無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
豊かな高齢者社会の構築に向けて、日々尽きることの無い気付き、出会いを綴って参ります。

2011年04月

昨日の「シニアリビングセミナー2011Spring」にて国土交通省住宅局住宅総合整備課の伊藤課長の話を続けます。
今回は、サービス付高齢者向け住宅の税制による支援措置(案)の概要について触れておきます。果たしてこの基準に当てはまるものがどれだけあるかでしょう。
折角税制の優遇があるにもかかわらず、規模の大きな住宅のみということになりはしないでしょうか?対象者は自立向けの1戸当たりの規模の大きなものに限るということになりはしませんか? 

①所得税・法人税
  5年間割増償却 40%(耐用年数35年未満28%)
  床面積要件:25㎡/戸(専用部分のみ)
  戸数要件:10戸以上

②固定資産税
  5年間 税額を2/3軽減
  床面積要件:30㎡/戸(共用部分含む) 戸数要件:5戸以上
  補助受給要件:国又は地方公共団体からサービス付高齢者向け住宅に対する建設費補助を受けていること

③不動産取得税
  家屋 課税標準から1200万円控除/戸
  土地 家屋の床面積の2倍にあたる土地面積相当分の価額等を軽減
  床面積要件:30㎡/戸(共用部分含む) 戸数要件:5戸以上
  補助受給要件:国又は地方公共団体からサービス付高齢者向け住宅に対する建設費補助を受けていること

本日は東京で日経ヘルスケア主催の「シニアリビングセミナー2011Spuring 」が開催されました。テーマは「高齢者住まい法の改正と高専賃の行方」と題して時節柄大変関心の高い内容でした。出席者は200名を超えていたでしょうか。大変大勢の参加で驚きました。私も「高専賃の実践事例」というテーマでお話をさせて頂きましたが、皆様のお目当ては、基調講演の国土交通省住宅局住宅総合整備課長の伊藤氏の「高齢者住宅施策」についてでした。伊藤課長はこれまでサービス付付高齢者住宅を中心になって推進してきた方で、本日は伊藤課長のお話を聞くのが皆さんの狙いでした。

4月20日に衆議院を通過して、これから参議院に送られるとのこと

誠にタイムリーな講演となりました。
漸く待ちに待った構想が現実のものになってきたというところでしょうか。課長の口からは直接的には出なかったかもしれませんが、連休明けにも成立し,ゴーということになりそうです。本日はタムラプランニング&オペレーティングの田村社長からも現在の高齢者住宅の整備状況等のお話が最後にありましたが、田村氏からの話では、夏場にも説明会が開かれ、申請が始まるのではないかとのことでした。

これまで閣議決定等で内容についてある程度知らされておりましたが、今年度3万戸の予算はそのまま通りそうです。下半期から一気に全国で3万戸というとんでもない整備数ということになりそうです。これまで介護保険が始まって以来、介護付き有料老人ホームでも最大年間約23000戸、最盛期のグループホームでも約27000戸という数字からして、1年間で、しかも半年でサービス付高齢者住宅を3万戸というのは大変な数字であることがわかります。

本日の伊藤課長のお話では、国は決して面積基準や付帯するサービス等については当初心配をしていたようなガチガチではないようで少し安心しましたが、、これが末端にまで下りて行ったときに徐々に規制だらけということだけは避けたいものです。面積基準や登録内容については各県単位の高齢者居住安定確保計画で詳細を定めるようですが、何とか融通性のあるものにして頂きたいと思います。とりあえず、速報まで。詳細はこの後、暫時ご報告いたします。

昨日北関東で高齢者住宅開発営業研修を行って参りました。震災の影響で出席を心配しておりましたが、多数のご参加を頂き、皆様の関心の高さが伺えました。
アパート経営が厳しくなってきており、それに代わるものとして地域ビルダーにとって我々の小規模ローコスト型高齢者住宅(eL3)は大変魅力のある提案商品といえるのではないでしょうか。研修で説明しました内容を一部ご紹介しておきます。

高齢者住宅の開発営業には6つのステップがあります。第1ステップは案件発掘、第2ステップはプランの提示、第3のステップは阻害要因の除去、第4ステップは基本合意、第5ステップはファイナンス、第6ステップは賃貸借契約・請負契約の締結となります。

ポイントは営業の初動における案件の見極めと見込み案件となってからの阻害要因(契約の障害となる要因)の除去活動にあります。

速やかに開発を進めるためには、初期段階のニーズの把握と、案件の立地判断が大事です。まずは立地場所がわかればすぐに判断できますので、ここは時間を要しません。
問題は初期段階のオーナーのニーズの把握です。今回はサブリース(借り上げ)方式にて事業を行う場合について説明をします。

サブリースの場合は、ある程度遊休地活用について計画があるオーナー様の発掘が極めて重要となります。一から不動産活用を提案するのでは時間を要します。
従って、まずはニーズが顕在化しているオーナー様の発掘がスピード開発の最大のポイントといえます。その上で、我々の小規模ローコスト型高齢者住宅eL3の場合については次の6点がポイントとなります。

①高齢者住宅の建設に同意を頂けるかどうか
②投資利回りは10%を上限とするが可能か、(但し、土地代は含まない)
③投資金額は1億円未満であるが、融資は大丈夫か
④キーマン、ライトマン(意思決定賢者)、影のキーマン(奥様、ご子息、税理士等)といった関係者の合意はとれるか
⑤開発予定時期は明確になっているか
⑥高齢者住宅の運営者が特定できており、オーナーの了解が得られるかどうか


