無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
豊かな高齢者社会の構築に向けて、日々尽きることの無い気付き、出会いを綴って参ります。

2011年03月

震災に伴う対応への介護報酬、算定は柔軟に-厚労省から指針が出されました。震災の状況にて臨機応変な対応が求められます。
医療介護CBニュース 3月23日(水)23時2分配信
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 厚生労働省は3月22日、東北地方太平洋沖地震と長野県北部の地震に伴う対応への介護報酬の取り扱いについて、柔軟な算定が可能だとする疑義解釈を都道府県の介護保険担当主管部局あてに事務連絡した。

 疑義解釈では、減額措置を適用せずに介護報酬を請求できる事例として、▽震災に伴って介護保険施設やグループホーム、デイサービス事業所などの利用者が定員超過する▽被災地への職員派遣や計画停電の影響により、一時的に人員基準を満たせない▽被災地の居宅介護支援事業所が作成するケアプランのサービス提供者が、一時的に特定の事業者に集中する―などを挙げている。
 また加算については、特定事業所加算とサービス提供体制強化加算の要件で求められる有資格者職員や重度要介護者の割合を計算する際は、震災などの影響で増えた介護職員や利用者の人数を除外して算出できる。

 震災や福島第1原子力発電所の事故の影響で、利用者が医療機関に一時避難した場合は、避難前の介護サービスについて、避難元の施設などが介護報酬を請求する。また、介護保険施設などに関しては、避難先で定員超過するなどして入所・利用した場合に、避難先が介護報酬を請求する。ただ、一時避難の場合で、従来の介護サービスを継続して提供できている場合は、避難元が請求する。
 また、震災で介護保険施設が全壊するなどして、避難所や仮設の建物で介護サービスが提供された場合は、避難前のサービスを継続して提供していると判断できれば、介護報酬が給付される。

 このほか、震災で壊れたり、なくなったりした特定福祉用具と特定介護予防福祉用具は、同じものを再び購入すれば、購入費用に対して保険給付が可能としている。
 さらに、市区町村をまたがって避難し、地域密着型サービスを利用する際は、受け入れ元と受け入れ先の市区町村がよく連携・確認を行った上で、申請手続きを事後に行うなどの柔軟な取り扱いも可能。被災によって自治体の機能が復旧していない場合も、「事後申請などの柔軟な対応が求められる」(厚労省の担当者)としている。

最近の情報をまとめてみると今日本でとんでもないことがおきていることが想定されます。東日本大震災、福島原発の放射能汚染、30キロ圏内の避難、アメリカの日本は原発事故の情報開示をしていないという情報、チェルノブイリで5年間にわたって放射能と闘ってきた長野県松本市の菅谷市長の昨日の会見、道州制の提案、行政単位を超えた避難者の受け入れ、・・・それらを総合すると今、日本で起きている大きな問題が浮かんで参ります。大地震をきっかけに原発事故が誘発され、放射能汚染が広がり、従来の行政単位では収拾がつけられず、すべての対策が後手に回り、東日本を中心に放射能汚染が広がっているという国家としての大きな危機が頭から離れません。

人口減少に加え、高齢化が進み、地域の生活環境や産業構造、自治組織の新たな枠組みが必要な時代に、大地震により根底から既存の制度や組織が破壊され、一気に日本が抱える体質の脆弱さが露呈してしまったといえるのではないかと思うのです。特に自治体を超えた放射能汚染の問題と避難者の受け入れが、既存の国家と地方自治体の仕組みでは解決しえない状況が今日おきているのではないかという不安が広がっています。

新たな枠組みを誰が、どのような方法で作り上げるのか、国家レベルでのプロジェクトを早急に立ち上げるしかありません。「天災で国家が消滅した事例はない、施政者が政策を誤って消滅した事例はあるが」ということわざが現実のものとならないように行動を起こさねばなりません。

本日もあるビルダー様を訪問させて頂きました。今回の東日本大地震の影響で、高齢者住宅開発が大幅に遅れそううです。

東日本では、高齢者住宅よりもまずは、震災復興のための家屋の建築や商業施設、病院等の建設が最優先となってきております。本日の新聞でも病院や上水道に国の補助8割という記事が出ていましたが、当面、高齢者住宅は後回しになるでしょう。更に、建築資材等が復興に回されるために全国の建設資材が品薄となっており、既に西の方でも、着工済みの高齢者住宅も資材調達が難しく工期が読めないという状況が表れつつあります。

高齢化の進展とそれに伴う高齢者の住まい整備が急がれるという状況下での震災、これは影響が大きすぎます。少なくとも計画だけは具体的に進めつつ、資材調達が可能になり次第再開するというスケジュールで進めることが必要です。

本日の打ち合わせでも、どうせ開発申請が必要であるので、そこまではやっておきましょう、と作業は進めておこうということになりました。できるだけ着工前の準備の段階に早期に着手し、いつでも取り掛かれるようにだけはしておきたいものです。

