無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2015年01月

急増する「無届け介護ハウス」身寄りなく所得低く行き場のない高齢者

*NHKクローズアップ現代(2015年1月20日放送「『無届け介護ハウス』急増の背景に何が」)

無届け介護ハウス関連の記事です。背景に何があるのかを述べていますが、対策については処方箋はありません。都内に施設を設けたくとも、人手が足りません。低所得者対策、人手不足対策総合的な対策が必要です。

抜本的な対策を講じなければ、規制強化だけでは解決はしません。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
全国で「無届け介護ハウス」が急増している。去年10月(2014年)の時点で全国に911施設、前年の2・3倍だ。国は「在宅介護」を推進しているが、身寄りがなく所得が低い行き場のない高齢者が増えていることが背景にある。

本来は、特養と呼ばれる特別養護老人ホームがそうした人たちの受け皿となるはずだが、数がまったく足りず、入所待ちは全国で52万人にも上る。有料老人ホームは平均的なケースで、月におよそ25万円の費用がかかる。

そこで、一軒家やマンションを改造した「老人ホーム」の基準を満たさない無届けの施設が高齢者を受け入れ、自治体などもそれに頼っているのが現状だ。無届け施設は、東京都の調べで都内に25か所あるが、NHKの調べでは86か所もあり、取材に応じた8割以上が自治体や病院からの依頼で高齢者を受けているという。

<次回に続く>

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

行政未把握 「無届け介護ハウス」急増
NHKニュース1月18日

無届け介護ハウスのニュースが増えてきました。実態はこんなものではないと思われます。今後間違いなく増加をしていくでしょう。行政の規制強化につながってくることが予測されます。実態に行政が適応できていないのではないでしょうか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
介護が必要な高齢者が増え続けるなか、法律で義務づけられた届け出を行わないまま空き家などで高齢者に介護サービスを提供する有料老人ホーム、「無届け介護ハウス」が行政が把握しないまま急増していることが、NHKの取材で分かりました。

今後高齢者の数が全国で最も増加する東京では、その数は都が把握している3倍以上に上り、専門家は「行政の指導や監督が及ばず虐待や事故などの発見が遅れるおそれがあり、行政はニーズがあることをきちんと受け止め実態を把握すべきだ」と指摘しています。

高齢者を入居させて食事や介護などのサービスを提供する施設は、「有料老人ホーム」として都道府県への届け出が法律で義務づけられ、国のガイドラインでは個室の整備や広さに応じた防火設備の設置が定められています。
ところが、届け出を行わないまま介護などのサービスを提供する施設は、おととし10月時点で全国の自治体が把握しているだけで911と前の年の2.3倍になっています。

ただ、住民などからの情報の提供以外に自治体が把握する方法はなく、実態は明らかになっていないのが現状で、NHKは、今後高齢者の数が全国で最も増加する東京で地域包括支援センターにアンケート調査を行うなどして独自に調べました。

その結果、有料老人ホームに当たるのに届け出を行っていない施設は都内に少なくとも86か所あり、都が把握している3.6倍に上りました。

多くは空き家になっている一軒家やマンションの空室、使われなくなった社員寮などを利用した「無届け介護ハウス」で、家賃を低額に抑える一方で介護サービスを提供することで介護報酬を得ていました。

事業者の8割近くは自治体や医療機関から高齢者を紹介されていて、特別養護老人ホームなどの介護施設が不足するなか、届け出を出していないいわば「違法状態」となっている施設が、1人暮らしや所得が低く行き場をなくした高齢者の受け皿になっている実態が浮き彫りになりました。

取材に応じた無届け介護ハウスの多くは、ガイドラインで定められた個室などの居住環境や防火設備などの安全対策が不十分でした。

届け出を行っていないことについて、取材に応じた事業者の多くは「個室の整備などのガイドラインの基準を満たすにはコストがかかるため」と答えました。
高齢者の住まいの問題に詳しい医療経済研究機構の白川泰之研究主幹は、「行政の指導や監督が及ばず虐待や事故などの発見が遅れるおそれがあり、行政はニーズがあることをきちんと受け止め実態を把握すべきだ」と指摘しています。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

介護職員30万人不足の恐れ 25年度、厚労省推計

16日に見出しの内容が報道されました。厚労省はこれまで12年度時点の数から100万人増やす必要があるとしてきましたが、ここにきて推計で30万人不足と言いはじめました。

その根拠は都道府県に推計を依頼した結果と言われますが、都道府県の推計の根拠はどこにあるのでしょうか? 現実はそんなに甘いものではないでしょう。その根拠を示してもらいたいと思います。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■団塊の世代が75歳以上になる25年度に介護職員が全国で約30万人不足する恐れがあることが16日、厚労省の調べで分かった。低賃金や過重労働といった理由で介護職員の人手不足が慢性化しており、厚労省は人材確保に向けた対策を急いでいる。

■必要な職員数と実際に確保できる職員数の間でどの程度ずれがあるか把握するため、厚労省が昨年都道府県に推計を依頼し、全国分を集計。

■非常勤を含めた介護職員は13年度時点で全国に約177万人。調査によると、25年度に必要な介護職員は約250万人。特別な対策を取らなかった場合、約220万人しか確保できずに約30万人不足する見通しだ。

2015/01/16 21:56 【共同通信】
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

<前回に続く>

利用者にとっては「囲い込み」ならではのメリットも
 では、利用者にとって囲い込みは本当に不利益なのだろうか。
 要介護者にとっては、要介護になった初めの症状から今の状態までずっと理解してもらえる医療・介護者がいれば心強い。複数のサービスを使っていることが多いので、制度上は全体のサービスを組み立てるケアマネジャーがその役割を担う。

