無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
豊かな高齢者社会の構築に向けて、日々尽きることの無い気付き、出会いを綴って参ります。

2014年06月

外国人労働活用の前にまず事業モデルの見直しを

5月28日日経新聞 経済教室に「外国人労働 活用の論点㊥」で政策研究大学院大学名誉教授 松谷 明彦氏の報告が目に留まりました。報告の最後に、医療・介護現場の人手不足について下記のように述べておられます。一つの考えかと思います。
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■様々な事情もあろうが、仮に賃金水準が大幅に向上すれば事態は変わるのではないか。サービスに応じた適正な賃金水準が確保されていないために、労働力がその分野に向かわないのであって、基本的には公的保険であるための価格(賃金)の硬直性が人手不足の原因である。

その硬直性はそのままに、なんとかつじつまを合わせるための方策が外国人の活用なのだろう。しかし、途上国の賃金水準も急速に上昇しているのだから、所詮は一時しのぎである。

■介護保険の廃止や閉鎖的な医師・看護師制度の見直しをも視野に入れた、持続可能な医療・介護のための抜本的な制度改革こそが対応策でなければならない。

■外国人労働者の活用が、対処療法の手段であってはならないだろう。社会が払う代償に思いをいたすべきである。

<前回に続く>

■労働力が減ってきたにもかかわらず、現実には労働力不足は発生せず、逆に、雇用情勢の悪化を懸念する状態が続いてきた。これは、労働力の供給も減ったが、経済実態面で労働力の需要がもっと減ったからである。

■表面化しなかったが、潜在的な労働不足要因は常に底流にある。労働力の「天井」はどんどん低くなっていたわけだ。

■景気が好転して労働需要が拡大し始めると、日本経済はたちまち、労働力の「天井」にぶつかってしまった。

これが突然やってきたのが労働力不足の理由である。

■今後、生産年齢人口の減少が続くことは確実だ。ある程度、高齢者や女性の労働参加率を高めたとしても、労働力人口は趨勢(すうせい)として減りつづけることもまた確実である。

■政府は長期的な観点から、女性や高齢者の労働参加率が高まるような環境を整え、外国人労働力の選択的流入を促していく必要がある。

■また、企業は、労働環境を整備して人材を確保して行かないと、国内では生き残れなくなるだろう。

 2014年は日本経済が「大・労働力不足時代」に入った年として長く記憶されることになるだろう。

『大・労働力不足時代がくる』

日経新聞 2014年5月28日(水) 連載コラム『大機小機』に見出しの記事が掲載されていました。皆さんもご覧になったのではないかと思います。

大・労働力不足の時代到来、昨年末から急速に労働力不足が起きている構造的背景について述べられています。何故、急に労働力不足が始まったのか、それはあたかもある日突然という感がした背景にはこうした理由があったということを改めて認識させられました。

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■景気拡大が続く中で、雇用情勢が急速に改善している。

■2012年10月に4.1%だった失業率は、今年3月には3.6%に低下し、同じく0.82倍だった有効求人倍率は1.07倍に上昇した。賃金も緩やかに上昇しつつあるようだ。

■さらに一部の業界では、労働力不足が経済拡大の制約要因になりつつある。

■建設労働者の不足が公共事業の執行を難しくし、パート・アルバイトに依存していたスーパーやファーストフード店などで事業展開が難しくなってきている。もともと足りない介護関連は、ますます手当てが難しい。

■こうした現象は、景気変動による短期的なものではなく、潜在的な労働力不足が顕在化したと考えられる。

■日本の生産年齢人口(=15歳から64歳までの人口)は、1995年の8730万人をピークに一貫して減り続けており、13年(10月1日現在)ついに7900万人になった。

全人口に占める比率も、同じ期間で69.5%から62.1%に低下した。

■これに伴い、労働力人口(=働いていたり職を探している人の数)も98年の6793万人をピークに減り、13年は6577万人となった。15年間で216万人も減ったことになる。

<次回に続く>

外国人の看護師・介護福祉士、既に2割が帰国
(YOMIURI ONLINE2014年06月27日 )

外国人介護士・介護福祉士の資格取得者の定着の難しさを感じます。下記の内容にありますように、定着に向けた対策が重要です。受け入れ体制の整備を急がねばなりません。
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 【ジャカルタ=池田慶太】インドネシア、フィリピンとの経済連携協定(EPA)に基づき、両国から看護師・介護福祉士の候補者を受け入れる制度で、国家試験合格者の約2割にあたる82人が既に帰国したことが26日、明らかになった。

 日本政府は今月発表した成長戦略で、介護分野の働き手として外国人留学生の活用を掲げている。資格取得後も外国人が日本に定着するための制度見直しが求められそうだ。

 厚生労働省の集計によると、制度を利用して入国した看護師・介護福祉士の候補者は2008~13年度に計1869人。このうち計402人が国家試験に合格して資格を取得したが、今年6月現在、就労しているのは計320人にとどまり、残る82人は帰国していた。合格後に帰国したのは、インドネシア人が68人(合格者の26・7%)、フィリピン人が14人(同9・4%)だった。

終活セミナー:「介護」や「みとり」で講演 もやい聖友会が八幡東で、150人参加 /福岡
毎日新聞 2014年06月22日 地方版

終活セミナーが各地で開催されるようになりました。今後ニーズの高い事業だけに、エルスリーサポート協会でも開催を企画したいと思います。
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■人生の終末期を考える終活セミナー「葉っぱのフレディークラブ」が21日、八幡東区の北九州イノベーションギャラリーであった。八幡西区の社会福祉法人「もやい聖友会」(権頭喜美恵理事長)の主催で市民約150人が参加した。

■セミナー名は1枚の葉っぱの一生を通して死を考えるレオ・バスカーリア原作の絵本から取られた。厚生労働省から保険会社に出向中の三好圭さんと北海道の特別養護老人ホーム総合施設長の菊地雅洋さんが講演。

■三好さんは「日本の高齢化は世界最高レベル。今、介護を支える力が問われている」とし、「これからは自宅で終末を迎えることが増えるため、これをサポートする医療や介護、予防、住まいなどを一体的に支える『地域包括ケアシステム』構築を急がねばならない」と述べた。

■菊地さんは「介護施設のみとり介護は死の支援ではなく、その人らしい尊厳ある生き方を支援するもの。どうみとってもらいたいかを生前に愛する人に伝えておくことが大切だ」と豊富な体験からの意見を語った。

■講演した2人と葬儀会社勤務のある行政書士や僧侶、終活をテーマにした劇を上演した劇団代表らによるパネルディスカッションもあった。【久松圭】

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