無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
豊かな高齢者社会の構築に向けて、日々尽きることの無い気付き、出会いを綴って参ります。

2025年 神奈川県では3万床が不足 北海道など地方部では病床過剰に
 2014年6月22日 (記事提供元:エコノミックニュース)

全国で見た時に医療では大きな地域差が広がっています。この流れをどう介護として受け入れるかを考えねばなりません。

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■団塊の世代が75歳以上の後期高齢者に突入する2025年、神奈川や東京、埼玉、千葉、愛知など首都圏ではあわせて10万床近い病床数が足りなくなる一方で、北海道や福岡、鹿児島、熊本、長崎など地方部では多くの病床が過剰となる試算結果が出た。2025年問題にむけて病床数の地域偏在を見直す取り組みが急務となる。病院情報局を運営するケアレビューがまとめたもの。

病床が不足する都道府県の2025年の不足病床数とその内訳は、1位が神奈川県
で31,400床(一般14,700床、療養16,700床)の不足。2位が東京都で23,800床(一般3,200床、療養20,600床)、3位埼玉県22,000床(一般10,800床、療養11,200床)、4位千葉県19,400床(一般7,800床、療養11,600床)、5位愛知県17,000床(一般6,000床、療養11,000床)、6位静岡県6,900床(一般3,900床、療養3,000床)、7位岐阜県5,300床(一般1,300床、療養4,000床)、8位茨城県4,300床(一般100床、療養4,200床)、9位新潟県4,200床(療養4,300床、※一般は100床余剰)、10位長野県4,100床(療養4,300床、※一般は200床余剰)。

■一方で病床が余剰となる都道府県は1位が北海道で
19,300床(一般17,500床、療養1,800床)の余剰、2位福岡県16,300床(一般14,600床、療養1,700床)、3位鹿児島県11,200床(一般7,700床、療養3,500床)、4位熊本県10,800床(一般8,000床、療養2,800床)、5位長崎県6,300床(一般4,900床、療養1,400床)、6位山口県6,200床(一般2,300床、療養3,900床)、7位大分県5,000床(一般6,500床、※療養は1,500床不足)、8位高知県 4,700床(一般3,300床、療養1,400床)、9位愛媛県4,600床(一般4,600床)、10位岡山県4,400床(一般6,500床、※療養は2,100床不足)。

■全国には101.3万床の一般病床(急性期医療)が既に存在するが、1日あたり入院患者数は、25年で92.5万人、40年で97.6万人と予測される。ケアレビューの考察によれば、全国の医療資源(医師や病床)を各地域の需要に合わせて再配置することができれば、マクロ的には現在の病床数でも受入可能な患者数であり、急性期医療は供給総量の増加よりも地域偏在の解消が重要なテーマと考えられるという。

■また全国の既存の療養病床(慢性期医療)は33.2万床だが、1日あたり入院患者数は、25年で45.8万人、2040年で55.8万人と増加し、慢性期医療は大幅な供給不足が見込まれる。これに対して病床数は厚生労働省の病床計画によって決められており、医学部の定員も決まっていることから大幅に病床数や医師数を増やすことは困難。対応するには介護サービスや在宅医療へのシフトをさらに推し進めていく必要がある。
(編集担当:横井楓)

外国人労働活用の前にまず事業モデルの見直しを

5月28日日経新聞 経済教室に「外国人労働 活用の論点㊥」で政策研究大学院大学名誉教授 松谷 明彦氏の報告が目に留まりました。報告の最後に、医療・介護現場の人手不足について下記のように述べておられます。一つの考えかと思います。
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■様々な事情もあろうが、仮に賃金水準が大幅に向上すれば事態は変わるのではないか。サービスに応じた適正な賃金水準が確保されていないために、労働力がその分野に向かわないのであって、基本的には公的保険であるための価格(賃金)の硬直性が人手不足の原因である。

その硬直性はそのままに、なんとかつじつまを合わせるための方策が外国人の活用なのだろう。しかし、途上国の賃金水準も急速に上昇しているのだから、所詮は一時しのぎである。

■介護保険の廃止や閉鎖的な医師・看護師制度の見直しをも視野に入れた、持続可能な医療・介護のための抜本的な制度改革こそが対応策でなければならない。

■外国人労働者の活用が、対処療法の手段であってはならないだろう。社会が払う代償に思いをいたすべきである。

<前回に続く>

■労働力が減ってきたにもかかわらず、現実には労働力不足は発生せず、逆に、雇用情勢の悪化を懸念する状態が続いてきた。これは、労働力の供給も減ったが、経済実態面で労働力の需要がもっと減ったからである。

■表面化しなかったが、潜在的な労働不足要因は常に底流にある。労働力の「天井」はどんどん低くなっていたわけだ。

■景気が好転して労働需要が拡大し始めると、日本経済はたちまち、労働力の「天井」にぶつかってしまった。

これが突然やってきたのが労働力不足の理由である。

■今後、生産年齢人口の減少が続くことは確実だ。ある程度、高齢者や女性の労働参加率を高めたとしても、労働力人口は趨勢(すうせい)として減りつづけることもまた確実である。

■政府は長期的な観点から、女性や高齢者の労働参加率が高まるような環境を整え、外国人労働力の選択的流入を促していく必要がある。

■また、企業は、労働環境を整備して人材を確保して行かないと、国内では生き残れなくなるだろう。

 2014年は日本経済が「大・労働力不足時代」に入った年として長く記憶されることになるだろう。

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