無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2012年12月

我々エヌ・ビー・ラボのメンバーにとって今年は記念すべき1年でした。昨年6月に鳥取にてエルスリー壱番館が誕生してから、本日までで開設済み20施設、来年オープン予定施設37施設という快挙を成し遂げたことになります。

これも一重に皆様のご支援の賜物と、この場を借りまして御礼申し上げます。又、同志皆様の必死の努力の賜物と感謝申し上げます。

かつて高齢者住宅事業者の誰もがなしえたことのないスピードではなかったかと思います。高齢者住宅事業に新しい時代が訪れたと言っても過言ではないでしょう。

昨年10月にサービス付高齢者向け住宅の事業が始まり、一気に成長軌道に入ってきた高齢者住宅産業ですが、まだまだ課題も多くあります。

高齢者住宅を巡って様々なビジネスモデルが雨後の竹の子のように誕生し始めております。エルスリーも今はまだその中の一つでしかありません。しかし、短期間にこれだけの施設開発が可能となったのは、まさにエルスリーが時代の要請であったと感じております。

小規模、ローコスト、ロープライス型の高齢者住宅を皆さんが待ち望んでいたのではないかと思います。エルスリーもまだまだ多くの課題を抱えております。しかし、いつまでたっても完成はあり得ません。走りながら、改善をしつつ、次なるモデルを模索せねばなりません。

消費者が求めているものを如何にハイスピードに提供するか、それを可能にするのは、日々の業務改善しかありません。来年も又、全員でチャレンジをして参りたいと存じます。
本年は本当にお世話になりました。ありがとうございました。来年も何卒よろしくお願い致します。
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離職介護職員、64%が勤務3年未満 人材難浮き彫り (岐阜新聞2012年12月27日)

中部地域は大変介護人材の募集が厳しくなっておりますが、岐阜新聞に下記の内容の記事がでています。この業界の売り手市場の現状を端的に表しているのではないかと思います。
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◆昨年度の実態、県調査

■岐阜県内の特別養護老人ホームや訪問介護、デイサービスなどの介護サービス事業所を昨年度離職した介護職員のうち、勤務して3年未満で離れた人が64%を占めることが26日、県調査で分かった。1年未満も36%あった。

■介護職員の充足状況は居宅系事業所の50%、施設系の52%が不足感があると回答、人材確保が引き続き課題であることも浮き彫りとなった。調査は7月に実施、640事業所と介護職員1213人が回答した。4月時点で介護職員の82%が女性。非正規雇用者の割合は居宅系事業所68%、施設系32%。

■これらの事業所を昨年度中に離職した人は全職員の15%。施設系の非正規職員の離職者に絞ると3年未満での離職が78%に達し、1年未満も50%あった。介護関係の職場を辞めた経験のある職員の離職理由は、職場の人間関係への不満が29%で最多。労働時間や勤務体制への不満28%、給与・賃金への不満23%が続いた。

■介護職員に現在の仕事を選んだ理由を尋ねると「やりがいのある仕事」(居宅系48%、施設系45%)、「これからの時代に必要な仕事」(居宅系42%、施設系47%)がトップ2で、「家計維持のため」などを上回った。

■県高齢福祉課は「同一法人でない限り他の施設の職員との交流はほとんどないのが現状。横のつながりをつくることで介護技術を高め、モチベーションを維持してもらえたら」と期待、来年度は介護職員が集い専門的な取り組みの発表や意見交流の機会を設ける方向で検討している。

※問題は介護職員の絶対数が不足していることにが最大の原因となっていると思われます。介護職の有効求人倍率が2倍、3倍となっている現状から、離職しても結局は他の施設や介護事業に関わっていくということが普通で、転々と移動している方々が増えています。それ故に、介護事業者としてどのように採用をし定着率を高めていくのかの対策が要求されています。
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本日は山口県岩国市のエルスリー柱野に行って参りました。これまでのエルスリーは極力住宅街にという思いから市街地に作るケースが多かったのですが、エルスリー岩国柱野は少し郊外、というよりも写真にありますようにかなり田舎です。市の中心地からは7~8㌔程度離れた場所で、市の中でも奥まった山間の町にあります。

岡山の備前もそうでしたが、これまでの施設はできるだけ市街地というのが通例でありますが、その周辺部分も高齢化が大変進んでおり、所によっては十分なニーズがあるのです。
エルスリー岩国柱野も12月1日にオープンをしましたが、現在は6名、現在お申し込みを頂いている方々を含めますと来月には満室になります。

