無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2013年04月

【フィリピン】退職者連合、高齢者住宅設置でドイツ企業と提携 NNA(フィリピンの経済ビジネス情報) 4月25日(木)

世界の高齢者をターゲットとした高齢者住宅ビジネスが動き出しています。フィリピンとドイツが組んで、世界の高齢者の受け皿をつくる計画が浮上してきました。介護のグローバル化は意外と速く展開されるのかもしれません。

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在フィリピン外国商工会議所傘下のリタイアメント・アンド・ヘルスケア連合(RHC)は23日、高齢者住宅の運営を行うドイツ企業プフレゲン・アンド・ウォーヘン・ハンブルグと提携を結んだと発表した。今回の提携を機に、国際基準を満たす高齢者住宅を設置する。24日付ビジネスミラーが伝えた。

RHCのマーク・ドイベンビュッヘル専務理事は、官民パートナーシップ(PPP)事業として、質の高い運営システムを構築するためにプフレゲンと提携したとコメント。向こう4年間で世界の65歳以上の高齢者人口が9億1,800万人に達すると予測した上で、「フィリピンは高齢者住宅市場のシェアを拡大すべき」と強調した。

同PPP事業は6月に、保健省、フィリピン大学看護学部協会(ADPCN)、民間企業と共に進められる。RHCとプフレゲンはまず、マニラ首都圏やセブ、イロイロやダバオなどにある小規模な医療施設を訪問。これらの施設を15人収容の高齢者住宅に改築する計画だ。

一方、ADPCNは、履修カリキュラムの一環として、高齢者医療の訓練を行っている学生をこれらの施設に派遣する予定。

RHCは、医療費が安価な点や観光インフラが整備されている点に言及。フィリピンでは国際基準の医療の提供が可能とみている。
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政府は、安価な新型の介護ロボット普及に乗り出す・・・漸くこの分野への取り組みが強化されるようです。日本の高いロボット技術を駆使してもっと数多くの介護ロボットの開発を促してもらいたいものです。

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要介護者が歩くのを支えたり、高齢者を抱える介護職員の負担を軽くしたりするなど、機能を絞った10万円程度のロボットの開発を促す。さらに、介護保険の対象を広げ、これらのロボットを月数百円でレンタルできるようにする。政府は、普及策を6月にまとめる成長戦略の柱と位置づけ、介護職員不足の緩和や新産業の育成につなげる方針だ。

政府が普及を促すのは、
〈1〉介護する人が高齢者らを抱え上げる時の負担を減らす
〈2〉高齢者らが自分で歩くのを支える
〈3〉排せつ時の支え
〈4〉認知症の人を見守るシステム――の4分野のロボット

だ。政府は今年度から、これらのロボットを開発する企業などに開発・研究費の半額~3分の2程度の補助金を出す。補助金総額は今年度だけで約24億円。

(2013年4月28日11時29分 読売新聞)
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前回に続いての提案です。経済協力開発機構社会政策シニアエコノミスト ウィレス・アデマ氏の報告です。

女性労働力活用のポイントは次の3つ。

①女性の雇用率が高まればGDPを押し上げる。
②給与と昇進制度は年功序列から脱却せよ。
③男女どちらにも魅力的な職場実現が必要。


日本は高齢化が進行しており、生産年齢人口は減り続けている。2011年時点の労働率は男性が84%、女性が63%で、このままいけば2030年の日本の労働力人口は、11年より約1000万人少ない約5000万人になる見通しだ。そして、高齢者1人当りの生産年齢人口は、現在の2.8人から、2050年には1.3%にまで落ち込むだろう。

日本では雇用の男女格差が他国と比べ大きい。男女の労働力率は21ポイント開いているが、OECD全体の平均は約17ポイントだ。男女の賃金格差は27%で、OECD加盟国中2番目に大きい。この賃金格差は、非正規労働者と正規労働者の雇用条件に大幅な差があることと密接に関係する。

比較的低賃金の非正規労働者の約70%が女性で、その多くはパートタイム就労なのに対し、正規労働者の約70%が男性で、手厚い雇用補償を受けている。新卒の大学女性が正社員になる場合でも、事務的な仕事を担当する「一般職」を選ぶケースが多く、幹部候補である「総合職」を選ぶケースは少ない。日本企業の取締役会に占める女性の比率が4%未満とOECD加盟国の中で下から2番目に少ない理由の一部はここにある。

