無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
豊かな高齢者社会の構築に向けて、日々尽きることの無い気付き、出会いを綴って参ります。

2011年08月

本日日経新聞の「経済教室」に甲南大学教授の藤田 昌久氏の「日本再生・空間経済学の視点」(脱国境・脱中央の現実を)という論文が載っていました。この論文は一読の価値があります。この論文では新しい日本の社会経済システムの導入について触れています。藤田先生のお考えに大変共感します。私もこの新しい社会の実現に向けて生きていきたいと思います。
その内容を下記により抜粋しておきます。

経団連の御手洗名誉会長はじめ数人の識者から、道州政府への移行を視野に入れた強力な権限を持つ本部を東北に起き、東北主導で迅速に復興政策施を実現すべきだとする提案がなされており、教授も支持をしておられます。

具体的には、復興基本法で設置が決められている復興庁(もしくは実質的な執行部)を東北に設置して、将来の「東北州」の基礎とする。さらに、この「東北州モデル」を日本全国に順次広げていき、道州制を実現していくことを提案したいとされています。又、直下型地震による首都圏機能のまひの影響を減らすためにも必要と訴えておられます。
そして、次のように述べておられます。

「明治維新における廃藩置県で生まれた東京中心の中央集権国家は、欧米の工業化社会へのキャッチアップの局面ではよく機能した。ただ、バブル崩壊以降の日本の停滞は、日本の経済社会システム全体が大きな構造的な問題を抱えていることを示している。

欧米から吸収した先端知識を改変・改善することで成長が可能だった時代には、従来の共通知識重視の日本の経済社会システムが機能した。しかし、現在のグローバル化時代に知識創造社会として発展していくうえで求められているのは、科学技術だけではなく社会経済全体を含めた広い分野における知のフロンティアの開拓である。それには一人ひとりの固有知識重視の、従来よりもはるかに多様性に富み自立性の高い、社会経済システムの再構築が不可欠である。」(次回に続く)

昨日の日経新聞に、法政大学元総長 清成 忠男氏が見出しのテーマでインタビューに応じております。東日本大震災の被災地に高齢者のためのワンストップサービス拠点をつくり、全国自治体のモデルにすべきだと主張されておられます。 昨日のグログでも、地域の包括支援センターのお話をしましたが、同系統のお話だと思います。

「病院から退院を迫られたものの家族で介護ができず途方に暮れている話もきく。高齢者が必要なサービスを1ヵ所で得られる総合拠点の必要性を強く感じている」といわれます。

具体的な提案として、「高齢者が入居できる集合住宅をつくります。家賃は年金で支払える程度にすべきです。そこで訪問医療と訪問看護、訪問介護などのサービスを一体t系に提供する。
高齢者向けのコンビニエンスストアもあれば便利です。買い物援助や配食など介護保険の対象外のサービスを担う非営利組織(NPO)やベンチャー企業が入居してもいい」

とにかく高齢者の必要なサービスをすべてがそろう総合拠点です。もちろん周囲に住む高齢者もサービスを自由に使えるようにして、地域に根ざした施設にします。」と主張されておられます。しかし、誰が作り、どう運営していきますかという問いについて、「建物は自治体が用意し、運営はNPOなど民間に任せる。」と答えておられます。

ここまでが限界でしょうか。

東北は別格だと思いますが、全国的な高齢者の拠点開発にはもっと民間の資本を活用すべきではないでしょうか。自治体に頼るのは極めて救貧対策的、重度対応の施設とすべきであり、より多くの社会資本を活用した高齢者の集合住宅の開発が求められているのです。民間資本をフル活用したインフラ整備がなされなけば、来たるべき高齢社会の対応に間に合いません。

厚労省、仮設住宅の高齢者支援 訪問介護や配食(2011/8/28 ) 日本経済新聞

厚労省が包括的な支援拠点を拡大する意向です。ところで包括的な支援拠点とは一体何をさすのでしょうか?3次補正で100億円を確保するといいますが、その予算は何に使われるのでしょうか? その最も重要な問題点は誰がその活動主体となるのか、ということではないでしょうか。官民含めて入り乱れ、高齢社会の新しい社会システムを構築せねばならないときに一体誰が主体となるのか、そこが見えません。果たして、行政がその役割を担うのでしょうか?
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厚生労働省は東日本大震災の被災地に、高齢者の生活を総合的に支援する拠点を設置する。3次補正で100億円弱を確保し、仮設住宅地に訪問介護や配食サービスを提供する拠点を併設する。中長期的には医療との連携などの役割を加え、厚労省が全国で導入を目指している包括的な支援拠点の先行事例に位置付けたい意向だ。

