無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2019年06月

2025年には751万世帯が単独世帯(独居老人)になると予測されます。全てが貧困世帯になるというわけではありませんが、中流サラリーマンが貧困に陥るリスクが高まっています。貧困老人に共通でみられる特徴として、生涯独身、離婚者が多く、日常生活における孤独も際立つといわれます。独居と貧困の相関関係を社会問題として捉え対策をしなければなりません。
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中流サラリーマンが“貧困老人”に…お金だけではない孤独問題
エキサイトニュース2019.6.23
 「真面目に働いていたはずなのに、悲惨な老後が待っていた」。これが今の日本の現実なのだろうか。普通の勤め人として中流以上の生活を送ってきたのに、彼らはなぜ生活苦に陥ったのか?

◆真面目なサラリーマンが“貧困老人”になる時代

多数の「貧困老人」を取材すると、彼らは最初から下流生活だったとは限らず、むしろ普通に働いてきた人たちばかりであることが生々しかった。生涯独身、あるいは離婚したという人が多く、日常生活における孤独も際立っていた。

◆750万人が“独居老人”に…孤独という大問題

 2025年には、「世帯主が65歳以上」の高齢者世帯が2103万世帯となり、これは全世帯の38.9%に上る。さらに、高齢者世帯のうち676万世帯が「夫婦のみ」、751万世帯が「単独世帯」。つまり751万人が“独居老人”になることが予測されている(国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計-2019年推計-」)。

貧困高齢者たちは居場所を求めて彷徨(さまよ)っている。これは、年金や生活保護だけで解決できる問題ではない。老後に向けた自身の「準備」が大事なのだ。

 これまでSPA!が取材した貧困高齢者たちは、総じて無気力だった。貧困ゆえの無気力なのか、無気力ゆえの貧困なのかはおくにせよ、人生に夢や希望はとうてい抱けないようだった。「老後の楽しみ」という言葉が、これほど虚しく感じられることはない。
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福岡県行橋市の社会福祉法人「友愛会」が破産手続き開始と報じられました。この法人は地域密着型特別養護老人ホーム今川河童苑(29床)と地域密着型介護付有料老人ホームいまがわ秋桜ガーデン(29床)の2施設を運営していたようですが、入居者の伸び悩みから資金繰りが悪化し、公共料金を滞納し、職員給与の未払いにより、職員の大量退職を招き、破産に至ったようです。
社会福祉法人の破産、一体、その根本原因はどこにあったのでしょうか?福岡県の中でも高齢化が進んでいる当地域では施設も多く、両施設とも地域密着型施設であるがゆえに行橋市外の入居者利用は難しく競争激化も一つの要因としては考えられます。とりわけ社会福祉法人会計に多額の事業区分間固定資産移管費用が発生していることから有料老人ホームの経営悪化により、社会福祉法人と老人ホームとの間に資産や資金のやりとりが発生していたことが予想されます。社会福祉法人が取り組む営利事業の難しさを感じます。

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2019.6.22毎日新聞
福岡県行橋市は21日、施設の経営難で職員が大量退職していた社会福祉法人「友愛会」(同市流末)が福岡地裁行橋支部で破産手続きを開始したと発表した。手続き開始は19日付。昨年12月の理事会で破産申し立てを決め、準備を進めていた。

2019.1.18西日本新聞
公共料金の滞納などで社会福祉法人「友愛会」=福岡県行橋市流末(りゅうまつ)=の2施設の運営が困難になった問題で、法人は17日、近く破産を申し立てる方針を固めた。市から出された改善命令にある項目が満たせず、多額の債務も抱えていることから再建困難と判断した。法人関係者によると、市は法人と特定施設「いまがわ秋桜(こすもす)ガーデン」など2施設に対し、介護職員の雇用で虚偽報告があったなどとして特定施設の指定停止処分や改善命令を出し、職員の適正配置などの改善項目を提示。

法人は今月初めの期限までに改善計画を報告できず、他の社会福祉法人やNPO法人との施設存続交渉も不調に終わったことから破産申し立てを決めた。理事の一人は「これ以上の施設運営は難しく、清算するしかない」と話した。

 市は法人に対して今月下旬に聴聞会を開き、解散命令などの処分を検討する。

 一方、2施設の建設時に約2億9千万円を貸し付けた独立行政法人「福祉医療機構」(東京)も、財務や資産状況の調査を始めている。

 また、同施設で働く介護職員のうち、給料のおよそ2~3カ月分が支払われておらず、それが原因で8名の職員が11月をもって退職していたことも判明した。なお、退職した元職員から労基署に届け出があったかについて、行橋労働基準監署の担当者は、「(本件について)現時点ではお答えすることはできない」と話している。

 現在施設には18名の介護職員が入所者の世話などを行っているとのことで、市の職員が毎日訪問を実施し、状況を注視している。市は改善勧告にともない、12月17日までに人員配置の適正化、理事会開催により事態の正常化を図れなければ、改善命令に切り替え、市のHP上に公表するなど厳しい措置を講じるとしているが、それでも改善の兆しが見られない場合、入所者の安全確保の観点から業務停止の措置を講じ、入所者を別の施設に移送することも検討している。


