無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

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生活費は下がり外出も増え子や孫が来るようになった!

☆メリット4 生活費をコストダウンできる
 郊外の広い一戸建てから都心のマンションに住み替えた場合、光熱費や庭の維持管理費、また移動手段の中心だった車関連の費用などをコストダウンできることは、
前回お話ししました。

 さらに、一戸建ての隠れた費用として、家の改修工事費用も定期的にかかってくることを忘れてはいけません。「マンションは修繕積立金の負担が……」という声もよく聞きますが、この点は一戸建ても同じです。むしろ、部位ごとに何年くらいのサイクルで修繕が必要になるかを把握しておく必要があるため大変です。どんなに高齢になっても自分で管理して、業者との交渉なども行う覚悟も必要です。

 また、広いマンションからコンパクトなマンションへ住み替えるケースでも、狭くなったぶん、冷暖房の効率などが良くなるため、多くの場合、月々の光熱費は減ります。さらに、「部屋がコンパクトになるとムダな家具や雑貨なども買わなくなった」「駅や商業施設に近くなると、まとめ買いをする必要もなくなって日々の買い物を吟味するようになった」という声も住み替えた人たちから聞こえてきます。

☆メリット5 リタイア後の楽しみが増える
 広い家にかかる手間やコストが減るぶん、好きなことに使える時間やお金にゆとりが生まれます。

 日常的に映画やお芝居を楽しんだり、気軽にお洒落なバーで飲んだりなど、郊外の暮らしとは趣の異なった、シティライフを満喫できます。電車等の交通の便がよくなったことで、アクティブな人にとっては行動エリアもぐんと広がるはずです。新著『都心の小さな家・マンションに住み替える』で紹介した住み替えを実践した人たちに共通していたのは、どこへ行くにも「近い」ということで、フットワークが軽くなり、外出も増え活動的になっていたことです。

 また、独立していった子どもや孫たちが都心で暮らしている場合、距離的にも、心理的にも立ち寄りやすくなります。利便性がよくなれば、子や孫、友人が家に来てくれる機会も増えるので老後の寂しさを感じずに済みます。

☆メリット6 シンプルライフが実現できる
 住まいをダウンサイジングすると、生活のダウンサイジングも同時に行われることになります。引っ越しの際に思い出の品々を整理することになることから、住み替えを「終活」の一部として捉える人もいます。

 住み替え後のシンプルな暮らしに、心の平穏や生活の質の向上を感じる人は少なくありません。特に夫婦の場合、これからの人生をどう過ごしていくのか、二人で話し合う時間が必然的に増えるため、老後のビジョンを描くよいきっかけとなります。

 ここまで読んでいただくと、都心の小さな家・マンションに住み替えることがいかにメリットが大きいかがご理解いただけたかと思います。新著『都心の小さな家・マンションに住み替える』では、このメリットをフルに享受するための住み替えを成功させるためのポイント、住み替えで狙い目のエリアなどを詳細に解説していますので、ぜひ参考にしてください。

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前回は住み替えのススメについてダイヤモンド社の記事を掲載しましたが、今回は引き続き同じテーマで住み替えのメリットについてご紹介致します。今後、老後の住み替えが盛んになるのではないでしょうか?

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ダイヤモンド社【第2回】 2017年7月5日

老後が安心になる「住み替え」 6つのメリットとは?

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前回は、「郊外の一戸建て」から「都心型のコンパクトなマンション」への住み替えを中心に、なぜ今、住み替えをする人が増えているのか。そして、郊外に住み続けた場合、予想される老後リスクについてお話ししました。しかし、郊外の一戸建てに住む人に限らず、広めの分譲マンションから、より狭い分譲マンションに買い替えるのもダウンサイジングです。また住み替え先は、賃貸マンションや高齢者向け住宅という選択肢もあります。今回は、さまざまな住み替えのかたちから、どんなメリットが期待できるのか。そして住み替えを成功させるポイントについて、話題の新著『都心の小さな家・マンションに住み替える』の著者が解説します。

今の家を手放すことで手にした 快適・便利・安心かつ高い資産性

 もっと便利な場所やもっとコンパクトな家への住み替えに興味はあっても、現在の住まいを手放すのには勇気がいるものです。にもかかわらず、実際に住み替える人が増えているのは、明らかなメリットがあるからです。あえて都心の小さな家を選び直す魅力とは何なのでしょうか。新著の『都心の小さな家・マンションに住み替える』で紹介していた中から、以下の6つを紹介いたしましょう。

☆メリット1 利便性のよい立地を選べる
 
前回お話ししたとおり、体力の衰えとともに移動や掃除などの負担が増し、郊外の広めの家に暮らすのは想像以上に負担が大きくなっていきます。間取りや設備はリフォームによって、ある程度改善できますが、「立地」だけは住み替え以外に解決方法はありません。

 老後の暮らしを念頭に、元気なうちに都心や郊外でも駅近などの便利な立地に住み替えておくことで、どこへ行くにも不自由せずに、セカンドライフを充実させることができるようになります。

    

☆メリット2 今の自分に合った間取り・設備で暮らせる
 間取りの変更はリフォーム工事の中でも高額です。しかも、壁や柱、水回りの制約などによって、希望どおりの間取りを実現できるとは限りません。階段がある家だと足腰が不自由になった際に大きな障害となりますが、どうしようもありません。ですが、住み替えなら限りなく希望に近い間取りを選び直すことができます。

 また、若いうちは防犯・防災、介護にそれほど気を遣う必要はなかったけれど、老後はセキュリティや耐震性などが充実した物件、要介護状態になっても安心して暮らしたいといった場合も、住み替えは有効な手段となります。

 ちなみに一戸建てでは、階段のような居住スペースとして使えない部分が全部で約10m²=6畳ほどあるといわれています。つまり、仮に現在、延床面積が100m²の一戸建てに住んでいて、不要になった子ども部屋(約6畳)が二部屋あるとすれば、マンションへの住み替えでは、70m²もあれば十分といえます。

都心へ住み替えないと子どもに財産を残せない!

