無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
豊かな高齢者社会の構築に向けて、日々尽きることの無い気付き、出会いを綴って参ります。

2010年09月

最近、日経新聞に見出しの記事が載っておりました。ご覧になられた方も 多いのではないかと思いますが、この論評を今こそ実感しております。 新しい金融システムを作らねば、新産業を育てる米が出てきません。 現在、(仮称)高齢者住宅リース株式会社の設立に向けてパートナーと 共に動いておりますが、賛同できる同志を集めねばなりません。 意図するところは下記の通りですので、記事をご紹介をしておきたいと 思います。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 『新銀行東京の経営不振・業務縮小に続き、日本振興銀行が破綻と認定 され法的整理を開始した。金融危機後に新規参入した新銀行はビジネス モデルの違いで明暗を分ける格好になった。 中小企業金融をうたった両行の失敗に対し、成功組はATMでの決済サービス に特化したセブン銀行やインターネット銀行など、伝統的な預貸業務以外の 金融サービスを中心に据えている。 しかし、だからといって伝統的な銀行業は時代遅れで不要と決めつけるのは 早計だ。日本経済の成熟で銀行全体は供給過剰でも。中小企業向けの金融 が行き渡っているとは言えないから新規参入があったはず。需要はあるのに 市場が縮小し、新規参入組が苦杯をなめたのはなぜなのか。 高利で資金を集めた点はにているが、新銀行東京は都営銀行に民間銀行の 経営尺度を当てはめようとした無理があり、民間銀行の振興銀はもうかる ビジネスモデルを作ろうとして無理を重ねた。 問題は、銀行が融資要請に応えるのは専ら利益を得るためで、貸し倒れリスク に見合う金利や自己資本を要求されるのは当然なのかどうかである。 金融機関が自己利益の追求に傾きすぎれば、堕落をするのは古今東西を問わない。 金融には単なるもうけ仕事ではない相互扶助の伝統もある。 資金の融通(融資)では、協同組合の発想から生まれた信用金庫や信用組合が あり、無尽の発展型が第二地銀の前身である相互銀行であった。 これらに政府系を加えた、利益追求をしない金融機関が、地域や生活に密着 した中小零細企業を支えてきた。それらを時代遅れと否定し、メガバンクとひと くくりにして、一見合理的なミドルリスク・ミドルリターンのビジネスモデルを 机上では描けても、理屈どおりにいかないのが現実である。 時代はいくら変わっても、中小零細企業向けの融資が不要になることはない。 新しい金融技術を活用したビジネスモデルの開発とともに、新しい時代に ふさわしい相互扶助の金融にリニューアルを考えるべき時なのではないか。 易きに流れるのではない、高い倫理性を備えた、社会が必要とする金融 機能の提供者を育てる知恵と工夫が求められている。』(日経新聞9月22日)

省エネなどを目的とする住宅のリフォームが増えているようです。 日本のリフォーム市場は2008年で6兆円~7兆円程度と言われています。 政府は新成長戦略で同市場を20年までに倍増する目標を盛り込んでいます。 日本の住宅市場は新築物件に偏っているのが特徴で、人口1000人当りの 住宅着工戸数をみると、07年で日本は8.3戸と米国(4.4戸)や英国 (3.4戸)などを上回っている。 一方、人口当たりの住宅投資額では日本は米国の6割、英国の7割の水準に とどまっています。改築や改修に投じるお金が少ないことが全体の投資額に 影響しているようです。 日本の住宅の総戸数(約5760万戸)は総世帯数をすでに15%上回ってい ます。量的には充足しているだけに、質の向上が今後の課題と言われてい ます。リフォーム投資が増えて、その履歴情報が整えば、中古住宅の売買も しやすくなります。 国土交通省が9月21日に発表した基準地価をみると、東京や名古屋などの 住宅地では地価が下げ止まってきたといわれます。中古住宅の取引が増えて きたことも底入れの一因となっていると分析していますが、果たしてそれだけ でしょうか? ここにも高齢化の影響が出始めているのではないでしょうか?単純に量は 充足しているので、今後は質の向上が求められるから構造変化が起きてい るというのは少し誤っていると思われます。もっと大規模な構造変化が起き ているのです。人口変化に連動をし始めていると思われるのです。 高齢者の持ち家比率は高く、この持ち家が今後高齢化が進んだ時にどうなる のか。高齢者が持ち家から離れ、持ち家をリフォームして若い世代に貸すと なれば、どれだけのリフォーム案件が増えてくるのでしょうか。 こういう観点での住宅事業における構造変化を指摘する人がまだ少ないように 思います。 立命館大学の大垣教授が2009年3月11月に次のような見解を出しております。 「マイホームを賃貸収益にできると知った65歳以上の持ち家層の30%が 新たに高齢者向け施設・住宅を利用するようになれば、そこの25兆円の 市場が生まれる」 どれだけの成長戦略が描けるのか、マイナスの要因をプラスの要因に変える。 国家ビジョンが不足しています。

