無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2011年06月

本日はエルスリー鳥取の内覧会が開催されました。そこで小規模ローコスト型の高齢者住宅の威力を十分に感じさせて頂きました。鳥取での初めてのエルスリーだけに、どれくらいの反響があるか大変心配しておりました。特に事前に病院関係や居宅支援事業所等介護関係者を回ってご案内をしておりましたが、今いちの反応に大変心配をしていました。まだ市場に受け入れられないのではないか、認知度がないので紹介をしていただけないのではないか、と不安材料が満載でありました。

エルスリーの商品力については十分に自信を持ち、必ず地域社会が必要とするものであるとは確信をしていましたが、実際にオープンしてみないとわからないのがこの事業の怖いところ。
今回もまさにそのような状況でありました。これはいくつ施設や高齢者住宅を立ち上げてもいつも同じ心配が付きまといます。

ところが今回は午前10時からの内覧会の開始前から続々とご利用者並びにご家族の方々、そして病院・介護関連の事業者の方々が押し寄せるという想定外の状況になりました。実はそれだけ市場に与えたインパクトは大きかったようです。

月額利用料8万4900円(家賃、食事代、管理費)という価格設定が市場に与えた影響は絶大なものがあります。今回の鳥取で驚いたことがあります。通常は病院や介護拠点からのご紹介が多いのですが、今回はマスマーケティングが功を奏しました。ポスティングからの反響が大きかったり、先週末に告知をした新聞折り込みといったマス媒体での反響が大変大きかったのです。

マーケティングにはそれぞれの市場特性がありますが、このようなマスマーケティングが効果的な例はあまりありません。仮設の段階ですが、市場が新しい商品を求めていたということが言えそうです。従来の施設等には入れない多くの待機待ちの方々が、入りやすい値段で、且つ、介護サービス付の高齢者住宅というコンセプトにヒットしたものと思われます。

本日午前中をもちまして、16室全室の予約が入りました。これは予想外の結果でした。オープンが6月26日でしたので、オープンを待たずに全室が埋まったことになります
ほとんどの方が今月中の契約となります。ご出席の方々からは、このような高齢者住宅の出現を待っていた、というご意見や、もう2、3棟作ってほしいというご意見等、様々な賛同の声を頂きました。本当にありがたいことです。是非、皆さんの期待に沿えるよう頑張って参りたいと決意を新たにしています。
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<前回に続き、内村先生の「先の先を読む」のご紹介>

今回は最後に医療機関が高齢者住宅で成功するための7つの条件について先生のお考えをご紹介します。

①母体となる医療機関が接近しているか、または、入居者に対し、自院の医療支援体制が構築されていること。

②入居者にとって医療対応(訪問診療、緊急入院、認知症対応、外来通院、健康診断など)のメリットが明確であること。

③家賃や管理料は低料金に抑え、自法人の外部サービスを活用する副業と位置づけ、住宅事業で儲けようとしないこと。

④在宅医療、介護サービスなどの本体事業で収益を上げるスキームを構築すること。

⑤土地建物は無理に医療法人で所有しないこと。地主に建ててもらい、一括借り上げという方向を探る。

⑥地域密着型サービスの1つである「小規模多機能型居宅介護」を受けること。

⑦小規模多機能型居宅介護は、地域のものであると位置づけ、先ず地域の方々に使って頂くようにすること。

内村先生の在宅医療・介護を巡る戦略は明快であり、実践にもとづくセオリーをもっておられます。我々はこのような戦略をもっているドクターとや医療関係者との連携を強化して参りたいと思います。

内村先生、貴重なお話をありがとうございました。
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<前回に続き、先生の「先の先を読む」のご紹介>

5.超少子高齢化と国による社会保障費への圧縮削減は限りなく、病床削減は必至であり、新しいカテゴリーの居宅の大幅で急速な整備が望まれる。

6.診療所の医師は、いつの時間帯も外来で患者を待つのではなく、往診や訪問診療をしなければいけない。有床診療所を1人で担う時代は終わりつつあり、医師の意識の大変革が必要と思われる。

7.診療所が住宅(居宅扱い)を併設することで、低コストで安心を提供でき、入居費用や家賃収入に加え、医療保険と介護保険の収入増が見込める

8.24時間365日のサービス確保のため診療所においても複数医師体制・他サービスとの連携が大切である。

9.在宅に戻った患者さんを支える仕組みとして、医療福祉複合体が最適である。総合的なサービス拠点がたくさんできることが理想である。介護は在宅サービスが基本であり、施設は在宅を補完するものと考えるべきである。

