無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2012年03月

介護大手が4月からの介護報酬改定に併せてサービス時間の延長と人員の増強をおこなってきています。当然といえば当然のことなのですが、それで抜本的な解決になるのでしょうか?

報酬の減額改定については、『通常規模型以上事業所の基本報酬について、看護業務と機能訓練業務の実態を踏まえて適正化を行う。また、小規模型事業所の基本報酬について、通常規模型事業所との管理的経費の実態を踏まえて適正化を行う。サービス提供時間の実態を踏まえるとともに、家族介護者への支援(レスパイト)を促進する観点から、サービス提供の時間区分を見直すとともに12時間までの延長加算を認め、長時間のサービス提供をより評価する仕組みとする』とありますが、誰も、適正化について議論はないようですね。

「管理費経費の実態を踏まえて適正化」といわれますが、収益と経費の両面から減額が妥当であるという根拠を頂いたことはありません。なぜ? 根拠も示さずにいきなり減額ですか。

この根本的な問題点が解決されないかぎり、適正化という名目で介護保険を減額すれば、現場は時間延長でカバーをしようとする「イタチごっこ」が続くことでしょう。

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介護大手、デイサービス時間延長急ぐ 4月の報酬改定機に

2012/3/31 0:01 情報元 日本経済新聞

4月1日の介護報酬改定を機に介護各社がデイサービスの時間延長や人員確保を急いでいる。

■やまねメディカルは午後4時までだったプログラムを5時まで1時間延長。介護ヘルパーを1割増の670人にする。

■デイサービス大手のツクイはサービスを提供する約350施設が個別に時間延長するのに合わせ、高齢者の送り迎えをする専任スタッフを350人増の約900人に増やした。

■ツクイは従来、介護ヘルパーが送迎を兼務していたが時間延長で人手不足になるため専任スタッフを置く。


デイサービスの一般的な利用時間は1日6時間半程度だが、4月に適用される介護報酬では対象となるサービス時間の区分が変わり報酬単価が下がる見通し。従来並みの報酬単価を確保できるように7時間以上に伸ばす企業が多い。
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昨日も外国人介護福祉士の合格者のことについて記載しましたが、本日の日経の社説に見出しの記事が出ていました。要点を抜粋しますと次のようになります。

■厚生労働省が2025年には介護職員が70万人以上不足すると試算している。

■来年度から試験時間を延長する方向だが、小手先の対応ではなく、受け入れ枠拡大を含めてもっと大胆な見直しが必要だ。

と締めくくっていますが、全く同感です。昨日も書きましたように大量のケアスタッフが必要となっているのは誰もがわかっていることなのに、抜本的な対策が講じられない。

これがこの国の力なのであろうと思います。

不足する70万人以上の介護職の内、将来的には何割の外国人介護士で補おうとしているのかといったグランドデザインが全く見えて参りません。

■試験の不合格者59人のうち、一定以上の成績をとった47人は、希望すれば1年の滞在延長と再受験が認められる。しかし、昨年、同様の措置を講じた看護師の場合、先行きの不透明さを嫌気し不合格者51人が日本を去った。将来への展望を示し、支援を続ける必要がある。

■外国人看護師や介護福祉士候補の受け入れについて、厚生労働省は消極的で「人材不足への対応ではない」との立場を崩さない。

■そのため候補者を受け入れる介護施設への支援も不十分だ。多くの施設は受験のための教育・研修を自費で行わざるをえない。介護保険制度による報酬も正規の職員とみなされないため一部を除き払われない。受け入れ施設が減り、来日する候補者は減っている。

このままでは、世界から日本は見放されることでしょう。国内の他産業からの雇用の移動もままならず、外国人の雇用も促進せず、介護は一体誰が行うというのでしょうか。
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本日の新聞やニュースで外国人介護福祉士候補の合格の様子が報道されていました。2008年に来日し、介護福祉士の資格を取るまでに4年の歳月を要し、漸く36人の外国人介護福祉士が誕生したことになります。

大変なご苦労があったのではないかと思います。言葉の壁、文字の壁がどれほど大きな障壁となったことでしょう。

但し、今日の介護の超人材不足を考えると、残念ながらこの人数ではどうしようもありません。何とかITを駆使して言葉と文字の壁を乗り越えることはできないものでしょうか。

