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「2人目だから流産してもいいじゃない」――上司に言われた衝撃的な言葉…“見えざる貧困”の実態とは
ダ・ヴィンチニュース2018.12.31
中年フリーターは日本社会の被害者中年フリーターは、日本社会の被害者といえる存在だ。文部科学省の「学校基本調査」によると、就職氷河期の真っ只中、2003年の大卒就職率は約55%。2人に1人が大学を卒業しても就職できなかった。さらに同年の20~24歳の完全失業率は約10%。10人に1人は無職だった。この超氷河期を経験した人々は、国や企業から見放され満足な雇用対策を受けられず、現在も正社員の枠に入れないまま年だけを取って、中年フリーターになってしまった。
そのツケが今、日本社会に大打撃を与えようとしている。総務省が統計を取った「就業構造基本調査」(2017年)をもとに、大卒男性の未婚率を雇用形態別にまとめると、35~39歳の派遣・契約社員の未婚率は約60%、パート・アルバイトになると約80%に及ぶ。2017年の出生数が過去最低の94万人を記録したことから、無関係といえるわけがない。日本の人口は減る一方。つまり生産人口が減ることでもあるので、今後の日本の経済成長が右肩下がりになる可能性を大いに示している。
さらに非正規雇用として人生を過ごすと、老後の先行きが立たなくなって生活保護の受給率が高まり、日本が破たんに追い込まれるかもしない。ある調査によると、フリーターの増加によって、潜在的な生活保護受給者が約77万人生まれると試算している。そうなると、追加の予算額が17兆円以上に及ぶという。国家予算が100兆円を超えそうな日本の財布にそんな余裕はない。
国税庁の「民間給与実態統計調査」を参考に、男性の平均年収を「1997年→2006年→2016年」で比べた場合、35~39歳は「589万円→555万円→512万円」、40~44歳では「645万円→629万円→563万円」と、それぞれ下がっている。