無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2017年12月

50万とも60万ともいわれる潜在保育士の調査が福岡で行われています。復帰を考えているのは全体の半数に近いのですが、復帰に踏み込めない理由としては、家事や育児、介護、賃金がネックになっているようです。これらの条件整備を急がねばなりません。特に賃金は最低でも5万円前後のアップが必要です。
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福岡)「潜在保育士」調査 家事・賃金に不安

石田一光

2017年12月31日03時00分
県は、保育士資格を持つが働いていない「潜在保育士」の意向などを調べるアンケートをした。県内に待機児童が約1300人(4月1日時点)いるなか、保育士確保に生かそうと初めて実施。結果からは、潜在保育士の半数に復帰の意思はあるものの、家事や育児や介護、賃金などがネックになっている姿が浮かび上がった。

 県子育て支援課によると、4815人から回答を得た。96・6%が女性で、「保育士・保育教諭・幼稚園教諭以外の職種で働いている」または「働いていない」と回答した潜在保育士は44・6%と半数に近かった。このうち、保育士として働いたことがある人の辞めた理由は「結婚、妊娠・出産、育児、介護」が43・2%で、賃金などと比べて圧倒的に多かった。

 潜在保育士で今後、保育士として働くつもりが「ある」と答えたのは半数を超える53・5%。そのうち、働く場合の不安としては「家事・育児・介護などとの両立、家族など周囲の理解」(30・4%)、「賃金、福利厚生(休暇、シフト)など処遇」(24・5%)などが挙がった。働くときに重視することは「処遇(給与・休暇・通勤手当など)」が34・7%、「勤務時間(シフト体制など)」が28・5%、「職場の雰囲気、人間関係」が17・2%などだった。

 ログイン前の続き一方で働こうと思わない人たちの理由は「保育士以外の仕事に興味がある、現在仕事にやりがいを感じている」が21・2%、次いで「賃金が希望と合わない」が17・5%、「健康・体力への不安」が14・7%などだった。「健康・体力」については、年齢が高いほど理由に挙げる人が多かった。

 施策の認知度不足も目立つ。「再就職した場合の40万円以内の就職準備金未就学児がいる場合の一部保育料の貸し付け(2年働けば返済免除)」という制度を知らない潜在保育士は90・2%。働くつもりがある人で「県保育士就職支援センター」(春日市)を知らない人は73・7%だった。(石田一光)

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 〈調査方法〉 県の保育士登録情報の住所が県内で、無作為抽出した2万人に、6月下旬~7月上旬にアンケートを郵送・回収。政令指定市(福岡市北九州市)と中核市久留米市)は除く。有効回収率は24・1%。

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全国の医師の偏在は医療機関任せ、地歩自治体任せでは解消は不可能と断言しています。その通りだと思います。この問題こそ、政府のリーダーシップが期待されます。しかし、現在の医師会と癒着している現政府では改革は困難でしょう。
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産経ニュース 2017.12.31 05:02
更新

医師の偏在 政府挙げて根本解決せよ

医療は、生活に欠かせない社会基盤である。医療機関がなくなれば、地域全体がいずれ成り立たなくなる。

 その存在は、地方創生の要諦の一つだ。だが、医師は診療科や勤務先を原則自由に選ぶことができる。それによる偏在が地方を危うくする。

 専門的な医療を目指す医師が増えた。自分の子供の教育環境を考え、医師数が少ない地域での激務を嫌う。結果として大都市部に医師が集中する。都道府県間の差も大きいが、同じ県内でも地域により開きが生じる。

 厚生労働省は地域医療構想を都道府県に描かせ、医療機関同士の連携と役割分担を進めている。だが、肝心の医師が不足したのでは画餅に帰す。

 このままでは多くの地域で医療崩壊が進みかねない。根本的な解決に向け、安倍晋三首相のリーダーシップを期待したい。

 医師偏在の解消について、検討を進めてきた厚労省の有識者会議が報告書をまとめた。

 「医師不足地域での勤務経験」を、地域の核となる一部の病院で管理者に就任する際の基準に加えるなどの内容だ。小手先の対策を列挙した印象である。これでは効果を発揮するとは思えない。

医療団体の代表者など、利害関係者が議論を重ねている。そこに抜本策を望むのは難しい。いたずらに時間を費やす間に地方の人口減少の方が進んでしまう。

 そもそも、これまでの医師偏在解消の議論が、日本の人口激減をどこまで織り込んできたのか疑問である。

 人口の激減に対応するには、人が集まり住み、社会基盤そのものをコンパクト化することが避けられない。

 現在の医療機関の維持を前提としているのでは実現できまい。地域ごとに拠点を定め、政府の責任で重点的に充実を図る思い切った発想の転換を求めたい。

 患者の通院の足を確保し、コンピューターを活用した遠隔診断を普及させるなど、総合的な施策の展開も重要である。

 「地方」とはどこを指し、何をもって偏在というのか、その尺度についても根本的な見直しを行うべきだろう。

 厚労省任せではできない。人口減少対策の先例となるよう、安倍首相は省庁を横断して政策を総動員し、取り組んでもらいたい。


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<前回に続く>

憧れの「西部山の手地区」はいま…

高齢者として覚悟しておかねばならないのは、福祉のお世話になることだ。先の話だと考えるのではなく、元気なうちからしっかりと頭に入れておく必要がある。

【図表4】東京23区の福祉充実度ランキング
【拡大画像はこちら】

特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、軽費老人ホームを合わせた入居型福祉施設が一番充実しているのは葛飾区、次いで足立区と、東部地区が上位に来る通所型になると、荒川区、墨田区、豊島区、台東区と下町地区が上位に並ぶ

