無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2014年02月

<前回に続く>

■次は介護だ。今は技能実習制度の対象外だが、昨年10月~11月の産業競争力会議雇用・人材分科会で民間議員から「介護を加える必要がある」(武田薬品工業の長谷川閑史社長)といった声が続出した。6月をメドに政府が打ち出す技能実習制度の見直しの焦点となる。

■日本は経済連携協定(EPA)に基づきインドネシアとフィリピンの介護福祉士候補を累計で1000人以上受け入れている。介護の実習生を認めれば、介護福祉士候補より技能の低い人材が大量に出る可能性がある。しかも高齢化で日本の介護現場での人材不足はかなり先まで続く。 「事実上の移民が介護から始まる」と云われる理由だ。

■規制緩和を唱える安念潤司中大教授でさえ「製造分野と違い、介護は対人サービス。職場の広がりは大きく、制度の運用を監視するコストも莫大になる」と予想する。新たな技能検定試験をつくる必要もあるだろう。

■日本では専門的、技術的分野の外国人は受け入れる一方、単純労働者の入国は認めないのが基本だ。だから単純労働者を含む外国人で人手不足を解消するという”本音”を言えずにきた。その結果、制度を小手先でいじろうとして、無理が生じているのが現状だ。

■政府はこれまでも法の網をかいくぐって一歩ずつ外国人の受け入れを増やしてきた。その限界も見え隠れしている。
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「サ高住」で新会社設立 パナソニック(朝日新聞2014年2月5日)

パナソニックが本格的な高齢者住宅市場への参入を行うようです。200坪~300坪の土地所有者に対して建て貸し事業モデルを提案するということは、恐らく小規模型高齢者住宅の開発を計画されているのではないかと考えられます。
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■パナソニックエコソリューションズ社は2月末に、サービス付き高齢者向け住宅事業を運営する新会社「パナソニック コムハート」(大阪府門真市)を設立すると発表した。

■パナソニック創業100周年を迎える2018年に、サービス付き高齢者向け住宅を100棟まで拡大させる予定。

■新会社は、200~300坪の土地を所有するオーナーを募集し、オーナーが建物を建築する。その土地と建物を新会社が20年以上の長期で借り上げるモデルだ。
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都知事選2014 論点を問う 「高齢化、足りぬ特養」(2014年2月2日)

都知事選が近づいています。高齢化問題は一つの焦点になっています。下記の記事が出ていました。現在の東京都の高齢化問題を浮き彫りにしています。何故に特養にこだわるのでしょうか? 118億円の予算をかけて特養の建設補助金が本当に必要なのでしょうか? 

もっと民間活用のプロジェクトに予算を向けるべきではないでしょうか。その方がより多くの高齢者の住まいが提供できる道があるのです。余りに知恵の足りなさに残念な思いが募ります。
都知事候補にも新しい発想が欠如しています。
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都によると、特養を希望しながら入所できない人は2010年度に約4万3千人で、01年度の約2万5千人から増加。全国でも40万人余りが入所待ちをしている。

都内の65歳以上の高齢者は10年に約260万人おり、40年には約410万人に増える見通し。施設だけでなく、地域で支えようという動きもある。

 ■増設か、地域で支援か

 都は今年度予算で、特養の建設費補助金として118億円を計上した。介護施設建設で土地を借りる場合には、一時金を補助する制度も設けている。

 都知事選の候補者は高齢者政策を打ち出す。特養の増設といった施設の拡充策と、地域で支える仕組みづくりといったソフト面での対策に大きく分けられるが、重点の置き方は候補者によって異なる。使途を介護サービスに限った利用券を無料で配る「介護バウチャー(利用券)導入」や、民間企業の活用を提言する候補者もいる。(岡田昇)

 ■孤立化・貧富差も課題

 淑徳大の結城康博教授(社会福祉学)の話 東京都が抱える高齢者問題の特徴は3点ある。一つは特別養護老人ホーム待機者の多さ。地価の高さや介護にあたる人材の不足で、施設が足りない。二つ目は地域の結びつきの希薄さからくる高齢者の孤立化。三つ目は高齢者間の貧富の差が大きいこと。