中心部からのご利用者ではなく、多くが周辺の山間の街からのお問い合わせが多いようです。これからの立地として考える必要がありそうです。

エルスリー岩国立地場所
岩国立地 

エルスリー岩国柱野からみた風景                    施設風景
                                         

岩国写真0 岩国写真7


 岩国写真2 岩国写真4

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このようなショッキングな記事が高齢者住宅新聞(12月15日)に掲載されていました。

■厚生労働省は11月27日、平成23年患者調査概要を発表した。この調査は全国の病院・一般診療所・歯科診療所を無作為抽出し、昨年10月の特定した1日の利用患者数や年齢、傷病などをまとめたもの。客体数は入院・外来患者が約233万5000人、退院患者が102万人。

■それによると、入院患者の総数は134万1000人。このうち65歳以上が91万4900人と約7割を占める。

■認知症による入院は、アルツハイマーによるものが4万1000人、血管性及び詳細不明の認知症によるものが3万9000人。入院先はアルツハイマーでは2万7500人(67.0%)が精神病床、1万600人(25.9%)が療養病床。血管性等では2万5900人(66.4%)が精神病床に、1万1400人(29.2%)が療養病床に入院している。

在宅で受け入れられる施設が不足しています。以前、ある先生から認知症は、アルツハイマーや脳疾患からくる生活機能障害だというお話を聞いたことがあります。精神病床に7万人の患者の中で約半数は在宅でも見れるはずという専門家もおられます。できれば在宅で生活できるような環境が一番望ましいと思います。

その為には認知症の専門的な勉強や研究も欠かせません。もっと多くの専門家が在宅分野において必要ではないでしょうか。しかし、ここも人材不足。介護の悩みは尽きません。
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<前回に続く>

昨日の続きで、若年者と高齢者のベストミックスを目指す、「互譲」という考え~「補完」関係の構築にむけて提案されています。要点をまとめておきます。
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■既に雇用されている各世代が、自分たちがこれまで得てきた賃金水準にこだわりすぎると、企業は新規採用をする余力を失ってしまう。特に過度に年功的要素をもった賃金は、若年世代の不満をもたらしやすいし、年齢構成の変化により人件費が増えるリスクもある。

■どの世代にも納得して働いてもらうには、発揮された生産性と賃金のリンクをより強めて、実力主義の処遇を強化すべきだ。一律的な処遇がなされることの多い再雇用者の給与水準も、本人の実力をより反映するように改めていく必要がある。

■もう一つの柱の「補完」とは、若年者と高齢者が互いに補い合う関係を構築することを指す。「補完」の関係を築くには、各世代の特徴を生かす工夫が必要だ。

■平均的に、若年者は新しい物事への対応力や体力面で秀でているが、仕事上の経験値は低く、企業に対する帰属意識も低い。他方、高齢者は仕事上の経験を有しており、若年者の嫌がる仕事も積極的にこなす傾向があるが、体力面や新しい物事への適応力は若年者に劣る。こうのような両者の持ち味の違いが「補完」関係の源泉となる。

■例えば、介護施設において、若年者が身体的な負荷の大きな業務に携わり、高齢スタッフが利用者の良き相談役となって、利用者の満足度の向上、ひいては介護の質を高めているケースがある。

■人材の多様性を高めることで企業の活性化を目指すダイバーシティ(多様性)マネジメントの手法を適用することも一考に値する。従来は、女性、障害者、外国人に焦点が当たることが多かったが、世代という視点からのアプローチも有用だと思われる。

  ⇒大変参考になります。介護の世界において今後必要となるマネジメント手法と考えられます。

■職場に異なる世代を受け入れ、意見をぶつけ合う中で、新たなビジネスチャンスを見出す方向が考えられる。

■例えば高齢者にとって使いやすい製品を開発するには、高齢従業員の意見を取り入れながら、より若い従業員が持つ技術力を活用することが効果的であろう。

■このように、世代間の補完関係を追及することは、企業の生産性を高める方策となりうる。それが奏功すれば、ベストミックスの達成もより容易になると思われる。

※ 今後、超高齢化の道を進む日本経済にとって、高齢者と若年者がバランスよく活躍できる仕組みは不可欠である。
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