☆メリット3 老後資金が作れ、資産価値の高い住まいが手に入る
 前回お話ししたとおり、空き家率は年々増加しています。特に郊外の空き家率は今後、急速に高まると予想されます。同様に一部の例外を除いて、郊外の地価の下落傾向には歯止めがかかりません。つまり、あなたの家が郊外にあるなら、将来、あなたの家の資産価値は下落する可能性が極めて高いということです。立地や家の状態によっては資産価値はゼロに、家の解体費用を勘案すればマイナスの価値となることも起こりえます。

 そこで、郊外の駅から離れた物件に住んでいるのであれば、売れるうちに売っておき、資産価値の目減りしにくい都心や駅近の物件を買い直すことで、老後のリスクを下げることができます。買い直す際に余計に費用がかかることも考えられますが、最も大切なのはいざというときに現金化できるかどうかです。買い手のつかないような物件では、資産価値はないに等しいからです。

 買い替えで売却代金が手元に残るようなら、そのまま老後資金や資産運用に回すことができます。もちろん、住み替え先を賃貸物件にする場合は、売却代金すべてを老後資金に充てられます。

 子どものために家を財産として遺してあげたいという人も多いと思いますが、譲り受けた子どもがその家を必要とするかどうかはわかりません。不要どころか売りたくても売れないような不動産を残された子どもは悲惨です。負の遺産として毎年、無駄に固定資産税を払い続けなければならない事態も想定されます。こうしたリスクも、資産性の高い都心や駅近への住み替えによって解決できます。

<次回に続く>

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<前回に続く>

車が不要の好立地へ住み替えで家計負担も大幅にカット!

 Aさんご夫婦の前居は1階がLDKと和室、2階に洋室と2つの寝室がある典型的な4LDKで、延べ床面積が約140²という広めの一戸建てでした。庭がお気に入りで、20年間暮らしましたが、駅や商業施設、病院などから遠いため、夫婦それぞれが車を所有するなど、維持費やガソリン代で月々かなりの金額におよんでいました。

 そこで、子どもが独立した後、車を手放すことを前提に、利便性の高い都内への住み替えを検討し始めました。車の維持費を考えれば、多少、住宅ローンの返済額が増えても、トータルでトクをするという考えからでした。

 1年ほど物件探しを続けた結果、希望どおり、都内で駅から徒歩10分圏内の新築マンションを購入することに決定。同時に進めていた前居の売却話も約2500万円でまとまり、住宅ローンの残債約300万円を差し引いた約2200万円を新居の頭金に。そして、購入代金の約4000万円に対し不足する1800万円は15年返済の住宅ローンを組みました。


DK/約140² 広い一戸建ては夫婦2人暮らしなので、2階にある独立した子ども部屋は物置状態。掃除のために階段を昇降するのにひと苦労だった
after 2
LDK/約70² 夫婦2人には標準的な広さのマンションで収納が充実。Aさんにとっては駅前という立地条件が購入の決め手になった

 新しい住まいは2LDK、約70²。都内の新築マンションとしては標準的な広さですが、140²あった前居からすると、半分の広さしかありません。しかし、階段のスペースがなくなったことと、住み替えに当たって不用品を処分したことにより、「数字的には狭くなりましたが、不自由さはまったく感じていません。駅近になったぶんフットワークがよくなり楽しみが増えました」と言います。

 これまでは車での移動がほとんどだったため、ご夫婦二人でお酒を飲みに行くようなことはほとんどなかったそうですが、そんな楽しみも加わり、新しい生活を満喫しているそうです。

 また昨今、高齢者の交通事故も話題になっていますが、そこには「危険を承知でも車がないと生活できず手放せない」という背景があります。車のいらないエリアへの住み替えは経済面だけではなく、そうしたリスク面でもメリットがあります。

 ここまでは、郊外の一戸建てから都心の分譲マンションに住み替えるパターンを中心にご紹介してきました。ほかにも、広めの分譲マンションから、より狭い分譲マンション、また賃貸マンションなどに住み替えるという選択肢もあります。

 次回は、それらを踏まえながら、住み替えのメリットや成功させるポイントについてお話しします。


都心の小さな家・マンションに住み替える コンパクトで快適、自由なこれからの暮らし
sumica
/豊田眞弓 監修
定価:本体1500円+税

都心の小さな家・マンションに住み替える

昭和の価値観で夢の「郊外庭付き一戸建て」を手にしたものの、駅や生活施設も遠く、今では使わない子ども部屋や庭をもてあます。今、こんな悩みを一挙に解決しようと都心の小さな家に住み替える人が続出しています。住み替えで便利・快適な住まいを手にした多数の事例や、失敗しない住み替えノウハウを徹底解説

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