無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
豊かな高齢者社会の構築に向けて、日々尽きることの無い気付き、出会いを綴って参ります。

2013年10月

介護施設不足、大都市と「広域合併」で 10月20日産経ニュース(論説委員・河合雅司氏)
 
1人暮らし高齢者の増加が増加し、大都市部での介護施設不足が問題となっています。激増する都市部の高齢者に対して、抜本的な対策が求められています。

産経ニュースからその要点を拾ってみます。

◆2020年の東京五輪開催が決まり、日本中で盛り上がりを見せているが、「2020年」は五輪の開催年としてだけでなく、日本人の記憶に刻まれる年となりそうだ。この年をピークに、東京でも人口減少が始まるからだ。

それは、東京が高齢者であふれることを意味する。2010年から2025年の15年間に75歳以上が最も増えるのは東京だ。123・4万人から197・7万人へと74・3万人もの激増となる。

◆東京で高齢者が激増

高齢者数の激増は大阪や愛知など大都市圏を抱える府県に共通する。高齢者の激増で問題となるのが介護である。大都市はビジネス中心の効率性を追求した街づくりを行ってきており、介護の基盤整備が遅れているからだ。

施設整備率は低く、在宅サービスも整っていない。家族や地域の支援をあてにしようにも、3世代同居の割合は低く、交際関係は職場中心という人が少なくない。しかも、地方に比べ介護職種の人材確保が困難ときている。

そうでなくとも全国的に高齢者の1人暮らしが増える。2030年には75歳以上世帯の38・7%が単身者、夫婦のみ世帯も30・5%となる。

◆政府の対策

政府は、医療・介護を「病院完結型」から「地域完結型」へとシフトさせていく方針だ。現在8割近い人は病院で亡くなるが、高齢者が激増すれば病院のベッド数が追いつかなくなる。だからといって、簡単にベッド数を増やすわけにもいかないからだ

政府は、特別養護老人ホーム(特養)の入所要件も「要介護3」以上の中重度者に限定しようとしている。認知症が増えることも考えると、かなり手厚い訪問サービスがなければ無理である。

◆現実的でない「在宅」

家族がいても、働いていたり、高齢夫婦のみで世話をする人がいなければ1人暮らしと大差はない。「施設から在宅へ」という政策転換は、理屈では正しいが、現実が追いついていないのである。

厚労省は対応策として、団塊世代が75歳以上となる2025年をめどに、自宅をベースとして、医療機関や介護サービス、生活支援や介護予防事業などが一体的に提供される「地域包括ケアシステム」を構築する考えだ。

高齢者が激増する大都市については、有識者検討会が、人口密度が高く交通網が発達した「都市部の強み」を生かし、24時間定期巡回サービスやサービス付き高齢者向け住宅、空き家を活用した安価な低所得者向け住宅の整備を促す報告書をまとめた。

急増する大都市の介護ニーズに応えるには、これらのアイデアを含め、考えつくことはすべてやることだ。

◆地方との“広域合併”で対応を

大都市と地方の自治体が介護を通じた“合併”を図ることである。

大都市は、提携する地方の自治体の行政全般に対して、人的、財政面を含め全面支援する。働き盛り世代が地方の高齢者を手助けするボランティア制度など、住民同士の交流も積極的に図る。

これに対し、地方の自治体側は、土地提供をはじめ大都市の住民向けの介護施設整備に協力する。1人暮らしや高齢夫婦のみ世帯が多い大都市では施設を必要とする人が増えるが、高地価で簡単に整備できない。交流を深めた自治体の土地に建設することで待機者を減らすのである。

一方、人口減少が深刻化する地方にとっても、大都市との提携はメリットが大きい。都道府県の枠を超えた「21世紀型の広域行政」となる。

10月22日の薬事日報に下記の記事が出ていました。目につきましたのは、ドラッグストアーの取り組みです。

弊社も今回初めて、ドラッグストアーとこコラボレーションに踏み切りました。ドラッグストアーも積極的に介護部門に乗り出してきています。

薬を扱っていることから、訪問調剤機能をもつことで、積極的に高齢者住宅と連携を取るだけではなく、様々な介護用品の販売も含めて、これまでとは異なった動きを始めています。高齢者施設の開発も含めて協力関係を強化して参りたいと考えております。

