無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2011年01月

高齢者が住み慣れた自宅で暮らし続けるための民間の家事代行サービスが広がってきています。
介護保険外にも、自治体やボランティア団体が独自に実施するもの、企業が提供するものなど在宅高齢者を支えるサービスは多岐にわたります。その実態をみてみたいと思います。

高齢者向けの家事代行サービスを手がけている主な企業は次の通り。

ダスキン    定期利用時の料金 2時間6300円~ エリア 全国
ニチイ学館      同        2時間7350円~  同  全国
ベアーズ       同       2時間6930円~  同  関東、関西
やさしい手      同       1時間3150円~  同  関東、関西  

サービス内容は似ていますが、ベアーズ(東京・中央)以外の3社は身体介護にも一部対応しているようです。警備大手のセコムや綜合警備保障もニチイ学館と提携して、この分野に参入してきています。

各社とも利用形態は「週1回」「月2回」など定期利用が主ですが、スポット利用も可能です。料金は地域によってばらつきがあるが、1時間3000円強が一般的です。

自宅まで食事を届けてくれる配食サービスも参入企業が増えている分野です。企業や団体によっては、かむ力の弱い人向けにご飯をおかゆに替え、おかずを刻んだ状態で持ってきてくれる。1食当たりの料金は500円~800円程度が一般的です。今後は介護保険サービス+介護保険外サービスの様々な組み合わせのサービスメニューが出てきそうです。新しビジネスモデルが次々に出てくることを期待しています。
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本日の日経に注目の24時間訪問介護サービスの記事が載っていました。

 厚生労働省は2012年度に導入する24時間訪問介護サービスの概要を固めたようです。市町村がサービス事業者を指定し、利用者は原則その市町村の住民に限定する。地域に合ったサービスを提供し、単身者などの在宅生活を支援するのが狙いとしています。

全ての要介護者を対象とする。24時間訪問介護サービスは自宅暮らしの人を1日に複数回、定期訪問したうえで、利用者が必要とする時に訪問することになります。同サービスの仕組みを検討している有識者会議が近くまとめる最終報告書に盛り込むことになっています。

介護保険制度では住民に身近なサービスの事業者は市町村、それ以外の事業者は都道府県が指定権限を持つ。24時間訪問介護サービスは地域に密着したサービスと位置づけ、都道府県ではなく市町村が指定権限を持つこととしています。

利用者は当初は要介護3以上の高齢者を対象にする方向でしたが、要介護1.2の人も1日複数回のサービスが必要と判断されたようです。問題は、そのプランの作り方とそれに伴う報酬体系ですね。
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高齢者住宅の供給割合を3-5%に-住生活基本計画案
医療介護CBニュース 1月27日(木)21時19分配信

国土交通省は下記の内容でパブリックコメントの募集を開始しています。是非、多くの方々の意見を取り入れてもらいたいと思います。下記の内容にありますように一律的に単身者で25㎡の最低居住面積基準と定めるのはやめてもらいたいと思います。高齢者の住まいはその用途に応じて大変細分化してきています。当然、入居者の所得階層も多様化してきていることを参酌するともっと「多様な住まいのあり方」を研究すべきだと思います。介護と名前がつくと厚労省となり、その境目で多くの高齢者が救われない現状を高齢者の立場で見極めてもらいたいと思います。
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 国土交通省は1月27日、2011年度から10年間の住宅政策の基本方針を示した「住生活基本計画(全国計画)の変更案」について、パブリックコメントの募集を開始した。計画案では、高齢者や障害者らが安心して暮らせる環境の整備を目指し、高齢者人口に占める高齢者向けの住まいの割合を20年度に3-5%(05年度は0.9%)に引き上げることなどを掲げている。

 また、医療機関や介護サービス事業所などの生活支援施設を併設する100戸以上の公的賃貸住宅団地の割合について、20年度に25%(09年度は16%)と設定。こうした数値目標の達成に向けた国の施策としては、サービス付きの高齢者向け住宅の供給促進や、高齢者が持ち家を担保に資金の融資を受ける「リバースモーゲージ」の普及促進、民間事業者との協働による生活支援施設の設置促進などを挙げている。

 計画案ではさらに、高齢者や障害者といった「住宅確保要配慮者」の適切な住宅の確保を目標に掲げた。単身者で25平方メートルの「最低居住面積水準」に満たない住宅を早急に解消するほか、高齢者が住む住宅のうち、一定のバリアフリー化を実現する割合を20年度に75%(08年度は37%)に、高度なバリアフリー化を実現する割合を25%(同9.5%)へとそれぞれ引き上げるとした。具体的な施策としては、公的賃貸住宅の供給促進や民間賃貸住宅への円滑な入居に向けた支援の推進などを挙げている。

 住生活基本計画は06年9月に策定され、現行の計画では06-15年度の基本方針を定めている。国交省は新たな計画案に対するパブリックコメントを2月16日まで募集した上で、次回の社会資本整備審議会住宅宅地分科会での審議を踏まえ、各省との協議に入る。計画は年度内に閣議決定される予定だ。

