無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
豊かな高齢者社会の構築に向けて、日々尽きることの無い気付き、出会いを綴って参ります。

2014年01月

本日の新聞には介護費2割負担が来年8月からになったと報じられています。大きな改革になりそうですし、その影響は極めて大きいといわざるを得ません。
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■所得の多い高齢者の介護費の自己負担割合を今の1割から2割に引き上げる時期を2015年8月とする方針だ。

■負担見直しの基準となる前年の所得が夏に確定するためで、当初めざしていた15年4月からずれ込む。

■年間の年金収入が単身で280万円以上、夫婦で359万円以上が引き上げ対象となる。

■特別養護老人ホームに入所する低所得者向けの食費や部屋代の補助の見直しも、15年8月からとする。所得が低くても単身で1千万円超、夫婦で2000万円超の預貯金など金融資産があれば、補助を打ち切る。

■一方、症状の軽い人向けの介護予防サービスの一部を市町村に移したり、特養への入所要件を原則症状の重い「要介護3」以上と厳しくしたりする見直しは15年4月からの施工を目指す。

介護福祉士、鍛えたいけど人手不足 研修義務化再び延期(朝日新聞2014年1月28日)

介護の人材不足が顕在化、質の向上もままならず、ということでしょうか。介護人材の確保について法制度化が先行されねばなりません。当然の帰結だと思います。

…………………………………………………………………………・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・介護福祉士の国家資格について、厚生労働省は、資格取得をめざす人に長時間の研修などを義務づける時期を延期する方針を固めた。質の向上を目指して2015年度から実施する予定だったが、介護分野の人手不足を理由に、1年間先送りする。

この件は以前も実施時期が12年度から15年度に先送りされた経緯があり、延期は2度目。28日の自民・公明両党の厚労部会で厚労省が延期の方針を示し、了承された。関連の改正法案を通常国会に提出する。

現在、介護福祉士の資格を得る方法は、①介護現場で3年以上働き、国家試験に合格(実務経験ルート)②福祉系の大学や専門学校を卒業(養成施設ルート)――などがある。

成長戦略が不発なら・・・就業者最大820万人減
 
本日の日経新聞には見出しの記事が掲載されていました。2030年にはどうしても600万人の雇用が減少することは避けられない情勢かと思います。その対策について、成長戦略のみで論じるのは無理があります。
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2030年厚労省推計では、経済が成長せず、女性や高齢者の活用も進まない場合を前提にした場合、2030年の就業者数が12年実績に比べて最大13%減り、5449万人に落ち込むとの推計を公表した。

20~60歳の男性中心の労働市場の構造を変え、女性や高齢者などに働き手を広げる必要がある。

独立行政法人の労働政策研究・研修機構に委託して推計をした。就業者数の減少幅は、20年時点に12年比で323万人、30年時点で821万人に及ぶ。

国立社会保障・人口問題研究所は30年の日本の総人口を1億1662万人と推計。12年比で1000万人強減る見通し。全体の人口減のかなりの部分が、労働力の減少に直結することになる。

一方、女性の活用などの成長戦略が進み、実質成長率が2%で推移する場合の試算も示した。就業者数は20年に小幅に増え、30年でも3%減と微減にとどまる。

少子高齢化の影響で、男性の就業者は今後、ゼロ成長の場合で30年に480万人減。改革が進んだとしても211万人減となる見通し。一方、改革が進めば、30年の女性の就業者は人口が減るなかでも43万人増える。

ある大手の建材メーカーから経営多角化としてのサービス付高齢者向け住宅の開発と運営について新しいスキームを頂戴しました。

これまで弊社としては、小規模低価格型高齢者住宅の開発を主として行ってきました。

物件として上がってきやすい300坪前後の土地所有者に対して土地有効活用の手段として1億~1億5000万円の住宅型有料老人ホームを提案して参りました。その最大の特徴はスピードにありました。土地情報のスピード、銀行融資のスピード、高齢者のインフラ整備を最優先するという方針のもと、スピード重視で開発に取り組んで参りました。

しかし、ここにきて、状況が変わってきています。住宅型有料老人ホームは本来は許可制ではありませんので、届出で良いはずなのに、今や、介護付き有料老人ホームと同じくらいの時間を要するようになっています。2か月、場合によっては3か月という長い時間を要するようになり、その意味では、サービス付高齢者向け住宅の申請期間に近づいてきていると云ってよいほどです。

どうせそのような時間がかかるのであれば、サービス付高齢者向け住宅も選択肢の一つに入るかもしれません。

問題は、規模ということになります。1部屋25㎡を中心に考えていますので、弊社の18㎡との差を共有部分でカバーするための面積増をどこで吸収するかということになります。

もう一つは住所地特例の問題がまだ残っています。この2つの問題をクリアーできるとすれば、いずれはサービス付高齢者向け住宅になるのかもしれません。

その意味では、本日のご提案の新しいスキームは大変魅力のあるものとなる可能性があります。研究をして参りたいと思います。

認知症ケアの最も大切な鍵(その人はどう生きたかをきっかけに)

尊敬する三重県の脳神経外科医師の笠間睦 (かさま・あつし)先生の見出しの内容の報告が2014年1月25日、朝日新聞の医療サイトに紹介されています。大変興味深い内容ですので是非皆様にご紹介しておきたいと思います。http://apital.asahi.com/article/kasama/2014010900014.html

認知症ケアのカギを握るのは入所から2週間以内にすべての患者がライフストーリーを持てるようにすると述べられています。
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■シリーズ第160回『認知症のケア─「医療情報の海」に溺れないで』において、「認知症が進みゆく現実があっても利用者本位の支えをしていくためには、認知症の初期段階でつかんだ本人の意思や本人固有の生活に関する情報やアセスメント・ケアプランを、関係者がその後にバトンタッチしていくことが、認知症ケアのもっとも大切な鍵」(永田久美子:認知症介護実践研修テキストシリーズ1 第2版・新しい認知症介護─実践者編─ 認知症介護研究・研修東京センター監修・発行, 中央法規, 東京, 2006, pp184-194)であることをご紹介しましたね。

■スコットランドのスターリング大学認知症サービス開発センター研究員であるマルコム・ゴールドスミス(Malcolm Goldsmith)が書いた著書においても同様の指摘がなされております(マルコム・ゴールドスミス:私の声が聞こえますか─認知症がある人とのコミュニケーションの可能性を探る 高橋誠一/監訳 寺田真理子/訳 雲母書房, 東京, 2008, pp175-176)。

「このユニットにおける目標の1つは、入所から2週間以内にすべての患者がライフストーリー(個人の人生を描こうという個別のアプローチで、通常は何らかの物理的な結果が生まれます。通常はアルバムなどです。ただし、必ずしも物理的な成果物は必要ありません)をもてるようにすることです。

これを用いて家族とスタッフの、そして患者とスタッフの間のコミュニケーションの改善を支援します。できればこれを次のケアの場所(老人ホーム等)にも引き継ぎたいのです。そうすることで認知症がある人のケアの継続性が可能になり、病院と地域社会の関係を強めることもできるのではないかと期待しています。」(一部改変)

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