無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
豊かな高齢者社会の構築に向けて、日々尽きることの無い気付き、出会いを綴って参ります。

2013年12月

老老介護”さらに深刻に(NHKWEBニュース)12月30日
昨日のニュースで深刻化する介護の実態が報じられています。実態と政策が乖離を始めています。

家族を中心とするこれまでの政策が実態を反映させておりません。実態に合わせた取り組みを急がねばなりません。
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■認知症の患者を介護している人の年齢は、30年前に比べて70歳以上の人の割合が3倍以上に増えて37%に上り、老老介護が進んでいることが患者を介護している家族の会の調査で分かりました。

■「認知症の人と家族の会東京都支部」は、介護している人を対象に電話相談を行っていて、昨年度とその30年前について相談内容などの変化などを比較しました。

■その結果、介護している人の年齢は、30年前は70歳以上の割合が12%でしたが、昨年度は37%と3倍以上に増えていて、老老介護が進んでいることが分かりました。

■認知症の人の家族構成は、30年前は59%に上っていた「3世代や4世代同居」と「親と子ども夫婦」の割合が、昨年度は13%に減った一方、「単身」や「夫婦」、「親と子」の割合が合わせて36%から86%に増えました。

■また、介護している人と認知症の患者の関係では、30年前は最も多かった息子の妻の割合が43%から7%に急激に減った一方、娘の割合が24%から33%に、妻の割合が20%から31%にそれぞれ増えていて、老老介護が進んだ背景に核家族化などがあることがうかがえます。

東京都支部の大野教子代表は「老老介護は悩みを1人で抱え込みがちなので、地域や行政が本人や家族の立場にたった支援を広げていく必要がある」と話しています。

<前回に続く>

■医療界では、伝統的に質と効率は二律背反関係にあると考えてきたため、質を追求すれば効率は悪くなり、効率を求めれば質は犠牲になり、統合的な管理は無理であると考えられてきた。

■そして、効率管理は経営層の仕事であり、医療職は質い責任を持てばよいという、経営管理職と医療職との意識の溝と、それに根差した効率と質それぞれの管理活動の分離がみられてきた。

■こうした質と効率の二律背反観とそれに基づく管理活動は、米国の医療界でも1970年代まで支配的な考えであった。

■しかし、医療界でも質と効率は常に二律背反関係にあるわけではなく、特に両立可能であり、更には支援的関係(高い質は高い効率をもたらす関係)にさえあることが、80年代に理論的にも明らかにされ、90年代にはそうした認識が広まっていった。

■今後は経営管理職と医療職の間に立つ現場の医療管理職が中心となって、質と効率の管理活動を統合することが重要である。

■多職種からなる現場医療職の知識・知恵を結集して、質を維持しつつ効率の向上を図り、費用対成果の高い医療提供プロセスを構築する。つまり、医療管理職が主導下で現場医療職が一丸となって、費用対成果の高い医療サービスを設計開発していく必要がある。

■医療提供現場には、質と効率を両立させる知恵が眠っている。従って医療管理職主導の質と効率の統合的な管理体制の方が、「経営陣による効率管理」と「医療職による質管理」という体制よりも効率追求に伴い質が犠牲になってしまう危険が少ないと考えられる。

■具体策として、一つは、経営スタッフの育成あるいは確保である。現場の医療管理職にうまく働きかけ、また費用対成果を作り込むために必要な情報を提供できる適切な管理会計を構築し、それを有効に運用できる経営スタッフが必要となる。

■また現場医療職の知恵を活用して高い質と効率を医療提供プロセスに作り込んでいくため、彼らが積極的に知恵を出して費用対成果を高めるように、医療職の経営管理意識を高めておく必要がある。

■トップ経営層が経営スタッフの育成と医療職の経営管理意識を醸成に積極的に関わることが重要である。

11月20日に医療効率化への課題として、表記のテーマが掲げられていました。一橋大の荒井 耕 教授の論文です。高齢者住宅事業においても参考になるところが多々ありますので、内容を整理しておきたいと思います。介護の現場にいかに経営管理の手法を持ち込むかについて示唆を与えるものです。
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■医療職は一般に医療の「質」には関心を持っていることが多いが、効率(採算)には無関心であることも多いため、質に加えて効率面にも注意を向けてもらうことが必要。

■産業界全般では、こうした部門損益業績管理はごく普通に用いられている管理会計の仕組みであるが、これまでの医療界では必ずしも一般的ではない。

■筆者らの調査によれば、経営管理に関心の高い病院群においても、そもそも部門(診療科など)別損益を把握している病院は半数に満たない。又、その損益情報を部門長(診療科長などの現場医療管理職)の業績評価に利用している病院は少ない。

