無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
豊かな高齢者社会の構築に向けて、日々尽きることの無い気付き、出会いを綴って参ります。

2012年10月

見出しの記事が数日前日経に出ていました。日本の産業界が抱えている円高や電力の供給不足等「6重苦」といわれていたのが、最近はそれが「7重苦」や「8重苦」にも増えているといいます。悪い材料ばかり挙げてもきりがないが、日本企業が目指すべき方向はイノベーションの創出である、というものです。

具体的な例としては、次の点が挙げられました。

■コマツの自動制御ブルドーザーは、もともと熟練作業者の不足を補うために開発され、欧米で近く商品化すjる予定だが、一足早く放射能の除染現場という意外な場所で威力を発揮している。表土を均一に削り取ることが可能。

■ソニーが開発した細胞分裂装置。研究者向けの特殊な装置で一般に注目されることは少ないが、従来品よりはるかに小型廉価で学会などで展示すると人だかりができるほど注目されているという。ウオークマン以来のソニーに流れる小型化のDNAがこの装置の開発にも生きたと担当者はいう。

こうしたイノベーションに共通するキーワードをあえて取り出せば、異質なモノの接触から新たな革新が生まれる「異種交配性」ではないか。

コマツの場合はブルドーザーという昔ながらの機械にITの力を導入することで、新たな使途を切り開いた。ソニーの分析装置の根っこには、実はブルーレイ・ディスクなどで使われるレーザー技術が応用されている。もともと映像機器用だったテクノロジーが、「医療」という新たな領域で活躍の舞台を見出した。

経済成長のエンジンは生産性の向上であり、生産性向上の決め手はイノベーションだ。企業も国も厳しい時代だからこそ、基本に立ち戻る必要がある。

介護の世界はまだ市場環境が恵まれているだけ良いのかもしれません。介護の受け手である「人材不足」に苦労が絞られているからです。ただ、この人材不足という「苦」をどのように解消するのかの出口が見つかりません。

介護の人材確保の為のイノベーションをどのように起こすか、介護にとっての「異種交配性」とは何をいうのか、悩み、考え続けています。

数日前の日経に、「守り」を恥じた孫社長、という記事が出ていました。その内容を紹介しておきます。

今日の日本経済、日本社会を動かすものは、ここに書かれている「狂」以外のなにものでもないかも知れません。果たして自分にそれだけの覚悟、狂気があるかを改めて問い直しています。

■10月5日の午後8時58分、ソフトバンクの孫正義社長はツイッターでつぶやいた。「少し守りに入りかけている己を恥じ入る。もっと捨ててかからねば」

■「守り」とは、どういう意味か。ソフトバンクはこの4日前に国内携帯電話4位のイー・アクセスの買収を発表したばかり。株式交換だが時価に換算すれば1800億の巨額買収だ。十分に攻めているではないか。

■10月10日の午後11時41分にはこうつぶやいた。「目標が低すぎないか?平凡な人生に満足していないか?」米携帯電話3位のプリント・ネクステルを買収するとの一報が流れたのは、翌日の11日だった。

■「自分はよくやっているのではないか」。現状に安住しそうな自分を叱ったのが5日のつぶやきだ。

■この日は孫社長が尊敬する米アップルの創業者、スティーブ・ジョブス氏の命日であった。ジョブス氏は生前、「もし今日が自分の人生最後の日だとしたら、今日やる予定を私は本当にやりたいだろうか?」u>と自分に問いかけてから仕事に向かったという。

■1兆5700億円という買収金額も小さくはない。それでも孫社長は踏み込んだ。
それは成長を希求してやまないある種の狂気だ。


■飽くなき成長への欲望は、裏目に出れば会社を存亡の危機に追い込むかもしれない。だが、リスクを避ける「正気」が会社をむしばむこともある。

■4期連続の赤字に苦しむソニーの幹部は、その原因を一言でこう言い表した。「CFO(最高財務責任者)経営」

■CFOが悪いという意味ではない。バブル経済の崩壊後は、どの会社でもリスクを管理するCFOの権限が強くなった。「投資はキャシュフローの範囲内で」「手元資金は厚く」。リスクを避ける経営を続けた結果、多くの企業が成長の芽を摘んでしまい、縮小均衡のアリ地獄にはまり込んだ。

■「ビジネスはゲームだ。そのゲームに勝つこと、これに勝る快感はない」
といったのは米ゼネラル・エレクトリック(GE)のジャック・ウエルチ元最高経営責任者(CEO)。彼はこうも言っている。「勝っている会社、そこに働く人々こそが、健全な経営を支えるエンジンだ。彼らこそが自由で民主的な社会の礎なのだ」

■日本企業の多くが「勝つ快感」を忘れて久しい。日本経済のエンジンは冷えたままだ。責任は経営者にある。

医療・再生エネ・農業 銀行、成長3分野を強化( 2012/10/22) 日本経済新聞 

2日前の新聞に下記の記事が出ていました。本日もある都市銀行の方々と病院のサービス付高齢者向け住宅の取り組みについて経営相談に行って参りましたが、医療機関の投資意欲は並々ならぬものがあります。

人口減少、少子高齢化の影響をもろに受ける病院経営にとって、新たな成長分野として高齢者住宅とリンクした在宅医療分野へのシフトは必須といえます。

大手都市銀行もその需要を取り込もうと積極的に医療法人へのアプローチを行っているのです。

■銀行が将来の成長分野と見込まれる医療・介護、再生エネルギー、農業への融資を強化している。異業種の新規参入や設備更新などで旺盛な資金需要が期待できるためで、成長分野を支援する日銀の貸出制度を利用した融資は2兆3000億円を超えた。なかでも、3分野への融資は全体の5割近くにのぼっている。