10.適合高専賃は、医療法の病床規制の対象外であるため、開設規制はなく、住宅の居宅数を自由に設定でき、病床の代替手段として活用することが可能である。

そして、高齢者共同住宅について、次のように主張しておられます。

①主流は低料金の高専賃
②主眼は在宅死のための受け皿整備
③医療法人は事業拡大のチャンス


既に多くの高齢者住宅を直接運営・実践している先生ならではの見識です。多くの学ぶべき点あります。次回は最終です。医療法人が高齢者住宅で成功するための7つの条件について先生の考えをご紹介します。
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<前回の続き>

内村先生の先の先を読む、内容について続けてご紹介します。

2.2015年には『団塊の世代」が65歳になりきる年なので、それまでに高齢者介護の新しいモデルで、団塊世代の新たな住み替え選択肢でもある適合高齢者専用賃貸住宅の整備が大量に必要である。

3.医療法人明輝会(鹿児島市)は、制度だけではなく、自主事業を加え、地域の高齢者や要介護者のニーズに応じて、在宅医療支援診療所(医療)、地域密着サービス等(介護保険)、医療法人の付帯事業に加わった居住(高齢者専用賃貸住宅等)サービスを提供し、医・介・住の環境を構築。

小規模多機能型居宅介護拠点を併設した医療法人運営の適合高専賃には、老健施設からの在宅復帰(本施設は、在宅復帰支援機能加算を算定している)、病院の回復期リハビリテーション病棟(2008年4月の診療報酬改定から導入された在宅復帰率6割以上)、及びその他病院、療養病床、有床診療所からの慢性期患者の受け入れ等、多くのニーズが見込める明るい展望がある。

4.具体的には次の展開を行っている。
①医療法人明輝会は医療のみならず、介護や住居も提供し、高齢者を24時間支援している。
②在宅復帰できない利用者に居住を提供するため、賃貸住宅「安心ハウス」を立ち上げた。
③適合高専賃に小規模多機能居宅支援サービスを提供すれば、特定施設に近い形態になる。
④高専賃に隣接したグループホームや小規模多機能居宅介護拠点の設置で、利用者の安心と効率運営を実現。
⑤グループホームに小規模多機能介護拠点を併設すると、ケアマネージャーと夜勤スタッフが兼務でき、単体それぞれを配置するのに比べ、効率運営ができる。
⑥充実した医療・介護サービスの提供がある高専賃は、尊厳あるターミナルケアまでも担える。

<次回に続く>
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昨日の医療機関の方々のセミナーで事例を発表して頂いた、鹿児島の医療法人 明輝会 内村 隼人理事長は、参考資料で「先の先を読む!」と題してその考えを述べておられます。
この先の先を読む、ということが現在の医療関係者の方々には非常に重要になっているのではないかと思うのです。その概要を紹介しておきます。

母体は在宅療養支援診療所 内村川上内科です。この19床の有床診療所を中心として、グループホーム4、通所リハビリデイケア、居宅介護支援事業所2、認知症対応型通所デイ、訪問看護ステーション2、訪問介護ヘルパーステーション、老健施設、デイサービスセンター1、小規模多機能ホーム1、適合高専賃1、認知症対応デイ+小規模多機能ホーム+有料老人ホーム複合型1、サテライト老健+高専賃複合型1の運営を行っておられます。

これだけの施設を常勤医師3名、非常勤医師5名、看護職員23名(うち看護師12名)、診療放射線技師1名、管理栄養士1名、事務職8名で運営をされておられます。過去1年間の月平均外来数783人、グき平均訪問診療件数(往診を含む)451件となっております。

主に非常勤医師を中心に当直体制を作り、組織で在宅医療を推進しておられます。先生は、「今まで通り、有床診強調文療所を医師一人で担う時代は終わりつつある。変化を先取りして、戦略的な経営を行うことが必要だ」と述べておられます。その戦略の背景になっているのは次の通りです。

1.第5次医療法改正により、医療法人の業務内容が拡大し、有料老人ホームや高齢者賃貸住宅、ケアハウス等が運営可能となった。患者、利用者は病院・診療所以外に、もうひとつの高度先進医療(住み慣れた所を終の棲家として在宅医療を受ける)の選択肢が増えた。一般診療や専門診療のほか、複数医師体制で在宅医療にも積極的なオールラウンド診療所を目指すべきである。非常に先の先を読んだ先生の高い見識が伺えます。

<続きは次回にて>
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