無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2012年04月

公益社団法人[認知症の人と家族の会]副代表理事・神奈川県支部代表,、公益社団法人日本認知症グループホーム協会顧問で川崎幸クリニック院長の杉山 孝博先生の記事が公益法人尾のホームページに掲載されました。認知症を発症した高齢者の老化のスピードについて触れています。参考にされて下さい。
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「毎日6~7時間歩いても、疲れた様子もないのです。食欲は私よりもあります。とても86歳とは思えない元気さです。事故が起こってはと思って一緒に歩いているのですが、私の体がもちません。この状態がどれくらい続くのでしょうか」

「食事のとり方が悪くなったら、衰弱が急速に進行して、2週間目に亡くなってしまいました。以前、先生から、認知症の人の衰弱の進行は速いといわれていましたが、こんなに速く衰弱が進むとは正直思っていませんでした」

「義母の介護を始めてから17年目になります。話しかけてもうなずくだけで、穏やかな状態です。昔は憎らしかった姑がいとおしくなりました」

認知症の人と家族の会などが行う、介護者のつどいでは、このような会話が日常的に交わされている。

「認知症の人の老化の速度は非常に速く、認知症のない人の2~3倍のスピードで進行する」という特徴がある。私はこの特徴を、「衰弱の進行に関する法則」と名付けている。

高齢者を四つのグループに分け、それぞれのグループの年ごとの累積死亡率を5年間追跡調査した結果(長谷川和夫前認知症介護研究・研修東京センター 長)によれば、認知症高齢者グループの4年後の死亡率は83.2%で、正常高齢者グループの28.4%と較べると約2.5倍になっていた。

さらに、認知症グループホームなどの利用者の変化をみると、はじめは元気で行動的であった人が、数年経過すると動きが悪くなって通所できなくなる例や、買い物、配膳などの共同生活ができていた人が室内に閉じこもるようになり寝たきりになる例などは決して少なくない。

したがって、何年何十年にわたって介護し続けなければならないのかと思い悩んでいる家族に対して、私は次のように説明することにしている。

「同じ年齢の正常な人と比べると、認知症の人の場合、老化が約2~3倍のスピードで進むと考えて下さい。例えば、2年たてば4~5歳年を取ったと同じ状態になりますから、看てあげられる期間は短いのです」

ただし、アルツハイマー病でも非常に速く進行する例もあれば、20年間にわたって穏やかに進行する例もあるように疾患そのものの性質によって変わっ てくるし、落ち着いた環境で適切な介護によって経過がゆっくりすることもあるのでこの特徴はすべての認知症に当てはまるわけではない。

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健保組合、5年連続の大幅赤字 12年度は5782億円(共同通信 2012年4月16日)

『健康保険組合連合会(健保連)は16日、全国の1435健保組合全体で2012年度の経常赤字が5782億円に上り、5年連続で大幅赤字になるとの見通しを発表した。過去最高の約4割に当たる584組合が保険料率を引き上げた。うち288組合が2年連続で引き上げ』

という記事が出ていました。

■健保組合は主に大企業の従業員とその家族約3千万人が加入。回答があった1346組合のデータから全体を集計した。

■平均保険料率は前年度比0・37ポイント増の8・31%。保険料のベースとなる賃金が伸び悩む中、料率の引き上げで収入増を図るが、高齢者医療向けの拠出金負担が響く。
というものです。
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健康保険組合の被保険者から預かった保険料の40%以上が拠出金として高齢者医療費の補填にあてられており、その拠出金事態が組合の財政を大きく圧迫しているといわれます。

健保組合が高齢者医療のために拠出している費用は、長期にわたって上昇し続けており、現在、支出の50%近くにまで達しており、今後、その支出の過半が高齢者医療に拠出されることとなる見込みとみられています。

高齢者医療費を押し上げる原因として、寝たきりや認知症の発症、摂食障害などの機能低下要因だけでなく、入院受療率の増加などの受療構造の変化、多剤投与などの要因があげられれるようです。

療養病棟で医療処置を受けているもののうち、43%は「容態急変の可能性は低く在宅や福祉施設で対応できるもの」という方もおられます。
又、精神科病院に入院している認知症患者の半数は在宅でも生活は可能と言われています。