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金融業界はITを活用した業務の効率化を図っており、人材の削減に取り組んでいます。損保保険ジャパン日本興亜は全従業員の15%にあたる4000人を削減し、介護分野などのグループ企業に配置転換をする方針を打ち出しました。金融業界から介護事業への人材移転がどれだけ実現するのでしょうか?要注目です。
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損保ジャパン、4000人削減=ITで効率化、介護分野などに配転
時事通信2019.6.24
 損害保険ジャパン日本興亜が2020年度末までに、従業員数を17年度比で4000人程度減らす方針であることが24日、分かった。全体の約15%に相当する。ITを活用し、業務の効率化を進める。余った従業員は介護などを手掛けるグループ企業に配置転換し、新卒採用も抑える。希望退職者の募集は予定していない。
20年度末の従業員数は2万2000~2万3000人程度に減り、人件費などを年約100億円圧縮できる見通し。
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厚労省から指定介護サービス事業所に対する実地指導の運用指針が示されました。現状実施率が17%と低迷していることから、実際の実地指導における確認項目を半分以上減らし、少しでも行政の負担を減らすことで、実地指導件数を多くする方針に転換です。行政の負担が少なくなる分、事業所の負担も少なくなると良いのですが。
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介護事業所への実地指導 実施率向上への新運用指針〈厚労省〉
福祉新聞WEB2019.6.20

厚生労働省は5月30日、自治体が指定介護サービス事業所に対する実地指導の運用指針を示した。従来の実地指導より確認する内容を絞り込み、必要となる文書量を減らすことで、自治体と事業所の負担を軽減し、実地指導の実施率を高める。

 

 厚労省は、事業所指定の有効期間(6年)内に最低1回は実地指導を実施するよう求めているが、実施率(2017年度)は17%にとどまる。事業所が増加傾向にある一方、自治体で十分な体制がとれないことなどが原因だ。

 

 そこで厚労省は、実地指導の内容を縮減し、運用指針で新たに「標準確認項目」と「標準確認文書」を明示した。それ以外の項目、文書は原則求めないとした。

 

 それにより所要時間を短縮し、1日に複数の事業所で行えるようにする。また、過去の実地指導などで問題のなかった事業所は集団指導のみとすることも認める。

 

 事業所には実地指導の1カ月前までに連絡し、当日の流れも伝えておく。確認する文書は原則、実地指導をする前年度から直近の実績までの書類とし、事業所に事前または当日に求める文書は1部とする。利用者へのケア記録を確認する場合は原則3人以内とする。

 

 また、自治体担当者の主観による指導をしないことや、事業所と共通認識をもって適切な助言をすることなどを求めている。

 

 「標準確認項目」と「標準確認文書」は、訪問介護、通所介護、訪問看護、特別養護老人ホーム、老人保健施設、認知症グループホーム、居宅介護支援の7サービスについて示された。それ以外のサービスは「標準確認項目」などを参考に自治体ごとに検討する。

 

 「標準確認項目」には従業員数、サービス提供の記録、緊急時の対応、苦情処理などに関する項目がある。それぞれ従来より内容が縮減され、訪問介護は約90項目から36項目に、特養は約140項目から56項目に見直された。

 

 従来に比べて確認する内容が縮減されたことに厚労省は、「確認しない項目のリスクよりも、より多くの実地指導を行う方が重要だ」としている。

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介護サービスを自由競争にすべきというのが財界の考えていることなのでしょう。より良いサービスをより安価に提供される仕組みを作るべきと主張しています。サービス価格の透明性を向上させることでサービスの質と価格の競争を生み出すことが利用者の為になるという財務省の考えは間違っています。介護を一般のサービス同様自由に競わせるという財界主導の考えに反対です。社会保障制度を蔑ろにする提言です。
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財務省、介護サービス価格の透明性向上を要請 ケアマネへの説明義務化を主張
介護のニュースサイト Joint2019.6.21

財政制度等審議会が財政の健全化に向けて19日にまとめた提言 − 。財務省は業界から強い反発の声が上がっている施策を盛り込み、早期に実現すべきと呼びかけている。

ケアプランを作成するプロセスで、複数の事業所のサービス内容や利用者負担について加減算の有無も含めて説明することを、居宅のケアマネジャーに義務付けるべきだという。

これらの透明性を高めれば給付費の抑制につながると見込む。利用者が比較・検討できる機会を確実に得られるようにし、サービスの質と価格の競争がより活発に行われる環境を生み出す狙いだ。「より良いサービスがより安価に提供される」などと勧め、違反した居宅の報酬を減算するよう注文している。
 
財務省は今年4月の財政審でもこの案を披露していた。その際、日本介護支援専門員協会は公式フェイスブックに意見書を投稿。以下のように反論していた。
 
「加算を算定していない事業所の方が安くて良い、という誤解を与え、正常な競争原理が働かない」「利用者による正当な事業所の評価を阻害する可能性が高い」
 
ただ財務省が持論を取り下げることはなかった。今回の提言では、「介護サービス事業者は介護報酬を下回る価格を設定でき、サービス面のみならず価格競争も可能。しかしながら現実には、サービス価格が介護報酬の上限に張り付いている」などと重ねて主張した。
 
2021年度に控える次の改定をめぐる論点の1つとなる見通し。厚生労働省の審議会には、財務省と同様の考え方を持つ委員も複数参画しており、ケアマネ協会などと対立しそうだ。
 
財務省はこのほか、居宅のケアプラン作成で新たに利用者負担を徴収し始めることを引き続き求めている。また、今回の提言では「ケアマネジメントの質を評価する手法の確立とその報酬への反映」も要請した。
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