無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
豊かな高齢者社会の構築に向けて、日々尽きることの無い気付き、出会いを綴って参ります。

2013年01月

先日の日経新聞に大きく見出しの記事が掲載されていました。イオンは2013年度に外国人採用を拡大する。アジアを中心に過去最多となる約1500人を採るといいます。
小売り、サービス業において不足する人材を海外から採ろうとする動きが本格化しています。その意味は大きく3つあると思われます。

①不足する人材を確保する
②日本本社にも採用することで、これからの海外展開を睨んで人材の多様化を図る。
③海外での将来の幹部人材を育てる


■海外事業を本格化させる中、幹部候補として採用・育成する。更に日本本社にも順次登用することで、人材の多様化を進める狙いもある。日本本社の正社員に占める外国人比率を現状の1割弱から20年度に5割に高める方針だ。

■良品計画が13年度に日本本社での新卒の約半数をアジア各国で採るなど小売りやサービス業で外国人採用が加速してきた。良品計画は今秋に中国、マレーシアなどアジア6カ国・地域の大学から10人以上を日本本社に採用する。日本で数年勤務した後に、能力に応じてアジア各国に幹部候補で派遣する。

■経団連が11年に発表した調査では日本で外国人を継続的に採用・雇用している企業は調査対象の583社のうち42%。ただ本社での採用に占める外国人の比率は2.6%にとどまっている。

■グローバル展開などを背景に外国人の積極採用にカジを切った日本企業だが外国人側には「年功序列」など独自の人事慣行への抵抗が強い。語学の問題もあり、外国人を戦力化するには、人事・賃金制度の変更や社員の意識改革など経営体質転換も求められる。

来年度予算が閣議で決定されましたのでその要点についてCBニュースにてご紹介しておきます。医療と介護について合計で4669億円の増加となっています。

【来年度予算】閣議決定、厚労省29兆円超-医療・介護で4700億円増
医療介護CBニュース 1月29日(火)

■政府は29日の臨時閣議で、2013年度予算案と税制改正大綱を決めた。一般会計総額は92兆6115億円で、このうち厚生労働省の関係予算案は29兆4321億円(今年度当初比10.3%増)。

■社会保障関係費のうちの医療費10兆5587億円(同3.1%増)と介護費2兆4916億円(同6.5%増)を合わせ、4669億円増加した。税制改正は、社会保険診療報酬の所得特例、いわゆる「四段階制」で、医業・歯科医業で年収7000万円超になる場合、適用除外にする一方、研究開発税制を拡充する。

臨時閣議後に記者会見した麻生太郎財務相は、「15か月予算の考え方で、予算の中身を見直して、重点化した。税制改正大綱も併せて閣議決定し、成長による富の創出による税制の手当てや、社会保障・税一体改革を着実に実施するための措置を講じている」と述べた。また、「新しい税制調査会を設置するための政令を閣議決定した」と説明した。

1月27日の日経新聞に老老介護のことが出ていました。

老老介護とは65歳以上の高齢者が配偶者や親など高齢の要介護者を介護すること。少子高齢化や核家族化が背景にあるとされ、介護疲れから心中や殺人事件に発展することも。

厚生労働省の2010年の調査では、要介護者のいる10万世帯中、約2万8000世帯が老老介護になっていると言われます。

又、公益社団法人認知症の人と家族の会副代表理事・神奈川県支部代表の川崎幸クリニック院長 杉山 孝博先生は、11組の夫婦の1組が、認知症の人が認知症の人を介護する、 いわゆる「認認介護」となる、と言われています。

その根拠は次の通りです。

80歳前後の夫婦を考えてみよう。80歳頃の認知症出現率はおよそ20%であるので、夫婦のどちらかが認知症である確率は、0.2×2=0.4、約 40%となり、夫婦ともに認知症である確率は、0.2×0.2×2=0.08 約8%となる。