厚労省は地域で高齢者支援を完結できる「地域包括ケア」を2025年をめどに全国で導入すること目指している。地域ごとには24時間対応の在宅医療や訪問介護、配食や買い物などの生活支援を提供できる体制を整えるもので、高齢者が住み慣れた地域での在宅生活を促す構想だ。

この構想に先駆け、介護施設などが損傷した被災地の復興にあわせて、福島、宮城、岩手などで「地域包括ケア」を構築する考えだ。厚労省は震災が起きて以降、およそ60ヵ所の仮設住宅地で支援拠点の設置を計画してきた。1次補正で設置費用や人件費など70億円を確保したが、3次補正で新たに予算を獲得し、拠点を2倍の160ヵ所以上に拡大する方針だ。

数を増やしたうえで、機能も充実させる。被災地での地域復興が進み、高齢者が仮設住宅から公営住宅などに移れば、支援拠点も一緒に移す意向。高齢者と顔なじみになた職員が継続して介護サービスを提供できるようにする。

各地域の復興計画にあわせて介護予防や医療連携などの役割を増やし、長期的には支援拠点を「地域包括ケア」に移行させていく。

2010年度の医療費概算3.9%増、伸び率最大に 厚労省
(2011/8/26 )

高齢化の進展により医療費の増加が止まりません。抜本的な医療改革を進めねばなりません。医療と介護を一体的に進める改革が求められます。
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厚生労働省は26日、2010年度の概算の医療費が前年度比3.9%増の36兆6000億円になったと発表した。比較できる01年度以降で金額、伸び率ともに最高となった。

10年度に医療機関に払う診療報酬を0.19%増やす改定をしたことに加え、高齢者の増加や医療技術の高度化で、医療費の増加が続いている。

概算医療費は、国民医療費から全額自己負担の医療費などを除いた金額で、国民医療費の98%程度とされる。国民医療費より1年程度早く発表され、速報値の役割がある。

概算医療費の増加は8年連続。中でも、75歳以上は12兆7000億円と前年度比5.5%増えた。高齢化が進むと医療費は増える傾向にあり、全体の44.3%を70歳以上の医療費が占めた。患者1人の1日当たり医療費は、1万3900円と09年度より3.8%増えた。医療機関などに支払う医療費の単価を決める診療報酬の見直しで、救急医療への報酬を10年度に引き上げた影響や医療技術の進歩が主な要因という。

同日発表の調剤医療費の動向によると、10年度の処方箋1枚当たりの調剤医療費は前年度比0.6%減の7984円。10年度に薬価を減額改定した影響などで、4年ぶりに減少した。

厚労省は医療費抑制に向け、機能別に病床を再編して効率化するなどの入院日数の短縮策のほか、新薬より安い後発薬の使用促進策などを打ち出している。ただ費用対効果や目標の実現可能性には不透明な面もあり、今後一段の対策が必要となりそうだ。

本日は6月26日に鳥取でオープンをしましたエルスリー鳥取の第一回目ご家族懇談会と夏祭りが開催されました。オープン2ヶ月でご家族懇談会と夏祭りが行われるということはかつてなかった出来事です。旧モデルの高齢者住宅の場合にはどうしても一定のご入居者を確保するまでにこ一年かかるケースがほとんどで、ある程度のご入居者が確保できないとなかなかそのような行事もできませんでした。

ところが今回のエルスリー鳥取はオープン前の内覧会の段階でほぼご入居者が埋まりましたので、2ヶ月でもこのような行事が開催されることになったのです。全てはスピードといえましょうか。

開発~オープンまでに半年、そしてオープンと同時にご入居、半年もしないうちに事業を軌道に乗せることができたなら、どれだけの高齢者の受け皿になることでしょう。

本日の懇談会でも、ご家族から敷地内にある建物の一部撤去が始まっていることから、次のエルスリーができているのですかという質問がありました。実はこれは2棟目ではなく、3棟目の準備に既に入っているのです。2棟目は既に用地も決まり、図面ができておりますので、9月中には着工となります。オープンして半年後にはもう1棟の計画をと当初いっておりましたが、オープンと同時に次の準備に入っております。順調にいけば来年1月には2棟目がオープンとなります。

本日の夏祭りにおいては鳥取大学のボランティアの学生さんが色々な催しを行って頂きました。わずか2ヶ月で地域の方々とこのような催しができることは奇跡に近いものではないでしょうか。ご家族の方々、ご近所の方々のご参加を頂き、楽しいひと時をご利用者と一緒に過ごさせて頂きました。大変感謝であります。

2棟目、3棟目となれば、一つにシニアタウンが生まれてきます。より地域の方々とのふれあいを大切にして、皆さんと共に地域を支えて参りたいと思います。本日は皆さん、ありがとうございました。

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