無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2012年11月

本日の朝日新聞に見出しの記事が掲載されていました。身体障害者の雇用を増やそうという企業が増えています。注目すべきことです。

■企業が雇わなければならない障害者の割合が、来春に引き上げられるためだ。27日からは、精神障害者の雇用を義務づけるかどうかの議論が国の審議会で始まる。その結論を先取りした動きも出てきた。

■未達成企業、1人不足で月5万円を国へ
企業が達成しなければならない、従業員に占める障害者の割合(法定雇用率)は、労働市場の中にいる働く意欲がある障害者の割合を根拠にして決める。現在は1.8%で、来春には2.0%に引き上げられる。未達成の企業は、足りない1人につき月5万円を国におさめなければならない。

■「今年は身体障害者が全然集まらない」。ソフトバンクの通信3社で人事を担当する甲田修三執行役員は頭を悩ませる。
現在は、従業員の1.9%の障害者を雇っていて基準を満たしているが、来春には下回る。従業員全体は増えているので、障害者をあと70人分雇わなければならない。めどがついたのはまだ十数人。知的、精神障害者を採用することを視野に、どんな仕事があるか、検討を始めた。

■人材紹介会社にも求人依頼が殺到している。インテリジェンスは企業からの求人数が昨年の3倍に。しかも「あと何十人必要です」といった大型案件が目立つという。求人の9割以上が身体障害者だ。

■障害者専門のゼネラルパートナーズも、紹介を頼んでくる企業が約750社と昨年の1.5倍になった。大手からの依頼が増えており、数年ぶりに求人を出してくることも多いという。進藤均社長は「企業が一斉に身体障害者の採用に動き出した。精神障害者は採用後の丁寧なケアが必要で、企業には心理的な壁があるのでは」と指摘する。

■精神障害者に対して「ノウハウがない」「途中ですぐに辞めないか心配」とためらう企業は多い。「若い身体障害者はいまや『金の卵』」(大手製造業の担当者)という言葉すら聞こえてくる。

■働く障害者に占める身体障害者の割合は6月時点で76%。ハローワークを通じて就職する身体障害者はここ5年は2万2千~2万4千人台で横ばいだが、今年度は2万6千人を超えそうだ。

■精神障害者にも関心
厚生労働省の労働政策審議会の分科会は27日から、精神障害者の雇用義務づけについて議論する。現在の法定雇用率は身体・知的障害者だけを計算の根拠にしているが、精神障害者の雇用が義務づけられると計算の仕方が変わり、さらに引き上げられる可能性が高い。

■身体障害者の採用が難しくなっていることもあり、優秀な精神障害者を確保しておこうという企業も出てきた。
伊藤忠商事は特例子会社「伊藤忠ユニダス」で精神障害者の採用を増やす。現在の雇用率は2.0%程度。余裕をもたせて2.2%程度まで引き上げる。中心は精神障害者になりそうだ。ユニダスの萩原能成社長は「採用の幅を広げないと、優秀な障害者の確保が難しい時代に入った」とみる。

■障害者雇用を推進するNPO法人「eキャリア・雇用プロジェクトk」(神奈川)には、企業から「精神障害者の採用を検討している。対応に詳しい人を紹介してほしい」との相談が今年になって入るようになったという。
安部省吾理事・事務局長は「制度改正を前に企業のいろいろな動きが出ている。雇用の量の増加も大事だが、労働条件など雇用の質を高めることも重要だ」と話す。
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本日はある医療法人の依頼で、近隣の高齢者住宅賃貸物件について一緒に地主との面談をしてきました。地主も他の介護事業者からの提案を受けているようすが、病院が借りてくれるのであればと積極的です。

この病院は、現在サービス付高齢者向け住宅を計画中で、エヌ・ビー・ラボが開発と運営の支援をさせて頂きます。1階を透析病院とし、2階、3階を透析患者を対象としたサービス付高齢者向け住宅を計画しています。