 個別サービスの担当者がいつまでも変わらないのが利用者にとって喜ばしいこと。とりわけ、認知症高齢者には、おむつ交換や入浴介助をするスタッフとは信頼関係が重要だ。認知症になっても感性は生きている。できるだけ少数の介護者がほぼ専属的に関わる形式がいい。北欧では、こうした特定の介護者を「キーパーソン」として制度化している。個別ケアの徹底にもつながる。

 24時間の切れ目ないケア手法を導入したグループホームと小規模型を見ればよく分かる。いずれも限られた少人数の利用者に、やはり少人数のスタッフが生活全般を支援する。今の介護保険制度では、利用者にとって「あるべきケア」と言われ評価が高い。だが、囲い込みそのものである。

 小規模型を登場させたときに、厚労省は「通い」と「訪問」、「泊り」の3機能を「できるだけ同じ介護スタッフが同じ利用者に付く」と説明した。通所介護(デイサービス)と訪問介護、短期宿泊(ショートステイ)の3サービスを統合、一本化したのが小規模型。利用者25人を上限にして囲い込んだのである。

 この囲い込みに医療が加われば、利用者にとって安心度はさらに高まる。転倒骨折や認知症の初期症状、脳卒中などでまず医師の診察を受け、それから介護保険のサービスを受けるのが一般的。医療カルテや映像を含めて、介護スタッフにも情報が共有されれば、利用者の全体像を把握しやすい。介護保険の利用のスタートは医療から始まる。本来はケアマネジャーが得る情報だが、医療データがなかなか伝わらないのが現実でもある。

 そこで、医療と介護が同じ法人グループであれば、データやサービスの実績が相互に伝わりやすい。

 その好例は、訪問診療に熱心な医師のいる地域医療で散見できる。医師の他看護師やケアマネジャー、ヘルパー、デイサービス職員、栄養士など要介護者に関わる全員が集まるケア会議で、あらゆる方向から全体像を確認しながら、本人と家族を交えて今後の対応法を検討する。ケアマネジャーが本来の会議主宰者だが、実態は医師主導型が大半である。医師が、一歩下がって巧みに会議を導く。

 こうした異業種の連携が上手くいっているのは人間関係が濃密な地方に多い。伝統的な社会基盤が未だに残っているからこそ、実現できたかもしれない。

 濃密な人間関係を嫌い、出奔してきた新住民が多数派の都市部では、そう簡単にいかない。だから「コミュニティ」づくりが喧伝される。

 都市部でも熱意のある訪問診療医はいるが、職種や法人を横断的にまとめあげるグループづくりは難しい。事業者相互の親密度が少なく、利用者との物理的心理的距離も遠い。
 従って、多様なサービスを展開し、組織力のある事業者がリーダーとならざるを得ないだろう。そこに医療も含まれていればなお結構である。つまり「囲い込み」は一概に否定されるべきではない。要介護者のライフスタイルから障害の全体像をきちんと把握し、必要な医療・介護・生活サービスを臨機応変に注ぐことができるのは、囲い込んでいるからこそでもある。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

<前回に続く>
なぜ「サ高住」併設事業者だけ悪者扱い? 他居住系5施設では徹底的な囲い込みも
 こうした前史を引き継いで、サ高住の制度が2011年10月から始まった。サ高住の開始で、高専賃や高優賃、高円賃事業は廃止された。前史を振り返れば明らかに、要介護者向けの介護サービスが同じ建物内に組み込まれていることを是認、奨励してきた。適合高専賃から特定施設への移行や国交省のモデル事業でよく分かる。

 特定施設は、施設内での24時間切れ目ないケアが内部スタッフにより保障されている。国交省の高専賃モデル事業では、入居者が外出しないで同一建物内の医療・介護・生活サービスを受けられる仕組みを推奨した。そして、この高専賃を翌年から引き継いだのがサ高住である。

 同一建物内の併設サービス事業所の存在は、利用者にとっては便利この上ない。小規模型が1階にあれば、上階のサ高住に暮らす入居者は雨の日や寒い日、暑い日でも一歩も外に出ることなくエレベーターや階段を利用してサービスを受けられる。東京都では、今でも同様の併設事業者に助成金を投入し普及に努めている。

 実は、サ高住制度を事前に説明するときに、国交省自身がサ高住の1階に各種の医療・介護・生活サービスを組み込んだポンチ絵を描いて、その良さを強調してきた。

 これに対して、厚労省はかつて高専賃と併設サービスの関係で、自治体や事業者から質問されると「囲い込みにならないように」と一般論で答えてきた。どちらかというと否定的なニュアンスが強かった。

 そこへ、国交省が併設サービスを奨励し始めた。だが、再び併設事業者を「悪者」扱いするようなのが今回の減額政策である
   
この形式を「利用者から選択の自由を奪う囲い込みでよくない」とするなら、既存の介護3施設(特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養病床)とグループホーム、特定施設はどうなのか。これら居住系5施設はすべて徹底した囲い込みが行われている。

 利用者は地域の介護サービスを使えない。特養入居者がすぐ近くの異なる法人のデイサービスで食事を摂りたくてもできない。介護サービスの自由な選択は論外である。諦めねばならない。介護はいずれも内部スタッフだけが遂行する。囲い込みを一方で否定しながら、片方で制度として組み込んでいる。ダブルスタンダードだろう。

 施設を土台から見直し、住宅へ移行させる論議がない。スウェーデンを始めオランダを含めた北欧諸国では、1990年代から「脱施設、住宅へ」と舵を切った。
<次回に続く>

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

↑このページのトップヘ