無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2010年06月

厚労省のまとめによると、2009年度に全国で生活保護を受けた世帯は 月平均で約127万世帯となり、過去最高を更新する見込みであることが 9日厚労省のまとめ(速報)でわかりました。 17年連続の増加で、人数でも月平均で約176万人に達する見込みの ようです。 厚労省が同日に公表した「福祉行政報告例」によれば、今年3月時点 の受給世帯(速報)は134万3944世帯で前月から約1万5千世帯 増加したことになります。 同省が月平均を算出したところ、09年度の月平均は約127万世帯で 前年度の約115万世帯を約12万世帯上回る見込みです。92年度の 約58万世帯を底に増加が続いています。正に倍増です。 保護率は戦後間もない時期には200万人を超えていたと言われますが その数に近づきつつあります。これはとんでもない数です。 同省は「戦後は1世帯当たりの人数が多かったが、高齢者の単身世帯 などの増加で世帯数と人数のいずれも増加が続いている」と説明を しておりますが、 高齢化→単身→貧困→生活保護 という連鎖が広がっており、確実にわが国において高齢化に伴う 格差社会が拡大しております。その対応を急ぐためにも、 高齢者が安心して住まうことのできる 更なるローコスト高専賃の開発、普及を 急がねばなりません。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

中小病院を主体に組織する全日本病院協会(西澤寛俊会長)が強く求めていた 「在宅療養支援病院」の要件緩和が2010年診療報酬改定によって実現、 200床未満の病院に広く門戸が開かれました。 診療所は2008年7月1日時点で1万1450件の届出がありますが、病院は要件が限定 されていたため、わずか7件にとどまっておりました。その届出により、中心的な点数 である在宅時医学総合管理料は4200点となり、届出のない医療機関より2倍近く高くなる ことから病院の届出が一挙に進むことになるでしょう。 在宅療養支援病院は前回の2008年改定で導入されたが、「当該病院を中心とした 半径4㎞以内に診療所が存在しない」という施設基準が設定されたため、届出は わずか7件にとどまっていました。 その施設基準は今回、「許可病床数が 200床未満の病院であること、または当該 病院を中心とした半径4km以内に診療所が存在しないものであること」と変更される。 200床未満の病院には「半径4km以内に診療所が存在しない」は適用されないことと なります。 ただ、24時間連絡に対応する担当者の配置、24時間往診可能な体制、24時間訪問看護 が提供可能な体制、緊急時の入院病床確保、などの要件はすべて備えることが求められ ます。 そうした体制をとることで得られる点数は、まず往診料の緊急加算650点、夜間加算1300点、 深夜加算2300点がある。届出なしに比べて緊急加算と夜間加算は2倍、深夜加算も1.8倍に なります。 在宅患者訪問診療料の加算である在宅ターミナルケア加算は10000点であり、 届出なしの点数の5倍という高さです。 さらに、在宅療養支援機関の中心的な点数といえる「在宅時医学総合管理料」(投薬などを含む)は、 処方せん発行で4200点であり、届出なしの2200点よりも2000点高く、処方せん発行なしでは 4500点と2500点で、やはり2000点の差があります。 また、在宅末期医療総合診療料は、届出施設のみが算定できる点数として設定されています。 処方せん交付で1495点、処方せんなしで1685点と、やはり高い評価となっており、ほかに、 在宅患者訪問看護・指導料の緊急訪問看護加算265点も届出施設のみの点数です。 診療所は、新設された2004年にほぼ1割の9434施設が届け出、その後は年に1000件 ずつ増加しています。 200床未満の病院数は6085にのぼるりますが、その1割と見ても一挙に600の病院が 加わることになります。 在宅医療に中小病院が本格的に参入することで、在宅医療がさらに進展することになると 予想されます。都内では、現状でも在宅医療は患者獲得の競争状態になっているとされるが、 競争の過熱化も考えられます。 これによって、医療法人の在宅診療の一層の拡大と高専賃事業の より一層の医療連携強化が図られることになるでしょう。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

