無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
豊かな高齢者社会の構築に向けて、日々尽きることの無い気付き、出会いを綴って参ります。

2011年08月

ここ数日、中小の介護事業者の方々の小規模ローコスト型高齢者住宅(エルスリー)の取り組みについて相談を受けています。これまで大手の独擅場であった高齢者住宅を中小零細の介護事業者においても取り組めるものとして注目を浴びています。

商品そのものがリスクが低いことは勿論のこと、中小が抱えるクレジット不足を補完し、一気に量的な拡販を図るにはそれなりの仕組みが必要となります。裾野を広げないと、高齢者住宅の拡大はできません。

中小零細の介護事業者、又は新規参入組がこの事業への取り組みを行うにはそれなりの条件整備を行わねばなりません。その為には、次の条件をクリアーすることが必要となります。

①初期リスクをできるだけ低くすること
②初期投資をできるだけ低く抑えるこ
③初期投資の早期回収が可能なこと
④クレジット不足を補完する仕組みをつくること
⑤万が一、運営がうまくいかなった時の運営代行の仕組みがあること(バックアップオペレーターシステムがあること)
⑥品質保証を行う仕組みをつくること

これらの条件がクリアーすれば中小零細といえども、事業規模を拡大できる道が開けるというものです。我々は介護事業のロングテール戦略を展開して参りたいと考えております。

今週、ある医師会関係者の方とお話をする機会がありました。サービス付高齢者向け住宅(サ高住)への取り組みについて医師会で話題になったそうです。その場面で県の担当者に対して、住所地特例について認めないと誰もやらないよと申し立てをされたそうです。特に地方においてはこれまで特定施設や住宅型有料老人ホーム、適合高専賃に認められていた住所地特例がサ高住には原則認められないということになれば、これは開発にブレーキがかかるのではないかというのが先生方のご意見のようです。

その通りだと思います。いくらサービス付で高齢者の介護サービス等を行うにも、介護型や医療型では要介護の方々が多くなり、長期にわたってそこで生活をするというライフスタイルではありません。従ってわざわざ住所を移してという方は多くはありません。

大きな都市ではその行税区域内で十分に賄えるかもしれませんが、地方都市ではそうはいきません。3~4割が他の近隣の行政区からというケースが多いのです。既に弊社では適合高専賃→サ高住への移行ではなく、適合高専賃→住宅型有料老人ホームへの移行のご支援も依頼を受けて取り組み始めています。

5月段階の説明会のフィーバーぶりがどこにいったのやら、その後サ高住の取り組み状況、申請状況等の情報が流れてきません。これでは今年度の3万戸の目標の達成は厳しいのではないでしょうか。運営者の方々が躊躇しているのではないかと推察されます。

本日は福岡で医療法人を対象としたセミナーを開催しました。全国ツアーも後残すところ佐賀の1ヵ所。北海道から南下してきて九州で最後を迎える。流石に医療型の高齢者住宅が多い福岡での開催であり、皆さん具体的な検討をしておられるのが良くわかりました。ご質問も具体的な内容が多かったように思います。

特に福岡市は全国でも医療法人系の高齢者住宅が多いエリアです。弊社の調査でも福岡市内の高齢者住宅(介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、高専賃)の約37%が医療法人が関与していると思われます。主だった医療法人は軒並みこの分野に進出しているといっても過言ではありません。

最近の傾向としてはクリニックや診療所においても徐々にその取り組みが広がってきているように思います。小規模型で尚且つローコストという切り口に皆さん大変関心を持たれております。

ベッドを持つ病院が介護療養病床の廃止の延期等により少し、この取り組みが緩やかになっているのではないかと思っていましたが、小規模クリニックや診療所の先生方が次の事業展開としてこの分野に関心を示し始めているのではないかと感じております。

小規模であるがゆえに大きな投資は控えたい、徐々に在宅系の利用サービスが求められるようになると必然的に、小規模の高齢者住宅が視野に入るという流れが出てきているように思います。

今まで、採算性の為には少なくとも30戸以上の規模がないと成り立たないと思われていましたが、我々が提唱する小規模ローコスト型の高齢者住宅モデルはその認識を覆すものです、

診療所、クリニックが取り組む小規模ローコスト型で尚且つ医療型高齢者住宅が新しいビジネスモデルとして登場して参りました。このモデルが市場に出回るようになれば、そこを核としてより広い在宅への視野が広がってきます。それを期待したいと思います。

