無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2013年05月

延びる平均寿命。長期介護の時代へ(web R25 2013.05.28)

「終わりの見えない介護」に疲弊する家族という記事がみられました。介護が長期化するという予測です。

これは現実のものとなりつつあります。ご家族の負担と経費負担は益々大きなものとなります。
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■厚生労働省の調査によれば2013年の日本人の平均寿命は男性79.59歳、女性86.44歳と「過去最高」を更新した。20年前と比べると、男性で3.34歳、女性で3.84歳、平均寿命が延びたことになる。

■今後も平均寿命は延びると予測されていて、国立社会保障・人口問題研究所は2050年の日本人平均寿命は男性80.95歳、女性89.22歳になると推計。

■しかし、長寿命化社会においては「介護」にまつわる不安もつきまとう。生命保険文化センターの試算によれば、「寝たきり期間」10年以上の要介護者は11.8%に上り、すでに介護期間は長期化傾向にあるといわれている。

■自分の両親にはいつまでも長生きしてほしいと願う一方で、寿命が延びれば延びるほど、終わりの見えない介護に身も心もすり減っていく。

■介護はこうした体力面、精神面だけでなく、経済面での負担も大きい。

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現在サ高住の開発コンサルをさせて頂いている医療法人では次の手を打ち始めています。

医療法人はこれまで多くは法人で土地、建物を取得し、高齢者住宅事業を行うというケースが主流でしたが、賃貸で事業を行うケースが出始めています。

医療と異なり、高齢者住宅事業は賃貸事業であり、わざわざ法人にて所有する必要もないのです。それよりもサブリースにて身軽にスピード感をもって事業展開を図るといった取り組みが必要と気づき始めています。

株式会社、社会福祉法人、医療法人とそれぞれにおいてサ高住への取り組みが加速度化していますが、何といっても強い競争力を持つのは医療法人です。

医療と言う高齢者ビジネスにおいて最終的な出口をもっていること、金融機関の融資を受けやすいこと、介護の人材等の募集において民間企業と比較して圧倒的な競争優位性を持つこと、等において強い競争力を持っているのです。

その競争力を背景に、従来とは異なった動きが始まっています。老健施設とサ高住中をセットで開発する、法人所有サ高住+賃貸高齢者住宅、それだけではなく、不足する人材に対して海外からの人材の受け入れも始め、寮までも同時開発をする等、多様なインフラ整備が始まっています。

民間介護事業者が人材不足で開発スピードが鈍っている今日、その競争力をもって一気にマーケットを取る動きが加速度化しています。
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先般から介護事業における生産性向上システムの導入を検討していますが、現在提携をしてシステム開発について協議をしている会社と打ち合わせを行ないました。

先般、弊社のエルスリーにて実験的にその業務内容について検証を行って頂き、どれだけ介護業務を標準化(バーコード化)できるかについて調査を行って頂きました。

弊社のエルスリーはメインは住宅型有料老人ホームですが、それに併設の訪問介護事業所、デイサービスにて介護保険を使うといった複雑な事業構成になっています。通常の丸め報酬型の事業とは異なり、様々な外部サービスを提供するシステムですので、どれだけ業務の標準化が図れるか不安でありました。

しかし、今回の調査結果を聞いて驚きました。全ての業務の87.1%がバーコード化(標準化)が可能との結果となりました。1日の業務内容を時系列的に追っかけて頂き、その業務の約9割がバーコード化が可能との判断に大変勇気づけられました。

介護事業の生産性が言われつつも、なかなか思い切った対策が打てていないのが現状です。住宅型有料やサ高住といった複数のサービスが外付けで提供される事業に至っては尚更のことでした。

それがほとんどの業務を標準化することができるようになると革命的な生産性向上が図れることになります。

取り組みの検討を急ぎたいと思います。
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ここ数カ月人手不足に悩まされています。我が社の小規模低価格型高齢者住宅は高齢者の需要は多くあるのですが、問題はスタッフ不足です。弊社では高齢者住宅開発立地判断に次の4つの視点をもって当っています。

1.高齢者率
2.総人口
3.介護施設の充足率
4.介護の有効求人倍率

この中で、昨今は4.の有効求人倍率が一番のポイントとなっています。介護の有効求人倍率は軒並み3を超え、場合によっては4、5といった超求人難となっているエリアもあるのです。

そういったエリアでは、今後施設開発が困難となって参ります。開発をしても、人が採れないために、開設を延期したり、断念をするケースが出始めています。

入居希望の高齢者はいても、その受け皿となるスタッフの募集がままなりません。日に日に深刻となってきております。特に最近のように景気が上向いてきますと、この業界はもろに影響を受けてしまいます。他の産業にいってしまうのです。

今週もわが社の採用企画メンバーは韓国に行っております。フィリピン、ベトナム、ネパール、韓国、中国とアジアの諸国から人材を求めねばならない時代となってきました。一人でも多くの外国人を採りたいと考えています。国内の介護人材のみを考えていたのでは、今後の介護事業は成り立たない、そんな時代となりつつあります。
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先週は外国人留学生の面接を行いました。一人は中国人、もう一人はネパール人の学生です。来年3月に日本の大学を卒業することから、現在就職活動を続けておられます。

先般、留学生を対象とした会社説明会の場がもたれ、そこで日本の介護に関心をもった学生が数人おられました。詳しい話を聞き、面接に臨んでこられたものです。日本の若者と異なり、いつくかの共通点がありました。

1つは、ビジネスとしての介護、もう一つは、高齢者に対する思い、もう一つは日本で働きたい、というものです。

面接の話をしていて、何か、日本人以上に親しみを感じることに我ながら驚きました。それは、高齢者に対する思いがあることでしょうか。当然自分の親はまだ介護という段階ではありませんが、祖父や祖母に対する思いは日本人以上に身近なものを感じました。家族制度の違いでしょうか。

それと、日本の介護事業をビジネスとして有望であると確信している点です。介護事業の現場での仕事も厭わない、更に、そこで介護技術を学ぶだけではなく、その延長上にビジネスとしての事業への参画に強い意欲をもっているということです。

当然、環境に恵まれている日本で働きたいという強い意向をもっていますが、将来は国に帰り、介護の事業を行い、国に貢献したいという思いは共通しています。

内定が決まっても当然来年3月の卒業と同時に就職となりますが、それまでに現地で少しでも働いてみたいという考えも持っています。現在は就学ビザで来ているだけに、働ける時間が週28時間と限られていますが、是非、現地でアルバイトとして働いてみて頂きたいと考えています。将来の人材として有望と判断します。
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