無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2017年10月

今まで懸念をしていたように一方的に出されてきた介護サービスの利益率をもって引き下げにかかる国、企業側と現場側の真っ向からの対立です。3.3%だけの単純な数字だけで判断をするような問題ではないはずですが、報酬減ありきの議論は無意味です。双方でもう少し具体的な資料を出していく必要があるのではないですか?事業者側からも現場のデータを出して議論する必要があります。
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官庁通信社2017.10.30
= 社保審・介護給付費分科会 =

介護サービスの利益率をめぐり対立 「報酬下げるべき」「サービスが崩壊する」

 衆院選への影響を勘案して中断されていた社会保障審議会・介護給付費分科会 −− 。およそ1ヵ月半ぶりに開かれた27日の会合は、委員の意見が激しく対立する展開となった。
 
第148回社会保障審議会介護給付費分科会資料
 
争点になったのは、厚生労働省が前日に公表した「介護事業経営実態調査」の結果だ。多くのサービスで収支が悪化していることが分かったが、保険料を負担して制度を支える現役世代や民間企業を代表する立場の委員は、来年度の改定で介護報酬を引き下げる余地があると主張。これに対し介護現場の関係者は、「サービスが崩壊してしまう」「強い憤りを感じる」などと強く反発した
 
「制度の持続性が重要」

 「利益率は総じてプラス。介護保険は税や保険料をもとに限られた財源で運営されている。次の改定で報酬の全般的な引き下げを図るべきだ」日本経団連の間利子晃一参考人(井上隆常務理事の代理で出席)はそう訴えた。

健康保険組合連合会の本多伸行理事も、「利益率は決して悪くない。今後の財政は非常に厳しく、報酬を引き上げる環境にはない」と持論を展開。

会けんぽの安藤伸樹理事長は、「高齢化が進む一方で『支え手』は減っていく。制度の持続性の確保という視点は重要。保険料もすでに高い水準にあり、適正化できる部分は確実に実施すべき」と促した。

 
今回の「介護事業経営実態調査」では、介護サービスの種類ごとに昨年度の利益率が明らかにされている。全サービスの平均は、一昨年度より0.5ポイント低い3.3%。2014年度の調査の結果は7.8%で、前回の介護報酬改定の影響が大きかったことが読み取れる。

ただし、財務省は厳しい姿勢を崩していない。国の財政を議論する「財政制度等審議会」の25日の会合で、介護サービスの利益率の多寡は中小企業の平均(2.6%)と比べて判断すべきと指摘。
利益率の高いサービスの報酬は引き下げるべき、と要求した。
 
「事業者の持続性も考えるべき」

 27日の分科会では、介護施設・事業所の経営者や利用者の立場を代表する委員らがこうした意見に反論した。
 
全国老人福祉施設協議会の瀬戸雅嗣理事は、「事業者の持続性も考えないといけない。サービスが崩壊してしまう」と忠告。

全国老人保健施設協会の東憲太郎会長は、「介護報酬をマイナスにするために持ってきたとしか思えない数字を使うのはやめて欲しい」と批判した。

認知症の人と家族の会の田部井康夫理事は、「ちょっと利益率が上がったらすぐ報酬が下がるような業界で誰が働きたいと思うのか」と問題を提起。

日本慢性期医療協会の池端幸彦副会長は、「特に中小の事業所は限界にきている。報酬をさらに下げるという議論をすること自体がナンセンスだ。強い憤りを感じる」と語気を強めた。

 
介護報酬を上げるべきか、それとも下げるべきか −− 。政府は大枠の方針を年末に固める。加藤勝信厚労相は27日の記者会見で、「必要な方に必要なサービスをいかに効率的に提供していくか、という視点が大事。施設・事業所の経営状況や物価・賃金の動向、国民負担、財政への影響などをしっかり踏まえて検討していく」と話した。

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地域包括ケア病棟の整備が急ピッチで進んでいるようです。地域包括ケア病床から居宅への在宅復帰は進んでいるのでしょうか?それが重要です。
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地域包括ケア、新設3年余で約6.2万床 地域差も

アルトマーク調べ

CBnews 2017年10月30日

メディカルデータベース事業「日本アルトマーク」(東京都港区)の調べによると、地域包括ケア病棟入院料と地域包括ケア入院医療管理料の算定病床は今年6月1日現在、全国で計6万1796床(1913病院)あり、このうち点数設定の高い「地域包括ケア1」が5万8748床(1802病院)と全体の95.1%(病院ベースでは94.2%)を占めた。【兼松昭夫】

2014年度の診療報酬改定で新設されて以来、地域包括ケア病棟(病床)の整備が急ピッチで進んでいることを示す結果だが、人口10万人に占める病床数を都道府県別に見ると、最も多い熊本(114.7床)と最少の沖縄(20.2床)に約5.7倍の格差があり、地域差が目立つ。

 6万1796床の病床区分ごとの内訳は、一般病床が5万6122床(90.8%)、療養病床が5674床(9.2%)。地域包括ケア1では一般が全体の91.6%を占め、療養は8.4%にとどまったが、点数が低い「地域包括ケア2」(3048床)に限ると療養が24.0%を占めた。

 1913病院の約95.0%が地域包括ケア病棟(病床)と一般病棟などを併設しており、同時算定している報酬ごとの病院数の内訳は、10対1入院基本料が975病院(51.0%)、7対1入院基本料が586病院(30.6%)など。日本アルトマークでは、「自院の高度急性期・急性期からの転棟傾向が強いことがうかがえる」としている。

