無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2010年07月

(前回の続き) 両者の共通点は、自立系の運営の問題でしょう。驚くことに自立系 の方々は入居3年でほぼ半数の方々が介護を利用するようになっているという 事実です。 完全自立の方々は自分の家でできるだけ過ごすのが普通でしょう。早めに 高額シニアマンションに移ってくる方々もおられますので、一概には言えません が、何らかの生活支援が必要、介護が必要、でもまだ老人ホームまでには という方々のニーズが増えているように思います。それ故に、介護付の高専賃 との連携が極めて重要になってくると言えるでしょう。 それと、自立型から介護型への移動はスムーズにはいかないということです。 介護が必要になるから介護型へ移動をする人は少なく、あくまでも自分のお部屋 で最後までという方々が多いという事実。介護は介護、自立は自立なのですが、 重要なポイントはそれぞれをつなぐインターフェイスとしての医療・介護・生活支援 の体制は形態を変えて、不可欠です。専門的なスタッフで構成された介護と医療 のプロがしっかりとアシストしつつ、それぞれが、つかず離れず、しかし、連携が取れ ているというスタイルが望ましいのではないでしょうか。 これからは都市型で縦にこの機能が伸びていくのと、ローカル型で面的にその 機能が広がっていくのと、色々な形をたどることになるでしょう。高齢者のADL の変化、ライフスタイルやケアの変化に対応する、進化する高齢者住宅や メディカルケアタウンの建設がこれからのテーマになるでしょう。
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(前回の続き) 医療型高専賃が病院隣接が望ましいように、自立・介護の 複合施設もできるだけ近くに作るのがポイントでしょう。医療を中心にして介護、 介護を中心にして自立という同心円的にネットワークが掲載されていく。本来 神奈川ではこのネットワークを作るのが我々の目的でした。3年たってその構想が 徐々に実現してきているのではないでしょうか。 もう一つの高専賃は同じく神奈川の湘南台にあります。これは平塚のメディカル ケアタウンをもう少し、自立系の比率を大きくしたものです。 1階がグループホーム9室と小規模多機能居室4室という組み合わせで介護系 です。小規模多機能は今年に入ってから登録をしたようですが、まだこれか らでしょう。2階、3階が自立支援型28室、4階自立型13室となっています。 介護型13室、自立支援型28室、自立型13室となっています。これは介護系 13室に対して自立系41室の合計54室という構成です。1:3という比率に なります。 ここの面白いのは非常に多種多様な部屋構成がなされていることです。当然、 自立型ですので、部屋の規模は25㎡以上となっていますが、キッチンのついて いるものとつかないもの、お風呂のついているものとつかないもの。 コミュニケーションドアがあって、夫婦で住めるものといった具合に、 多様な種類の部屋で構成されています。 この高専賃も軌道に乗っております。外部とも交流があり開かれた高齢者 住宅になっています。
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(前回の続き) 立地条件並びに規模に応じては、このように縦に伸びて いく複合型が考えられますが、これを面的に展開するモデルを早く作り たいものです。 即ち、介護型高専賃2階建て16戸+デイサービス併設のeL3(エルスリー) 1棟(センター)に自立型高専賃が3棟組み合わさった形になるでしょうか。 食堂を介護型に設け、セントラルキッチン化して、更に、ヘルパーステーション を設ける。各自立型にはこのセンターからの配食並びにサテライトヘルパー ステーションの設置により、連携を取っていく。その為にはお互いの顔が 見える範囲での集積が望ましいでしょう。 現在、介護型は平均介護度が2.5を設定し、人員体制も厚く配置をしています。 その結果、売り上げ高に占める人件費比率は50を%を切る程度になって いますが、自立型はこれが20~30%で人の配置ができるようになるでしょう。 生活支援サービス+若干の介護保険+住居・食事コストで自立型を賄える 体制は十分に作れるのではないでしょうか。自立支援型住宅群の登場です。 あくまで介護と一体型の範疇で事業展開を進めていくのがポイントでしょう。
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(前回の続き) 介護があるから自立が売れる、ということは既に我々は 実証済みです。やはり高齢者の皆様は住み慣れた場所が良いのです。 住み慣れた町で、その町の臭いをかいで、最後を迎えたいのです。 入居スピードは最初は自立型の方が早いです。何故なら、自分で意思 決定ができますので、早くなりますが、介護型はどうしても御家族との 御相談や病院とのご相談があって、入居スピードは遅くなります。 自立→虚弱→介護へとスピードは鈍って参ります。この平塚の高専賃 も認知症フロアーが一番時間がかかったように思います。只、医療と 介護の体制が整っているので、自立から埋まっていくというシナリオは 今後も続いていくでしょう。 介護の体制がしっかりしていることが前提での自立複合型ということに なれば、小規模の介護だけではどうしても安心感が薄れます。 高齢者は安心を買うといっても過言ではないでしょう。とすれば、一定 規模の介護型の並立はどうしても必要となってきます。少なくとも、 2フロアー体制は必要ではないでしょうか。 この平塚の高専賃は2階、3階が介護型ですので、これはオッケイでしょう。 問題は自立型の規模です。恐らく、この高専賃では介護型が26戸で 自立型が18戸ですので、本来的には自立型が50戸程度でも十分では なかったかなと思います。介護1に対して自立2~3というモデルが描けて 来るのではないかと思います。
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以前我々がご支援をした神奈川のユーミーケアの高専賃を お客様をお連れして訪問をしました。一つは医療モール併設 の介護型高専賃と自立型高専賃の複合施設。もう一つは グループホームと小規模多機能併設の高専賃です。数回に わたって、紹介をしたいと思います。 最初の平塚の高専賃は我々が最初に手掛けた医療モール 併設の自立と介護の複合高専賃で、開設をして既に3年を 経過しています。高専賃は介護型26戸と自立型18戸で、 特に介護型は認知症対応フロアーと介護対応フロアーに 分けた、本格的な自立~介護~重度までの一貫したケアが できる高専賃です。 医療モールの設置には大変苦労をしましたが、医療と介護 がついた高専賃ということで、比較的短期間に入居が行われ た成功モデルです。高専賃でありながらターミナルまでみる ということで大変注目を浴びた施設でもあります。 久し振りに訪問してみて、自立の方々が連れ添ってお出かけ する光景をみて、すっかりとコミュニティが形成されているのを 感じました。施設長の話によれば自立からの介護フロアーへの 移動はほとんどないとのこと。これは大きな特徴でしょう。 自立の方はできるだけ今のお部屋で最後までという気持ちが 強く、半数以上の方が訪問介護を使っているとのことです。 我々が予測していた通り、自立から介護への移動というより それぞれにおいての集客と並立がポイントです。
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