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本日の日経に見出しの記事がのっていました。昨日もWBSで介護ベンチャーの紹介が行われていましたが、成長を続けるヘルスケア部門における新しいビジネスが次々と登場してきているようです。

今回の日経の記事にのっているのは、介護サービスの現場をIT(情報技術)を使い支援する仕組みが相次いで開発されるというものです

『米マイクロソフトは2011年からスマートフォンを使い、必要なサービスを提供できたかの確認のほか、被介護者や家族からの要望、サービス提供時の細やかな注意点などを担当者間で効率的に引き継げるようにする。介護職員への業務指示やスケジュール管理機能も盛り込む。』

『セコムは今春をメドに病院のシステムに接続できるシステムを開発。顧客の同意を得た上で、介護職員が現場でカルテの一部などを閲覧できるようにする。病歴の把握により、視覚障害の有無や眠気を誘う副作用のある薬を服用しているかなど、転倒などのトラブルにつながる情報を共有できる。
又、介護の記録をネット経由で家族に知らせる機能も盛り込み、サービスへの安心感も高める。まずグループの介護施設とセコムの提携病院に導入する。12年度にもシステムをグループ外に販売するという。』

今後、これらのITを使った業務の効率化を図る動きが活発化してくる背景には、従来にも増して、12年の介護保険制度改革では24時間対応の定額訪問介護サービスの導入が検討されていることも影響していると述べています。
導入されると業務量が増え、1人の顧客を担当する人数が増えることを見越してのことです。


『国内の介護市場の規模は約8兆円で成長が続くが、介護職員の確保が進んでいない。コストが上がり、普及が進む携帯情報端末などを生かした労働負荷の抑制手法の開発への需要は強まるとみている。』

これからは間違いなく介護の現場にITの分野が入ってきます。労働集約型の介護から知識集約型の介護への転換を図るには、IT技術の活用は不可欠であります。医療よりも介護の現場におけるITの普及の方がはるかに速いスピードで進むものとみられます。
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本日はeL3バージョン2.0用の食事システムについてある会社様に試食会を開催して頂きました。 前回の食事提供会社様の試食会はエヌ・ビー・ラボ本社にて行いましたが、今回の試食会は新しい 食事提供会社様の厨房にて直接行って頂きました。 行ってみて驚いたのは、約20名ほどのメンバーが揃っておられたことです。 eL3という小規模ローコスト・ロープライス高齢者住宅を提供するのに、安価でかつ高品質、そして 現場スタッフでも調理ができる(食事提供ができる)システムは不可欠となります。それと 併せて、衛生管理や厨房機器・食器類の調達、そしてその資金手当てと、総合的なシステムが必要 となりますので、実はこれだけのメンバーがそろっていたのです。 そのメンバーとは業界を代表する、給食事業者、厨房機器・食器等の提供会社、衛生管理会社、 ファイナンス会社、そしてこのシステムをコーディネイトする商社といった層々たる方々でした。 我々は、ローコストに抑える為に、16戸の高齢者住宅+10人デイサービスという究極の商品を つくりあげました。そして,その為には総延べ床面積を600㎡に抑えました。これは建築コストを 抑えるためでもあります。従って、いかに色々な機能をつけて、コンパクトにまとめるかに苦心 をして参りました。1㎡でも延床を削りたい、そんな思いで建築の方々とも研究をして参りました。 今回の食事システムも、この流れにそって、いかに品質の高い食事をいかに効率的に供給するか を検討して参りました。その結果、厨房の広さも当然重要な要素になって参りました。厨房の広さ を極力抑え、最少の人員で調理がで(提供ができ)、最小限の厨房機器で満足のいく食事を安心・ 安全に提供できるかが課題でありました。そんな夢みたいなことに挑戦をしてきたのです。 今回の食事システムの試食会や各社のプレゼンは、我々のこのような夢の実現に関係者の皆様が 協力しようということで集まって頂きました。大変感謝であります。私どものような会社に対して、皆様が 「エヌ・ビー・ラボ様への提案」ということでプレゼンを頂き、皆様と一緒に様々な食材について原形を見て、 そして触って、調理するところをみて、試食をするということを行って参りました。 驚くのはその品質の高さです。今回もクックチルド方式での検討ではありますが、この数年間の進歩 の跡がうかがえるものでありました。前回の試食会も驚きましたが、今回は更に驚きの連続でした。 これは、高齢者住宅に提供するだけではなく、自宅で暮らす大勢の高齢者にとっても福音になるので はないかと思いました。高齢者用の食事の研究開発が急速に進歩しております。 食事は高齢者にとって数少ない楽しみの一つでもあります。いかに美味しいかというだけではなく、 見栄え、食感も重要となります。自宅で自分たちで作っている、それ以上にプロが作った食事を自宅 で自由に選択して食べることができるそんな究極の食事の提供を皆さんが目指しています。今後もさら に進化することでしょう。eL3の食事システムも本日の試食会を通して一通り終わりましたので、これ から最終的な詰めをして参りたいと思います。関係者の皆様、本当にありがとうございました。
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