無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2012年04月

本日は田舎の実家で菩提寺の春の法要に出席しました。心身ともにリフレッシュです。小さな小さな田舎の山寺です。檀家の皆さんも高齢化が進んで、お寺の今後の維持が大変です。
神社・仏閣を中心とする地域のコミュニティの維持が危ぶまれます。
洞田寺
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本日はエルスリー発祥の地である鳥取を訪問。最初のエルスリー壱番館が昨年の6月にオープンし、弐番館が今年の2月にオープンしました。壱番館は勿論のこと満室、弐番館も16室定員に対して14室で今月中にも満室となります。徐々に入居のスピードが上がってきており、地域への浸透度合いが伺えます。

最初鳥取でエルスリーが出来たときには、皆さんも全く新しい小規模ローコスト型の高齢者住宅ということで、少し距離をおいてみておられたようですが、上嶋ホーム長やスタッフの頑張りのおかげで、徐々に地域に浸透して参りました。各介護関係事業者様とも良好な関係が築かれ、地域でのブランドになりつつあります。

本日の訪問はエルスリーのオーナ様との参番館の打ち合わせが目的でした。オーナー様は鳥取市内でも有数の賃貸運営をされておられる株式会社観光様で、町の一画が全てこのオーナー様の賃貸住宅というエリアです。

老朽化してきた賃貸住宅を新たに建て直すのではなく、高齢者住宅へとチェンジしていくという時代の要請を読み取った戦略には敬服しております。既に壱番館、弐番館が完成し早期満室となりましたので、更に、参番館、四番館の画を検討することになったわけです。

老朽化した賃貸住宅が新たにシニアタウンへと切り替わる一つに地方モデルとなるのではないかと思います。全ての構想が実現できると4棟で合計64室の高齢者住宅と30人デイサービス+訪問介護事業所が併設された一大シニアタウンへと変貌するかもしれません。
鳥取全景
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病院、経営効率化急ぐ コスト圧縮待ったなし 2012/4/20付 日本経済新聞

本日、見出しの記事が掲載されていました。医療材料のコストダウンをはかるなど、経営効率化の問題もさることながら、現在医療に求めらえているのは抜本的な構造改革です。
高齢化や人口の減という構造的な環境変化に耐えうる病院の経営改革が求められているのです。コストダウンだけでは、抜本的な経営改善にはつながりません。
 
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■60病院が医療材料の共同購入に踏み切るのは、経営の効率化が急務になっているためだ。国の財政難などを背景に、医療サービスの単価である診療報酬の大幅な引き上げは難しくなっており、収入の増加が期待できなくなっている。

■厳しい経営状態を改善するには、「ぬるま湯」とも呼ばれる経営から抜けだし、コスト削減に本腰を入れる必要がある。

医療機関の経営環境は厳しく、年間100以上の病院が閉鎖に追い込まれている。一部の中小病院などでは収支の悪化で設備投資などに回す資金が不足し、結果として患者が新設の大病院に流出するという悪循環に陥っている。

■病院のコストの8%~15%程度とされている医療材料費の圧縮はまったなしの課題だ。病院の収支の改善は、日本の医療費の膨張の抑制につながる可能性もある。コストの増加を吸収するために診療報酬の引き上げを求める圧力が、いくぶん和らぐとみられるためだ。そもそも医療費は保険料や税金で賄われている。効率のよくない医療材料の流通システムを維持するために医療費が膨らんでいるとすれば、問題は大きい。

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「介護人材に7段階の段位導入を検討」と昨年3月に発表されていましたが、この内容は最近どのように進捗しているのでしょうか?
認定介護士などの上級資格等がとりだたされる中、現場では介護の人手不足が深刻になってきています。レベルアップアは人材があってのこと。他産業からの移動や新しい人材の活用方法を考えねば、キャリアアップ制度は生きてきません。介護人材の確保に向けた思い切った政策が必要です。
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■介護人材のキャリアアップ制度の構築に向け、政府の「実践キャリア・アップ戦略推進チーム」の下に設置された専門タスク・フォースの「介護人材ワーキング・グループ(WG)」はこのほど、7段階の段位制度を導入する方向で検討に入った。政府は来年度中に実証実験などを実施した上で、2012年度の本格実施を目指している。

■段位は、政府が導入を目指す「実践キャリア・アップ制度」の中に位置付けられる。技術や能力を客観的に証明することでキャリアデザインを描きやすくしたり、他分野からの労働移動を円滑にしたりすることが狙い。現在は介護、環境・エネルギー、食・観光の3分野で具体的な基準の策定に向けた議論が進められており、他の成長分野にも順次拡大する方針だ。

■介護人材をめぐっては、基本的な知識や技術を修得したレベル1の「エントリー」から、最高位に当たるレベル7の「名人」まで、7段階の段位を設定する案が検討されている。具体的には、レベル2、3が「スペシャリスト」、レベル4が「プロ」、レベル5、6が「上級プロ」とされる。

