無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2015年07月

老人ホームと同じサービスを自宅で受けられる? 新しい取り組みとは

株式会社メッセージの「在宅老人ホーム」というサービスは大変評価できるものではないでしょうか?大変難しいサービスに取り組んで頂いていることに頭が下がります。施設から在宅へという新しい流れをいち早く取り込んだメッセージに敬意を表するものです。我々も、このテーマに真剣に取り組んで参りたいと思います。

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・電球の取り換え、犬の散歩、草むしり、風呂掃除など、ふだんの生活に必要な支援はすべて定額2万円のサービスの対象(提供/メッセージ)

・管理栄養士資格を持つアドバイザーが健康状態にあわせた食事内容を提案。それをもとに複数の外注業者のメニューから選ぶ(提供/メッセージ)

 

・食事の宅配を利用する場合は、内容や1日何食分注文するかによって、3万~4万1千円が加わる(提供/メッセージ)

 

・住み慣れた自宅に戻った篠原さん(仮名)夫妻。介護ベッドを置いた部屋の窓から見える風景が心を和ませてくれる。「きれいなお月様も見えるんですよ」と妻の雅子さん

 

・利用者には緊急通報装置が渡される。ボタンを押せば事業所につながり、24時間いつでも対応してもらえる(提供/メッセージ)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  午後1時過ぎ。東京都新宿区内のマンションで一人暮らしをしている田中博和さん(仮名・72歳)の部屋に、訪問介護事業所「Zアミーユ新宿」の男性介護スタッフが訪ねてきた。田中さんが昼食後の薬を飲んだのを確認すると、慣れた手つきでトイレの照明の電球を取り換えはじめる。同日の午前中に訪問したとき、田中さんから電球が切れたことを聞いており、新しいものを買ってきていたのだ。田中さんは、 「夜トイレに行くとき、どうしようと思っていたんだ。助かったよ」  と顔をほころばせた。  田中さんは、体調が急変するリスクが高い大動脈弁狭窄症を5年前から患っている。通院しながら自宅で過ごしてきたが、2015年3月、薬の飲み忘れと脱水で症状が悪化し入院。退院に際し同様の事態が再び起こることを心配した病院のソーシャルワーカーからは施設への入所を勧められた。  それでも自宅で暮らすことを望んだ田中さんは、地域包括支援センターに相談。そこで提案されたのが、施設介護事業などを手掛けるメッセージが同年2月に始めた「在宅老人ホーム」というサービスだった。東京都新宿区、世田谷区、杉並区にある同社の事業所で提供している。  在宅老人ホームは、12年に介護保険法に基づくサービスとして新設された「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」に、介護保険では対応できない生活支援と食事の宅配をセットにしたもの。同社東京本部長の関野幸吉さんはこう話す。 「介護保険では要介護度に応じておむつ替えや入浴介助といったサービスが受けられます。しかし自宅で生活していくには食事はもちろん、ゴミ出しや電球交換、庭の草むしりなども必要になります。身体の介護だけでは自宅での生活を支えきれないんですね。在宅老人ホームは、身体の介護だけでなく、介護サービスやヘルパーでは行き届かない日常生活のこまかな支援や食事も丸ごと、24時間365日対応で請け負いますというシステムなんです」  要介護3の田中さんの場合、1日3回の服薬介助と口腔ケア、週に1度の入浴介助、月2回の訪問看護師による病状管理を介護保険サービスとして受けており、居室の掃除とゴミ出しなどが発生するたびに随時対応している。1回の訪問は10~30分、1日4、5回。それとは別に業者から3食分の低塩分食が届けられる。  また、利用者には事業所にダイレクトにつながる見守り携帯(緊急通報装置)が渡されていて、ボタンを押せば介護スタッフが駆けつけるしくみになっている。  都心部で交通量が多く、駐車場も確保できないため、移動は電動自転車のみ。対象範囲を事業所から約1キロ圏内にしぼっているので、最長でも15分以内で利用者のもとに到着することができる。

<次回に続く>
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介護施設向けドクターカー 病院が運用へ (愛知県)

愛知県で介護施設向けのドクターカーの運用について記事が載っていました。

実はエルスリーでも取り組みが始まっています。

現在、茨城県取手を中心に地元のハートフル藤代病院との提携を進めています。病院には救急車が1台待機しておます。介護施設向けの緊急時の対応等において本格運用を進めて参ります。

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 救急現場に医師を運ぶドクターカー。介護施設向けのドクターカーの本格運用が、愛知県大口町の病院で今月下旬にも始まる。

ドクターカーは、病院が管理して医師を乗せて出動する救急車両のこと。愛知県大口町にあるさくら総合病院では、ドクターカーを病院から半径5キロ以内の介護施設を対象に運用することを決め18日、関係者を招いて説明会が開かれた。

介護施設から利用者を緊急搬送する際、介護職員が同乗する必要があるが、このドクターカーでは介護職員が付き添わなくても病院へ搬送できるということで、介護現場の負担を軽減できると期待されている。