ヘルスケア部門に大量の人材が必要なのです。国内だけでは賄い切れません。厚生労働省は「予想以上に高い合格実績だった」とコメントしているようですが、本当にこれで良いと思っているのでしょうか。
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2008年、EPA(経済連携協定)に基づき来日した、外国人介護福祉士候補の第1期生たちが、28日、合格発表を迎えた。パソコンを前に、喜びの表情を浮かべるのは、インドネシア人のモリナ・タンブナンさん(25)。来日後、初めて受験した「介護福祉士」国家試験で、見事合格した外国人介護福祉士候補の1人。モリナさんは2008年8月、EPAに基づき、外国人介護福祉士候補の第1期生として来日した。

来日当初は、スタッフとの会話にも、辞書が欠かせなかったモリナさん。今では、日本での3年間の実務経験で、お年寄りへの介護も、丁寧そのものになっていた。
モリナさんは「介護の知識と良い技術を、もっと学んでいきたいと思いますね」と話した。

受験した外国人介護福祉士候補者95人のうち、国家試験に合格したのは36人で、外国人候補者の合格率は、37.9%(全体の合格率は63.9%)だった。政府は、一定の点数に達した不合格者に対し、2013年も受験できるようにするという。 (FNNニュース03/29 00:25)

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本日は茨城県で2棟目のエルスリーの契約を締結しました。いずれも関東鉄道さんの関係で、前回の鹿島に続いて、今回は真壁で2棟の計画です。鹿島も2棟の計画ですので茨城県は合計4棟となります。いよいよ関東圏にて開発が本格化して参りました。鹿島は5月末竣工で6月オープンとなります。

今月は群馬の高崎で1棟、静岡の清水で2棟と首都圏周辺部で開発が始まりました。全部順調に立ち上がってきますと、合計で7棟になる予定です。更にこの後、埼玉で後2棟の計画がありますので、いよいよ中心部分に向けて開発が進んで参ります。

これまではいずれも10万円(家賃、食費、管理費込)を切る格安高齢者住宅となります。

今後は都内での商品開発に注力をしてみたいと考えております。

投入すべきは11~12万円台の都市型エルスリー(小規模ローコスト型高齢者住宅)モデルです。勿論、一時金はありません。

東京都は総人口に占める65歳以上の高齢者の割合は20.76%と過去最高を更新し、高齢化が進む中、一人ぐらしの高齢者の増加が浮き彫りになっています。東京都の今年1月現在の1世帯当たりの人数が1.99人となり、全国で1世帯当たりの人数が最も少ない都道府県となっています。1位が東京、2位が北海道、3位が鹿児島の順となっています。

都の担当者は世帯当たりの人数の減少について「長寿命化や晩婚化で一人暮らしの高齢者や若者が増えた」と分析している。今後もこの傾向が続くとみて、都は高齢者向けの施設整備や一人暮らしの見守り対策などを強化すると言われています。これから首都圏には膨大な数の高齢者住宅のニーズが増えることでしょう。

今からそのための商品開発を行っておきたいと考えております。積極果敢にチャレンジをした参ります。
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介護費用の負担について下記の調査結果が報道されていました。当然と言えば当然ですが、ご利用者の自己負担は介護報酬制約の重要なファクターとなります

それゆれにできるだけ自己負担を減らす努力をすべきではないでしょうか。

我々の高齢者住宅事業にとっては、家賃や食費、そして管理費といった介護保険外のその他サービスと介護保険サービスがあります。自己負担にも介護保険の1割負担とその他サービスの自己負担の2種類があるのです。
できるだけ1割自己負担の介護サービスは増やしていただき、その他の自己負担の削減から取り組んで参りたいと思います。
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要介護認定 「気になるのは介護費用」76%
(産経新聞 3月20日(火))

要介護認定を受けた高齢者や家族が最も気にするのは介護費用であることが、ソニー生命保険(東京都港区)がケアマネジャーを対象に行った調査で分かった。

調査は、全国の在宅介護の高齢者を担当するケアマネジャー1004人を対象に実施。それによると、最初の面談で高齢者やその家族が気にするのは介護にかかる費用で76%を占めた。主な介護者は配偶者が50%、息子の配偶者が19%で続き、介護専門職は9%にとどまった。

公的介護保険を支給限度額の8割以上利用している人は2割に満たず、理由として「満額利用しなくても十分な介護サービスを利用できる」が59%だったが、「本人がそれ以上自己負担できない」も37%。

同社は「要介護度が上がるほど利用するサービスが増える傾向で、1割の自己負担も増える。年金から介護費用を払っている人も多く、要介護度が高いほど十分なサービスを受けられていない人が多いのではないか」と分析している。
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