本日は都内である大手住宅メーカーの役員と面談を行いました。エヌ・ビー・ラボが提唱する小規模ローコスト型サービス付高齢者住宅に大変関心をもって頂き、本日の面談となった次第です。住宅メーカー各社はいずれも高齢者住宅の開発に意欲的ですが、未だ、ローコスト型での提案をするまでには至っておりません。

本日お会いした住宅メーカーはローコスト住宅で売っているメーカーですが、本日の打ち合わせで、住宅部門だけではなく、家具・家電まで住設も全てフルパッケージ化が可能との意向を受けました。パッケージ化することにより更にローコスト化を図ることは、我々が念願していたことです。

もしかして、高齢者住宅+住設+その他設備まで含めてフルパッケージ化に向けての商品開発が可能になるかもしれません。我々としてはご利用者が使う、お箸一本までフルパッケージ化を果たしたいと考えております。より高品質の高齢者住宅をよりローコストに提供できる、その夢の実現に向けて又一歩進んで参ります。

如何に短期で商品開発ができるかが勝負です。絶え間ざる商品開発が我々の真骨頂です。

自治体病院の再編進む 5年で400施設減
2011/8/20 日本経済新聞 

下記の記事が載っていました。自治他病院の果たす役割は決して小さくありません。今日のように地方都市が疲弊をし、高齢化が進む中で、地域の医療を守る存在として決して看過できない問題ではないでしょうか。それ故に、今こそ抜本的な収益改善の方策を打つべきなのです。自治体病院の経営改善の有効な手立てがあります。自治体病院こそ、地域の医療と介護のハブ機能を持つ存在として、地域再生の旗手として役割を果たせる存在だと思うのです。そのためにも経営改善にとどまらず、思い切った業態転換を行う必要があります。是非、モデル的にどこかで一緒に取り組みをしてみたいものです。
…………………………………………………………………………・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

都道府県や市町村が運営する自治体病院の再編が進んでいる。近隣病院との統廃合や民間への譲渡が相次いでおり、この5年間で約400の施設が減った。自治体の財政悪化が響き、赤字体質の病院を抱え込めなくなってきた。医師不足で病院経営が難しくなっている面もある。

厚生労働省によると、自治体が運営する医療機関(病院と診療所)は5月末時点で全国4578施設。5年前と比べると8.3%(413施設)減少した。病院は87、過疎地などで地域医療を確保する診療所(ベッド数19床以下の医療機関)は326減っている。

北九州市は4月、市立若松病院を産業医科大学に譲渡した。患者の減少などで2005年度に赤字に転落。08年に内科の医師が全員退職したこともあって、総合病院としての存続が困難になっていた。

大分県豊後大野市の公立おがた総合病院は昨年10月、県立の三重病院を統合し、豊後大野市民病院として再出発した。三重病院は53年の歴史があったが、医師不足の深刻化などを踏まえ、入院患者を受け入れない診療所に衣替えした。

自治体病院は外科、内科、小児科など幅広い診療科を持つ。地域医療の中核的な役割を担っていることが多い。しかし最近は医師の開業が増えるとともに、小児救急や産科などで勤務医が不足し、運営が困難になるケースが出ている。

医師不足で診察に支障が出ると、患者が困るだけでなく、病院の収入減にもつながる。一連の再編には、地域の医療機能を集約することで医師の負担を軽減し、診察を続けられるようにする狙いがある。

こうした傾向は今後も続きそうだ。青森県津軽地方のつがる市立成人病センターなど5病院は、広域連合に運営を一本化。13年度には新たな中核病院と、これを後方支援する2つの小病院、2つの診療所に再編する方針だ。

自治体病院の累積赤字は09年度で2兆1571億円に上り、10年間で2倍近くに膨らんだ民間病院に比べて建設費が2~3割高いとされるほか、職員の給与も公務員の体系に合わせることが多い。民間に比べて高コストになりがちな経営体質の改善が課題だ。
総務省は07年から、全国の自治体に対し、再編や経営形態の見直しなどのリストラを求めてきた。独立行政法人に移行して給与体系を見直すといった動きも出ている。

ただリストラ計画を策定済みの904病院のうち、10年度に黒字を見込む病院は5割にとどまる。3割は11年度の黒字転換も難しいとみている。

↑このページのトップヘ