無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
豊かな高齢者社会の構築に向けて、日々尽きることの無い気付き、出会いを綴って参ります。

2013年03月

昨日、以前から検討をしている介護記録のバーコード化について再度検討の場を持ちました。何とか介護記録をもっと簡素化、標準化できないものかと思い続けています。人材確保が難しい職場だけに、介護の現場の生産性を上げねばなりません。一人当たりの生産性を20%アップさせるための方法を考えたいと思っています。

現在検討していますのは、介護の種類ごとに業務を標準化し、バーコード化して記録時間を大幅に削減すること、そして、その記録が即、介護保険請求のデータとして登録できるというものです。

介護現場の生産性を高めようとすれば、通常の生産管理の手法でいけば、業務内容を直接付加価値に連動する「主体業務」と付加価値に直結はしない「付随業務」に分けるところから始めねばなりません。そして、主体業務の時間をどれだけ確保するかが、生産性向上のセオリーとなります。

従って、介護の現場の業務を主体業務区分と付随業務区分に分ける作業(標準化)が必要であり、それぞれの時間管理と分析を行われる仕組みが必要となります。現在、介護の現場ではこのデータをリアルタイムで採り、分析、生産性向上に役立てるといった段階にまでは到達していません。

それゆえ、バーコード管理が有効になるのです。何よりも業務をバーコード化で標準化、分類化ができるのです。

工場の生産管理の手法を導入することにより、現場の生産性を高めることは決して不可能なことではないと考えます。介護の現場の方々には反発があるかもしれません。介護の現場は工場とは違うというかもしれません。

しかし、何らかの手法を使って介護の現場の生産性を高めねば、低生産性では待遇改善も図れないし、産業界の地位も向上しません。しばらく模索をしたいと思います。

先日、弊社主催で沖縄でセミナーを行いましたが、沖縄においても徐々に高齢者住宅のニーズが出てきているようです。以前は、沖縄では元気な高齢者が多く、デイサービスのニーズは結構ありましたが、高齢者住宅のニーズはまだと思っていました。

しかし、報告によれば、どうも「高齢者生活支援住宅」という名称の無届の高齢者住宅が増えているようです。

『行政確認するもその存在は認知しているようだが、コメントは避ける。これは北海道での高齢者下宿問題にも非常に似た現象』と報告されています。

入居金はゼロ円~9万円などまちまちで、価格帯は10万円前後で低価格、居室面積が7㎡~14㎡と狭小住宅で、規模も7室~14室などの小規模が多いようです。

沖縄も徐々に高齢者住宅のニーズが高まりつつあるようです

本日は所要で遠出をしました。途中、ときどき訪問をしている上野焼の窯元に立ち寄りました。この窯元の庭に咲く桜が大変見事なので写真に撮って参りました。気分転換の1日でした。
 
桜 

桜6


桜2-1 桜3上野焼写真

3月20日の日経新聞「経済教室」にキャノングローバル戦略研究所研究主幹の松山幸弘氏の見出しの記事が載っていました。

医療崩壊は経営の失敗から生じたもので、診療報酬の上げは不要と主張されています。松山氏のレポートは以前にも紹介したことがありましたが、改めて、広域医療圏単位での急性期から外来、在宅、介護に至るトータルケアの仕組みの必要性を訴えております。今後、地域での医療・介護の事業展開に非常に参考になる部分ですので、主な内容を抜粋してみたいと思います。
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■医療・介護の生産性向上が他産業を上回るような構造改革を断行しなければ、日本経済全体の成長力は逆に弱まりかねない。

■社会医療法人は原則補助金を受けずに急性期から外来、住宅、介護まで広くケアを提供しているところが多いため、その業績は診療報酬・介護報酬水準の妥当性判断の材料になりうる。

■診療報酬が底といわれた09年度でも、178の社会医療法人全体の経常利益は3.6%であった。前回の自公政権が実施した診療報酬のマイナス改定が医療崩壊の原因とする主張は事実誤認であることがわかる。

■そして民主党政権の診療報酬のプラス改定により、10年度の経常利益率は5.4%に上昇し、多くの社会医療法人が過去最高益を記録した。11年度は4.9%に低下したが、その理由としては好業績を背景に事業拡大のための先行投資をしたことが挙げられる。

■医療事業体の経営好調は、1950年に農協の医療事業部門を分離して設立された長野厚生連の業績からも確認できる。人口215万人の長野県内に病院14、診療所11、介護施設12、訪問看護ステーション24など約70の事業拠点を展開する。

■健康診断や食生活改善指導にも注力し、長野県を最も高齢者医療費が低く長寿の地域に導いた。これは疾病の構造変化と技術進歩に合せて医療提供体制を変革してきた成果だ。政策医療を1つの広域医療圏で総合的に実践しており、国公立病院に準ずる事業体として非課税優遇と補助金を受けている。11年度の経常利益率は1.7%(前年は3.1%)であった。減益となったのは、建設中の高度医療センターの職員を前倒しで確保し人件費が増えたためだ。

■国公立病院が赤字の原因としている政策医療を手掛ける社会医療法人や長野県厚生連が補助金なしでも黒字ということは、大きな意味を持つ。急性期から外来、在宅、介護まで全ての機能を果たせば補助金なしでも黒字が可能ということだ。

■つまり、診療報酬・介護報酬が全体として低すぎることはなく、医療崩壊の真の原因は経営の失敗にある。とりわけ、多額の補助金を受けながら、多くが構造的な赤字から抜け出せない国公立病院の責任は大きい。

本日、高齢シェアハウスについての問い合わせがありました。1階をデイサービスとして2階をシェアハウス(高齢者の共同住宅)としたいというものです。高齢者シェアハウスとはどのようなものでしょうか。5室前後のお部屋と、共同の食堂やトイレ、浴室をそなえた高齢者住宅としたいが問題ないかどうかというものでした。

発想は良いのですが、様々な制度的な制約も考えておかねばなりません。まずは、この高齢者シェアハウスにどのような高齢者が入るのでしょうか?1階にデイサービスがあるので、2階にデイサービスを利用する人が入るのでしょうか?

もし、2階に介護が必要な高齢者が入居されると、デイサービスだけでは不足をします。1階に訪問介護事業所を設置して2階の高齢者に介護を提供しようとすれば、それは有料老人ホームとなります。

有料老人ホームは、老人福祉法 第29条に規定された高齢者向けの生活施設で、「常時1人以上の老人を入所させて、生活サービスを提供することを目的とした施設で老人福祉施設でないものをいう。」と定義されていますが、2006年4月の法改正により、10人以上との人員基準が撤廃され、食事提供だけでも生活支援サービスに該当しているということになりました。

この撤廃により、有料老人ホームの定義から外れていた小型の無届施設が一斉に規制を受け、安全基準の徹底など行政のチェックが積極的に行われるようになったのです。まだ記録に新しい”たまゆら”事件の再発防止のために規制が強化されたのです。

高齢者シェアハウスは上記の生活支援サービスを行う事になれば有料老人ホームに該当することになります。生活と介護の分離をきちんと行わないと、この定義に抵触することになるのです。もし、生活支援サービスを行わない高齢者住宅であれば、商品力が低下して入居促進が思うようになりません。

即ち、デイサービス併設高齢者シェアハウスは中途半端な施設になりかねません。当面はサービス付高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホームへの転換が望ましいでしょう。

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