無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2012年03月

渡邉 幸義氏著作の「雇用創造革命」を読みました。渡邉氏は創業以来グループの大義である「環境保全と雇用の創出」のもと、働く環境を求めているさまざまな人の雇用創造にグループを挙げて取り組んでこられました。

渡邉氏は2000年1月、ITネットワーク・エンジニアの育成・派遣を行う株式会社アイエスエフネットを創業されました。立ち上がったばかりの会社ではエンジニアを募集しても応募してくれる人がいなかったことから、驚くべき人材採用に取り組んでこられたのです。

2010年2月までに、5大採用(ニート・フリーター・ワーキングプア(時短労働者)、障がい者、シニア、引きこもり)を実現されました。この後この方針は「採用」の言葉を「雇用」に変えて「10大雇用」へ、そして今では様々な障がい者を雇用する「20大雇用」へと、その枠組みを拡大されています。

渡邉氏によれば、現在、日本の障がい者人口は、「障がい者白書」(内閣府 平成23年版)によると、身体障がい者が366万3000人、知的障がい者が54万7000人、精神障がい者は323万3000人、複数の障がいを併せ持つ人もいるため、およそ国民の6%の744万3000人が何らかの障害を持っていることになるそうです。そのうち就労者数はおよそ35万人といわれます。

事業所で雇用されている人の賃金の平均月額は、身体障がい者25万4000円、知的障がい者11万8000円、精神障がい者12万9000円、さらに、通所授産施設の工賃の平均月額は、勤務日数や作業能力等の点で事業所とは単純に比較できないものの、身体障がい者1万9000円、知的障がい者、精神障がい者1万1000円と極めて低い水準に留まっているようです。誰が考えても、これでは生活は成り立たちません。

さらに「、障害者手帳をもっていない障がい者、ニート・フリーター、ワーキングプア(時短労働者)、シニア、引きこもりを加えると、働けるのに働いていない人の総数は、2000万人を超えると言われている。こうした人たちが働くことができれば、その経済的効果は誰がみても明らかであろう」(渡辺氏)。

実際に渡邉氏は創業当時4名だった社員を現在、本体の会社アイエスエフネットで約1600名、グループ全体では2000名余りにしています。そして、更に、2010年5月に雇用創造宣言をリリースし、その中で、「2020年までに1000名のFCメンバー(障がい者)雇用を創造します」と具体的な数字をかかげています。

特に特筆すべきは、日々の業務を「コア業務」と「ノンコア業務」に分けてみると、ノンコア業務が全体の約3割程度あることがわかってきたことから、業務のなかから「ノンコア業務」を切りだし、それをFCメンバーが作業を行うというシステムを構築したことです。

この手法は我々高齢者住宅事業のおいても十分に通用する手法と考えます。急増する高齢者、そして、圧倒的多数の高齢者を受け入れる高齢者住宅(エルスリー)にとって、従来の雇用システムでは十分な受け入れ体制を作り上げることはできません。渡邉氏が訴える雇用創造革命を実現せねばなりません。
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本日はエルスリー佐賀に行って参りました。3月1日にオープンをしました。18名定員に対して、現在入居者12名、4月8日には18名になり満室となります。1ヵ月と8日間で満室となることから、本日はオーナーと2棟目の打ち合わせを行なって参りました。

エルスリー佐賀は当初から2棟バージョンで計画をしておりました。1棟目が埋まれば2棟目という計画でしたので、今回、即座に2棟目の計画に入った次第です。既に2棟目の図面は描かれておりますので、順調にいけば連休明けにも着工に入り、8月の中旬には竣工となる予定です。今度は16戸の高齢者住宅オンリーの建物になります。

開設をしたエルスリーでは、最初のエルスリーである鳥取が、この2月には2棟目がオープンし、順調に入居が進んでおります。オーナーからは3棟目のオファーが入っており、これから具体化をしてまいります。そして、更に4棟目のお話も頂いているところです。まだ気が早いのですが、それだけの可能性をもって頂いていることに大変感謝です。

