無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
豊かな高齢者社会の構築に向けて、日々尽きることの無い気付き、出会いを綴って参ります。

2014年08月

医療費は西高東低、格差は最大1.6倍。

日ごろから医療も介護も西高東低であり、西日本の医療も介護も競合がひしめき合っているという環境が裏付けられる内容となっています。

■8月27日の日経新聞には医療費が40兆円に迫り、日本医師会は日本の医療費総額は必ずしも大きくないと主張してきたが、介護も含む保険医療支出でみると日本はGDP比で10.3%となり始めて1割を超えた。OECDの平均値や英国(いずれも9.3%)を上回り、ドイツやフランスに迫る規模だ。

■日本の高齢化は世界最速で進んでいる。団塊の世代の高齢化で75歳以上の人口は25年に2179万人まで増える見込み。医療費の膨張が経済成長を上回るペースで進む公算が大きい。

■厚生労働省が同じく26日に発表した2012年度の都道府県の医療に関する分析をみると「西高東低」の傾向が読み取れる。

■一人当たりの医療費が最も高い高知県と、最も低い千葉県との格差は約1.6倍。西日本では病院のベッド数が多く、医療費の地域格差につながっている。

■一人あたりの医療費が多い地域は高知県(62万5千円)を筆頭に西日本の各県が上位を占めた。最少だった千葉県は40万1千円で高知県の約3分の2にどどまる。下位には関東や東北など東日本の都県が多い。

■地域格差のカギは、医療費全体の4~5割を占める入院費用だ。人口10万人あたりの病院ベッド数(12年)をみると、多いのは高知県、鹿児島県など西日本、少ないのは東京都や千葉県を含む東日本だ。

■西日本はもともと大学の医学部が早くから設けられており、医師や医療機関数も多い。ベッド数に余裕があるため、軽い症状でも入院治療を勧めやすくなる。この結果、1人当り医療費が高止まりしている。

■欧米のように公立病院主体なら国の主導で統廃合もできるが、日本は民間主体の病院が7割超を占める。企業の病院経営への参入も規制しており病院再編は進みにくい。

■厚労省は公定価格である診療報酬を調節することで入院の平均日数を短くするよう病院を誘導しようとしている。15年度には都道府県ごとに医療費の支出目標を誘導する方針だ。

■西日本を中心に医療費が過大な自治体にベッド数を減らすよう促し「供給過剰」の是正につなげる狙いだ。

■きめ細かく医療費を管理するには、病院数やベッド数を調整する枠組みが必要になってきうる。支出目標の導入と並行して、需給バランスを地域ごとに精査する制度作りが課題となる。

今後10年で増えて欲しいサービス、訪問介護がトップ(介護・地域包括ケアの情報サイトJoint8月29日より)

訪問介護・看護のニーズが高まっていることが厚生労働省の調査で明らかになりました。これからの戦略を構築する上で重要な内容です。
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厚生労働省が29日に公表した調査の結果では、介護サービスの人気は施設より在宅の方が高いと報告されている。充実を望むサービスのトップは、訪問介護・看護だった。

■調査は2012年の7月に行われたもの。「高齢期の社会保障について」というテーマで、2006年以来6年ぶりの実施だという。

■対象は、全国から無作為に選ばれた20歳以上の男女1万1614人。97.2%にあたる1万1294人から有効な回答を得ている。65歳以上の回答者は3622人で、全体の32.1%を占めていた。

■「今後10年間で家の周りに増えて欲しい介護関係のサービス」を尋ねたところ(複数回答)、最も支持を集めたのは「訪問介護・看護を提供する事業所」で、49.1%が答えていた。

■2番目は、「小規模多機能型居宅介護事業所」の36.5%。3番目は「デイサービス」の33.3%、4番目は「サービス付き高齢者向け住宅」の30.9%となっており、施設サービスは上位に入らなかった。

<前回に続く>
高齢者の増加により変わる医療需要
・これまでの医療は「治す治療」であり、もう一つは「病院中心の医療」であった。しかし、高齢者には最大の特徴として、老化がある。老化とは年をとるにつれて起こる身体の変化で、誰にも例外なく起こる。その変化は進行性で次第に衰弱していき、元に戻ることはない。高齢者では、このような老化という過程のなかに、病気が入ってくるのである。

