無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
豊かな高齢者社会の構築に向けて、日々尽きることの無い気付き、出会いを綴って参ります。

2013年06月

サ高住の成功モデルはサ高住+訪問・通所ではなく、サ高住+特定施設の収益モデルではないかということを前回お話しました。しかし、その運営は簡単ではないと申しました。

サ高住に特定施設並みの介護サービス、介護スタッフを配置せねばならないということになるのです。それ故に、運営のハードルは一気に上がることになるでしょう。

1.人員の確保
2.サ高住+訪問&通所サービスで、特定施設並みの切れ目のない介護サービスを展開するノウハウ
3.訪問&通所サービスで、特定施設並みの介護保険を得るノウハウ
が求められることになるのです。

1.の人材確保については、特定施設従来3:1という基準がありますが、重篤な高齢者が増えると3:1でも十分なサービスは難しくなります。特定施設の平均介護度は2.7程度と言われますが、このレベルで良いサービスを提供しようとすれば2:1程度の人員体制が求められるでしょう。それだけの人材をどのように確保するのか、難易度が上がります。

2.丸め報酬の特定施設並みの切れ目のない介護サービスを提供するためには、介護保険サービスと介護保険外サービスを継ぎ目なくつないでいくサービス体系をつくらねばなりません。しかも、コンプライアンスに抵触しないように。これも運営の難易度が上がります。

3.施設内に居宅支援事業所をおかずに、外部居宅との連携のもとでいかに納得性のある、介護保険サービスを提供するかというケアプラン作成の難易度が上がります。

以上の難易度の高い事業が実はサービス付高齢者向け住宅に求められるノウハウなのです。

先日、4月時点での介護保険の利用状況等について最新のデータを整理してブログに記載しましたが、サ高住や住宅型有料老人ホームの介護サービス外付けモデルの収益構造について触れてみたいと思います。

受給者1人当たり費用額については下記のようになっていたと思います。

介護予防サービスでは40.2 千円、介護サービスでは189.7 千円となっている。
内訳は、次の通りです。
①訪問・通所サービス107.4千円、②特定施設213,1千円、③グループホーム278.1千円、④施設サービス296.1千円(介護福祉施設サービス279.6千円、介護保険施設サービス295.3 千円、介護療養施設サービス391.7千円)

サ高住等の外付けモデルでは介護保険サービスでいくら取れるかがポイントとなります。特養約28万円、老健約30万円、介護療養病床約40万円と従来の3施設では一人当たりの費用は当然大きくなります。

サ高住や住宅型有料老人ホーム等では果たしていくらぐらいのサービスを提供できるのでしょうか?

一般に外付けモデルでは限度額の約半分と言われています。従って、平均介護度が3では267500円÷2=約13.5万円、介護度2では194,800円÷2=約9.5万円となります。介護度1では165800円÷2=約8.5万円となるでしょう。

サ高住の平均介護度が1.8とすれば良く取れて1人10万円前後となるのではないでしょうか?これは①に相当します。これでは介護保険外の費用を上げないと経営は難しいといえます。

家賃5万円、食費5万円、管理費3万円として合計13万円、それに介護保険で10万円とすれば、合計23万円となります。このモデルではサ高住の商品力は十分な介護のついたものにはなりえず、商品力に限界があります。

一方、特定施設(介護付き有料老人ホーム)の例であれば、上記利用料金にプラスして②21.5万円とすれば、合計で34.5万円となります。

サ高住の成功モデルはサ高住+①ではなく、サ高住+②の収益モデルかと思います。ここまでくれば、かなりの商品力をもった高齢者住宅となるのです。但し、今度は運営は簡単ではなくなります。

本日、関西圏で初めて小規模低価格型高齢者住宅エルスリーが誕生することになりました。

これまで、低価格型高齢者住宅が乱立する大阪を避けるようにしてきたエルスリーですが、漸く、大阪を取り巻く周辺での開発ができるようになりつつあります。

今回は関西で始めて、京都で開発を行う運びになりました。中国・九州・四国地区から出発し、関西を飛ばして中部・東海圏、そして、関東圏と開発を進めて参りましたが、間の関西が抜けていましたので、いよいよこれから、その穴を埋めるべく開発着手となります。

しかし、関東圏同様、しばらくは東京、大阪を取り巻くエリアからの開発になりそうです。京都に拠点ができれば、滋賀県、兵庫県、奈良県が視野に入ってきます。

本日も京都での契約を終えた後、兵庫県の医療法人様との勉強会に出席をさせて頂きましたが、かなり活発に動いておられます。地域の皆様の関心も高いものがあります。

いつものように中心部を外して、周辺から攻めていきたいと考えております。

厚生労働省から介護給付費実態調査月報(平成25 年4 月審査分)が報告されました。調査の概要は次の通りです。介護保険受給者は増え続けています。ポイントを抜粋しておきます。

1 受給者数
全国の受給者総数は、複数サービスを受けた者については名寄せを行った結果、介護予防サービスでは996.9 千人、介護サービスでは3,633.4 千人となっている。

2 受給者1人当たり費用額
受給者1人当たり費用額は、介護予防サービスでは40.2 千円、介護サービスでは189.7 千円となっている。
内訳は、次の通りです。
訪問・通所サービス107.4千円、特定施設213,1千円、グループホーム278.1千円、施設サービス296.1千円(介護福祉施設サービス279.6千円、介護保険施設サービス295.3千円、介護療養施設サービス391.7千円)


3.データ
受給者数の月次推移
要介護状態区分別にみた受給者数
25年4月介護度別人数・割合 

前回に続き、6月25日の日経新聞にはサービス業に活躍の場を広げる女性の雇用の実態が報告されています。何と、働く女性は、働く男性の数よりも多くなっているのです。産業構造の変化に合わせて女性の活躍の場が広がりつつあります。

■総務省の労働力調査によると農林業を除く雇用者数は、女性はほぼ増え続けて2012年に2335万人と過去最多。男性は最も多かった1997年の3245万人から、12年には3117万人に減っている。

■雇用の動きは産業構造の移り変わりを反映する。製造業は生産の自動化と工場の海外移転が進み、12年までの10年間で男性の雇用者を64万人減らした。

■同期間に女性は医療・福祉で173万人増、その他のサービス業は42万人も雇用が増えた。サービス業への産業転換は女性の働く機会を増やす。

■経済産業省の10年の調査では、女性が起業する業種は「一般消費者向けサービス」が17.8%と「その他」を除くと最も多い。

■高齢化で下がる就業率も男性は75年に80%を割り、12年位は67.5%まで下がったが、女性は12年に46.2%と75年よりも1.2%上がっている。

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