複数棟のパターンはこれだけではありません。同じく2月にオープンをした福岡のエルスリー久留米も既に2棟目の計画に入っております。これまでオープンしたエルスリーは、鳥取、久留米、佐賀、名古屋ですが、名古屋を除いては全て複数棟バージョンとなります。

敷地面積が400坪~500坪前後の場所では、通常であれば30戸~50戸クラスの高齢者住宅がこれまで建設をされていたように思います。私どもはそのような土地においても、小規模ローコスト型高齢者住宅(原則16戸)の2棟バージョンに固執します。例え、地主の融資が規模の大きな施設でも可能であったとしても、決して大きなものは作りません。

その理由は、規模の大きなものは開発時間を要します。物件の探索、地主の説得、融資付け、建築期間等に多くの時間を費やすことになり、短期的な規模拡大に向きません。特に、銀行の融資に至っては、そのリスク性の高さから簡単にはいきません。


更に、高齢者住宅は規模が大きくなるほどリスクが増大します。最大のリスクが入居リスク、そしてマネジメントリスク、今回は同一建物内の30戸以上の介護報酬の減額という制度リスクまで含めて、リスクが幾何級数的に拡大します。規模の恐ろしさを我々はここ10数年ずっと抱き続けてきました。

それゆえに今回我々が開発しました小規模ローコスト高齢者住宅(エルスリー)の多店舗展開というコンセプトが生れてきたのです。物件開発の速さ、融資付の速さ、建築の速さ、入居の速さ、資金回収の速さ、いずれをとってもその速さ故に市場への投入スピードが格段と高まるのです。これがエルスリーです。
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介護保険料の負担について調べていましたら、下記の記事が掲載されていました。高齢者の負担が増える一方介護サービスは削られる、そのような動きが更にいっそう深刻になります。

介護保険料 来月値上げ、65歳以上 月6千円

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65歳以上の介護保険料が4月から各地で大幅に値上げされます。基準額が月6000円を突破する自治体も出ており、夫婦2人で月1万2000円を超します。こうした重い負担と一体に消費税大増税をおしつけるなど許されません。

<減る年金 負担重く>

介護保険の保険料は3年ごとに改定されますが、2000年の制度開始時(全国平均で月2911円)以来、改定ごとに上がり、現在は全国平均で月4160円です。厚生労働省の試算では4月からは全国平均で5000円程度になるとされています。

本紙の調査では、6000円を超すのは、福岡県の8自治体(同県広域連合Aグループ、6589円)、高知県越知町(6235円)、青森県弘前市(6170円)など。沖縄県では、本部町など13自治体が6424円となるほか4割の自治体で6000円を超すと見込まれています。

月1000円以上の値上げが見込まれるところは名古屋市など多数あり、沖縄県竹富町は、2353円も上昇する見込み。三重県鳥羽市(1900円増の5900円)や広島県安芸高田市(1600円増の6000円)など大幅な値上げが予定されています。

県平均で、広島県5411円、和歌山県5501円、福井県5266円のほか東京都23区、大阪府、高知県でも5000円を超す見込みです。

後期高齢者医療保険(75歳以上)の保険料も4月から、少なくとも44都道府県で値上げされます。一方で年金額は0・3%削減されます。

<国の負担 抜本的に増やせ>

大阪社会保証推進協議会の寺内順子事務局長の話。

『介護保険では、現在、給付費の20%を65歳以上の高齢者が保険料として負担しています。そのため高齢化で介護給付が増えるほど保険料は重くなります。そのうえ、65歳以上の負担割合は3年ごとの改正で1%づつ引き上げられます。

今回、市町村介護保険給付費準備基金や都道府県財政安定化基金を入れても全国的に大幅な引き上げとなり、大阪府でも軒並み1000円近くの値上げとなる見込みです。これは高齢化に伴い保険料が際限なく増える、介護保険の根本的な欠陥の現われです。このままでは、団塊の世代が本格的に介護保険を利用する15年後には平均月1万円超の保険料にもなりかねません。

