無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
豊かな高齢者社会の構築に向けて、日々尽きることの無い気付き、出会いを綴って参ります。

2011年02月

本日の日経新聞に下記の記事が載っていました。

「中小企業向け金融の「公的依存度」が高まっている。中小企業向け貸出金に占める政府系金融機関や政府保証付きの割合は約24%と全体の4分の1に迫っており、1割強の米国を大幅に上回る。2008年秋のリーマン・ショックを受けた政府の資金繰り支援で、公的依存度が定着し、金融危機が一巡した後も貸出残高は高水準にある。融資先を開拓せずに余剰資金を国債運用に回すなど、民間金融機関の機能低下も深刻になっている。」

全国の中小企業向け貸出金は2010年9月末で約252兆円らしく、このうち政府系が約26兆円、信用保証協会付きが約35兆円で、合計約61兆円。全体の24%が公的部門に頼った融資のようです。実態はもっと比率が高いのではないかという専門家の方々もおられます。

民間企業の資金需要がないのではありません。もっと積極的に投資をしたくても上記の理由で融資がおりていない案件が多々あります。そうは言っても、ないものねだりで嘆いていてもしかたありません。いかにすれば民間銀行の融資がおりやすい仕組みができるかを考えねばなりません。

我々が一般社団法人医療・介護施設支援機構と組んで何らかの保証補完をしようとしているのも、その流れではあります。又、行政の持っている遊休資産を活用し、高齢者住宅にする場合は行政が信用補完をするとか、医療法人が賃貸で高齢者住宅事業を行う場合は、地主への融資の保証を行うなど、誰かが、何らかの形で信用補完をするしかないのではないでしょうか。

昔と異なり、今は、大きなリスクを冒すだけの企業力、金融力が低下しています。政府の保証に頼るだけではなく、民間が相互に、或いは地方自治体が補完をするなど知恵を出し合わねばなりません。勿論、金融機関の方々もしっかりと業界の知識を身に着けて頂き、目利きをして融資力を高めて頂きたいと思います。

一部、地方銀行様の中には、高齢者住宅の開発に先立ち、融資と同時に担当職員を出向させ、そのノウハウを習得させようとしていたり、ヘルパー資格と取らせたり、或いはケアマネージャー経験者を銀行が採用して、この部門の融資力強化を行っているところも出てき始めております。何よりも成長事業分野です。大きなビジネスチャンスであるだけに、お互いに積極的にかかわって事業を伸ばしていきたいと思います。

増加率ほぼゼロ、高齢化重く 現役世代の負担増す 2011/2/26付日経新聞

標記の記事が載っていました。人口の減少と高齢化の進展で着実に日本の国力が低下してきております。 要点を抜粋しました。

「人口の伸び悩みが日本経済の重荷になっている。2010年の国勢調査の速報値によると、人口増減率は年率0.05%増とほぼゼロ。38道府県で人口が減少した。働く人が減れば、経済成長率は低迷し、高齢者の年金・医療を担う現役世代の負担も増す。地域によっては行政サービスの低下を招く恐れがある」とあります。

昨年10月1日時点の日本の人口は1億2805万6千人。05年に比べ28万8千人増えたが、増減率は過去最低となりました。

特に東北・北陸の減少率が大きいようです。前回の国勢調査05年と比較して一番の減少は秋田県の▼5.2%、二番目が青森の▼4.4%、三番目が高知の▼4%、4番目が岩手、山形の▼3.9%となっています。

市町村では奈良県の野迫川村が▼29.7%とほぼ5年間で人口が30%程度減少したところもあります。

地域の経済に深刻なダメージを与えているとが想像されます。人口の減少率が大きい自治体はそろって高齢者の割合が多いとも書かれています。

05年に比べ人口が2割近く減少した奈良県川上村は、65歳以上の割合が50%。全国で最も人口が減った北九州市では同24.8%で、政令都市の中では高齢者の割合が最も高いと言われます。

一方では、世帯規模が縮小する小家族化も進んでいます。世帯数は全国で5195万2000世帯(4.8%増)と過去最高を記録しましたが、一世帯当たりの平均人数は最低の2.46人(0.12人減)となり、初めて2.5人を割り込んだようです。未婚化や長寿化で独身世帯や高齢者の単身世帯が増えているとみられています。この内容の見出しには、「介護など安全網が損なわれる」とつけられています。

