無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2014年08月

<前回に続く>

・高齢者が30%にも40%にもなる社会、ましてや認知症の人が400万人も500万人もいる社会を想定してつくられた制度など、どこにもないことに気づくはずである。

よい高齢社会とはどんな社会か?
・高齢者にとってよくない社会はあっても高齢者だけが快適で豊かな社会、すなわち「若い世代にはよくないが高齢者にはよい社会などあり得ないのである。

・高齢者にとってよい社会とは、全世代にとって豊かで快適な社会、もっと言うなら、次の世代にもきちんと継続できる社会でなければならない。

家族形態や居住形態も大きく変化
・特に都市部においてその変化は著しく、その典型は高齢者の単独世帯が、ものすごい勢いで増えているということである。1980年の91万世帯だったものが、2011年には約470万世帯となっている。たかだか30年間で380万世帯も増えている。
そして、夫婦2人だけの老々世帯も増えている。1980年には138万世帯であったが、2011年では582万世帯となっている。

1.3人で1人の高齢者を支える社会などあり得ない
・1960年では65歳以上の高齢者1人を11.2人で支えていたが、50年後の2010年では2.8人で1人。2055年には1.3人で一人を支える社会になると予測されている。現実問題として、1.3人で1人の高齢者を支えるような社会が存在し得るのでしょうか?

<次回に続く>
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独立行政法人国立長寿医療研究センター名誉総長大島伸一氏が書かれた、「超高齢社会の医療のかたち、国のかたち」 を読みました。これからの日本の医療と介護を考える上で、非常に示唆に富む本です。ポイントをご紹介しておきます。

まずは基本的な整理から。
・高齢化社会とは、高齢化率(65歳以上の高齢者人口が総人口の7%を超えた社会をいい、「高齢社会」は14%、『超高齢社会」については確実な定義がなく、人によって20%とか21%とか言っているが、ここでは21%を超えた社会を超高齢社会とする。

・高齢化社会から高齢社会に至るまでの年数を、高齢化のスピードという。我が国は1070年に高齢化社会となり、そして24年という短期間の後の1994年には高齢社会に至り、さらに2007年に超高齢社会に突入している。ちなみにフランスは114年かかっている。

・高齢社会になって何が問題かというと、第1に人口構造の重心が高齢の側に移って、これまでのピラミッド型の人口構造が崩れてしまったことである。それは、現在の制度やシステムがこれから向かう社会に合ったものではなくなるため、あらゆるところで問題が露出してくるということである。今までのすべての社会システムや制度はピラミッド型の人口構造に合わせてつくられたものである。

・社会保障の問題もピラミッド型の人口構造のもとにつくられたものであり、この構造が壊れてしまうと、あらゆる制度やシステムが通用しなくなる。医療や介護、年金だけでなく、教育も産業もすべて影響を受ける。しかも、部分修正でなんとかなるという段階は越えていて、これまでのあり方を根本から見直さねばならないのである。

<次回に続く>
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<前回に続く>

又、「医療・福祉業」に従事する労働者の割合が高い都道府県は、出生率も高い地域が多い。地方の人的資源を一層活用しながら社会保障インフラを国全体で強化することは、高齢者だけでなく、子育て世代の雇用や生活環境の改善につながることが期待される。

・医療・介護・福祉サービスは民間部門を含む他部門の生産や雇用も生み出しており、地方経済の活性化、貧困の削減に貢献しているということを人々の共通認識とする必要がある。

・社会保障による再分配それ自体が、消費ニーズの強い低所得層などの購買力を高め、全体として消費水準を引き上げる経済政策としての役割も果たしている。

最後に、社会保障の強化と経済成長を両立させる余地が残されていると指摘する。

・日本の社会保障の規模は必ずしも大きくない。日本の2010年の公的社会支出額の国内総生産(GDP)比は22.3%で、高齢社会を迎えてもなお経済協力開発機構(OECD)加盟34か国の平均(22.1%)程度の水準である。また11年度の1人当たりGNI(国民総所得9が日本よりも上位の10ヶ国のうち、公的社会支出額のGDP比が日本よりも高い国は、ノルウェー、デンマーク、スウェーデンなど6ヶ国にのぼる。

・パリ第十一大学のフランソワ・ファッツィーニ教授らの研究では、政府支出の規模と経済成長は単純な負の関係ではなく、成長を高める上で適切な政府支出の水準が存在する点を指摘している。

・パプロ・デ・オラビデ大学(スペイン9のディエゴ・ロメロ・アビラ准教授らは「公共部門の質」や「社会的信頼」の指標を分析し、同指標が高い国では、政府規模と経済成長率との間に正の相関がみられる点を計量的に示した。

・これらの分析結果を踏まえると、日本でも社会保障の強化と経済成長を両立させる余地が残されていると考えられる。

・医療・介護サービスの運営には、国や地方自治体が大きな役割を果たしている。特に自治体の関係者は、地域住民のニーズを適切に把握し、住民から選ばれる地域となるために、積極的に広報・調査活動をすることが求められる。
そして社会保障関連産業を地域全体で支え育てるという発想を持つことが必要であろう。

・社会保障の基盤強化が国民負担の単純な増加につながってはならない。地方経済の活性化につながり、地域の人材の能力の発揮につながることが重要である。
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<前回に続く>

具体策として、茨城県かすみがうら市の事例を挙げている。大都市住居の高齢者の移住受け入れを目指す研究会を官民で立ち上げた。自治体間の連携を強めながら「移住シニアの街」づくりを目指す動きが徐々に広がっている。

高齢者の移住を促す制度として、特養や有料老人ホームで認められている「住所地特例」に注目している。今後はサービス付高齢者向け住宅にも適用を認められるべきと述べています。

又、国や大都市かの財政支援だけでなく、自主財源の強化も不可欠であるとのこと。

雇用拡大については次のように述べています。

・医療・介護分野の産業は、地方の雇用の受け皿として中心的な役割をはたしてきた。05年の産業関連表を用いた塚原康博・明治大学教授の研究がある。ある産業が発展すると、その産業や他の産業の雇用をどれだけ増やすかを示す「雇用誘発係数」を比較した。

・医療サービス活動3部門(「国公立」「公益法人等」「医療法人等」)と介護サービス活動2部門(「居宅」「施設」)ではいずれも全産業の平均や公共事業の雇用誘発係数を上回っていた。

・教授は更に、「賃金構造基本統計調査」から、地域間賃金格差について「医療・福祉」の従事者に着目して分析をした。
この分野で働く人の割合は中国・四国・九州地方で高い。このためこうした産業で賃金水準が上昇し雇用が拡大すれば、全体として地域課賃金格差の縮小効果や貧困削減の効果が高くなることがわかった、と述べている。


<次回に続く>

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その④外食が頼る「外の知恵」

業務用も簡単調理

「本格的な仕上がりのメニューを手早く調理できる商品はないだろうか」今年に入り、キューピーの営業員のもとに外食チェーンの幹部からこんな相談が舞い込むようになった。

理由は人手不足。店舗運営を巡る実態は深刻。

キューピーは、とことんまで手間をかけずに客に出せる外食用商品を開発。
簡単調理をうたった新商品3品を20日に販売する。

人手不足の解決策は人手の補充だけではないはずだ。従来より人手がかからない仕組みを店舗運営に取り入れれば、限られた人員で店を運営していく可能性は開ける。知恵を出すのは社内だけではない。
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