無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
豊かな高齢者社会の構築に向けて、日々尽きることの無い気付き、出会いを綴って参ります。

2014年12月

<前回に続く>

事業者の大規模化で「利用者の選択権」は? 
今回の審議案では、「効率的なサービス提供体制」=「大規模化の促進」と明確にはうたわれていません。しかし、個々の改定案をつぶさに見ていくと、結果としての「大規模化」を進める仕掛けがほどこされています。

■ここで、先に述べた通所介護の規模別の管理的経費の話を思い出してください。分科会で示された管理的経費のデータでは、「小規模事業者はスケールデメリットによりサービス提供のコストがかかる」ことが暗に強調されています。つまり、「事業所の大規模化を図ることで、全体としての介護費用の低下につなげる」という狙いが見えてくるわけです。

■問題は、事業者の大規模化が進むとして、地域における利用者の選択肢が狭まるのではないかという点です。利用者の主体的な選択と介護保険財政の健全化を天秤にかけたとき、国は後者に重きを置いていることが、今回の改正案で浮かび上がってきます。現場として、そうした国の姿勢をどう評価するか。頭に入れておきたい課題です。

<前回に続く>
小規模事業者が生き残りにくい環境になる!?
訪問介護の基本報酬がどうなるかにもよりますが、大規模法人としては、経営安定化のために新たな加算IVの取得をめざすケースが増えるかもしれません。そのとき懸念されるのは、サ責人材の囲い込みから地域によってはサ責不足が生じる可能性があることです。

■一方のサ責の配置基準緩和が「サ責不足」のバックアップになるのかというと、これも要件を見る限り、比較的規模の大きい事業所でないと実現は難しいかもしれません。つまり、小規模事業者にとっては、(1)サ責が確保しにくい、(2)基本報酬が下げられた場合に補完する加算に手が届かないという厳しい状況におちいることも考えられます。

■また、通所介護においては、ご存知のとおり小規模型が再編成され、大規模・通常規模型および小規模多機能型のサテライトとなる以外は、地域密着型通所介護となります(1年間の経過措置あり)。

■問題は小規模型の基本報酬ですが、過去の分科会では通常規模型との管理的経費の差と実際の報酬設定における差にズレがあることが示されています。つまり、報酬引き下げが示唆されているわけです

■いずれにしても、現行の小規模型としては、経営状況が厳しくなるでしょう。たとえば、スケールメリットのある大規模法人の傘下に入り、サテライト型事業所として生き残るなどの選択肢を見すえる事業所も増えてくる可能性があります。ここでも独立型の小規模事業者が淘汰されることが考えられるわけです。
<次回に続く>

介護サービスの大規模化を進める狙い(by 田中元 (介護福祉ジャーナリスト) 2014-12-24)

小規模介護事業者にとっては今回の介護保険制度の見直しは大きな転機になるのではないでしょうか?戦略の見直しが求められます。大規模化は果たして時代の流れにそった正しい選択と云えるのでしょうか?誤りだと思います。高齢者が増加する中で、大規模施設による集中から地域密着型の小規模施設による地域分散システムを作ろうとしている我々にとっては大きな影響があります。
しっかりと準備をして参りたいと考えております。参考になる下記のレポートを掲載しておきます。
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■12月19日に開催された介護給付費分科会で、「平成27年度介護報酬改定に関する審議報告案」が示されました。過去の分科会でサービス別に示されてきた報酬・基準案が、一覧で見られる状態になっています。報酬単価が示されるのは年明けとなりますが、この審議報告案をもとに、今回の報酬・基準案が施行された場合の影響を見通してみましょう。

「効率的なサービス提供体制」とは何か 
■次期改定の基本的な考え方として、審議報告案では、「中重度の要介護者や認知症高齢者への対応のさらなる強化」や「介護人材確保対策の推進」がかかげられています。

注目したいのは、もう一つの考え方として示された「サービス評価の適正化と効率的なサービス提供体制の構築」です。特に「効率的なサービス提供体制」という文言が気になります。