国立社会保障・人口問題研究所が08年に公表した推計では05年に29.5%だった単身世帯の割合は15年に32.7%、30年に37.4%になる見込み。

単身世帯の増加は「家族」の機能が低下することにもつながり、支える同居家族がいないと、公的な介護サービスや医療に頼らざるを得ない人が増える。失業時などに家計を支える同居家族がいないと、貧困に陥るリスクも高まる。同居家族が担ってきた「安全網」が縮小することで、介護など国や自治体が担う公的サービスの支出が増える可能性があります。

日本では地方の経済が確実に弱体化し、介護などの安全網が毀損しつつある。これが実態でしょうか。

日本に住む外国人数の増加を考えれば、日本人の人口は更に減少している可能性が高い。厚生労働省の人口動態統計によると、07年から一貫して日本人の出生数は死亡数を下回る「自然減」の状態が続いています。

日本の人口増加率は、主要先進国の間でドイツとともにゼロ近辺。世界をみても人口がマイナスに陥っている国はロシアやポーランド、ハンガリーなど社会主義体制が崩壊し、混乱した一部の国にとどまると言われます。

人口減は労働力人口の減少を招き、日本経済の潜在成長率の低下につながる。総務省の労働力調査によると、労働力人口は08年以降はマイナスが続く。1980年代には4%半ばだった潜在成長率は足元では0~1%に低迷。「環太平洋経済連携協定(TPP)への参加や規制緩和などで生産性を高めなければ経済は活性化しない」とBNPパリバ証券の河野龍太郎氏は話しておられます。

人口の底割れを防ぐには高度な技能を持つ外国人や看護師・介護士らの受け入れも一つの方策となる。人口減社会を見据え、移民政策の是非を検討する必要があると述べられています。

本日は福岡で全国経営者支援連絡協議会主催のセミナーがありました。私からは2012年の医療保険と介護保険のダブル改定に伴う、医療法人の経営戦略についてお話をさせて頂きました。病院から在宅へ、医療と介護の連携といった次の世代の医療経営について提案をさせて頂きましたが、セミナー終了後の懇談会で、訪問歯科のお世話をしている方から、福岡の訪問歯科の取り組みについて聞く機会がありました。

想像以上に訪問歯科の取り組みが進んでいることに驚きました。5~6台の車を走らせ、30名からのスタッフをつかって高齢者施設等を中心に展開している訪問歯科医がいるなど、活発な展開をしているようです。彼の口から、「これからは歯科医院を開業するにも、病院を建てて新規に事業を始めるのはリスクが大きすぎる。まずは訪問歯科から初めて、資金ができてから、開業することの方がよっぽどリスクが少ない。そして、全く医院を開業しない(一応医院は最小限の投資で形ばかりの開設はするようですが)訪問歯科医院も出てきている」という話が出てきました。様子が変わってきています。

少なくとも福岡市内には10人前後の先生がそのような展開をしているらしく、徐々にエリアを広げているようです。内科医の先生が在宅療養支援診療所登録をして訪問診療をすることで、大体一人の患者当たり、月間5万円~6万円の医療報酬を算定するのに対して、訪問歯科診療所では一人当たり月間4万円~5万円は算定できているようです。歯科の月間の診療報酬が300万円といわれる中で、訪問歯科による診療報酬がもし1人4.5万円が取れるとして、小規模ローコスト型高齢者住宅eL3(16戸)が2棟あれば、32人×4.5万円で144万円となり、外来報酬の約半分をカバー出来ることになります。

これから在宅志向が強まるにつれて、口腔ケアの重要性が増してきます。できれば経管栄養等はしたくない、直接自分の口から食べ物を摂取したい、その強い思いが高齢者にはあります。
誤嚥等の問題もありますが、きちんとした口腔ケアを行うことで、できるだけ在宅での生活を維持することが望ましいと考えます。それ故に、訪問歯科診療所の位置づけが高齢者住宅において重要性が増してきております。

