無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2013年01月

来年度予算が閣議で決定されましたのでその要点についてCBニュースにてご紹介しておきます。医療と介護について合計で4669億円の増加となっています。

【来年度予算】閣議決定、厚労省29兆円超-医療・介護で4700億円増
医療介護CBニュース 1月29日(火)

■政府は29日の臨時閣議で、2013年度予算案と税制改正大綱を決めた。一般会計総額は92兆6115億円で、このうち厚生労働省の関係予算案は29兆4321億円(今年度当初比10.3%増)。

■社会保障関係費のうちの医療費10兆5587億円(同3.1%増)と介護費2兆4916億円(同6.5%増)を合わせ、4669億円増加した。税制改正は、社会保険診療報酬の所得特例、いわゆる「四段階制」で、医業・歯科医業で年収7000万円超になる場合、適用除外にする一方、研究開発税制を拡充する。

臨時閣議後に記者会見した麻生太郎財務相は、「15か月予算の考え方で、予算の中身を見直して、重点化した。税制改正大綱も併せて閣議決定し、成長による富の創出による税制の手当てや、社会保障・税一体改革を着実に実施するための措置を講じている」と述べた。また、「新しい税制調査会を設置するための政令を閣議決定した」と説明した。

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介護度が年々高まるなか、認知症患者の数は増える一方です。この度、下記の報告がなされました。深刻です。
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全国の要支援・要介護者における認知症患者数は204万人、疑いまで含めると255万人に
~ケアマネジメント・オンライン 認知症に関する介護現場の実態調査結果調査より~

株式会社インターネットインフィニティー(2013年1月28日)

ケアマネジャーに対して実施した認知症に関する調査結果を掲載

・介護サービス利用者の45%は認知症患者、認知症の疑いがある利用者を含めると56%
・ケアマネジャーの関心事は「利用者・家族への接し方」「家族の負担軽減」の次に「認知症の薬物」
・ケアマネジャー全体の3/4以上が、認知症の薬物療法について利用者や家族に伝えたいと考えている。

この度、介護現場における認知症実態について調査を実施致しました(有効回答数530人)。主な結果は以下の通り。

■主な調査結果
 ・介護サービス利用者の45%は認知症患者、認知症の疑いがある利用者を含めると56%
 ・介護度が上がるほど認知症患者は増加し、要介護3以上では約60%に達した。
 ・利用者人数が最も多い要介護2でも、疑いまで含めると過半数に認知症の可能性があるという結果となった。
 ・要介護5では、実に4人に3人が認知症または認知症疑いという結果となった。

・在宅介護サービスを提供するケアマネジャー(n=530)が担当する要支援・介護者(合計14,376名)のうち45.1%は、認知症の診断を受けていた。

・厚生労働省の介護給付費実態調査※(2012年7月審査分)の利用者数を元に換算すると、実に204万人が認知症の診断を受けているという結果となった。また疑いまで含めると更に51万人増え、合計で255万人の推計数となった。
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ここ数日、医療連携について動いております。サービス付高齢者向け住宅等外部サービス付の高齢者住宅(住宅型有料老人ホーム含む)と医療機関との連携は特定施設等とは異なる難しさがあります。

外部サービス(併設サービス)において介護サービスを行うサ高住や住宅型有料にとって、医療も同様に提携医による医療サービスを受けないと、良いサービスは提供できません。従って、どこの高齢者住宅も近隣の提携医と連携することになります。

医療期間も在宅医療に皆さんがシフトしているために当然提携となりますが、問題はその連携の仕方にあるのです。

介護付き有料老人ホーム等特定施設では介護保険は丸めで報酬が支払われる為に、介護度別に定額報酬が支払われます。特定施設には看護師が就業していますので、訪問診療ドクター(在宅療養支援診療所)の在宅時医学総合管理料も通常の在宅の4200点ではなく、3000点となっています。この段階では医療保険と介護保険とは明確に分れています。

しかし、外部サービス付のサ高住等では、基本看護師はおりません。併設する訪問介護事業所やデイサービスを利用して介護サービスを行うのですが、医療も当然、提携医療機関との連携でサービスを提供して頂くことになります。

実はここで医療機関とサ高住サイドで介護保険の利用についてコンフリクトが起きることになります。即ち、訪問診療は当然医療保険にて提供されることになりますが、訪問看護や訪問リハビリ、デイケア利用となりますと、場合によっては医療機関とサ高住との間で介護保険の食い合いがおきてしまいます。

サ高住サイドでは、ある程度低料金で良いサービスを提供しようとすれば、できるだけ介護保険を活用してサービスを提供するのがビジネスモデル、ところが訪問診療で訪問看護等を介護保険で使うとなれば、サ高住で使用できる介護保険が縮小され、施設側のサービスが制限され、経営ダメージが起きることになります。

医療と介護のフルサービスを提供しようすれば、当然、このような問題が起きてくるのです。ここにサ高住における医療連携の難しさがあるのです。お互いがWIN WINの関係を構築するためには事前に医療機関と医療保険と介護保険の使用について十分に摺合せしておく必要があります。この摺合せをして頂ける医療機関との連携が最大のポイントになります。
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高齢者住宅研究所『サービス付き高齢者向け住宅登録の動向』結果(2012年12月末時点)が発表されました。要点は次の通り。大きな傾向は変わりありませんが、地域特性がよく出ています。

