無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

コロナウイルスは究極的な細菌兵器かもしれない。国防費という概念が崩れていく。目に見えない敵に抗うすべもなく、軍人の代わりに医療従事者が国を守る最前線に立つ。社会や国を支えていた概念がコロナウイルスによって覆させられる。特に、医療・看護・介護従事者の位置づけの再定義や報酬体系の見直しは不可避となるであろう。
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兵士に代わり「社会のヒーロー」になった医療従事者
(英フィナンシャル・タイムズ紙 2020年3月28・29日付)
JBpress2020.3.31
 英国では、医療への支出が1990年頃に防衛費を上回った。世界全体で見ても医療支出はうなぎ登りで、今日、先進国ではそのGDP比が平均で9%に達している。
調査会社イプソス・モリの調べによれば、昨年11月の英国で最も信頼されている職業のベスト3は看護師、医師、歯科医だった。政治家は最下位だ。パンデミックのせいで、医療従事者崇拝は急激な盛り上がりを見せている。
国家の主たる目的は、医療従事者に必要な資材を提供することになった。

 かつて爆撃機の製造を託された英国の工場が、今では人工呼吸器を作っている。国家の軍隊も、補助的な医療部隊として再編成されつつある。
経済協力開発機構(OECD)は、医療への支出は長期にわたって増加し続けると予想している。

 いずれは国が医療従事者の給料を引き上げたり、比較的貧しい国の医師を(遠隔診療も次第に導入しつつ)傭兵のように雇ったりするかもしれない。

 医療従事者を補助する仕事も増えていくだろう。

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新型コロナは社会システムを維持する為に介護と看護が重要な職業群であることを明らかにした。これらの労働者の処遇改善を行い、社会システムを支える重要な社会的資源としての位置づけを行わない限り、危機を乗り越えることはできない。ドイツ政府は看護・介護領域の構造改革の為に今年から「介護人材支援法」を施行している。日本も対策を急がねばならない、いつまでも現場の死に物狂いの努力に甘えるわけにはいかない。
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「介護や看病をする女性がいなければ私たちの社会は止まってしまうだろう」
The Hankyoreh japan (プレスリリース) 2020.3.30
 COVID-19により介護と看護に対する社会的価値が明確になった今、これらの労働者の処遇改善が行われなければならないというのがフラズルの主張だ。

COVID-19によりドイツも危機的状況に陥り、通常よりニュースがより頻繁に報じられているが、ドイツメディアは韓国に比べて看護・介護人材がいかに重要かを持続的に取り上げる方だ。一例として今月23日、ドイツ公営放送「ZDF」は、COVID-19の危機の中で社会システムが維持されるのに重要な職業群に関する資料を発表した。予想通り「医療・看護人材」「保育教師」「高齢者介護人材」「医療補助員(血液検査、患者文書管理、処方箋発行などの業務遂行)」「薬剤師補助員」など大部分が看護・介護領域で働く人たちだった。彼女たちがいなければフラズル記者の指摘通り、私たちはこの危機をどう乗り越えていくのだろうか。

この他にもドイツ政府は看護・介護領域の構造改革のために、今年から「介護人材支援法」(Pflegeberufegesetz)を施行中だ。新法案は過去に分離していた高齢者介護と医療・看護教育課程を統合し、勤労条件を改善する内容を骨子とする。法改正により約14万人に達する教育生は3年間の教育課程を履修し、授業料を政府から支援される。研修期間中に訓練手当ても受給することができる。職業教育を受ければドイツだけでなく欧州連合全体で資格を認められるのも特徴だ。この法案でどの程度、介護領域の労働者の処遇が改善するか分からないが、持続的に法案を改正して構造を変えていこうとする試みがいつにも増して重要に思われる。

最近、ベルリンでは市民が毎日夜9時、苦労している医療や看護の人たちのために拍手と共に「ありがとう!」(Danke schoen!)と叫ぶ感謝の挨拶を伝えている。このように市民が自ら防疫の主体として政府の勧告事項を守って医療従事者を支持している場合、政府と議会は市民の健康と安全のために医療従事者および介護者が適切な労働環境で働くことができるよう、法と政策を用意しなければならない。看護・介護領域の構造改革なしに「同一労働・同一賃金」も成すことはできない。COVID-19が投げかけたもう一つの課題だ。
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新型肺炎によって、医療も政治もその脆弱な基盤を露呈してしまった。公衆衛生や医療・介護従事者の高いモラルによって何とか持ちこたえられているが、社会保障費を削り、弱体化した社会システムを新型肺炎が直撃する。
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新型肺炎の本質は、医療システムを破壊する現代的感染症であること
BLOGOS2020.3.29
 新型肺炎のほかの疾患と全く異なる特徴は、①重症患者治療にECMOやら人工呼吸器やら感染防止やらで手間がかかり、②ほぼ3週間は時間がかかり、③医療者に感染の危険があり、④マスクやら何やらを果てしなく消費し、⑤それらが必ずセットでやってくるので、
結果恐ろしいまでに医療システムを疲弊させ、果ては破壊する、というもの。
いわば新型肺炎の攻撃対象は医療システムそのものなのだ。だからあの理知的なメルケル首相が「医療システム」の維持が最重要と国民向けのメッセージで強調したのだ。

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