先日山陰地方のある都市に参りました。そこで実はローコストの 大変なヒントを頂きました。 現在我々がすすめているのは、月額利用料が8万5000円の eL3ですが、究極のローコスト、月額6万5000円のeL3の可能性が 出てきたのです。 勿論、家賃、食事代、管理費込みの金額です。しかも、18㎡の個室です。 もしこれが実現できたとしたらどういうことになるでしょう。 恐らく、特別養護老人ホームの待機待ちの人達にとって大変な救済 になるのではないでしょうか。病院から出ていかねばならないが、 自宅にも帰れない高齢者を含めて、一体どれだけの高齢者が救われる ことになるでしょうか。 以前から私が今後のキーワードになる言葉を述べていたと思います。 それは、「マーケットイン」「スペックイン」「フリー」「ロングテール」という 言葉でした。 一つの業界が成熟社会の中では限りなく他業界との融合化が進んで参ります。 一つの業界が、単独では成り立たない時代が来たといった方が良いかも しれません。 医療と介護の融合、建築事業と介護事業の融合、介護事業と損害保険事業との融合、 建築事業とビル管理事業の融合、建築事業とエネルギー供給事業との融合、金融 事業と投資事業の融合、金融事業とIT事業の融合、今後はこれらの融合の中から、 スペックインの発想にたった、全く新しい業態が生まれてくるでしょう。そして、それらは 高い生産性と同時に必ずフリー(ローコスト)を目指すということになります。 実はその延長上に、我々が目指す高齢者の為の究極のローコスト高専賃 が生まれてくることが予感されるのです。 この考え方を検証するために7月には北を目指したいと思います。そこには 大いなる実験があるようです。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

ここ数日金融機関の方々との接触が多くなってきました。現在はどこの金融機関も 医療・介護分野に焦点を絞ってきているように思います。日本の経済全体がシュリンク するなかで、医療・介護のヘルスケア部門の伸びが突出をしてきています。 金融機関の方々も融資対象先が絞られるなかで、唯一成長分野であるこの分野に 対して、戦略を集中させつつあるという感じを受けます。 我々がこれまで取り組んできました、医療型高専賃、小規模ローコスト型高専賃等に おいて、建築、不動産、運営の体制は徐々にできつつありますが、これからの需要を 考えた時に、最後のハードルはファイナンスとなります。 地域の中核病院には30戸~50戸の中規模高専賃で3億~5億の融資が発生し、 診療所、クリニック規模では20戸未満の小規模高専賃で1億未満、これらの案件毎に ファイナンスをどのようにつけるかの金融機関向けのビジネスモデルを作り上げねば なりません。 ①経営状況の良い病院様にストレートに融資をつけるケース ②経営状況があまり良くない病院様には、近隣地主に融資をして建て貸しをするケース ③不動産活用をしたい方に高専賃建設の提案をして元気な医療法人に借りてもらうケース ④事業転換を図りたい企業には、新規事業として小規模ローコスト型高専賃を提案するケース   等々 いずれも、家賃保証と運営代行保証をつけることでリスクが下がってきているのと 医療型、ローコスト小規模型の運営実績が出始めていること(トラックレコードが 出始めていること)から今後、金融商品化が図られてくることが予測されます。 現に、この保証付きの高齢者住宅について、独自のローンを組みましょうかとの お声をかけて頂いている金融機関も出始めております。 医療連携、ローコスト化、W保証で高専賃事業のリスクが段々下がって参ります。 それにつれて、投資しやすい環境が出来つつあります。これからしばらくは金融機関 とのタイアップでセミナー三昧になりそうな予感がします。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

本日はある地方都市(人口30万人)近郊のお家にお伺いしました。中心街から 外れた田園都市という感じでしょうか。 奥様が介護関連のお仕事をされていることもあり、以前から御夫婦で研究をされておられ、 この度思いきったということです。日に日に学習をされて詳しくなられている様子で頼もしい 限りです。 正に自宅の庭先に小型エルスリー(マイクロeL3)を作りたいとのこと。15室+15名の デイサービスの企画に入ります。200坪弱の田舎の庭先に出現することになりそうです。 小規模であるがゆえに、御夫婦でも取り組めるものができれば理想です。 システムを標準化して、誰でもができるものする、それが究極のコンテンツとなるでしょう。 お二人の熱意に協力をしたいと思います。大字単位に保育所一つ、         大字単位にeL3が1つ そのような時代が来るといいなと思います。地域のコミュニティの場が出来ていく、それが 線でつながり、面でつながってくる、そんな時代を夢見て頑張りたいと思いでます。 小さな子供が地域の保育園、幼稚園で地域に人達に守られて育つ、それと同様に、 最後は地域の人たちに見守られて、地域で人生を全うする、そんな環境ができると いいですね。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

↑このページのトップヘ