本日の日経新聞に、表題の論評が日米財界人会議・米側議長である ジョンールック・ブテル氏より出されていました。 日本市場での事業環境を高めるためにどのような改革を求めますかという 問いに対してのものです。 「まず政治の安定だ。それなしに改革はできない。具体的には金融改革、 規制改革、健康・医療改革、移民政策が課題」と言いきっています。 又、次のようにも言っています。「この20年間、日本経済はほとんど成長 していない。これだけの経済大国は成長なしには維持できない。」 「長期の課題は先進国で最も早く高齢化が進んでいることだが、それに 則した戦略が見えない。(財政支出で)高齢者を助けるだけではなく、 総合的な解決策がいる。人口動態の変化にどんな市場が生まれ、 誰がその需要を満たすのか、日本が失ったものは新しいものを生み出す 力だ。」 そして、「医療分野の課題は何か」という問いに対して、「国の規模を考え ると、日本は病院が最も多い国の一つであり、それぞれが分断されている のでコストが高い。病院を閉鎖するのが政治的に難しいの理解するが、 政府はなぜ医療が高コスト構造なのかを考えて欲しい」と述べています。 「高齢化が加速度し、高い品質を求める日本市場の成長力は大きい のに新規参入がない。理由は簡単だ。規制、高コスト構造、市場の 分断に政府は対応すべきだ」 と結論付けています。 これらの見解は、これまで私が何度も述べてきた内容であり、今、日本に おいて問題となっていることを政府が明確にしきらずに、アメリカ側の議長が 明確に述べている点が本当に残念です。もっと日本の政府や財界人がこの ことを問題視し、強烈な危機感を持たねばなりません。 前回のヘルスケア企業が医療を救うという内容も、この点が欠けているの です。

今日の病院数の減少の理由がどこにあるのかの深堀をせねばなりません。 経営悪化で病院数の減少・・・経営悪化の原因については何も触れておりません。 民間参入だけで解決する問題でしょうか? 日本の医療体制そのものに言及すべきではないのでしょうか?当然、同族経営 や建物・設備の高コスト構造や経営ノウハウの問題はあるでしょうが、 少子高齢化が進む日本の人口動態の変化に対して、医療改革が遅れいてるのが 最大の問題ではないでしょうか。環境変化に適応できていない現在の制度に 問題があると思わざるを得ないのです。 そしてそれは医療だけでは解決はしません。医療と介護が両方相まっての取り組 みが必要なのです。医療保険の約4割を70歳以上が使っている今日、この両者の 連携を抜きには何も進まないのではないでしょうか。医療と本格的に連携が取れないと このままでは介護も同じ運命をたどってしまうことになるのではないかと案じています。 如何に一体的な取り組みをするかが課題となっているのです。国はもっとこの分野に しっかりとメスを入れねばなりません。人口動態を見たうえで、医療が医療単体で完結 できなくなっている部分が生じ始めていることをしっかりと見極めねばなりません。 少なくとも介護は民間企業の参入が認められているだけに、まずはここからでも 我々は改革をしてゆかねばなりません。そして、介護から医療の改革を促進すること も考えねばなりません。

日経新聞の9月23日付紙面に、表題の文字が躍る。高齢者は増加の一途 をたどっているにもかかわらず、病院数は減少という記事が掲載されています。 企業が医療を救うというのがテーマなのですが、いまいち論点が定まりません。 以下紙面のポイント記載しておきたいと思います。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 長寿世界一を支える日本の病院が、経営悪化で病院数の減少が止まらない。 20年前に1万を超えていた日本の病院は、現在8700.経営難で閉鎖する 病院が後を絶たない。 一方で65歳以上が人口の約23%を占め、医療・介護サービスの需要は増え 続けています。日本の人口一人当たりの病院数は先進国でトップのようですが 、このペースで病院が減れば今のレベルの医療サービスは提供できなくなる と言われています。 難局打開の1つのカギは規制緩和で企業の力を呼び込むことであると述べて います。医療より先に企業が参入したのは介護ですが、期待したほどの環境 整備は進んでいないという見方をしています。新規参入組の中で、今でも 投資を続けているのはベネッセホールディングスやワタミなど数社にとどまると も伝えています。  ・・・何故という論点が欠けています。 国は治療費抑制の為に治療後の介護が目的の療養病床を12年度以降廃止 する方針であり、介護療養病床の利用者は全国に7万7000人、 これらの患者が民間の介護サービスを使うようになれば、病院はより治療に 専念できることになり、医療と介護の両面からの改善が図られるのです。  ・・・民間サービスを振興する施策については触れておりません。 しかし、日帰りの介護施設に占める民間の割合はまだ40%程度と言われ、 介護施設全体では25万人分が不足しているという試算もあると言われてい ます。知名度の低いベンチャーなどは、「事業継続に必要な人数が集まらない」 と嘆き、25年には現状の2倍の約250万人の介護従事者が必要とされるが 人材確保のめどはたたないと説明しています。  ・・・医療、介護の改革には民間サービスの振興が必要と言いながら、     民間の、特に、地域の零細、中小の介護事業者をどう育てるかという     指摘が何もありません。 それでも最後には介護ビジネスには将来性があると説く。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 何を言いたいのか、良くわかりません。民間企業参入をどう医療改革と連動させるか という観点が何もありません。次回は医療改革についてのコメントを少し述べたいと 思います。<次回に続く>

↑このページのトップヘ