グーグルの被災者名簿共有サービスにある思いが浮かんで参ります。今回の震災で31万人もの避難者がおられ、その名簿データの共有化が問題となっておりました。どこの避難所にも伝言板に生存者名簿が設けられ、それに親族の名前がないかを食い入るように見つめる被災者の方々の姿が連日報道されていました。未だに被災者の全体像がつかめないという状況が続いていました。

ところがここにきて、各避難所に張り出されている名簿を写メでとってグーグルに送り、その名簿のデータ化を進めていると知らされました。数百人のボランティアがグーグルの「被災者名簿共有サービス」でWebを通じたボランティアを募集、という呼びかけに応募して、その写メのデータを入力しているといわれています。9000枚からの名簿を写メで送り、それをボランティアがデータ化しているのです。

震災に伴う救済や復興においてもっても重要なものはまずは生存者名簿のデータ化であろうと思います。本来は行政が最優先で整備しなければならないものであろうと思います。その重要な作業を行政ではなく、多くの被災地の方々やグーグル、そして多くのボランティアがやっているということに衝撃を覚えております。安否確認というもっともベーシックな作業を、多くの市井のボランティアの力でなし得ているのです。これを国の予算で行った場合にはどれだけのコストがかかったでしょうか。

Webによってロングテールという概念が定着し、ネット通販という新しい流通システムが生み出されたように、ここにきてWeb時代における行政のシステム自体が抜本的に変わってくるのではないかということを予感させられます。

確かに現地では役場が流され、破壊され、行政機能がマヒしているとはいえ、国家が存続している以上、国の機関によって代替されねばならない重要な機能が、ボランティアやWebが代替しているという事実があります。日本が誇る官僚システムは一体どうなってしまったのでしょうか。

少し大げさかもしれませんが、国の在り方、行政の在り方がこれから根本的に変わってくるのではないかと感じるのです。行政の役割は一体何なのか、行政しかできない機能は一体何なのかが問われ始めるのではないでしょうか。今の国のシステムでは日本が抱える課題解決を成しえないのではないか、と思えるのです。それは政党の問題ではありません。国の在り方そのものが新しいシステムを要求しているのではないかと思われるのです。

堺屋太一氏が昨日の日経新聞で、「幕末の日本人は、薩英戦争や四国艦隊の下関砲撃での敗北で封建武士文化の頽廃(たいはい)を悟った。太平洋戦争のみじめな敗戦で軍官僚(軍部)の愚劣さを悟った。国民の危機感こそ、改革の飛躍を呼ぶ。今がその時だ」と述べています。その通りだと思うのです。

本日の新聞に未曽有の災害で死者・不明2万人超、31万人避難生活と出ています。大変な被災者の状況です。31万人の避難者の方々の中に恐らくは、20%の高齢者としても約6万人の高齢者がおられることが予測されます。その中で介護を必要としている高齢者の数は推定でも1万人はおられるのではないでしょうか。この方々の介護が大変気になります。

3万戸の仮設住宅を早急に造れという国の指示がでているようですが、併せて仮設高齢者住宅の建設も是非検討する必要があるのではないでしょうか。少なくとも5000人規模の高齢者の受け皿を作る必要があると思うのです。

昔アメリカの開拓時代に開拓者がまず街を作るのに、最初に教会をつくり、次に学校をつくったという話があります。今回の大震災で直接被害にあった街はおおむね壊滅常態です。我々は今回の大震災をただ単なる震災と捉えるべきではないように思うのです。一から街づくりを行うとして、まずは、保育園・幼稚園、学校と併せて高齢者住宅の建設が急務ではないでしょうか。幼き者、年老いた者をまず守ることから街づくりを始めることが必要と考えます。

この震災を通して新たな震災対応、高齢者対応のモデル的な街づくりを行ってはどうかと思うのです。これからの高齢化社会に対応する、災害に強い街づくりを模索する絶好の機会ではないでしょうか。多くの亡くなった犠牲者の尊い命を無駄にしないためにも、この復興をこれからの日本再生のモデルにすべきではないでしょうか。

今回のような災害非常時対策には、救助ー救済ー復旧ー復興ー新興の5段階があるそうです。震災が起きて既に10日、救助から救済、そして復旧の段階に入って参ります。今なら、新たな地域再生を行える時であろうと思います。

今の優れた建築技術をもってすれば、一気に1ヶ月~2ヶ月で高齢者住宅を建設するは可能です。このような時こそ、特別措置で確認申請等において一定の基準を満たしているもの(標準化して量産できるモデル)については早期に許可をおろし、仮設高齢者住宅⇒高齢者住宅として建設すべきではないでしょうか。特区対応でもよいかと思います。急がれます。

真っ先に我々の標準化された小規模高齢者住宅を提案したいと思います。地域には保育園があり、小学校があり、中学校があるように、これからの未来都市は、保育園、小学校と同様に小学校区に高齢者住宅が設置され、そして大震災にも耐えられる避難所がセットになった安心して住める街づくりをしてゆかねばならないと思うのですが、いかがでしょうか。

我々の小学校区対応型ともいえる、小規模ローコスト型高齢者住宅el3(エルスリー)が300棟あれば5000人の高齢者が救えるのです。そして、約3000人の新たな雇用が創出できるのです。

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