■高齢化社会が顕著になり、介護を要する階層の増大に伴って、介護食品のニーズも一層の高まりが想定される。こうした中、日常の食事から介護食まで幅広く利用できる、食べやすさに配慮した食品「ユニバーサルデザインフード(UDF)」が着実に市場を拡大している。

■日本介護食品協議会(古舘正史会長、キューピー)によれば、UDFの生産量・生産金額共にここ数年、高い伸びが続いており、2012年の年間生産額は初めて100億円を突破したという。

■この増加の要因に挙げられるのが、スーパーやドラッグストアを中心とした小売側の販路が広がってきたことである。介護食品に関しては現在、ドラッグストア業界団体が新たなマーケット創造に向けての取り組みを進めていく考えで、今後は「介護食品カテゴリー」が一層注目を集めそうだ。

■UDFはその種類も様々で、レトルト食品や冷凍食品などの調理加工食品をはじめ、飲み物や食事にとろみをつける「とろみ調整食品」などがある。消費者が選びやすいよう、どのメーカーの商品にも「かたさ」や「粘度」の規格により分類された四つの区分が表示されている。

10月23日のテレビ東京で高齢者住宅について、次の報道がなされたようです。

先日の厚労省のデータではサ高住の入居率は平均70%を超えていましたが、現実はまだまだ厳しい状況にありそうです。

■高齢者世帯が増える中、受け皿として今サービス付き高齢者向け住宅=「サ高住」が急増しています。

■サ高住とは60歳以上を対象にしたサービス付きの住宅のこと。安否確認サービスなどは必ず提供しなければなりませんが、介護は義務ではありません。

■セコムはこの「サ高住」に地域交流スペースなどを隣接させた高齢者向け複合施設「セコムカレアあざみ野」を11月にオープンします。

■高齢者向け住宅を入居希望者に紹介する「ローゴのチカラ」の槌井渉高齢者事業部長は、サ高住について「関心は高いが実際の入居は様子見という人が多い」と指摘します。

■業界大手の「メッセージ」が東京・足立区に去年末オープンしたサ高住「Cアミーユ北綾瀬」では、入居率が30%程度。有料老人ホームなどに比べ、サービスが限られる反面、料金が比較的低く抑えられる「サ高住」の良さが十分に伝わっていないのが現状だ、と話しています。

2013年10月21日住宅新報社より2012年度~2020年度の住宅・不動産市場の予測を平均2%成長と「住宅・不動産市場研究会」の報告を掲載しています。

■住宅・不動産市場研究会(伊豆宏代表)は10月21日、2012―20年度の名目経済成長率が年平均2.1%程度になるとの予測を発表した。

■要因は人口・世帯数の減少で消費需要と住宅着工が減少、政府支出も輸出入も小幅増にとどまるが、事務所・店舗、老人ホームの着工などが経済成長率を高めるためとしている。

■有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅合計だと、入居定員数は12年の160万人から20年には217万人へとほぼ直線的に増加していく。

■特に伸びが大きいのがサ高住で、同期間に24万人から57万人へと増加する。このため、老人ホームなどの投資額は合計で12年の6兆5400億円から20年には12兆4100億円に膨らむ。事務所・店舗などもこの間に35兆1400億円から72兆8700億円まで増加し続ける。

兵庫県尼崎市で長尾クリニックを開業しておられる長尾和宏 (ながお・かずひろ)先生の「介護」から「快互」への世界という言葉に共感をします。

先日から住宅型有料老人ホームである弊社のエルスリーの現場に入る機会がありましたが、何度となくこの言葉を実感させて頂きました。

介護をしてあげる、ではなく、それをする方も快楽を感じるし、それはお互い様である。だから、「快互」である、と先生は言われます。

こちらは介護をしているつもりでも、ご利用者様にとってはいかに多くの心遣いと配慮を我々は頂いていることでしょうか。

ご利用者のお部屋でひざを突き合わせてお話を聞いていると介護をしているこちらよりも、はるかに多くの心遣いを頂いていることを感じます。

そしてスタッフも、ご利用者の笑顔や励ましにどれだけ多くのもの(快楽)を得ていることでしょうか。お互い様、快互という言葉なくしては介護は成り立たないと思います。

「介護」から「快互」へ、お互い様という気持ちを忘れずに、共に暮らし、共に生活をする同志としてご利用者と時間と空間を共有する、そんなエルスリーを目指したいと思います。

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