老老介護に認認介護、大変厳しい状況が続きます。家族介護を前提とした介護保険制度が崩れつつあることを感じます。

介護度が年々高まるなか、認知症患者の数は増える一方です。この度、下記の報告がなされました。深刻です。
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全国の要支援・要介護者における認知症患者数は204万人、疑いまで含めると255万人に
~ケアマネジメント・オンライン 認知症に関する介護現場の実態調査結果調査より~

株式会社インターネットインフィニティー(2013年1月28日)

ケアマネジャーに対して実施した認知症に関する調査結果を掲載

・介護サービス利用者の45%は認知症患者、認知症の疑いがある利用者を含めると56%
・ケアマネジャーの関心事は「利用者・家族への接し方」「家族の負担軽減」の次に「認知症の薬物」
・ケアマネジャー全体の3/4以上が、認知症の薬物療法について利用者や家族に伝えたいと考えている。

この度、介護現場における認知症実態について調査を実施致しました(有効回答数530人)。主な結果は以下の通り。

■主な調査結果
 ・介護サービス利用者の45%は認知症患者、認知症の疑いがある利用者を含めると56%
 ・介護度が上がるほど認知症患者は増加し、要介護3以上では約60%に達した。
 ・利用者人数が最も多い要介護2でも、疑いまで含めると過半数に認知症の可能性があるという結果となった。
 ・要介護5では、実に4人に3人が認知症または認知症疑いという結果となった。

・在宅介護サービスを提供するケアマネジャー(n=530)が担当する要支援・介護者(合計14,376名)のうち45.1%は、認知症の診断を受けていた。

・厚生労働省の介護給付費実態調査※(2012年7月審査分)の利用者数を元に換算すると、実に204万人が認知症の診断を受けているという結果となった。また疑いまで含めると更に51万人増え、合計で255万人の推計数となった。

ここ数日、医療連携について動いております。サービス付高齢者向け住宅等外部サービス付の高齢者住宅(住宅型有料老人ホーム含む)と医療機関との連携は特定施設等とは異なる難しさがあります。

外部サービス(併設サービス)において介護サービスを行うサ高住や住宅型有料にとって、医療も同様に提携医による医療サービスを受けないと、良いサービスは提供できません。従って、どこの高齢者住宅も近隣の提携医と連携することになります。

医療期間も在宅医療に皆さんがシフトしているために当然提携となりますが、問題はその連携の仕方にあるのです。

介護付き有料老人ホーム等特定施設では介護保険は丸めで報酬が支払われる為に、介護度別に定額報酬が支払われます。特定施設には看護師が就業していますので、訪問診療ドクター(在宅療養支援診療所)の在宅時医学総合管理料も通常の在宅の4200点ではなく、3000点となっています。この段階では医療保険と介護保険とは明確に分れています。

しかし、外部サービス付のサ高住等では、基本看護師はおりません。併設する訪問介護事業所やデイサービスを利用して介護サービスを行うのですが、医療も当然、提携医療機関との連携でサービスを提供して頂くことになります。

実はここで医療機関とサ高住サイドで介護保険の利用についてコンフリクトが起きることになります。即ち、訪問診療は当然医療保険にて提供されることになりますが、訪問看護や訪問リハビリ、デイケア利用となりますと、場合によっては医療機関とサ高住との間で介護保険の食い合いがおきてしまいます。

サ高住サイドでは、ある程度低料金で良いサービスを提供しようとすれば、できるだけ介護保険を活用してサービスを提供するのがビジネスモデル、ところが訪問診療で訪問看護等を介護保険で使うとなれば、サ高住で使用できる介護保険が縮小され、施設側のサービスが制限され、経営ダメージが起きることになります。

医療と介護のフルサービスを提供しようすれば、当然、このような問題が起きてくるのです。ここにサ高住における医療連携の難しさがあるのです。お互いがWIN WINの関係を構築するためには事前に医療機関と医療保険と介護保険の使用について十分に摺合せしておく必要があります。この摺合せをして頂ける医療機関との連携が最大のポイントになります。

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