無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
豊かな高齢者社会の構築に向けて、日々尽きることの無い気付き、出会いを綴って参ります。

2012年12月

<前回に続く>

昨日の続きで、若年者と高齢者のベストミックスを目指す、「互譲」という考え~「補完」関係の構築にむけて提案されています。要点をまとめておきます。
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■既に雇用されている各世代が、自分たちがこれまで得てきた賃金水準にこだわりすぎると、企業は新規採用をする余力を失ってしまう。特に過度に年功的要素をもった賃金は、若年世代の不満をもたらしやすいし、年齢構成の変化により人件費が増えるリスクもある。

■どの世代にも納得して働いてもらうには、発揮された生産性と賃金のリンクをより強めて、実力主義の処遇を強化すべきだ。一律的な処遇がなされることの多い再雇用者の給与水準も、本人の実力をより反映するように改めていく必要がある。

■もう一つの柱の「補完」とは、若年者と高齢者が互いに補い合う関係を構築することを指す。「補完」の関係を築くには、各世代の特徴を生かす工夫が必要だ。

■平均的に、若年者は新しい物事への対応力や体力面で秀でているが、仕事上の経験値は低く、企業に対する帰属意識も低い。他方、高齢者は仕事上の経験を有しており、若年者の嫌がる仕事も積極的にこなす傾向があるが、体力面や新しい物事への適応力は若年者に劣る。こうのような両者の持ち味の違いが「補完」関係の源泉となる。

■例えば、介護施設において、若年者が身体的な負荷の大きな業務に携わり、高齢スタッフが利用者の良き相談役となって、利用者の満足度の向上、ひいては介護の質を高めているケースがある。

■人材の多様性を高めることで企業の活性化を目指すダイバーシティ(多様性)マネジメントの手法を適用することも一考に値する。従来は、女性、障害者、外国人に焦点が当たることが多かったが、世代という視点からのアプローチも有用だと思われる。

  ⇒大変参考になります。介護の世界において今後必要となるマネジメント手法と考えられます。

■職場に異なる世代を受け入れ、意見をぶつけ合う中で、新たなビジネスチャンスを見出す方向が考えられる。

■例えば高齢者にとって使いやすい製品を開発するには、高齢従業員の意見を取り入れながら、より若い従業員が持つ技術力を活用することが効果的であろう。

■このように、世代間の補完関係を追及することは、企業の生産性を高める方策となりうる。それが奏功すれば、ベストミックスの達成もより容易になると思われる。

※ 今後、超高齢化の道を進む日本経済にとって、高齢者と若年者がバランスよく活躍できる仕組みは不可欠である。

以前、慶應義塾大学教授太田聡一氏によるレポートが日経新聞に掲載されたことがあります。改めてそのレポートを読み返しております。そのポイントは次の3つであったと思います。

①仕事や賃金を世代間で分け合うことが必要
②各世代の特徴を生かし企業の多様性高めよ
③若年雇用対策の強化や成長戦略も欠かせず

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高齢者の雇用を進めるには十分な理由がある。日本は急速な人口減少に見舞われている。総務省によると、2011年10月1日時点で、総人口の年間の減少幅は1950年以降で最大を記録した。

65歳以上の老年人口割合も過去最高の23.3%に達した。人口減少に伴う高齢化は、「働き手」の減少による経済成長の停滞と、現役世代にとっての者か保障費負担の増加をもたらす。

具体的な対策が模索さるなか、教授の提案は、「若年者と高齢者のベストミックス」である。戦略の柱となるのは、世代間の「互譲」と「補完」という考えだ。

「互譲」とは、仕事や賃金を世代間でシエアすることを意味する。仕事を世代間でシエアする形としては、正社員が時間外に手掛けている業務を切り離して、高齢者が担当するケースが典型的だ。この場合、高齢者の職域は必ずしも若者がしている仕事とはバッテイングしない。

具体的には、病院で高齢の看護師が早朝勤務を担当したり、スーパーで夜間の店長職を定年退職者に任せたりするなど、時間の融通がききやすい高齢者の特徴を生かしている事例がある。

<次回に続く>

先日ある方に人材紹介の依頼をして、大変恥ずかしい思いをしました。それはその方が所在する県が有効求人倍率が他県よりも低い為、求人人材の確保ができるかもしれないと思ったところから始まります。

当然有効求人倍率が低いということは、就職難と考えられますし、多くの方が雇用の機会を探しておられると思ったからです。しかし、ご紹介の依頼をした方からは、それでは駄目だと強く言われ、ハッとしました。

問題は就職難だから職を県外で探すというのでは、いつまでたっても地域活性にはつながらないということです。地域と連携を取りながら、如何に地域の活性化にもつながる、人材活用を図ることが必要であるかを気付かされました。

