無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2018年06月

元路上生活者の自立支援、決して容易ではありません。折角ホームレスから脱却できても孤立死が後を絶たないと言われます。ホームレス→自立支援施設→生活保護を受けてアパート生活への移行、それを見守りや生活支援を行う自治体、NPO法人や多くのボランティアがいます。それでも孤立死防止は難しいと言われています。
加えて若者の中にも非正規雇用や未婚者の増加で予備軍がおり、孤立死を防ぐには地域住民や支援団体の見守りだけでは不十分で行政の対応を含めた対策が必要と言われます。そのためのコストは今後増大の一途をたどりそうです。我々は、新しい社会保障を作る為の実験に取り組まねばなりません。
そのヒントをドイツの医療・福祉の町のベーテルに見出すことができます。

「福祉は「継続する愛」でなければならない。それには、自分が自由である必要がある。自由になるには、自ら進んで、積極的に参加することが大切である。そのうえで、愛が実現されなくてはならない。そのためには、使命感だけではなく、楽しく夢中になれる職場づくりがポイントになる。ベーテルにはたくさんの職場ができた。奉仕する人たちも、介護の人たちも、障害のある人たちも、それぞれが楽しめ、夢中になれる職場で働くのだ。
喜びを感じながら一生懸命仕事をすれば、自然と充実感がゆとりが生まれる。障害のあるひとたちも、自分に合った仕事をみつければ、自力で暮らせるようになる。このような、自立のための仕事を見つけられるように助けるのが、社会保障でなくてはならない。
ベーテルは、いつもそれを目指している。そのために、ベーテルはいろいろな仕事の場を提供し、治療や研修の場を多く用意して、一人一人の個性の発見に努めているのだ。」
(日本グリム協会会長、宇都宮大学教授 橋本 孝著)「奇跡の医療・福祉の町ベーテルより」
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元路上生活者の孤立死 後絶たず ホームレスから脱却できたのに 地域になじめない 最期を誰に託せば…
(西日本新聞2018.06.29)

 ホームレスの人が路上生活から抜け出し、アパートなどで自立した暮らしを始めたものの、誰にもみとられず孤立死するケースが後を絶たない。高齢な上に身内と疎遠なことが多く、地域にもなじめないのが原因という。国は生活困窮者自立支援制度を強化し、路上から地域社会に戻った人や一般の単身高齢者の孤立防止策を進めているが、まだ十分でない面がある。


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生活保護費を不正に支出し、担当する受給者に貸し付けをしたという事件が起きています。これまでの不正とは異なり、受給者に貸し付けをしたということはどういうことでしょうか?貸し付けをして利息を取っていたのでしょうか?それとも貸付返済の金額を横領していたということでしょうか。何故、このようなことがまかり通るのかさっぱりわかりません。こんな例は聞いたことがありません。
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生活保護費不正支出 水戸市職員を懲戒免職(茨城県)
(NiB長崎国際テレビ2018.06.29) 

 水戸市によると、生活保護費の支給などを担当する生活福祉課に所属していた39歳の男性職員が、2016年から今年にかけて、担当する受給者に対し、生活保護費、540万円あまりを不正に支出し、貸し付けていたという。 また、同じ課に所属していた46歳の男性職員は、この受給者に対して、6年前から1年ほどの間に52万円あまりを貸し付けていた他、別の女性受給者に対して、18万円を不正に支出していたという。
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全国で空き家が増え続けているのは周知の事実ですが、未だに新設住宅が増え続けています。年間新築戸数は100万戸を割っていますが、総世帯数の減少はそれを上回るペースで空き家は増え続けています。日本の住宅政策そのものの見直しが必要です。ドイツやアメリカと比較して日本の住宅の寿命は半分以下と言われ、耐久資材というよりも消耗品としての住宅の在り方を見直さねばなりませんし、ドイツやアメリカのように住宅の改善命令や修繕命令を出し、所有者に改善を促すほか、補助金制度を設けて空き家を減らす努力も行わねばなりません。対応が後手後手になっていますが、問題は高齢者世帯の持ち家の873万戸です。この活用をどうするかに知恵を絞らねばなりません。
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深刻化する空き家率 空き家数は過去最高 供給過多に高齢化も要因
(財経新聞 2018.06.29)

総務省が2013年に行った住宅・土地統計調査では国内の空き家数は約820万戸であり、過去最高となった。33年には空き家率が30パーセントを超えるという調査もある中、空き家を減らすための中古住宅市場の拡大、また欧米に倣った制度の整備などの対策が急務だ.。

深刻化する空き家率の要因はいくつかあるが、その一つが供給過多だ。国土交通省が発表した17年度新設住宅着工戸数は94万6396戸で3年ぶりに減少した。しかし総世帯数の減少はそれを上回るペースであり、住宅が増える一方で空き家も増えるという状況になっている。さらに高齢化も空き家率に拍車をかけている。住宅総数約6,063万戸のうち空き家は820万戸だが、残りの約5,243万戸のうち子や親族が同居していない65歳以上の単身者もしくは夫婦が住んでいる住宅は約1,137万戸に上る。このうち高齢者世帯の持ち家は約873万戸だ。

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新しい社会保障制度の在り方としてベーシックインカム(BI)という現金給付制度の実験がフィンランドで行われています。実験に参加している方々の評価も高いようです。日本はこのままでは社会保障コストは増大するばかり、その運営コストを考えると一律現金給付という制度は大変有効ではないかと思います。日本でも早期に実験を始めるべきです。
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北欧に見る「働く」とは(4) 就労を後押しするお金
(中日新聞2018.06,28)

 人は収入があっても働くか。

 フィンランド政府が実施しているベーシックインカム(BI)という現金給付は、それを探る社会実験だ。

 BIは就労の有無や収入などに関係なく国民全員に定期的に生活に最低限必要なお金を配る制度である。いわば国による最低所得保障だ。古くからこの考え方はあるが、フィンランドで行われている実験は対象者も金額も絞っている。限定的なBIである。

 昨年一月から二年間、長く失業している現役世代二千人を選び、失業給付の代わりに無条件で月五百六十ユーロ(約七万三千円)を支給している。

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三大都市圏の20代で地方移住に関心が高い傾向にあると国土交通白書が報告しています。若い人は仕事と生活の両立を目指す人が増えているのかもしれません。又、全世代を通して、介護が必要になっても安心して暮らせる住いの整備が求められており、今後、地方都市で、仕事がある、介護が必要になっても年金の範囲内で暮らせる、医療と介護のサービスが整っている、という環境を作れれば大いに勝算があるのではないでしょうか。地方都市は宝の山かもしれません。地方都市再生にチャレンジします。
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地方移住への関心、三大都市圏の20代で高い傾向に - 国土交通白書
マイナビニュース2018.06.28)

 国土交通省は6月26日、2017年度「国土交通白書」を発表した。今回は「大きく変化する暮らしに寄り添う国土交通行政~すべての人が輝く社会を目指して~」をテーマに、人々の住まい方の変化や働き方に対する意識などを分析した。

住まい方の意識に関する調査で地方移住推進への希望を調べたところ、三大都市圏の20代(24.8%)と5万人未満市町村の20代(25.2%)で希望する割合が高く、約4人に1人に上った。また5万人未満市町村の60~70代(27.7%、27.2%)では、さらに関心が高いことがわかった。



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