■登録件数
2012年12月末日現在の登録件数は2777件であった。12月単独では172件、2012年4月以降9ヶ月では1709件が登録された。

都道府県別登録件数では、大阪(204件)、北海道(179件)が群を抜いて登録件数が多い。9月末登録件数から、それぞれ47件、39件の増加がみられた。次に続くのは、東京(133件;9月末比較22件増)、広島(114件;同14件増)、埼玉(112件;17件)、神奈川(112件;同14件増)、である。最も高齢化率の高い秋田(29.6%)の登録数は37件(同8件増)、最も低い沖縄(17.4%)では35件(同9件増)であった。

一方で9月末データから140%以上登録件数の増加を示した県がある。大分(148%)、岡山(146%)、福岡(144%)、愛知(143%)、島根(142%)、奈良(141%)、長野(140%)であり、それぞれ37件、54件、95件、103件、17件、24件、42件であった。

■事業者
登録事業者は、株式会社が半数を占める。(56%:1546件/全登録件数2777件)医療法人(15%)、有限会社(14%)が続く。以上の3法人形態の登録件数で全体の8割を超す構成となっており、他の法人形態も含めた全体構成もこれまでのものと変化は見られなかった。

■住戸数
住戸数は89219戸であった。月別登録住戸数をみると、2012年4月以降、毎月4500~6900戸の登録がある。都道府県別では、大阪(8568戸;9月末比較2161戸増)、北海道(6519戸;同1413戸)、東京(5088戸;同872戸)、神奈川(4349戸;同546戸)、埼玉(4073戸;同715戸)、福岡(3769戸;同1200戸)、兵庫(3736戸;同783戸)、広島(3552戸;438戸)、愛知(3484戸;1030戸)、千葉(3193戸;739戸)が多く、3000戸を超す登録がみられた。これは全体の52%となる。
2012年9月末データから160%以上の増加を示した県は、大分(176%;9月末比較473戸増)、長野(160%;同471戸)である。住戸数が1000戸以上の増加を示した県は、大阪(134%;9月末比較2161戸増)、北海道(128%;同1413戸)福岡(147%;同1200戸)、愛知(142%;同1030戸)である。

■設備
居室内設備状況では、トイレ(89213戸/全住戸数89219戸)・洗面(88924戸)はほぼ100%整備されている。収納は96.8%(86450戸)に見られる。キッチンは約45.6%(40745戸)、浴室は約28%(25498戸)に設備されているが、9月末データと比較すると、キッチン、浴室ともに約2%の減少がみられる。全設備があるのは、27%(24164戸)となっており、こちらも9月末データと比較すると1%の減少が確認できる。

■サービス
状況把握・生活相談は、事業者自らによる提供は全登録件数の85%(2362件/全登録件数2777件)・委託による提供は14%(396件)・自らと委託の併用による提供は0.7%(19件)であった。

食事の提供状況は、自らが52%(1453件)・委託が41%(1151件)・併用が1%(29件)となっており、94%が提供している。入浴等の介護は、自らが45%(1256件)・委託が6%(170件)・併用が0.3%(7件)であり、51%が提供している。

調理等の家事は、自らが46%(1289件)・委託が6%(172件)・併用が0.9%(24件)であり、54%が提供している。健康の維持増進は、自らが54%(1500件)・委託7%(191件)・併用0.4%(12件)、61%が提供している。

特定施設入居者生活介護事業者の指定を受けている住宅は5%(131件/全登録件数2777件)であった。
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2013年1月20日(日)の午後9時00分~9時49分総合

NHKスペシャルで見出しの内容が放映されました。多くの方々がみられたのではないかと思います。大変ショッキングな内容であったかと思います。

政府が進める成長戦略から取り残された形で、老人漂流社会が拡大しております。評論するのは簡単ですが、その解決策をどのように具体化するか、誰かがやらねばなりません。ハードとソフトの一体となったインフラ整備を急がねばなりません。
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『歳をとることは罪なのか――』今、高齢者が自らの意志で「死に場所」すら決められない現実が広がっている。

ひとり暮らしで体調を壊し、自宅にいられなくなり、病院や介護施設も満床で入れない・・・「死に場所」なき高齢者は、短期入所できるタイプの一時的に高齢者を預かってくれる施設を数か月おきに漂流し続けなければならない。

「歳をとり、周囲に迷惑をかけるだけの存在になりたくない…」 施設を転々とする高齢者は同じようにつぶやき、そしてじっと耐え続けている。

超高齢社会を迎え、ひとり暮らしの高齢者(単身世帯)は、今年500万人を突破。「住まい」を追われ、“死に場所”を求めて漂流する高齢者があふれ出す異常事態が、すでに起き始めている。

ひとりで暮らせなくなった高齢者が殺到している場所のひとつがNPOが運営する通称「無料低額宿泊所」。かつてホームレスの臨時の保護施設だった無料低額宿泊所に、自治体から相次いで高齢者が斡旋されてくる事態が広がっているのだ。

しかし、こうした民間の施設は「認知症」を患うといられなくなる。多くは、認知症を一時的に受け入れてくれる精神科病院へ移送。
症状が治まれば退院するが、その先も、病院→無届け施設→病院・・・と自らの意志とは無関係に延々と漂流が続いていく。

ささいなきっかけで漂流が始まり、自宅へ帰ることなく施設を転々とし続ける「老人漂流社会」に迫り、誰しもが他人事ではない老後の現実を描き出す。さらに国や自治体で始まった単身高齢者の受け皿作りについて検証する。その上で、高齢者が「尊厳」と「希望」を持って生きられる社会をどう実現できるのか、専門家の提言も交えて考えていく。
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