■訪問介護を見てみましょう。該当する事業所が多くなりそうな項目の一つが、サービス提供責任者(以下、サ責)の配置基準等の見直しです

■改定案では、特定事業所加算に新たなランク(加算IV)が設けられていますが、その新要件として、「人員基準を上回る常勤のサ責を配置する」ことが示されています。

■また、(1)複数のサ責が共同して利用者にかかわる体制が構築されている場合、(2)利用者情報の共有などサ責が行なう業務の効率化が図られている場合について、サ責の配置基準を緩和できるとしています。

<次回に続く>

<前回に続く>
■29日の会議で、特に議論になったのが、訪問看護。厚労省の提案に対して、規模が大きい訪問看護ステーションを評価するだけでは、問題が解決しないとの意見が相次いだ。

■この点をまず指摘したのが、愛知県津島市長の伊藤文郎氏。全国医学部長病院長会議相談役の嘉山孝正氏も、「将来的には自然に大規模化していくのかもしれないが、小規模の機能を評価し、連携やネットワークを組むことに対し、診療報酬を付けることで、今のステーションが充実するのではないか。その方がより具体性、実現性がある」と指摘。

■専門委員の日本看護協会常任理事の福井トシ子氏も、経営基盤の強化、さらには訪問看護師の教育のためにも5人以上のステーションの方が望ましいという現状はあるものの、小規模のステーションは小回りが利くなどのメリットがあるとし、両者の役割分担を考えながら評価することが必要だとした。

■厚労省保険局医療課長の宇都宮啓氏は、議論を受け、「小規模の訪問看護ステーションは管理業務に時間がかかり、訪問看護に時間を取りにくい。規模が大きいほど、効率的に訪問している現状がある。ネットワーク化を進めるのはその通りだが、訪問看護ステーションの大規模化は、単に規模を大きくして、そのコアのステーションから訪問するのではなく、サテライトからの訪問も考えている。『何人以上がいい』とは決めていないが、今よりは大きいステーションを想定している」と説明した。

中央社会保険医療協議会「訪問看護ステーション大規模化」、厚労省方針
小規模事業所の連携評価を求める意見も多数 2013年5月30日(木) 橋本佳子(m3.com編集長)

中医協から訪問看護、歯科訪問診療、訪問調剤の現状が報告されています。もっと連携を強めねばなりません。
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■中央社会保険医療協議会総会(会長:森田朗・学習院大学法学部教授)が5月29日に開催され、訪問看護、歯科訪問診療、薬局の在宅業務の現状と推進策について議論した(資料は、厚労省のホームページに掲載)。

■訪問看護については、難病や小児、癌などの患者でニーズが増えているが、看護職員5人未満の小規模の訪問看護ステーションが全体の6割を占める。ステーションの規模が小さいほど、24時間対応、緊急の訪問や看取りなどの対応が少ないことから、厚労省は、2014年度診療報酬改定では、これらを充実させるために、例えば「5人以上」などの規模の大きいステーションをいかに評価するかなどが論点となるとした。

■歯科訪問診療については、要介護者への口腔ケアの実施により、発熱や肺炎の発生率が低下するなど、医学的なエビデンスが示されている。一方で、装置や器具の購入にコストがかかり、訪問する時間の確保が難しいことなどから、歯科訪問診療に取り組む医療機関は必ずしも多くはない上に、医科医療機関の歯科訪問診療への認知度が高くはないという現状もある。2014年度改定では、在宅療養支援歯科診療所の評価、医科と歯科の連携の推進などが論点になるとされた。

■訪問薬剤管理指導に関しても、薬の飲み忘れ防止や副作用の早期発見などの効果が期待できるが、あまり実施されていない現状がある。約5万件の薬局のうち、約8割が「在宅患者訪問薬剤管理指導」の届出をしていても、実際に訪問しているのは1割にとどまる。いかに推進するかが課題であり、今年度実施予定の「薬局のかかりつけ機能に関する実態調査」で現状を把握し、対策を検討する方針。

<次回に続く>

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