・病気も単一原因による単一の臓器の障害というかたちをとらず、生活習慣病のような慢性的な経過で、特定の臓器だけに障害が現れるというより、全身に影響を及ぼすことが多く、1人でいくつもの病気を抱える、いわゆる多病というかたちであらわれる。

治らない病気に寄り添うのも医療
・この頃よく聞く話に、90歳を過ぎた人に大きな手術をしたら、そのまま寝たきりになってしまい、日常生活に復帰できないまま亡くなってしまったとか、高齢者が病院にいくと寝たきりにして返されるといった批判がでてきている。

・年をとればとるほど、老化に慢性病が加わるという病態が増え、全身に影響が出てくる。そのため、身体の状態だけではなくて、精神的な状況や生活能力、家族関係に至るまで、生活をしていく上で障害となる原因の全てに目を向け、評価をしていかないと、その人にとって何が一番問題なのかを把握することができない。

・そう考えれば、治すことはもちろん、治らない病気に寄り添うことも医療なのである。そのときどきの日常の生活が、少しでも充実したものになるように支援していくのが医療のもともとの目的だということがわかる。このような考え方を「生活モデル」の医療という。言葉を換えれば、「生活者としての人の全体像を診ていく医療」ということである。

・これに対して、科学をベースにしたこれまでの徹底的に治す医療を。「科学モデル」とか「医学モデル」という。これから高齢者に求められる医療は、元の生活がきちんとできるような状態に戻すことを目標にする「生活モデル」の医療である。

<次回に続く>

<前回に続く>

「治す医療」から「納得できる生き方へ」を支援する医療へ
・日本の高齢化が急速に進み、今のような高齢社会になり、大きな問題に直面するであろうことは、40年、50年も前から予測はされていた。

・しかし、その当時は経済成長とともに生活がどんどん豊かになっていったので高齢化が進んでもその結果どのような問題が出てくるのか、実感として迫ってくることはなかった。こんな深刻な問題になるとは誰も思っていなかったのである。

・これまでの制度やシステムが機能しなくなるほどの時代の大きな転換期であるので、何よりもまず、どんな社会をめざすのか、どんな国にしていくのかという国家戦略をはっきりさせねばならない。これが決まらないと医療についても、どんな医療を目指すのかがはっきりしてこない。

・医療もこれまでの「治す医療」を目指すだけはだめである。100歳を超えてまで徹底して治すということよりも、その日1日1日をどうやって納得できる生き方をするか、そのための医療がどう支援できるかを考えることのほうが、はるかに大事ではないかと思う。

・超高齢社会における最大の医療需要が高齢者にあることは間違いないことであるから、何よりもまず高齢者にふさわしい医療とは何かが、もっと真剣に考えられねばならない。高齢者には高齢者特有の病気があり、病態があるので、それに合わせた医療が必要である。

・そして、高齢者が医療に何を求めているか、高齢になればなるほど、徹底的に治すという医療よりも、ときには病気と共存してでも、QOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)を落とさないような医療を求めていることははっきりしている。ということは、そのような医療を行うことができる医者を育成して配置し、そのような医療が提供できるような仕組みや体制を構築していくのは当然のことである。

<次回に続く>

<前回に続く>

・高齢者が30%にも40%にもなる社会、ましてや認知症の人が400万人も500万人もいる社会を想定してつくられた制度など、どこにもないことに気づくはずである。

よい高齢社会とはどんな社会か?
・高齢者にとってよくない社会はあっても高齢者だけが快適で豊かな社会、すなわち「若い世代にはよくないが高齢者にはよい社会などあり得ないのである。

・高齢者にとってよい社会とは、全世代にとって豊かで快適な社会、もっと言うなら、次の世代にもきちんと継続できる社会でなければならない。

家族形態や居住形態も大きく変化
・特に都市部においてその変化は著しく、その典型は高齢者の単独世帯が、ものすごい勢いで増えているということである。1980年の91万世帯だったものが、2011年には約470万世帯となっている。たかだか30年間で380万世帯も増えている。
そして、夫婦2人だけの老々世帯も増えている。1980年には138万世帯であったが、2011年では582万世帯となっている。

1.3人で1人の高齢者を支える社会などあり得ない
・1960年では65歳以上の高齢者1人を11.2人で支えていたが、50年後の2010年では2.8人で1人。2055年には1.3人で一人を支える社会になると予測されている。現実問題として、1.3人で1人の高齢者を支えるような社会が存在し得るのでしょうか?

<次回に続く>

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