 急速に進む高齢化に対応するため、福祉予算を増やす必要がある。施設拡充や人件費補助にあてるだけでなく、地域の互助会やボランティアの育成が必要だ。買い物難民対策など広い視点の目配りが欠かせない。
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<福祉・介護事業で増加>2013年倒産動向調査結果――東京商工リサーチ(2014/02/04 )

介護の経営環境が悪化をしています。人手不足が介護事業経営を苦しめています。
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■信用調査の大手・東京商工リサーチは、2013年の業種別倒産動向調査結果を発表した。

■それによると、2013年の倒産動向は老人福祉・介護、個人消費関連で前年よりも増勢が目立ったことが特徴で、老人福祉・介護事業の倒産件数は、54件で、前年より63.6%増の21件増加となった。介護保険法が施行された2000年以降では、2008年の46件を上回り、最多。

■負債総額は、約50億円で、前年より微増、2008年の約200億円の1/4。このことから、中小規模の事業者の倒産が増えていると推測できる。

調査では、介護関連事業は、高齢化社会に伴い将来性の高い産業として注目を集めたが、慢性的な人手不足、低賃金などに加え、他産業からの新規参入で競争が激化し、厳しい経営環境が続いている、と分析している。
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ひとりを生きる:グループリビング リーダーの存在が鍵=池田敏史子 /東京(毎日新聞 2014年02月03日地方版)

グループリビングに関する記事が出ていました。高齢者住宅の中でも最近の人材不足を考えると、高齢者のシェアハウスも云うべきグループリビングの存在が脚光を浴びています。

高齢者住宅を立ち上げようにも人手不足から介護型の高齢者住宅の立ち上げは増々困難になってきております。加えて団塊の世代が本格的に高齢化を迎えるようになって、自立型の高齢者住宅のニーズも一方では高まってきています。

介護型高齢者住宅と抱き合わせの自立型高齢者住宅「グループリビング」を戦略に組み込むことも必要と考えております。
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■最近「シェアハウス」という言葉をよく耳にする。「取り分」を意味するシェアは、今日では「分かち合う」という意味で使われることが多い。シェアハウスは、他人同士が一つ屋根の下で共に暮らす生活スタイルで、個人の部屋を除いたトイレやキッチン、風呂、ランドリー、リビングなどを共有して利用する住まい方だ。

■その高齢者版に当たるのが「グループリビング」かもしれない。少人数の高齢者がスタッフの支援を受けながら、緩やかなつながりを持ち、一つのテーブルを囲んで食事を共にする。掃除や調理の準備、お互いの安否確認、緊急時の連絡や体調を崩した時の支え、入院時の見舞いなど、生活の中で、自分たちでできることを共に助け合って暮らす住まい方が、グループリビングの特徴になっている。

■親しい仲間や価値観を共有する人たちの間で関心が高く、以前には元NHK解説委員だった村田幸子さんらが独身仲間と共にグループリビング構想を披露して話題になった。当初は仲間でマンションを建設して住む予定だったが、最終的には駅近の一般新築マンションを仲間それぞれが購入し、同じ場所で暮らすことに。だが、これもグループリビングの一形態と言っていい。

■福祉施設であれ、有料老人ホームであれ、あるいは今日続々と建設されているサービス付き高齢者向け住宅であれ、指摘されているのが「集団砂漠」だ。たくさんの人が一緒に生活しているのに、なぜか寂しいと訴える人が多い。同じ屋根の下で住みながら、人間関係の煩わしさもあって、他人を避けてしまう傾向にあるからだ。

■その点、グループリビングは、互いに相手を気遣う暮らし方ができるのがいい。家族ではないが、家族に近い関係を築くことができる。しかし一方で、相手との距離が近くなるために起こる衝突もある。あるグループリビングで暮らすYさんは「それを越えて、お互い分かり合えるようになり、何でも話せる仲になった」と話す。その間合いを上手に調整するリーダーの存在が鍵だ。費用は年金額が一つの目安となる。<シニアライフ情報センター代表理事・池田敏史子>
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