このような当然といえば、当然のことなのに、目先の人材確保に追われて、そのことに気付かなかった自分を大変恥ずかしく思った次第です。

人材が足りないからどこからでも取ってくるという発想には永続性がありません。地域を活性化させ、そして企業も活性化する双方向の戦略を考えねばなりません。

もう一度全国での高齢者住宅開発のストーリーを考え直してみたいと思います。貴重なご意見をありがとうございました。是非、一緒にビジョンを構築して参りたいと思います。

進化を続けるコンビニ業界の革新のプロセスを改めて見てみました。変化がどの時点で起きているか大変興味深いものがあります。

<コンビニ業界の歴史>
1974年 コンビニ1号店出店
       (現セブン‐イレブン・ジャパン)

1982年 コピー機導入・・・業態変化が始まるまで8年
1987年 電力料金の支払い可能に
1988年 1万店突破・・・1万店を超えた段階から本格的に不可サービスが始まる
1996年 ローソンがチケット発券サービス開始
1999年 ATM設置
2000年 食事宅配開始
2001年 電子マネー決済始まる
2004年 サークルケイ・ジャパンとサンクスアンドアソシエイツが合併
2007年 コンビニ売上高が百貨店を抜く
2010年 ファミリーマートがエーエム・ピーエム・ジャパンを吸収合併

2012年 5万店突破・・・店内営業から天蓋へと本格的に業態を変えてきている。5万店が上限と言われていたが、更に外部に向かって進化を始めている。

1974年、東京都江東区豊洲に日本初のコンビニ「セブンイレブン」が誕生してから38年。市場規模は約9兆2000億円と6兆円強の百貨店を大幅に上回り、12兆7000億円のスーパーにひたひたと迫る。

年間の来店客数は143億人と、日本人が年平均100回以上訪れる計算だ。12年度の大手5社合計の出店計画は過去最高の約3700店。

昨日の続きとなりますが、進化するコンビニの新しい業態への挑戦と言うべき内容をご紹介しておきます。

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■サークルKサンクスの弥富平中店・・・店舗周辺の住宅を訪ね、年末年始の季節商品を紹介、サンクスは「フィールドワーク」と呼ぶ活動を強化している。店で待っているだけではなく、人海戦術で顧客をつかもうとの戦略だ。

■消費者のそばに面積120~150平方メートルの店舗を張り巡らし、売れ筋の商品をそろえることで集客力を高めてきたコンビニ。しかし、自宅にいながら買い物が楽しめるネット通販の急成長や、頻繁な来店が難しいシニアの増加によって、従来のビジネスモデルだけでは通用しなくなってきた。


■新たな需要を掘り起こすには、店を飛び出し顧客の玄関先にどれだけ近づくかが勝負となる。

■セブン―イレブンは小型の電気自動車で住宅街を走る。訪ねた先は70代男性の自宅。中食の弁当を手渡すと「今夜おでんを頼めるかな」と夕飯の注文も取り付けた。

セブン‐イレブン・ジャパンは弁当などの宅配サービス「セブンミール」の拡充を急ぐ。その武器となるのが7月に導入した小型電気自動車「コムス」。保温ケースを備え弁当や冷凍・冷蔵商品、おでんも選べる。全国で200台が稼働し、早期に1000台に増やす。

■リース料を本部が8割負担するほか、配達件数に応じた奨励金も出す。来季のセブンミールの売上高を今期の7割増の200億円に増やす計画を掲げる。こうした宅配サービスは好評だが、店やチェーン本部の負担は大きい。コストに見合うだけの収益を上げる仕組みが成否のカギを握る。

12日に食品や日用品など店舗の商品を配達するサービスを始めたファミリーマート。その物流を担うのは4月に買収した高齢者向け弁当宅配のシニアライフクリエイト(東京・港)だ。

■全国300カ所で1日5万~6万色を提供しているシニアライフの顧客基盤と配送網を生かせるため、ファミマは初期投資と運営コストを抑えられ早期に全国展開できるという。3年後のファミマ3千店で対応し、売上高100億円を目指す。

ローソンは来年1月から国内最大のポータル(玄関)サイトを運営するヤフーと組み宅配を始める。ターゲットは仕事を持つ女性。10分で簡単に料理が作れるセットなどを週1回届ける。他社の宅配サービスと違うのは品揃えの豊富さ。

■セブンイレブンが店舗やカタログにある3000種類強の商品を宅配する仕組みなのに対し、ローソンは新たに設ける専用センターから食品や日用品2万3千点を配送する。

■フランチャイズビジネスのコンビニにとって加盟店の収益に直接つながらない点で異例の取り組みだが、新浪剛史社長は「客層を広げるためには自社競争も恐れない。敵はずばりアマゾンだ」と言い切る。「近くて便利」を巡るコンビニの競争は新たな局面に入った。

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