ出所後の帰住先や身元引き受け先がない受刑者。本人の同意の上で、釈放後の生活に向けた様々なサポートが受けられる。そこに“終の棲家”探しも含まれているのだ。

 東京・府中刑務所では、特別調整を担う「福祉専門官」を常勤2名、非常勤3名配置し対応している。同所の福祉専門官が語る。

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