■また、介護関係資格とも関連付け
▽レベル1が初任者研修(現行のホームヘルパー2級研修)修了相当
▽レベル3、4が介護福祉士相当
▽レベル5、6が現在検討されている「認定介護福祉士」(仮称)相当―などとする案が出ている。

段位を介護報酬とリンクさせることや、具体的な段位の認定方法なども検討課題に挙がっている。


専門タスク・フォースは月内にも、実践キャリア・アップ制度の骨格に当たる基本方針を取りまとめる予定。介護や環境などの各分野に共通する横断的な段位設定の在り方や評価方法、普及に向けた方策などが盛り込まれる見通し。この基本方針に沿って、各WGは具体的な制度設計に向けてさらに議論を進める。

■職業能力開発基本計画にも位置付けへ
また実践キャリア・アップ制度については、来年度から5年間の職業能力開発政策の方向性を示す「第9次職業能力開発基本計画」にも新たに盛り込まれる見通し。厚生労働省がこのほど民主党厚生労働部門会議で示した同計画の案では、職業能力の開発・向上やキャリア形成が容易になるよう、同制度を構築する必要性があるとしている。

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低所得高齢者の住宅確保と介護施設の将来像に関する調査・検討というレポートが出されました((平成23年度老人保健事業推進費等補助金 老人保健健康増進等事業)。
このレポートでは次にように報告されています。ポイントを載せておきます。

■有料老人ホームの届け出促進や指導等の徹底が繰り返し要請されているにも関わらず、さまざまな理由で届け出逃れがなされ、中には虐待や、寝たきり高齢者ばかりを集めて医療・介護保険を不正請求する事案が後を絶たない。その背景には、そもそも心身の変化によってさらに居住が不安定になりやすい低所得高齢者の住まいの在り方について、住宅施策・福祉施策上も十分に整理がなされてこなかったことが大きな要因と考えられる。

■2009年に群馬県渋川で起こった「たまゆら火災事故」は、都市部の生活保護を受給する高齢者の行き場がない実態をあぶり出した。今後特に都市部で、高齢者の単身や夫婦のみ世帯の急増が見込まれており、その中でも借家層や低所得高齢者の住宅確保に関する対応は急務である。

■そこで、本調査事業においてはまず、住宅確保が困難な低所得高齢者の実態把握のために、統計データの整理や地方公共団体へのアンケート・ヒアリング調査を行い、問題の所在を確認した。ついで、国等の高齢者介護・福祉・住宅施策に関する整理を行い、また地域で高齢者の居住支援や貧困問題に取り組む実践者・専門家へのヒアリングを通して、現行制度上の課と先進事例の把握に努めた。以上から、有識者による委員会において今後必要な施策等について検討を行い、介護施設の将来像についても論点整理を行うことを目的とした。

<要点>
①身よりがない低所得の単身高齢者が居住水準の低い民間借家に居住し、要支援・要介護状態になれば、そのまま住み続けることが困難になり、地方の未届けホーム等に入所しなければならない現状について、急激な人口・世帯構造の変化、要介護・認知症の発生率、高齢者の住まいや所得、生活保護受給者等に関する実態、自治体ヒアリング等により分析を行った。

②生活保護や公営住宅制度、高齢者向け住宅・施設等の施策について横断的に整理・分析したところ、いずれも不十分で、これらの施策から漏れる層が増えつつあり、不公平を生むとともに、貧困ビジネスが拡大する原因ともなっているという現行制度の課題・限界が明らかになった。

③住宅困窮の要因は、所得や資産だけでなく、人間関係等の社会関係資本が乏しいことが背景にあるという認識のもと、単身・借家居住・要支援要介護高齢者の将来推計を行ったところ、都市部を中心に今後急激に増加する一方で施設整備量が不足しており、施設整備以外の方策を講じることが急務であることが明確になった。

④地方自治体アンケート調査によれば、大都市部でこの問題が認識され始め、高齢者の居住実態把握や未届け有料老人ホーム対策を行う一方で、公営住宅や民間賃貸住宅等の既存ストックの有効活用や、居住支援協議会による住み替え支援、家賃補助など、低所得高齢者の住宅確保に関する新しい施策の萌芽がみられた。

★介護保険施設の将来像について整理
地域包括ケアが浸透し、地域居住が進めば、高度化し専門化した施設機能は地域居住のバックアップ機能を担うこともありうる等、介護施設の将来像について整理を行った。
①高齢者福祉住宅(仮称)  ②重度要介護者対応住宅(仮称) ③在宅復帰支援リハビリ住宅(仮称)  ④地域の包括的支援拠点

(http://www.koujuuzai.or.jp/pdf/project_20120410_04.pdf)
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