これらが全てクリアーできて初めて、追客(営業対象の顧客)に移行できるのです。ここまでくれば早急に我々もオーナー様にお会いして、話を具体化して参ります。
次回は、制約の為の阻害要因の除去作業について説明をします。

被災地の仮設住宅建設で「認知症に配慮を」- 認知症の人と家族の会が要望

多様化する高齢者のニーズに対して対応することは難しいのでしょうか。下記の記事にも書いているように、阪神大震災や新潟県中越地震の時にも対応できていなかったといわれますが、被災した認知症の高齢者の方々の行き場所がありません。医療も介護も刻々と状況が変わってきます。少なくとも高齢者を受け入れる複合的な仮設住宅又は本住宅が必要なのに、そういう視点をもってプランを作る人がいません。このままでは又これまでの震災の二の舞になるでしょう。是非、下記の声に耳を傾けて頂きたいと思います。
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公益社団法人「認知症の人と家族の会」(髙見国生代表理事)は4月13日、東日本大震災の被災地に建設する仮設住宅の壁を色分けしたり、棟番号を大きく表示したりして、認知症の人にも利用しやすくする工夫などを求めた「東日本大震災及び福島原子力発電所事故の発生に関わる緊急要望書」を細川律夫厚生労働相にあてて提出した。

 髙見代表理事は、「阪神大震災や新潟県中越地震で行われなかったことを教訓にしたい」と話しており、要望書には認知症の人に配慮した仮設住宅の建設を求める内容が盛り込まれている。 

さらに、仮設住宅群の一角に認知症の人や高齢者、家族などが憩える場所を設けることも必要だとしている。 また要望書では、厚労省が震災発生後に介護保険制度の弾力的運用を認めたことなどを評価する一方で、避難所に行かずに自宅で過ごしている認知症の人とその家族に対しても弾力的に制度を運用するよう求めている。

 さらに同会は、避難した認知症の人とその家族への支援を全国の支部組織で行うとして、避難者に同会を紹介するよう要望している。髙見代表理事はこれについて、「他県に避難するなどした認知症の人と家族は、非常に不安だろう。(全国に支部を持ち、家族介護者支援などに取り組む)わたしたちだからこそできること」と話している。

安心できる介護保険制度の構築や町づくりを このほか、「認知症の人も家族も安心して暮らせるための要望書」も併せて提出し、▽介護保険制度▽若年性認知症▽家族介護者への支援▽医療制度▽町づくり・環境整備―の分野について、計45項目の要望を行った。 

この中で、要介護認定と支給限度額の在り方について抜本的に検討する会議が必要と主張。さらに、創設が予定されている24時間対応の「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」で提供される短時間巡回型の訪問だけでは認知症に十分対応できないとして、従来の滞在型の強化もすべきとしている。( 2011年04月13日 20:47 キャリアブレイン )

震災死者の92%水死、津波被害60歳以上6割…警察庁まとめ

震災でダメージを受けたのはやはり高齢者でした。下記の記事が出ていましたので掲載しておきます。震災発生時が平日の午後であったために家族と離れて在宅だった高齢者が逃げ遅れたのではないかと説明をしています。日中独居の高齢者やもともと独居の高齢者にとって決定的なダメージとなったのではないかと思われます。東京都は2020年の段階で高齢者世帯の過半数が独居老人世帯となります。もし地震が襲ってきたときのことを考えるとゾッとします。震災に耐える街づくり、高齢者対応を考えねばなりません。
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東日本大震災で被害の大きかった岩手、宮城、福島3県で、震災から1か月間に検視などが行われた死者1万3135人のうち、水死が92・5%に上ったことが警察庁が19日発表したまとめでわかった。

 約8割が住宅倒壊などによる窒息死・圧死だった阪神大震災と異なり、ほとんどの犠牲者が津波で命を落とした状況が明白になった。検視が行われ、身元が判明した犠牲者の65%は60歳以上が占め、多くの高齢者が逃げ遅れたことも改めて浮かんだ。

 同庁によると、今月11日までに検視を終えたのは女性7036体、男性5971体で、損傷などで性別がわからない遺体も128体あった。9割超の1万2143人が水死で、8068体が確認された宮城県の水死割合が95・7%と、岩手県(87・3%)、福島県(87・0%)を上回った。圧死や全身骨折を含む損傷死など(計578人)の多くも、津波で倒壊した家屋の下敷きになったり、流される間にがれきに衝突したとみられ、水から顔を出し助けを待つうちに凍死した人もいた。焼死は148人で、宮城県気仙沼市など激しい火災が起きた地域で多かった。

 年齢別では60歳以上が7241人で、身元と年齢が判明した人に占める割合でみると65・2%だった。

警察庁は、震災発生が平日午後で家族と離れて在宅だった高齢者が逃げ遅れ、他の世代は会社や学校などで集団避難し助かったケースが多いとみている。 

6434人が亡くなった1995年1月の阪神大震災は就寝中の人が多い午前6時前に発生、遺体の多くは自宅近くなどで見つかり、10日前後で5000人以上の身元が特定された。東日本大震災では現在も約2000体が身元不明で、DNA鑑定などによる確認が進められている。

 岩手県陸前高田市で検視にあたった千葉大の岩瀬博太郎教授(法医学)の話「津波は沿岸でも時速数十キロ程度あり、一度のまれると泳ぎがうまくても生き延びることが難しい。想定を超える津波による死者が多かったのがこの震災の特徴と言える」

(2011年4月20日 読売新聞)

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