一方、政府はもっぱら介護サービスを削る方向で。「保険あって介護なし」がいっそう深刻になりつつあります。』

(2012年3月23日(金) 赤旗)

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介護報酬の中で「特定事業所加算」という加算報酬が居宅介護支援と訪問介護に設けられています。先に介護職員処遇改善加算について、利用者1割負担の話をしました。それは介護職員の処遇改善に利用者も1割負担をしなければならないというものでした。それと同様のことがここでもおきます。

この加算要件は、サービスの質に繋がる事業所の体制を評価して、一定の基準以上の体制が整えられている事業者が提供したサービスに一定割合(または単位)を加算できるものです。

居宅介護支援費の場合、利用者1割負担がなく全額公費(10割分が介護給付費として支給される)であるから、この加算を算定しても利用者に直接的な金銭負担増は生じませんが、

訪問介護の場合は、他のサービスと同様に原則利用者1割負担ですので、「特定事業所加算」を算定できる「体制が整った事業所」の訪問介護を使う場合、この加算分の1割負担を利用者が負担しなければならにことになってしまいます。

しかも訪問介護の場合のこの負担は、サービス利用1回ごとに条件に応じて所定単位数の10%または20%が毎回加算されるというもので利用者負担は決して軽いものではありません。

さらにいえば、訪問介護の場合のこの加算要件とは、事業所内の有資格者の割合とか、研修実施体制とか、会議やサービス報告の方法とか、職員の健康診断とかが基準となっているもので、利用者自身のサービスが直接アップするものではありません。先の処遇改善加算と同様なのです。

処遇改善や事業所の体制強化の為に利用者にも1割負担を要求する。それがこれらの加算制度なのです。事実上利用者の負担はこのようなかたちで増加しているのです。事業経営上は加算を取りたい、しかし、利用者の負担はその分増える。このジレンマの中で悩みます。

「利用者に負担をしてもらい、良いサービスをする」と考えるのか、「利用者の負担はできるだけ減らし、良いサービスを行いたい」と考えるのか、経営者に覚悟が問われています。

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小規模ローコスト型高齢者住宅エルスリーにはMバージョン(医療型)とCバージョン(介護型)があります。本日はある地方都市の医療法人が取り組むMバージョンの打ち合わせに行って参りました。本格的に医療法人のMバージョンの取り組みが始まっています。

これまで医療法人のご支援をさせて頂きましたのはどちらかというと100床、200床規模の病院が取り組む中規模の高齢者住宅が中心でした。規模のメリットを最大限に生かす取り組みが主流でありました。透析病院さんや療養病院さんが中心でありましたが、これからは医院や診療所が取り組む小規模ローコスト型のエルスリーモデルが増えてくるのではないかと考えています。

その理由としては、

①圧倒的多数の医療型高齢者住宅を整備するには、全国に多数ある医院やクリニック等取り組みが本格化する必要があること

②医院、診療所規模での投資金額が1億円前後のエルスリーが妥当であること。

③地域の患者様の高齢化が進んでおり、内科、外科、呼吸器科、胃腸科、リハビリテーション科等の医院やクリニックも急性期ケアのみでなく、予防、リハビリ、介護、在宅など地域住民が必要とするケアを継ぎ目なく提供する医療事業体を目指す動きが加速度化していること。

が言えるのではないでしょうか。特に地域にとっては、このような医療~介護までヘルスケア全般での取り組みを行う医療機関が増えてくれることが望まれているように思います。
我々も、この医療型エルスリーの周辺で介護型エルスリーを展開する計画をしております。勿論、訪問診療は医療型エルスリーのドクターにお願いすることになります。

点から面へ、医療から介護へ、本当の地域包括ケアの町づくりが一歩前進しそうです。
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