無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2011年05月

低価格帯の介護付有料老人ホームを展開-ベネッセHD
<医療介護CBニュース 5月20日(金)22時42分配信>

先日にメッセージに続いてベネッセの今後の方針が示されましたので掲載しておきます。低価格帯の介護付き有料老人ホームの展開を行います。
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 ベネッセホールディングス(HD)は5月20日、今年3月期通期の連結決算を発表した。介護付有料老人ホームなどを展開する「シニア・介護事業領域」は、売上高588億9700万円(前期比32.0%増)、営業利益40億7800万円(35.5%増)だった。有料老人ホーム「ボンセジュール」の子会社化と、施設の新規開設に伴う入居者の増加が主な要因。福島保社長は同日の説明会で、今年6月から低価格帯の介護付有料老人ホームの展開を開始する方針を示した。

 同社が新たに開設するのは介護付有料老人ホーム「ここち」シリーズ。月額利用料は15万円程度、入居一時金は100万―300万円程度で利用できる。今年度中に首都圏を中心に4施設を設置するという。新シリーズの導入と並行して、既存シリーズの新規開設にも引き続き力を入れる方針で、「今年度中に21か所のホームを新設し、(施設数を)224ホームまで拡大したい」(福島社長)としている。

 新規開設に伴う入居者数の増加から、来年3月期通期の「シニア・介護事業領域」の業績予想は、売上高673億円、営業利益52億円と、いずれも前期を上回る見通し。

■グループ全体でも過去最高の売り上げ・利益

 また、グループ全体の今年3月期通期の連結売上高は4128億2800万円(1.5%増)、営業利益は428億6700万円(13.1%増)で、いずれも過去最高を記録した。堅調に推移した「シニア・介護事業領域」の業績が、グループ全体を押し上げた。
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どこに行ってもサービス付高齢者向け住宅(サ高住)の話ばかり。整備事業の説明会も全国で粛々と行われ、事業が推進されていく模様。しかし、運営段階に大きなリスクが横たわっているように思います。確かに整備事業において補助金が出ることは開発に追い風ではありますが、どちらかというと建設会社と賃貸するオーナー(地主)にとって有利であっても、肝心な運営者にとっては果たしてどうでしょうか。

サ高住は従来の高専賃の延長上にあります。2005年から始まった高専賃事業がなかなか軌道に乗らなかった原因はその運営にあることを多くの方はもう一度知るべきではないでしょうか。サ高住は介護付き有料老人ホームやグループホームの定額制の介護保険が下りる施設と異なり、介護サービスは訪問介護事業所を併設することで、或いは外部の訪問介護事業所と提携することで提供するというビジネスモデルですから、収益確保が難しいという弱点があります。皆さんが介護保険を使うとは限らないからです。

多くの高専賃に取り組んできた運営会社は、運営リスクを避ける為に、どちらかというと介護度の軽い方や自立の方を対象にしてきました。軽めの高齢者を入れれば介護保険が使えないために月額の利用料を上げざるを得なかった、利用料を上げると入居募集が難しくなるというジレンマの中で挫折をしていきました。

サ高住はこのように収益確保が難しい事業なのです。従って、今回3万戸の供給がなされた場合に、地主や建築会社にとっては確かに追い風でも、それを運営し収益を確保するには一定のノウハウが必要であることをしっかりと認識して頂きたいと思います。ノウハウとは知識×経験であり、累積経験量がノウハウを形成するといっても過言ではありません。素人でできる事業ではないのです

これまで建設、不動産会社、介護事業者、医療法人等が数多くチャレンジをしました。当初、高齢者向け住宅であるということから、建設・不動産関係の方々が取り組まれましたが、その難易度の高さに軒並み撤退をしていった時期がありました。医療法人も病院がやるから入るであろうといった安易な取り組みで挫折をした事例等、失敗事例には枚挙にいとまがありません。

今回は恐らく建築関係が主導して、地主に対して補助金を狙ってのアプローチが盛んになると思われます。従来建築コストに対して10%の支払家賃が払われるとすれば、今回は10%を上限に補助金がでるので、実質補助金が入った段階で利回りは11.1%とアップすると強調するでしょう。恐らくこれが常套手段になると思われます。

しかし、その補助対象になるのは原則25㎡でトイレ、洗面、キッチン、お風呂とフル装備型の自立向け住宅とすれば、運営者は高い賃料を払わざるを得ず、料金設定等において金額がアップするために入居リスクをもろにかぶることになります。しかも、自立系が入ると介護保険を使えないという悪循環に陥る可能性が極めて高いといえます。最終的には運営者が破綻をし、地主がそのツケを払うといったことにならなければ良いのですが

美味しい話には必ず裏があることを関係者はしっかりと肝に銘ずべきと思います。地主は運営会社がサ高住を運営するだけのノウハウのある会社かどうかを見極める必要があります。それが最大のポイントでしょう。
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メッセージの高齢者住宅、5年後に1万室へ-決算説明会で供給目標発表
<2011年5月19日(木)23:30 CBブレインニュース>

メッセージの戦略が発表されました。今後の市場をリードする戦略と思いますので、参考までに掲載しておきます。
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「アミーユ」ブランドで介護付有料老人ホームなどを運営するメッセージは5月19日、東京都内で決算説明会を開き、高齢者専用賃貸住宅「Cアミーユ」の供給数を2016年3月期までに1万室(200棟)へ拡大する目標を発表した。今年3月末時点の供給数は1852室(20棟)で、5年間で現在の5倍の室数に拡大する。

