無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
豊かな高齢者社会の構築に向けて、日々尽きることの無い気付き、出会いを綴って参ります。

自立型高齢者住宅の動きが出始めています。もっと多くの種類が望まれます。問題は厚生省の管轄下でのモデルは期待できないことです。介護事業を併設しない純粋な自立型高齢者住宅の開発が望まれます。我々もそのモデルにチャレンジしています。
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住宅・不動産、住まいやまちづくりノウハウ生かした自立型高齢者住宅に活路

宅産業新聞     2017年08月10日

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、2011年10月から今年6月末までの累計で約22万戸に達している。

供給主体は約8割が介護系と医療系で占められ、全体の約8割のサ高住には介護事業所などが併設されている。

専有面積は25平方メートル未満が7割以上というのが現状で、身の回りのことを自分自身で行える「自立」した高齢者には、サ高住は狭く、外出など介護が必要な入居者に配慮した制限もあり生活しにくかった。

一方、75~85歳の約8割は介護サービスを受けていない「自立」した高齢者であり、「自立型」のサ高住は不足している状態だ。

さらに、国による高齢者の自立生活支援により、可能な限り住み慣れた地域で生活する「地域包括ケア」の流れの中で、自治体を巻き込んだ再開発や地域活性化といったまちづくりの一環として自立型サ高住を整備する動きが活発化している。

サ高住供給主体のシェアが8・1%の不動産業者、0・3%のハウスメーカーは、住まいとしての居住性の高さやまちづくりを絡め、サ高住を含めた自立型の高齢者住宅に活路を見出している

<前回に続く>

人材不足解決のために他にできることとしては、フィリピンやインドネシアなどからの介護士をもっと積極的に受け入れることだ。日本は経済連携協定(EPA)によってアジア諸国から看護師や介護士を受け入れているが、期限内に国家試験に合格しなければならないなどの厳しい条件をつけているため、人数がなかなか増えない。

フィリピン人の介護士の優秀さは世界的にも証明されているが、カナダ人の社会保障の専門家はこう指摘する。
「カナダでは多くの優秀なフィリピン人介護士が働いています。でも、もし日本が基準を緩和するなどしてもっと多くのフィリピン人介護士を受け入れれば、彼らはわざわざ地球の反対側の“寒い国“にやってきて働く必要はない。彼らにとっても日本で働く方がずっと楽でしょうし、日本もそれによって大いに助かるはずです」。

最後に、日本が在宅介護を推進する上でデンマークから学べることは、医療と介護の分野の密接な連携体制ではないかと思う。

デンマークでは病気を抱えた高齢者の医療・介護ケアにおいて、病院の医師と介護職員の連携(コミュニケーション)が密に行なわれており、何かあればすぐに対応できるようになっている。

例えば、医療機関の電子カルテシステムがよく整っていて、介護の利用者が病気になった場合、どこの医療機関へ行ってもその人の病歴などの情報がすぐに取り出せるので診察がやりやすく、それが在宅介護の充実にもつながっているという。

日本でも2025年問題を控え、在宅医療・在宅介護の重要性は認識されており、厚労省は2012年に「在宅医療・介護推進チーム」を設置した。しかし、訪問診療や訪問介護サービスを提供する体制は不十分で、両者の連携も十分とれているとは言えないのが現状である。

<前回に続く>

人材不足問題をどう解決するか

デンマークでは24時間体制の在宅介護に力を入れている
職員が昼夜を問わず夜中や明け方でも訪問して、利用者の寝返り補助、トイレ・排泄介助などを行う。この支援体制を支えているのは豊富な人材である。

介護職員や医師の多くは公務員なので待遇も安定していて、低賃金などによる人材不足の問題はない。

日本の介護職の平均年収は全産業平均よりも100万円以上少ないというが、それはなぜか。介護支援情報サイト『KAIGOLAB』を運営している酒井穣氏によれば、

介護職員の安い待遇を生み出している主な原因は、介護サービスに対して行政が設定している安すぎる介護報酬単価と、経験豊富な介護職と新人の介護職が提供するサービスの利用料を原則同じにしていることにあるという。

酒井氏はそれを踏まえた上で、日本の介護職もデンマークのように公務員か準公務員にすべきだと提案する。
「日本には国家公務員(約58万人)と地方公務員(約274万人)合わせて332万人の公務員がいます。人工知能やITによる業務効率化を進めれば、332万人の中から2025年に不足する介護職37.7万人分の労働力を生み出すこともできるはずです。

また、約200万人いるとされる既存の介護職も公務員とすることで、待遇の改善が望めます。(中略)財源の問題でいきなり公務員にするのが困難であるならば、準公務員として、介護職の職能スキルに応じて段階的な追加給を税金から出すなど、やり方はいくらでもあるはずです」(『KAIGO LAB』、2017年3月7日)。

<次回に続く>

     

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