無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
豊かな高齢者社会の構築に向けて、日々尽きることの無い気付き、出会いを綴って参ります。

2013年05月

日経新聞で「65歳までの雇用」と企業という内容で記事が掲載されていますが、高齢者の雇用について考えてみたいと思います。

13年4月の継続雇用の義務化で、65歳までの雇用義務化で必要な対応として次の項目が挙げられます。

1位:貢献度を処遇に反映
2位:可能な社内業務に従事
3位:ワークシェアリング
4位:対象者の処遇下げ
5位:後進の育成・技能伝達
6位:社外への再就職支援
7位:グループ内で出向・転籍増
8位:新規採用の抑制
9位:60歳未満の処遇下げ

『2007年の就業構造基本統計調査(厚労省)によると、役員を除く60歳~64歳の被雇用者の内、非正規は男性が6割、女性は7割。全年齢平均の非正規は男性が2割、女性が6割だから男性は60歳以降、正規から非正規に移る例が多いようだ』と述べられています。

現在の介護人材の募集について、今一度高齢者の雇用について再考してみる必要がありそうです。確かに介護の現場では高齢者の方もおられますが、決して多数ではありません。思うように時間が取れなかったり、フルに働くことを嫌う方もおられます。又、介護の現場の労働は肉体を使う仕事もあり、負担となる等の理由で、長続きしないケースもあります。

更に、介護現場では若いスタッフに指示されるといったことも、プライドを傷つけられるという理由で長続きしない原因の一つに挙げられるかもしれません。

これらを逆手に取れないものでしょうか? 60歳から64歳までの高齢者による施設運営は考えられないでしょうか?勿論、健康上のことは何よりも重要になりますが、1人で出来ることも2人で行えばそれだけ負担が減ります。又、ワークシェアリングで無理のないシフトを組むことも登録人数が多ければ可能となります。 加えて60歳~64歳までのメンバーで業務を行えば、若いスタッフとのトラブルも避けられます。

高齢者の為の、高齢者による施設運営もあるかもしれません。65歳まではまだ十分な現役です。

延びる平均寿命。長期介護の時代へ(web R25 2013.05.28)

「終わりの見えない介護」に疲弊する家族という記事がみられました。介護が長期化するという予測です。

これは現実のものとなりつつあります。ご家族の負担と経費負担は益々大きなものとなります。
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■厚生労働省の調査によれば2013年の日本人の平均寿命は男性79.59歳、女性86.44歳と「過去最高」を更新した。20年前と比べると、男性で3.34歳、女性で3.84歳、平均寿命が延びたことになる。

■今後も平均寿命は延びると予測されていて、国立社会保障・人口問題研究所は2050年の日本人平均寿命は男性80.95歳、女性89.22歳になると推計。

■しかし、長寿命化社会においては「介護」にまつわる不安もつきまとう。生命保険文化センターの試算によれば、「寝たきり期間」10年以上の要介護者は11.8%に上り、すでに介護期間は長期化傾向にあるといわれている。

■自分の両親にはいつまでも長生きしてほしいと願う一方で、寿命が延びれば延びるほど、終わりの見えない介護に身も心もすり減っていく。

■介護はこうした体力面、精神面だけでなく、経済面での負担も大きい。

現在サ高住の開発コンサルをさせて頂いている医療法人では次の手を打ち始めています。

医療法人はこれまで多くは法人で土地、建物を取得し、高齢者住宅事業を行うというケースが主流でしたが、賃貸で事業を行うケースが出始めています。

医療と異なり、高齢者住宅事業は賃貸事業であり、わざわざ法人にて所有する必要もないのです。それよりもサブリースにて身軽にスピード感をもって事業展開を図るといった取り組みが必要と気づき始めています。

株式会社、社会福祉法人、医療法人とそれぞれにおいてサ高住への取り組みが加速度化していますが、何といっても強い競争力を持つのは医療法人です。

医療と言う高齢者ビジネスにおいて最終的な出口をもっていること、金融機関の融資を受けやすいこと、介護の人材等の募集において民間企業と比較して圧倒的な競争優位性を持つこと、等において強い競争力を持っているのです。

その競争力を背景に、従来とは異なった動きが始まっています。老健施設とサ高住中をセットで開発する、法人所有サ高住+賃貸高齢者住宅、それだけではなく、不足する人材に対して海外からの人材の受け入れも始め、寮までも同時開発をする等、多様なインフラ整備が始まっています。

民間介護事業者が人材不足で開発スピードが鈍っている今日、その競争力をもって一気にマーケットを取る動きが加速度化しています。

先般から介護事業における生産性向上システムの導入を検討していますが、現在提携をしてシステム開発について協議をしている会社と打ち合わせを行ないました。

先般、弊社のエルスリーにて実験的にその業務内容について検証を行って頂き、どれだけ介護業務を標準化(バーコード化)できるかについて調査を行って頂きました。

弊社のエルスリーはメインは住宅型有料老人ホームですが、それに併設の訪問介護事業所、デイサービスにて介護保険を使うといった複雑な事業構成になっています。通常の丸め報酬型の事業とは異なり、様々な外部サービスを提供するシステムですので、どれだけ業務の標準化が図れるか不安でありました。

しかし、今回の調査結果を聞いて驚きました。全ての業務の87.1%がバーコード化(標準化)が可能との結果となりました。1日の業務内容を時系列的に追っかけて頂き、その業務の約9割がバーコード化が可能との判断に大変勇気づけられました。

介護事業の生産性が言われつつも、なかなか思い切った対策が打てていないのが現状です。住宅型有料やサ高住といった複数のサービスが外付けで提供される事業に至っては尚更のことでした。

それがほとんどの業務を標準化することができるようになると革命的な生産性向上が図れることになります。

取り組みの検討を急ぎたいと思います。

ここ数カ月人手不足に悩まされています。我が社の小規模低価格型高齢者住宅は高齢者の需要は多くあるのですが、問題はスタッフ不足です。弊社では高齢者住宅開発立地判断に次の4つの視点をもって当っています。

1.高齢者率
2.総人口
3.介護施設の充足率
4.介護の有効求人倍率

この中で、昨今は4.の有効求人倍率が一番のポイントとなっています。介護の有効求人倍率は軒並み3を超え、場合によっては4、5といった超求人難となっているエリアもあるのです。

そういったエリアでは、今後施設開発が困難となって参ります。開発をしても、人が採れないために、開設を延期したり、断念をするケースが出始めています。

入居希望の高齢者はいても、その受け皿となるスタッフの募集がままなりません。日に日に深刻となってきております。特に最近のように景気が上向いてきますと、この業界はもろに影響を受けてしまいます。他の産業にいってしまうのです。

今週もわが社の採用企画メンバーは韓国に行っております。フィリピン、ベトナム、ネパール、韓国、中国とアジアの諸国から人材を求めねばならない時代となってきました。一人でも多くの外国人を採りたいと考えています。国内の介護人材のみを考えていたのでは、今後の介護事業は成り立たない、そんな時代となりつつあります。

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