今期(来年3月期)の高専賃の開設予定は525室(11棟)。当面は、建築費や運営費のコストダウンによって月額利用料を15万円程度に抑えた高専賃の供給を目指す。また、業務提携やフランチャイズ展開を視野に入れて他社と交渉を進める。

主力の「アミーユ」などの介護付有料老人ホームについても、16年3月期までに1万室(200施設)へ拡大する方針。今年3月末時点の供給数は8236室(158施設)で、今期は905室(19施設)を開設する予定だ。

決算説明会で古江博社長は、16年3月期の同社全体の売上高が800億-850億円、利益が130億-150億円規模になるとの見通しを示した。

古江社長によると、高専賃に比重を置いた展開にシフトするのは、▽自治体の総量規制により、有料老人ホームの新設が難しい▽高齢者住宅が経営理念やブランドのコンセプトに近い―ことなどが理由。一方、積極的な展開に当たっては、人材と物件の確保がネックになり得るとの認識も示した。

■今後の地域展開イメージ、高専賃が中心
また同社は、地域における今後の高専賃や有料老人ホームの展開イメージを発表した。高専賃を地域の中で複数展開した上で、各地域に「エリアセンター」を設置し、将来的には訪問介護やケアプラン作成、給食、安否確認などの各サービスも提供する方針。エリアセンターは、同社の有料老人ホームのほか、医療機関や特別養護老人ホームなどとも相互に連携させる。

■入居率好調で増収・増益
同社の今年3月期通期の連結決算は、売上高が前期比10.5%増の352億8500万円、営業利益が21.9%増の56億5200万円、経常利益が26.1%増の59億5200万円で、いずれも過去最高を更新した。有料老人ホームの入居率が97%程度と高水準で推移したほか、高専賃の入居率も、当初の計画を上回る82.8%を達成したことなどが寄与した。
来年3月期の連結決算については、売上高が9.1%増の385億円、営業利益が11.5%増の63億円、経常利益が10.9%増の66億円を予想している。

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サービス付き高齢者住宅、事業者にリスクも-国交省の武井企画専門官<2011年5月18日(水)22:45 CBニュース>

先に開かれた当事業の説明会場での場面です。国土交通省ー厚生省、県、市町村との連携において生じるリスクについて述べています。事業を急いでも、各省庁、行政との整合性を取らねば事業は進められませんので、要注意です。
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国土交通省住宅局住宅総合整備課の武井佐代里企画専門官は5月18日、「サービス付き高齢者向け住宅整備事業説明会」で行った事業者との質疑応答の中で、「サービス付き高齢者向け住宅」に事業参入することにはメリットだけでなく、リスクがあるとの認識を示した。サービス付き高齢者向け住宅は、4月に成立した改正高齢者居住安定確保法(高齢者住まい法)に基づき創設される予定。

武井企画専門官は、質疑応答に先立って行った講演で、事業者に課せられる登録基準には、都道府県などが定めることのできる高齢者居住安定確保計画の内容に沿った住宅であることが含まれると説明。

さらに、同計画を策定した自治体が5都府県で、今年度中に策定する予定の自治体が政令市を含め22、今年度中に策定する方向で検討中なのが13道県あることなども明らかにした。

これに対し、事業者からは「(今年度中に事業を始める場合は)まだ策定が終わっていない高齢者居住安定確保計画とどう整合性を取るのか」との質問が出た。

武井企画専門官は、「ざっくばらんに言えば、事業者にはリスクがある。高齢者居住安定確保計画を策定した5都府県も、どういうルールを設けるのか、あるいは設けないのかは検討中だと思う」と回答し、都道府県などが同計画を策定した段階などで確認するよう求めた。

高齢者居住安定確保計画では、高齢者への賃貸住宅の供給目標などを定めるほか、必要な設備や生活支援サービスを提供できる職種など、省令で定められた登録基準の一部を変更することもできる。

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介護保険料は住所地である市町村が保険者となる住所地主義が原則ですが、他市町村から施設に入所する場合は住所を移す人が多く、そうなるとその市町村に介護費用が集中することになり、ひいては市町村間での財産の不均衡を生じることになるため、このような場合は住所を移転する前の住所地である市町村を保険者とする特例措置をとり、それを住所地特例といいます。2ヶ所以上の施設に順次入所し、そのすべてに住所を移している場合は、最初の施設に入所する前の住所地であった市町村が保険者となります。

これが今回のサービス付高齢者向け住宅(サ高住)においては基本的に特定施設入居者生活介護の指定を受けているもの以外、住所地特例は適応されないということになります。特定施設入居者生活介護は実質総量規制がかかっているとみてよいので、住所地特例を適応されることはほとんどないといって良いと思います。

従来、住宅型有料老人ホームや適合高専賃にはこの住所地特例が適応されていたのに、今回のサービス付高齢者向け住宅(サ高住)においては適応されないとなると、これは運営者にとっては大変厳しいことになります。即ち、他の市町村から当該サ高住に入りたいといっても、住所を移すしか対応できないということになります。

施設利用において、高齢者が住所まで移すことはあまりしませんので、当該サ高住のある市町村に居住する高齢者に限定されることになると推察されます。即ち利用者募集が制限されることになります。特に介護の必要な高齢者や地方都市においてはこの傾向は顕著です。そうなりますと、要介護者の高齢者を受けようとすれば、サ高住より住宅型有料老人ホームの方が有利ということになりそうです。

大震災に話が飛びますが、各市町村単位の対応ではなく広域行政単位での対策が求められたばかりなのに、又、市町村単位で対象を狭めるということが行われようとしています。各市町村を超えた広域エリア内での考えがどうしてできないのでしょうか。この枠組みは時代の流れにそったものではありません。
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