■筆者らの研究によれば、部門損益業績管理を実践している病院は、実践していない病院よりも医業利益率が高い傾向が明らかになっている。

■部門損益業績管理はまず病棟や機器の稼働率・回転率の向上を部門長に促し、病院の採算確保に貢献している。

■病院は人件費を含む固定費の割合が高いため、稼働率・回転率の向上は採算性を大きく改善する。

■採算に影響を与える要因は多様であるものの、筆者の研究によれば、特に病床利用率の向上は採算の改善に貢献していることがうかがわれた。

■病床利用率の向上の為の具体策としては、地域の診療所などへの積極的な働き掛けによる紹介患者数の増加(地域連携の強化)や救急患者を積極的に受け入れる体制の構築などが挙げられる。

<次回に続く>

本日もエルスリーの管理者候補の面接を行いました。共通した思いは介護スタッフの採用とその処遇のことです。

慢性的な介護スタッフの人材不足とその離職率の高さに現場は悲鳴を上げております。抜本的な対策を講じねばなりません。

この業界の特徴でしょうか、辞める時の状況が通常の企業とは異なるのです。通常の企業では就業規則において1か月前の退職願が普通だと思いますが、ある日突然の退職願、それも当日帰るときに管理者の机の上に退職願、それも本日をもって退職をしますというもの。

非常識と言わざるを得ません。ご入居者様がそこで暮らしているにも関わらず、シフトに穴が空くことも考慮無し。職業人としての倫理の欠如といわざるを得ません。ところが履歴書をみると多くの方が一般企業にも勤めていたという経歴をお持ちなのです。

一般の企業で働いていた時には守られていた職業倫理が、介護事業では通用しない、それは何故でしょうか? 正確には言葉の意味が違うかと思いますが、道徳や倫理観の欠如、「モラル・ハザード」ともいうべき現象が介護事業を襲っているのです。

介護事業という人の命を預かる仕事に従事する人間に、倫理観の欠如、その根底には「皆がそうしているから」という安易な職場風土が出来上がってきているのではないかと考えられます。

何とかして、この職場風土を改善せねばなりません。モラルチェックともいうべき採用システムが必要となるのではないかと思います。

週刊ダイヤモンド~ワタミを脅かすライバル続々、高齢者向け宅配食市場の白熱(マイナビニュース12月24日)

高齢者向け宅配食市場に変化が訪れています。週刊ダイヤモンドにその内容が掲載されています。 
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飛ぶ鳥を落す勢いで成長してきたワタミの高齢者向け宅配食事業「ワタミの宅食」が伸び悩んでいます。2014年3月期の当初計画は、41万食(前期比46%増)で売上高544億円(同40%増)と高い伸びを見込んでいましたが、足元の苦戦を受けて、それぞれ35万食、456億円へと大幅に下方修正しました。高齢化の進展で有望なはずの市場に何が起こっているのでしょうか。

■ワタミが宅配食事業の本格展開を始めたのは2010年のこと。高齢者向け宅配食はそれまで、地場の弁当屋などが手掛ける中小零細ビジネスでしたが、ワタミは大手の資本を持ち込み、介護関連の助成金なしで民間でも成立するビジネスモデルをつくり上げました。現在では全国に522の販売店を展開。同市場において、“独り勝ち”状態となっています。

にもかかわらず、ここに来て踊り場を迎えている理由は二つあります。まずは、ワタミが開拓したこの市場に、新しいプレーヤーが続々と登場していること。例えば、宅配ずし「銀のさら」を展開するライドオン・エクスプレスは、2012年に高齢者向けの日替わり弁当「銀のお弁当」を一部地域でスタート。ファミリーマートなどのコンビニエンスストアもこの市場を狙っています。

もう一つの理由は、利用者側の意識の変化。「かつては弁当を取るなんて手抜きという意識があったが、便利なものはどんどん利用すればいいという時代に変わってきた(ワタミタクショクの吉田光宏社長)」といいます。これはすなわち、選択肢が増えたことで、ワタミが選ばれるのが難しくなってきていることを意味します。

■とはいえ、ワタミも徹底抗戦の構えです。2020年に100万食という大目標を継続。団塊世代が75歳前後になる10年後こそ、爆発的な市場拡大が待っていると踏んでいます。しかしながら、ある中堅宅配食事業者には、介護や外食関連の大手企業からM&Aや提携の話がひっきりなしに持ち込まれているとの話も聞こえてきます。大手資本の参入が相次げば、ワタミの地位も磐石ではないと、ダイヤモンド誌では指摘しています。

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