それと同時並行して、賃貸で我々の小規模ローコスト型高齢者住宅「エルスリー」を病院周辺に複数作っていきたいという構想をもっています。

この医療法人は既に病院の他、特別養護老人ホーム、老健保健施設やデイケアを運営をしており、いよいよ高齢者住宅に乗り出してきたわけです。小規模での賃貸物件は、ホスピス型を含めて、高齢者の症状に合わせた複数の高齢者住宅を今後展開していきたいという病院側の意向です。

病院を核とした老人保健施設と医療型高齢者住宅、その周辺に特別養護老人ホームと複数の賃貸による症状別や対象者別の小規模高齢者住宅群を作る構想が動き出しました。医療法人の新しい動きです。

できれば我々もその周辺に介護型の高齢者住宅を開発して参りたいと考えております。
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昨日と本日、山口県岩国市柱野832-1にて17番目の「エルスリー岩国柱野」の内覧会が開催されました。生憎私は出席ができませんでしたが、現地からの報告は大変好ましいものでした。

立地からわかりますように、岩国市内にしては少し奥まったところに開設をしましたので、反響について少し心配をしておりましたが、2日間の内覧会は成功裏に終わりました。

2日間で102組、163名の出席がありました。お申込みも18件と、一番館の定員16室を超えたようです。

エルスリー岩国柱野は他のエルスリーとは少し異なり、弐番館を同時に併設していますので、壱番館の入居は満室になり次第、弐番館の入居者の募集も行って参ります。壱番館、弐番館で合計32室と15名定員のデイサービスとなります。

<オープン前のエルスリー岩国柱野>

岩国写真 



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<前回に続く>

前回同様、11月20日付の読売新聞に掲載されていました、サービス付高齢者向け住宅の課題について次のように述べられています。

『宴の後は淘汰の時代』というようにならなければ良いのですが。

<介護対応 今後の課題、業者の質、見極めも必要>

■1Kのサービス付き高齢者向け住宅の室内。バリアフリー構造だが、入居者の今後の状況によっては、「見守り」にとどまらないサービスが求められる可能性も(東京都内で)サービス付き高齢者向け住宅では、見守りサービスなどを行う職員を配置することが義務付けられているが、その人数についての規定はない。

このため、介護を必要とする人が増えていった時、十分な対応ができるのか懸念する声がある。急増する同住宅の質を、どのように保っていくのかも今後の課題になりそうだ。

■東京都社会福祉協議会が今年8~9月に37か所のサービス付き高齢者向け住宅から回答を得たアンケートによると、入居者像として要介護4、5など、介護の必要性が高い人を想定しているのは11%にとどまった。

だが今後、入居者が年齢を重ねていくにつれ、本格的な介護が必要になる状況も想定される。

■こうした住宅で介護保険サービスを受けたい場合は、入居者が外部の事業所に個別に申し込むことになる。しかし、夜間などに迅速さが求められる排せつ介助や、認知症の徘徊(はいかい)行動などに対応できるのかという課題は残る。

■高齢者住宅経営コンサルタントの濱田孝一さんは「介護の必要性が増した時に、どんなケア体制を組むのかが後回しになっていないか。見通しが甘いまま建設ありきで進んでいくと、結局は入居者にしわ寄せがきてしまう」と話す。

<参入事業者の質を心配する声もある>

■茨城県つくば市は、市内にサービス付き高齢者向け住宅を建設させない方針を宣言している。
同市高齢福祉課によると、2010年に行った市民対象の意識調査で持ち家率が高く、在宅での介護を希望する人が9割だったことに加え、悪質な業者の参入を警戒しているためだ。過去に市内に建った高齢者住宅で、事業者が入居者の生活保護費を召し上げているといった情報が寄せられたこともあったという。

■しかし、サービス付き高齢者向け住宅の建設について審査をし、登録を行うのは都道府県、政令市、中核市。それ以外の自治体に建設の可否を決める権限はない。「地元に高齢者 住宅のニーズはないのに、問題だけ持ち込まれはしないか」(同課)と心配する。