地域コミュニティの力が強い下町では、地域の共助パワーに支えられた在宅+これを補う通所施設という形が高齢ライフを支える基本となる。福祉事務所の担当者が多いのも下町の特徴で、きめ細やかな在宅ケアの基盤も充実している。

また、きめ細やかさという点では、民生委員の活躍も欠かせない。これは地域差が大きく、品川区を筆頭に、文京区、板橋区などで密な体制が整っている

公的な福祉にお世話になる前に、自助努力で老後の不安に備えたいという人には、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)が切り札となる。サ高住の数が多いのは郊外区だが、郊外区の中でも西(山の手)と東(広義の下町)に差があり、軍配はどうやら東に上がるようだ。

 

人の考えはそれぞれで、何をおいても医療水準が大切だと言う人もいれば、福祉の充実こそが重要だという人もいる。簡単に答えがほしいという世相を反映してか、昨今「総合ランキング」なるものに注目が集まっているが、じつはそこにはあまり大きな意味がない。本稿で取り上げたデータをどう読むかは、それぞれの価値観次第なのだ。

ただそれでもなお、「高齢者にとって住みよいまち」という大きな視点で東京23区のデータを総括するなら、下町地区の評価が高いということは言えそうだ。逆に評価が低いのは、世田谷区、杉並区、練馬区といった西部山の手地区。これは結構はっきりしている。

西部山の手地区といえば、東京の発展を支え、いま高齢化のときを迎えている団塊の世代にとって、究極の憧れの地だった。それがいまや、高齢者にとって「住みよくないまち」になっているのである。何が起きているのだろうか。次回は、西部山の手地区の「雄」とも言える世田谷区にフォーカスをあてることにする。

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<前回に続く>

生活難民化を避けるために

生活していく上での便利さを判断する指標としては、八百屋(果物屋を含む)・魚屋・肉屋といった生鮮食料品店、コンビニ、ドラッグストア、スーパー、低料金でかつ停留所の数が多いコミュニティバスを取り上げた。

夜間人口だけでなく、昼間人口にも対応するコンビニとドラッグストアは、やはり中心部立地の傾向が強い。コミュニティバスも中心部で充実している。昔ながらの生鮮食料品店は、下町でしっかりとその基盤が受け継がれており、スーパーは郊外区での充実が目立つ。

【図表3】東京23区の生活便利性ランキング
【拡大画像はこちら】

何を重視するのかで個々の評価は分かれるが、東京で暮らす限りどこに住もうと生活の利便性は確保されていると言えそうだ。ただし、高齢者にとっての利便性に限定すると、話は変わってくる。

都心・副都心にはコンビニがおよそ300メートル四方に1店、下町地区では生鮮食料品店がおよそ350メートル四方に1店の割合で存在するが、スーパーはトップクラスの区でもおよそ1キロ四方に1店しかない。若いころだったら、1キロくらい自転車でひとっ走りだったろうが、年を取るとそうはいかなくなる。とくに買い物帰りはつらい。

そこを補ってくれるのがコミュニティバスなのだが、郊外区ではコミュニティバスの充実度が低いという問題が追い打ちをかける。高齢になってからのまち選びは、まだ元気ないまを基準にするのではなく、5年後、10年後を見据えて考えていくことが大切である。

<次回に続く>

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<前回に続く>

生きがい再発見という「逆転打」

生きがいを持つことが老化防止のキーワードであることは、あらためて論ずるまでもない。なかでも大切なのは、積極的に社会に参加し、多くの世代の人たちとの交流を深めることだ。難しそうだが実は簡単で、働けば社会に参加でき、交流も深まる。

【図表2】東京23区の生きがい充実度ランキング
【拡大画像はこちら】

「65歳以上の就業率」が一番高いのは千代田区。以下、台東区、中央区、港区、荒川区と続く。千代田区や港区が上位に来るのは、所得水準の高い会社の役員や医師、弁護士などが多く住むから。一方、台東、荒川の両区は東京有数の自営業者の集積地で、彼らは基本的に定年がなく自分の意志で働き続けることができるから、高齢になっても就業率が高いわけだ。

それだけのことかと言うと、実はそうではない。役員ではない社員(正社員)として働き続けている高齢者も、千代田区、台東区、中央区がトップ3に並ぶ。さらに、企業などで働いていない高齢者に対する「シルバー人材センター」登録会員数の割合は、千代田区、港区、荒川区の順というデータもある。

そして、上記いずれの指標も低ランクに甘んじているのは、練馬区、世田谷区、中野区、杉並区、板橋区など。定年があろうがなかろうが、高齢者が積極的に働き続けようとする区と、「余生」に引退してしまう区がきれいに分かれていることがわかる。

どうしてこうした差が生じるのだろうか? いま言える確かなことは、人間は環境に大きく左右されるということだ。まち全体が働き続けようとする環境にあるか、リタイアしようとする環境にあるか。その差がこうした数字になって現われていると言うほかない。

ただ、65歳を過ぎて給料を得て働くことを唯一の美徳、唯一の社会貢献とするわけにもいかない。「もう働くのは卒業したい」と考える人もいるだろうし、もちろんそれは個人の自由だ。そんな人たちにとって、老人クラブは一つの有効な社会参加ツールとなる。趣味の集まりだけでなく、ボランティア等を通じた社会参加や世代間交流の場ともなる。

その老人クラブの充実度は、(タワマンが集中するなど富裕層も多い都心ながら)下町的特性を強く持つ中央区も加えて、下町圧勝の感がある。逆に下位には、中央区以外の都心部と西部山の手の住宅区が並んでいる。千代田区と港区は働き続けようとする意欲が高いからいいとして、問題は西部山の手地区だ。働くことも交流することもネガティブになった先に、何が待っているのだろうか

<次回に続く>

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