■専門家の育成も加速させている。成長3分野に資金や人材を重点的に配分し、経済成長を金融面から支援する。

■メガ銀行の攻勢が目立つのは医療分野で、病院の経営改革に必要な資金を融資している。

■三井住友銀行の医療機関への新規貸出額は12年度に1300億円と3年連続の増加となる見通し。

■三菱東京UFJ銀行は、グループ会社を通して、中古の医療機器を買い取るなど融資以外のサービスも強化する。

■介護分野では、三井住友銀行が10月から、異業種や地主が介護事業や施設運営に参入する際の資金相談に応じ始めた。建築士ら外部の専門家と連携し、事業計画作りを個別に支援する。

■地方銀行では、静岡、常陽、群馬などの有力地銀が、医療経営の資格を行員に取得させて、資金需要を積極的に開拓している。

■医療の専門人材を育成する動きは地銀10行以上に広がり、病院や開業医向け融資部署の設立も相次いでいる。

■大手銀や地銀が成長3分野に注力するのは、国内で拡大が見込まれる数少ない市場だからだ。第一生命経済研究所の試算では、医療・福祉分野は高齢化の進展で25年までに年平均3.3%の成長が続くという。

格安航空、パイロット争奪戦「路線拡大のカギ」という記事が本日、日経に掲載されていました。介護業界も同様の競争が激化しています。

高齢者施設では、パイロット(ホーム長・施設長)だけではなく、ケアマネやサービス提供責任者や相談員等の中~上級資格者の数も、一般のヘルパー資格者も含めて全般的に不足しています。人材確保は今後の事業拡大にとって死活問題といえます。人材採用戦略の有無がこれからの介護を決定づけることになるでしょう。

■国内格安航空会社(LCC)3社がパイロットの確保を急ぐ。ジェットスター・ジャパンが2013年末までに現状の2.5倍の200人体制にするほか、ピーチ・アビエーションも13年9月までに1.7倍の100人規模にまで増やす。各社は外国人パイロット採用を強化したり、自前の専門訓練所なども設けたりして、必要数を早期に確保したい考えだ

■エアアジア・ジャパンも含めた国内LCC3社は当面、毎年5機前後の機材を増やす計画。現在3社の合計パイロット数は195人程度だが、3年後の15年には500人規模に膨らんでいる公算が大きい。

■LCC3社のパイロットは日本航空出身が多い。ピーチの場合は「初期メンバーの半分は日航パイロット」という。日航の経営破綻に伴い、1000人規模のパイロットが退職し、多くが国内LCCに流れた。

■一方、中近東などの海外航空会社も積極的に日航出身者を採用したこともあり、LCCの参入をを支えた日航出身パイロットはすでに払底した状況だ。

■このため、事業拡大を進めるLCC各社にとってパイロット確保が最大の経営課題に浮上している。従来は経験者しか採用していなかったエアアジアやピーチは、パイロットの教育を受けた航空大学卒の新卒採用も検討する。

外国人パイロットの中途採用も本格化する方針だ。既に8人の外国人を採用しているジェットスターは「さらに増やしたい」と意欲的だ。

■このほかエアアジアは機種変更などの訓練期間を短縮するため、「国内に訓練施設が必要」(エアアジアのトニー・フェルナンデス最高経営責任者=CEO)。ピーチも全日本空輸グループの訓練施設を活用している。

■全日空によると、LCCの主力機材であるエアバス320型機は今後5年間にアジア地域だけで2000機引き渡される予定で、少なくとも約2万人のパイロットが必要になるという。海外LCCも含めて国際間でもパイロット争奪戦が激しくなっている。

■このため、パイロットの確保に想定以上のコストが膨らみ、収益化が遅れる可能性がある。確保に手間取れば計画通り路線拡大ができなくなる恐れもある。

本日の日経新聞には高齢者にかかわる記事が複数掲載されていました。特に注目しましたのは、厚労省が生活保護世帯の学生に介護職になることを前提に貸し付けをするというものです。

100万人の介護職不足の時代に何か、一助になることを期待します。要点を掲載しておきます。

■厚労省は来年度から生活保護世帯の高校生が卒業後に介護福祉士の養成施設などへの入学を希望する場合、学費や生活費を貸し付ける制度を始める。

■卒業後5年間介護・福祉職に就けば、全額返済を免除する

■介護福祉士や社会福祉士を目指す高校生向けの支援制度を、生活保護世帯向けに拡充する。

■2年間の授業料を月額5万円以内で貸し付けるのに加え、生活費の一部も貸し付けるのが特徴。

■生活保護費のうち食事や衣服をまかなう「生活扶助1類」と同洪の金額を上限とする方向。たとえば物価の高い東京23区では4万円程度で、地方の方が安くなる。

■全額無利子で貸し付け、5年以上介護・福祉職に就いた場合は全額返済を免除する。必要があれば、入学や就職への準備金としてそれぞれ20万円ずつ貸し付ける仕組みもある。

月額5万円で2年間で120万円、それに準備金として20万円、加えて生活費で4万円で2年間として、合計で236万円となります。本日の記事には、国はこの制度を利用して何人の介護・福祉職を生み出そうとしているのかが不明ですが、一人でも多くの対象者が生れることを期待したいと思います。

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