介護施設向けのドクターカー、今月下旬以降に本格運用されるという。

[ 7/18 19:00 中京テレビ]
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<前回に続く>

施設の食費・居住費の負担軽減は、貧しい人の救済策だから、「誰が貧しいか」を把握するのが鍵になる。判定は現在、住民税頼りで行われる。

 しかし、「住民税が課税されない世帯」が一概に貧しいとはかぎらない。例えば預貯金や株の配当が多いこともありうる。

 住民税は、所得税と同様に「クロヨン」と呼ばれる所得捕捉の限界も抱える。

 非課税年金である遺族年金や障害年金の情報も反映しない。非課税年金は「収入ゼロ」と見なされるから、同じ250万円の年金でも、「多くが遺族年金」という人は住民税が軽く、「多くが厚生年金」という人は住民税が重い。

 その非課税年金の扱いも変更になる。来年8月からは食費・居住費の負担軽減で限定的にだが、判定の一つに加えられる。

 市区町村には今、住民の非課税年金に関する情報はない。それが来年には年金保険者から届くようになる。極めて大きな変化だ。

 制度の方向性は正しいと思う。新しい施策だけに細心の注意は必要だ。負担軽減が停止になる一人一人には、聞くべき事情があるかもしれない。

 食費・居住費が高いことも影響を拡大させる一因だ。都会では月20万円近いところもある。介護保険施設には「ほどほど」があっていい気がする。

 制度変更は、介護保険財政の逼迫(ひっぱく)が引き金だ。それでも、現行制度の限界を直視し、住民税一辺倒だった低所得者の判定を、一部とはいえ見直す意義は大きい。豊かさや貧しさを測る、より公平な指標づくりに向けた努力が問われる。(論説委員)

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【一筆多論】 介護が提起する「低所得」把握 佐藤好美

(産経ニュース2015.7.18)
引き続き、介護サービス 自己負担について調べてみます。金融資産や非課税年金の収入も判定に加えるということですが、問題は利用者や家族の自己申告に頼らずを得ないということです。どこまで公平性が確保できるか疑問です。
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 特別養護老人ホームなど介護施設に入所したときの食費・居住費の仕組みが8月から変わる。一定以上の預貯金などがあると、負担軽減を受けられなくなる。

 手続きは始まっている。通帳のコピー提出を求められ、不愉快な気分になった人もいると思う。

 今回の改正は、介護保険サービスで負担軽減を決める指標が「住民税が課税されない世帯かどうか」だけだったのを、一部、見直すものだ。

金融資産や非課税年金の収入も判定対象に加え、より公平な仕組みにする狙いがある。

 骨格を決めたのは、厚生労働省の介護保険部会。経済学が専門のある委員は、締めくくりの部会でこの点に触れ、「社会保障をめぐる議論の中で必ずしも浮き彫りになっていなかった非常に重要なポイントが、介護保険から提起できた」と評価した。

 公平を目指すとはいえ、初めての取り組みだから、実務の大変さは並ではない。

 市区町村には、住民の預貯金や有価証券などの情報はない。だから、利用者や家族の自己申告に頼らざるを得ない。提出された書類が疑わしければ、金融機関に照会し、虚偽だと分かれば加算金を課すという。だが、あくまでも自己申告だから正直者が損をするのでは、という疑念はぬぐえない。

 それでも、制度は導入された。現行制度が必ずしもフェアでないことを、厚労省や識者、関係者らが実感していたからだろう。

<次回に続く>

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<前回に続く>

■ケアマネ当惑、対応さまざま 「負担割合証、届かない」「所得情報の扱い困る」

 介護保険サービスの「負担割合証」の発送時期は自治体で異なり、既に発送の済んだ自治体もあれば、7月下旬になるところも。遅くなれば介護サービスのプランや計算書を作るケアマネジャー(ケアマネ)の仕事に影響が出る。

 ケアマネは利用者宅で書類を見て負担割合を知るのが原則。だが、神奈川県のあるケアマネは「まだ負担割合証が届かない。自治体に聞いても教えてくれないと思うし、生活ぶりを見て2割だろうと思われる人には注意喚起している。『費用が倍になるなら、サービスを減らしたい』という人もいるのに、相談できない」と当惑する。

自治体によっては発送前や後などに「ケアマネから問い合わせがあれば、負担割合を教える」というところも。だが、利用者の所得に触れる情報とあって扱いも複雑。「利用者宅から電話してもらい、折り返しで電話して、本人の同意を取って伝える」など、工夫を凝らして混乱回避をはかる。

 厚生労働省は6月末、ケアマネの団体「日本介護支援専門員協会」に「協力のお願い」を出した。ケアマネに制度を理解してもらい、利用者が高額介護サービス費や施設の食費・居住費の減額申請をする際の助力を求める内容だ。

 しかし、受け止めはさまざま。東京都のあるケアマネは「所得や財産に関する情報は成年後見の仕事で、私たちは扱わないのが原則。そういう情報を記載する書類の作成に協力を求められても困る」と反発する。一方で、神奈川県のケアマネは「本人から要望があれば、できる範囲のことはする。ただ、所得や財産を見せたくない人もいる。『見せろ』という話でもないので、『分からなければ役所に相談してくださいね』と言っている」と対応は、ばらつく。

 ケアマネは介護サービスを使う場合の最も身近な相談相手。本人や家族には頼みの綱だ。だが、財産や所得にまつわる申請を丸投げされても困るというのも本音。行政はもちろん、事業者、ケアマネ、遠方に住む家族も今月、来月は特に、利用者への目配りが欠かせない。

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