■サービス付き高齢者向け住宅は高額な入居一時金が必要ないので、利用者は引っ越しに近い感覚で自由に選べる。「人気のない住宅には人が集まらない。

そのうちに淘汰(とうた)の時代が来るのでは」。サービス付き高齢者向け住宅協会事務局長の奥村孝行さんはそう話し、「サービスや運営の適正さをランク付けするなど評価の仕組みを検討していきたい」と説明している。(赤池泰斗)

※サービス付き高齢者向け住宅 原則的に部屋の広さは25平方メートル(十分な広さの共用の居間や食堂などがあれば18平方メートル)以上。事業者は少なくとも安否確認と生活相 談サービスを入居者に提供する義務がある。介護サービスが必要な入居者は外部の介護事業所と契約する。国は、建設を促進するため、事業者に対し建築費の一部を補助している。

(2012年11月20日 読売新聞)
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11月20日の読売新聞に「見守り付きの高齢者住宅が急増」という記事が出ていました。ポイントを拾ってみたいと思います。サービス付高齢者向け住宅の実態を反映しています。

自立支援型の高齢者住宅が多くできていることが予測されます。

昨年秋に登場したサービス付き高齢者向け住宅が急増している。安否確認や生活相談に乗ってくれる職員が常駐し、独居高齢者が安心して暮らせるように配慮した賃貸の集合住宅だ。「ご近所同士」の付き合いを促す工夫など特色ある取り組みも広がっている。

<生きがい、楽しみも提供>

「アイビスコート」の外観。一般のマンションと見分けがつかない 「プライバシーが保たれ、なおかつ職員が気に掛けてくれる。安心して生活できます」。東京都品川区の「区立大井林町高齢者住宅」の樺澤信子さん(68)はそう話す。

5階建ての住宅には95人が入居。平均年齢75歳。室内は段差をなくしたバリアフリー構造だが、一見1Kのマンションと変わらない。樺澤さんは一人暮らし。毎日のようにフラダンスなどの習い事に出かけている。当然、自炊するのも外食するのも自由だ。

■一般のマンションと大きく異なるのは、国の基準で安否確認と生活相談をする職員の配置が必須条件として定められていること。大井林町高齢者住宅では、管理を担当する社会福祉法人さくら会の職員が24時間体制で常駐。各戸の浴室や居間などには緊急通報用ボタンが設置されている。

■単身の場合、家賃は月額7万5000円、他に安否確認などの生活支援サービス費等で2万円。収入に応じて区から家賃助成がある。


高齢者住宅研究所(大阪市)の調査では、今年9月時点の戸数は全国で7万1451戸(2256棟)。1月の8455戸(250棟)から大きく増えた。家賃には幅があり、半数近くを占める18平方メートル以上20平方メートル未満の家賃は5000円~17万5000円。

安心のためのサービスは様々。デイサービスセンターや訪問看護ステーション、グループホームなどの事業所を同じ建物内に併設しているケースも多い。近隣の病院との連携を強調している住宅も。

■介護や医療面の安心だけでなく「生きがい」「楽しさ」を打ち出しているケースも。大阪市西成区の「アイビスコート」は、屋上に菜園があり入居者が手入れをする。11月上旬に訪れると、サツマイモなどを収穫しながら会話を楽しんでいた。玄関の清掃を日課にしている人もいる。

同住宅を運営する社会福祉法人「ヒューマンライツ福祉協会」の遠藤忍さんは「生きがいや楽しさも提供することは心身の健康につながる」と話す。

■神奈川県大和市の「シャロームつきみ野」では月1回、入居者と職員が参加するミーティングを開く。提供される食事について要望を聞いたり、花見などのイベントを企画したりする。運営するNPO法人「シニアネットワークさがみ」理事長の古居みつ子さんは「せっかく集合住宅に住んでいるのだから一つのコミュニティーとして支え合っていくことが大事だ」と話す。

■福祉政策に詳しい三菱総合研究所主任研究員の福田健さんは、「自分らしい生活を求める団塊世代が高齢期を迎えており、『楽しさ』を打ち出す高齢者住宅は今後増えていくのでは」と予測する。

<次回今後の課題に続く>

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