そこで、対策は日本の労働市場の制度改革ですが、彼の提案は次の通りです。
・給与体系と昇進制度は年功序列ではなく、実力主義にすべきだ。
・母親の職場復帰やパートタイム就労者の正規雇用を容易にして、人材プールを拡大すべきである。
・重要なのは、長時間労働の風潮をなくして父親、母親の”どちらにも”魅力的な職場を実現すること、有給・無給労働の”どちらにも”男女のバランスが取れるよう配慮することである。
・父親の育児・家事への参加率が高い国ほど、女性の雇用率は高くなる。
・法制度や労使協約でも改革を促す効果はあるが、カギを握るのは職場でのリーダーシップである。
・上級管理職は率先して休暇をとるなど手本を示すべきだ。社員が男女とも与えられた育児休暇を利用できるよう、中間管理職に責任を持たせることも考えられる。
・若い大卒女性、母親の職場復帰者、パートタイム就労者を正規のキャリア形成システムに取り込むことを企業手に奨励し、実績に間る情報を開示してはどうか。

こうした方向で改革を実現するには、長期にわたる持続的な努力が必要になろう。日本はいまこそ、全ての国民のスキルとその豊富な人材資源をもっと効果的に活用すべきである。

長時間労働を強いる職場文化を改め、両親が共に仕事と家庭を両立しやすい文化が実現すれば、間近に迫った労働力不足の問題を解決する一助となろう。

彼の報告を読んで、いずれも企業として当然進めていかねばならないテーマだと考えます。しかし、その根底には一人一人の生産性をアップして、個々人の生産性に応じて支払われる報酬体系(実力主義)が前提でなければならないでしょう。両立を目指して、改革に取り組みたいと思います。
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前回に続いて、ユニクロの新賃金体系について抜粋をしてみたいと思います。我が社の将来像がそこにあるかもしれません。

■グローバル総合職として職務内容で19段階に分けたグレードごとに賃金を決めた。

■このうち、上位7段階に入る執行役員や上級部長は、どの国でも同じ評価なら報酬や給与を同額にした(完全同一賃金)。51人(内、海外採用10人)平均年収2000万円。役員も当然評価の対象となります。

■各グレードの賃金は日本より高い欧米の水準に合せて統一した。最上位は柳井会長で、将来は対象を2段階下の約60人いる部長級にも広げる計画という。

■そのほかの「グローバル総合職」のうち、上位8~14段階にあたる7段階の部長、スター店長も1009人(海外採用は315人)についても「実質同一賃金」にする。店長以上なので、残業代は出ない。平均年収670万円

■賃金体系と評価基準のみ統一、下位5段階にあたる店長、一般社員ら合計3851人(内、海外採用1856人)の平均年収320万円。

■国によって名目の額は違うが、それぞれの国の物価水準などを考慮し、実質的にはどの国でも同じ生活ができる水準とする。少なくとも各国の同種の上位企業の賃金水準までは引き上げる。

■当面は「実質同一賃金」にしない社員も含め、「グローバル総合職」の約4900人(同約2200人)は全て、評価基準を一本化した。国境を越えた人事異動をやりやすくするためで、職歴や将来目標など社員のデータも一括管理し、同じ基準で競わせる。

■狙いは、「世界各国で優秀な人材を確保する」(柳井会長)ことにある。2020年までに店舗数をいまの4倍の約4千店に増やし、そのうち3千店を海外店にすることを計画している。

■急拡大するには、高水準の給与を払い、新興国でも優秀な人材をひきつける必要があるとしている。

■新制度について、柳井会長は朝日新聞のインタビューで「世界どこでも、やる仕事が同じだったら同じ賃金にするというのが基本的な考え方」と話す。
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23日の朝日新聞に見出しの記事が掲載されていました。主な内容は次の通り。2回に分けてご紹介をしたいと思います。ユニクロに学びたいと思います。
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■店長候補として採用した全世界で働く正社員すべてと役員の賃金体系を統一する「世界同一賃金」を導入する考えを明らかにした。

■海外で採用した社員も国内と同じ基準で評価し、成果が同じなら賃金も同水準にする。

■企業のグローバル展開が加速するなかで、賃金体系を統一にまで踏み込む企業が出てきた。

■日本の働き手たちは、新興国や欧米の社員と共通の土俵で働きぶりが評価され、世界規模の競争を強いられることになる。

■新制度が根付けば、給与水準が全世界で均一化していき、比較的高い日本の給与が下がる「賃金のフラット化」につながる可能性もある。

■新制度は欧米や中国など13ヶ国・地域で店長候補として採用したすべてと役員を「グローバル総合職」とし、職務内容で19段階に分けた「グレード」ごとに賃金を決めた。

いよいよここまで来ました。詳細は次回にてご報告します。
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