無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2013年06月

国土交通省が11日に発表した「首都圏白書」の続きですが、最後は「増え続ける空き家」について触れています。

人口減少時代が徐々に首都圏にも影響を出し始めています。特に下記にもありますように、都心から40キロを超えると空き家の中で約半数が1年以上も続いているというのに驚きます。

一般賃貸住宅から高齢者住宅へのシフトが更に拡大をしてくる可能性が出てきています。これからは一般賃貸は余程の好立地でなければリスク性の高い事業となりつつあります。
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■都心から40キロ以上離れた地域では1年以上、空き家となったままの住宅が空き家全体の49%に達しており、5年以上の空き家も16.2%ある。

■形態別では賃貸住宅の空き家率が高く、千葉や埼玉では賃貸住宅の空き家率が30%を超える地域が複数ある。

■空き家は人口減少ペースが穏やかな東京23区でも増えている。1963年から2008年の45年間で5万2000戸から54万4800戸に増加。空き家率は11.3%と東京圏では千葉県に次いで高く、全国平均の13.1%と大きく変わらない。

■空き家が増える背景には世帯数の減少がある。白書では足立区や葛飾区など東京23区の北東部で人口減に伴う世帯数の減少を予測。空き家が一層増える可能性がある。
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前回に引き続き、この問題を取り上げてみたいと思います。今回は「介護施設の不足、一層深刻」というものです。

当面は東京都を取り巻く周辺の県で受け入れ施設開発を行いつつ、徐々に都内に向けて、動きが加速度化してくるものと思われます。

エルスリーも徐々に東京圏での取り組みが始まっています。埼玉、神奈川とジワジワと都心に近いところで動き始めています。
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■東京圏の世帯数は2025年にピークを迎えた後、減少に転じる見込みだが、高齢者世帯は増加する。夫婦のみの世帯と高齢者単独世帯は今後も増え、30年には世帯数全体の4分の1に達する。

■10年に732万人だった東京圏の高齢者は40年には1119万人と1.5倍になると推計される。

■首都圏白書では25年の介護保険施設のサービス利用者数を推計し、10年の介護保施設の定員数を比較した。利用者に対する施設定員数の割合は東京23区の一部などで25%未満にとどまる。

■受け皿の整備が急務だが、「首都圏で用地を確保するのは非常に困難」と杉並区の田中良区長は指摘する。現在区内には特別養護老人ホームが12か所あり、定員は1200人弱。それに対して入居希望の待機者は2000人を超えるという。

■こうした状況を背景に、区は全国の自治体で初めて、他の都道府県に特養を設ける方針だ。静岡県南伊豆町の区有地で16年度の開設を目指し、県や町と協議を重ねている。杉並区と南伊豆町の連携は国も注目している。
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前回に引き続き、社会保障審議会介護保険部会45回(平成25年6月6日)での「介護の人材確保」について報告に触れてみたいと思います。

「介護人材確保における当面の見通しについて」で述べられているのは、平成24年で149万人の介護職員が今後1年あたり6.8~7.7万人増で平成37年で237~249万人となるというものです。

毎年の増加の内訳は次のような計算になります。

①入職者23.7~24.6万人
 ○ ハローワーク16.0万人
 ○ 他の入職ルート(民間、口コミなど) 6.6~7.5万人
 ○ 福祉人材センター1.1万人

②学卒就職者5.4万人(H23年)

③離職者22.4万人
  ※ H23の離職率(16.1%)では24.0万人となる。
       ↓
  ※ 当面15%程度を目標
  ※離職者の中から9万人が再度①の入職者として還流、13.4万人が他産業へ転出

①+②-③=年間6.8万人~7.7万人という計算です。

離職率を当面15%程度を目標にしていますが、現実的には20%程度まで上がってきていると考えられます。今後景気が良くなると更に、他産業への転出も多くなることが予測されます。
結果として、年間5万人の確保も難しくなっていくのではないかと考えられます。

介護人材確保における当面の見通しについて 
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今までサ高住の最大の課題であった住所地特例が見直される可能性が出てきました。厚生労働省が検討に入ったようです。流れが変わるかもしれません。

以前、高齢者専用賃貸住宅でも適合高専賃は住所地特例が認められていました。介護型のサ高住という位置づけができれば、住所地特例もありということではないでしょうか。早く結論がでることを望みます。
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元の自治体が介護費用を負担 高齢者住宅で厚労省検討

厚生労働省は10日、高齢者が別の自治体の「サービス付き高齢者住宅」(サ高住)に引っ越した場合、介護サービスの費用を、もともと住んでいた市町村が介護保険財政で負担する方向で検討に入った。

高齢者が転入先で介護サービスを利用すれば、受け入れ先の自治体で介護給付費がかさみ、保険料も上昇する。居住地とは別の自治体の特別養護老人ホームなどに引っ越した場合、高齢者が以前の自治体の介護保険に加入し続ける「住所地特例」制度がある。この制度をサ高住にも適用するよう自治体が求めている。

サ高住はバリアフリー構造で、今年4月末時点で全国で11万戸以上が登録されている。

2013/06/10 18:42 【共同通信】
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社会保障審議会介護保険部会45回(平成25年6月6日)で介護の人材確保について報告がなされています。

要点は次の通りです。下記の内容は平成23年度のデータに基づいたものですが、今日では更に、深刻な人材不足となっています。数回に分けてポイントを整理してみたいと思います。

<要点>
■介護保険制度の施行後、介護職員数は増加し、10年間で倍以上となっているが、2025年には、介護職員はさらに1.5倍以上(約100万人)必要と推計されている。※平成22年度(2010年度) 133.4万人⇒ 平成37年度(2025年度) 237~249万人

■介護分野での有効求人倍率は、産業合計と比較して高くなっており、失業率と逆の動きをする傾向にある。
※平成23年度有効求人倍率介護分野1.58倍、全産業0.68倍
⇒今日では有効求人倍率は3を超えているのではないでしょうか?

■介護職員の離職率は、産業合計と比較して高くなっている。
※介護職員16.1%、全産業14.4% (平成23年度)
⇒今日では20%を超えているのではないでしょうか?

■賃金について見ると、介護職員の平均賃金は他の職種や産業合計と比較して低くなっている。
※ホームヘルパー208.5千円、福祉施設介護員218.4千円、全産業325.6千円

■規模が小さな事業所では、規模が大きな事業所に比べて、研修支援といった能力開発への取組を行っている割合が少なく、離職率も高くなっている。
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