コンビニの1.5倍といわれる歯科の競争はますます厳しくなって参ります。訪問歯科にその活路を見だそうとするドクターも多くなってくるでしょう。いよいよ、eL3の医療のバックアップ体制において、在療診による24時間の訪問ドクターとの連携に加え、訪問歯科や訪問調剤のセットアップが重要になって参ります。今後大いに訪問ドクターとの連携を強化して参りたいと思います。

人生の最後に、人は何を思うのだろうか。患者の苦痛を和らげる緩和医療医として1000人以上を看取った経験から「死ぬときに後悔すること25」を書いた大津秀一氏に聞いた』という記事が載っていました。是非一度、この本を読んでみたいと思います。死ぬときに後悔することが抜粋されていますので、参考までにご紹介します。

・健康を大切にしなかったこと
・自分のやりたいことをやらなかったこと
・故郷に帰らなかったこと
・仕事ばかりで趣味に時間を割かなかったこと
・会いたい人にあっておかなかったこと
・結婚をしなかったこと
・自分の生きた証を残さなかったこと
・愛する人に「ありがとう」と伝えなかったこと

どれも身に迫る内容ですね。最後にこうも言っています。

「人生、不幸ばかりだった」と言って亡くなる高齢者がいる一方で、10代、20代でも、とても安らかな顔で「先生、幸せでした。ありがとう」と言って逝かれる方がいます。人間の底知れない強さを感じます」

どれだけ長く生きたかはどうでもいいことで、人生の質や意味に関係ない」・・・精神分析学者フランクルの言葉

先日、ある会計事務所にて今後の会計事務所の戦略展開についてお話を伺う機会がありました。会計事務所も御多分にもれず過当競争の時代に入っております。
その中で、今後の戦略として、今回の我々の戦略商品である小規模ローコスト型高齢者住宅エルスリー(eL3)に大変関心をもって頂きました。

テーマは「ヘルスケア部門のクライアントをいかに獲得するか」ということでしょうか。どのような業界にしろ、成長分野にシフトするのは当然です。医療と介護の分野で新たな顧客を獲得するのは今後の会計事務所において重要な戦略といえます。

会計事務所の強みは、税務・会計業務を通して様々な業種とつながりをもっていることです。高度経済成長の時代には建築・不動産関係に強い会計事務所は大いに成長したかもしれません。しかし、今やこの業界に重きを置けば、産業構造の変化で大きな成長は期待できないでしょう。会計業務そのものがシュリンクしてくるのは避けて通れないと考えられます。そのように位置する業界、クライアントによって会計事務所の成長も左右されることになるでしょう。

生き残りをかけて顧客構造の変化を先取りして成長分野のクライアントの獲得をしてゆかねばなりません。会計事務所には多様な業種のクライアントがいます。そこで、例えば次のようなことが考えられるでしょう。

①建築業界のクライアントには、エルスリー(eL3)の開発を打診する
②不動産業界のクライアントには、アパート経営に代わる土地活用の手
   法について地主紹介を打診する
③医療機関のクライアントには、増患増収の事業提案としてエルスリー(e
   L3)の提案をする
④デイサービスや訪問介護事業者には、新たな戦略展開商品としてエル
   スリー(eL3)を提案する
⑤金融機関に対して新たな融資先としてクレジット力の高い医療機関や
   地主の紹介を行う
⑥エルスリー(eL3)に対して、内科、整形外科、歯科、調剤薬局等訪問
   系の医療関係者の紹介を行う

そうすることによって、
医療法人に対して、増患増収の為の提案を不動産+建築+融資をセッ 
 トでできる
・同じく医療法人に対して、増患増収の為の一環として訪問資料先として 
 高齢者住宅を紹介できる
・介護事業者に対して、不動産+建築+融資+医療をセットで提案でき
 る
・金融機関に対して、医療法人や不動産等、良質の融資先を紹介できる
 


会計事務所には税務会計を通じて、有力な顧客を選別できる強みをもっておられます。


この強みを生かして、商品力の高い商材エルスリー(eL3)を各業界にパッケージで提案することができれば大いに新たなクライアントの獲得につなげていくことができるでしょう。

先生が言われた、「会計事務所は団子をつなぐ串」といわれたのが大変印象的でした。
各業界を貫く串とという強力な武器をもっておられます。是非、今後先生方とご一緒させて頂きたいと思います。

↑このページのトップヘ