医療から介護へ、特に病院から高齢者施設、住宅へ誘導することで、健保の医療費(拠出金)負担は大きく改善されるのではないでしょうか。

医療と介護を一体的に考えないと、企業の健康保険組合の負担も軽減されません。病院から在宅へ、医療から介護へとシフトをすることでどれだけの社会保障費の削減につながるのでしょうか。企業も真剣にこのことを考える必要があるように思います。

企業が遊休地を活用して高齢者住宅をつくり、そこに健保組合の組合員の高齢者扶養者が病院から移ることができると、どれだけのコストダウンにつながるかを検討してみる必要があります。

企業が福利厚生の一環として、又、健保組合に対する拠出金の削減策の一環としても、高齢者住宅への取り組みは十分に効果があると考えるのですが、いかがでしょうか。

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エルスリー久留米の弐番館の建築が始まります。この弐番館には太陽光発電が搭載されることになりました。これまでエルスリーに太陽光発電の提案は度々頂いておりましたが、なかなか実現をしませんでした。今回のご提案はオーナー様からのものですが、今後の新しいモデルになるのではないかと思います。

太陽光発電を搭載することで次の3つの効果をみてみたいと思います。

第一、光熱費の削減にどれだけ寄与するか

第二、光熱費の削減により、地主への家賃の増額と利用者へ入居料の減額をどれだけ実現できるか

第三、家賃と入居料を現状のままにしたとして、どれだけの売電効果があるのか

これらのデータをオーナー様と是非検討をしてみたいと思います。今回は第三の効果を実証する良い機会になるのではないかと思います。オーナー様からこのような機会を頂きましたことを心から感謝申し上げます。7月着工、9月末竣工予定です。
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所得増へ200万人規模の職種転換必要 20年までに、産業構造審
2012/4/23

表記の記事が掲載されました。医療介護など硬直的な労働市場を流動化させる必要があるといわれますが、なぜ硬直化しているかの根本的な原因究明がなされないといつまでたっても同じことを言い続けることになるでしょう。
民間企業からすれば、最大のポイントは、この分野をもっと付加価値性の高い事業にすることだと考えます。流動化促進の小手先だけの対策では根本的な解決には至りません。
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経済産業省は23日、産業構造審議会(経産相の諮問機関)の新産業構造部会を開き、医療介護やエネルギーなど重点産業が2020年までに約1000万人の雇用を創出するとの試算を正式発表した。また人口減少下で1人当たりの国民所得を増やすためには、同じ業種内で研究開発や企画など付加価値の高い分野へ、200万人規模の職種転換が必要と指摘した。

23日の部会で示した報告書案は、得意分野を絞ったニッチトップなど価格が高くても売れる企業戦略への転換を促すことを打ち出した。また重要産業と位置づけた医療介護などの発展を促すため、硬直的な労働市場を流動化させる必要があるとの考えも示した

同部会は5月末にも具体的な政策メニューをそろえた報告書をまとめ、政府が年央にまとめる日本再生戦略に反映させる方針だ。

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老施協、特養内部留保の実態調査へ(医療介護CBニュース 4月19日(木))

見出しの記事が掲載されました。特養の内部留保が1施設3億円とのことです。特養の待機待ちが42万人といわれる中で、特定の特養にこれだけの資金が留保されて、受け皿が規制されているのは何故でしょうか? 詳細な調査が望まれます。
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全国老人福祉施設協議会(全国老施協)は、特別養護老人ホーム(特養)の内部留保に関する実態調査に乗り出す方針を固めた。内部留保の実態を明らかにすることで、各施設が経営指標として参考にできるようにするとともに、「ため込み過ぎ」との内部留保批判への反論材料にする狙いもある。

今回の調査では、特養の内部留保とされる項目のうち、▽サービスを提供してから、介護報酬を受給するまでの間に必要な運転資金▽施設の建て替え、改修に必要な資金▽新しい施設の建設に必要な資金―など、「事業を継続するための費用」(全国老施協の桝田和平・介護保険事業経営委員長)の金額を示す方針。これにより、「ただ単に、もうけた分を蓄えているわけではない、ということを明らかにする」(同)という。

調査は、毎年実施している収支状況調査に、一部の項目を追加する形で行う方針。全国老施協の全会員施設を対象に、2011年度の決算がまとまる5月末から6月にかけて調査票を送付し、今年の秋までに結果を取りまとめる予定。

特養の内部留保をめぐっては、厚生労働省が昨年12月の社会保障審議会介護給付費分科会に、1施設当たり約3億円の内部留保があるとの調査結果を示している。
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