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生活援助のヘルパーを従来のヘルパーと切り離して、別制度として新設し、生活援助ヘルパー資格を作ると言います。生活支援と介護は明確に切り離そうという考えですが、混合介護が叫ばれる中で、果たして明確に分けられるものでしょうか?
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時事ドットコムニュース2017年10月31日

生活援助ヘルパー、資格要件緩和=訪問介護の新研修創設へ-厚労省

厚生労働省は30日、訪問介護サービスのうち料理や洗濯などの家事をする「生活援助」のヘルパーについて、資格要件を緩和する方針を決めた。

短期間で資格を取得できる研修制度を2018年度に創設する。11月1日に開かれる社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の分科会で提案する。

 現在、訪問介護ヘルパーの資格を得るには、約130時間の介護職員初任者研修を受けることなどが条件。厚労省は、生活援助に限って資格取得のハードルを下げ、不足しがちな介護人材をより多く確保したい考えだ。

 一方、訪問介護のうち排せつや入浴を介助する「身体介護」については、報酬面でも生活援助との差をさらにつけて手厚くする方針だ。生活援助の報酬は引き下げられる可能性もある。(2017/10/30-23:50)
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在宅で活用が進まない根本原因を把握し、抜本的な対策を検討すべき」との委員の注文は良くわかります。20年間進展がなかったものがここにきて本当に動き出すのでしょうか?根本原因はどこにあったのでしょうか?
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2017.10.30
= 未来投資会議・構造改革徹底推進会合 =

「スピードアップが必要」 介護現場のイノベーション加速へ今期の検討開始

政府の未来投資会議が27日、医療や介護の分野を集中的に議論する会合(構造改革徹底推進会合)の今期の第1回を開催した。介護ロボットの普及や「科学的介護」の展開に向けた施策について、厚生労働省から進捗状況を聴取。今後もフォローアップを続けていき、現場のイノベーションの加速につなげていく方針を確認した。
 
「健康・医療・介護」会合(第1回)配布資料
 
厚労省は今回、介護報酬・施設基準の見直しを念頭に見守りシステムの実証を進めていることや、「科学的介護」のエビデンスを確立するための具体的な検討を始めたことなどを報告。

遠隔診療や電子処方箋、電子版お薬手帳など、医療サービスの効率化に向けた施策も説明した。

委員からは、介護の居宅サービスの事業所でICTが十分に活かされていない現状を問題視する声が噴出。

「スピードアップが必要ではないか。在宅で活用が進まない根本原因を把握し、抜本的な対策を検討すべき」との注文がついた。

 
成長戦略の進捗状況を検証し、これから取り組むべき施策を改めて整理したうえで、重点化して推進していく −− 。未来投資会議は今後、この基本的な考え方をもとに会合を重ねていく方針だ。

医療・介護の分野も、当面は厚労省の施策のフォローアップが中心となる見通し。内閣府の担当者は会合後、「これまでの成長戦略を振り返り、各省の取り組み状況やテクノロジの進歩など最新の動向も踏まえつつ、新たな施策を検討していきたい」と話した。

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<前回に続く>

このほかにも混合介護の弾力化によって想定される課題や懸念は存在する。十分なメリットはあると考えられるが、その提供を円滑なものとするためには課題や懸念点を事前に整理し、十分に検討していくことが重要となる。現状、指摘されている課題・懸念点は定性的に語られているものも多いため、今後の検討においては、しっかりデータを収集・蓄積して分析することが重要だ。

混合介護×IoTで介護人材不足解消に貢献

 混合介護の柔軟化が進むことで介護サービスの利用者、利用者家族、事業者それぞれに一定のメリットがある。ただし、介護分野は財政の逼迫、サービスを供給する人材の不足など、多少の改善で解消できない問題を抱えており、革新的な成果を上げられる取り組みが求められる。

そのうえでは、政府の「未来投資戦略2017」でも示されているように、最新の技術(ICT、AI、ロボット等)の活用による業界の変革に資するモデルの検討、その推進のための規制緩和などが重要になる。


例えば、訪問介護サービスとIoT技術を活用したサービスの組み合わせなどは大きな効果を発揮する可能性がある。

IoTによる見守りを行い、その情報を活用し支援が必要なタイミングで保険サービスを提供し、夜間の体調急変を察知した場合は保険外サービスとして駆けつけ・安否確認を実施する、といったような柔軟なサービスもあり得る。

さらに、同じスタッフが両サービスに関与し一体的な運用ができれば、それぞれのサービスを別な人が実施するよりも情報共有や事務面の負担も抑制できるだろう。

現状、保険サービスはそれぞれ必要なスタッフ数の基準が定められているが、新技術の活用により基準を緩和することができれば、人材不足問題の解消に貢献できるはずである。サービス提供に必要なマンパワーが削減できれば、費用抑制にもつながる。

厚労省は2025年には介護人材が37.7万人不足すると推計している。今後も安定的に介護に係るサービスを継続していくためには、この人手不足問題を解決することは必須である。混合介護はこの人材不足問題の解決の一助になりうると筆者は考える。今後の議論では、この点も一つの視点として盛り込んでいくべきだろう。

福田隆士(ふくだ・たかし)
日本総合研究所 リサーチ・コンサルティング部門シニアマネジャー
1980年生まれ。2005年早稲田大学大学院理工学研究科経営システム工学専攻修了後、株式会社日本総合研究所入社。介護業界やシニアビジネス、ヘルスケア領域をはじめ、組織活性化や従業員意識改革等に関するリサーチ・コンサルティング業務に従事。
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