無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2019年09月

産業構造の中で、介護職の相対的地位の低さが指摘されます。景気が良くなり失業率が低下すると、介護就業者の数が減少し、介護サービスの質にマイナス影響を示すことが分析の結果、明らかになっています。景気が悪くなり、失業率が高いほど、介護老人保健施設における死亡率の低下傾向が確認されると指摘されています。給与を含めて介護職の相対的地位の向上を図ることが国民全体にとって必要なのです。
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マクロ経済状況が施設系介護事業所で働く介護労働者の供給に与える影響
経済産業研究所2019.9.14
 介護施設で働く労働者の数や職種は介護サービスの質に影響を及ぼすことが、多くの先行研究で指摘されている。介護サービスの質をより良くするための取組みを検討するには、介護施設で働く介護福祉士などの労働供給の決定要因を検証することが求められている。とりわけ、介護福祉士資格を有するものの介護産業で働いていない潜在介護福祉士の存在が指摘される中、介護福祉士有資格者を介護現場に呼び戻し、定着を図ることは、介護人材確保策を検討する上で重要な課題である。

都道府県レベルの集計データを使用した結果、失業率が高いほど介護老人保健施設における死亡率が低下する傾向が確認された。これは、米国のnursing homeのデータを使用した先行研究と一致する結果であった。回帰分析の結果、失業率が高まると、施設入所者あたり介護職員数は増加する傾向が示された。

介護福祉士の資格有無別にみると、失業率が高まると施設入所者あたり介護福祉士数が増加する傾向が示されたものの、介護福祉士資格を持たない介護職員数が増加する傾向は認められなかった。また、施設入所者あたり介護福祉士数が増加すると死亡率が低下する傾向が示された一方で、介護福祉士資格を持たない介護職員が増加すると死亡率が低下するという傾向は認められなかった。
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オーストラリアで高齢者が自分の空き部屋を年下世代に無償提供し、日常生活を手助けしてもらう「異性代ホームシエア」が広がっているようです。日本ではあまり一般的ではない「シェアハウス」や「シェアルーム」は、オーストラリアでは一人暮らしする際の最もポピュラーな方法のひとつと言われます。それに高齢者が年下世代とハウスシエアをするという発想は素晴らしいです。オーストラリアでは1ルームのシエアハウスでも日本円で2万2000円程度のようです。それに対して無償提供する代わりに高齢者の支援をしてもらう、このような取り組みは日本でも可能性があるのではないでしょうか。
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豪、広がる異世代ホームシェア 高齢者の生活を手助け
SankeiBiz2019.9.13
 住宅の賃料が高いオーストラリア南東部の都市メルボルンやシドニーなどで、高齢者が自宅の空き部屋を年下世代に無償提供し、日常生活を手助けしてもらう「異世代ホームシェア」が広がっている。コーディネーターが高齢者と入居者の“相性”も確認。家族と暮らすような安心感を得られると好評だ。

 地元の在宅ケア専門家から、ホームシェア制度を知らされて登録。関節炎を患い、食事の準備や自宅外への移動が難しいため、料理好きで外出の際に車で送迎してくれる入居者を希望した。家を探していたギリシャ出身の女性、オリンピア・アレクソポリスさんを紹介された。

 コーディネーターがそれぞれ面接して条件に見合うか確認した後、2人を引き合わせた。警察による身元照会も経て、15年に同居を開始。スタウトさんは2階建ての1階、アレクソポリスさんは2階で生活している。1階にある居間や台所は共有スペースだ。

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一般社団法人全国居住支援法人協議会なる組織が設立されました。改正住宅セーフティネットで指定された住宅確保要配慮者居住支援法人による全国組織となるようです。これまでソフトの面で十分な支援が受けられずに、普及が進んでいないこの事業に対して、元厚生労働事務次官の村木厚子さんやホームレス支援などで知られる奥田知志さんという、実践的な方々が呼びかけ人となっているだけに、今後の普及が期待されます。奥田氏も、家族の機能を社会化することの重要性を語っておられます。その仕組みを作ることができるか、極めてハードルの高い事業です。

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住宅弱者のサポートを!元厚労省 村木厚子さんら全国組織を設立

エキサイトニュース2019.9.17

 「一般社団法人全国居住支援法人協議会」が設立された。といわれてもよく分からない人が多いだろう。住まいに困っている人を支援しようという団体なのだが、その呼びかけ人が元厚生労働事務次官の村木厚子さんやホームレス支援などで知られる奥田知志さんという、実践的な方々なのだ。どういった団体なのか、直接お二人に伺ってきた。「一般社団法人全国居住支援法人協議会(以下、全居協)」とは、「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律(以下、改正住宅セーフティネット法)」で指定された「住宅確保要配慮者居住支援法人(以下、居住支援法人)」による全国組織となる。    
    賃貸住宅の入居が難しい人たちの居住を支援する団体を組織化

奥田さんも、家族の機能を社会化することの重要性を語る。従来の日本の社会保障制度は、企業と家族が支える仕組みになっていたが、雇用システムも変われば家族も脆弱化して、人を支える仕組みが崩れてしまった。これまで家族が担ってきた機能をいかに社会が担えるかが、支援のカギになるという。

今後、全居協を中心とした居住支援法人が、困っている人たちの救世主になることを筆者も大いに期待している。

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デジタル技術で遠隔介護、フィンランドで介護のコスト削減で効果を出しているようですが、日本でももっと普及ができないものでしょうか。最近は日本でも安否確認に成果を上げつつあるようですが、もう一歩踏み込んで、看護、介護サービスにつなげることができないものか、試行錯誤しています。
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フィンランド、デジタル技術で遠隔介護 費用9割減の自治体も
Investing.com 日本2019.6.16
 手厚い福祉政策で知られる北欧フィンランド。近年“欧州の中の日本”と呼ばれるほど急速に高齢化が進み、社会保障費の膨張が大きな問題に。制度維持に黄信号がともる中、切り札として最新デジタル技術を使った遠隔介護が本格化、9割近く費用を削減した自治体も出てきている。

ヘルシンキ市は2014年から遠隔訪問を導入。交通費など実際に訪問する費用が1回45ユーロ(約5300円)なのに対し、5ユーロと費用削減効果は絶大だ。利用者は約800人、平均年齢は約80歳で、ある程度身の回りのことができる人に使ってもらい、介助が必要な人に人手を割ける利点もある。
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10月からスタートする特定処遇改善加算について、その実効性が問われています。「勤続10年以上の介護福祉士について月額平均8万円相当の処遇改善を行う」というキャッチフレーズに踊らされた感は否めません。最終的には加算額の配分は、各事業所で「月8万円以上の待遇改善」または「年収440万円以上」の介護福祉士を1人設定すれば(例外規定もあり)、一定のルールの下、かなり自由に配分できるとし、10年の基準も緩和する結果となりました。つじつま合わせをするだけの制度にどれだけの実効性があるというのでしょうか?果たして全国の事業者の中で、何パーセントの事業所が手を挙げているのでしょうか?要検証です。

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どうなる介護福祉士待遇改善 10月から新加算スタート

ビードット2019.9.17

介護福祉士らの待遇改善を図る介護保険制度の「特定処遇改善加算」が10月に創設される。消費税増税分などを原資(公費約1000億円)に「勤続10年以上の介護福祉士について月額平均8万円相当の処遇改善を行う」とのキャッチフレーズで始まった改革だ。しかし、決まった制度は、介護福祉士以外の職員も対象にできるなど極めて柔軟で「事業所丸投げ」とも指摘される。事業所の中には「加算分の多くは介護福祉士以外の介護職員の待遇改善に充てる」「待遇改善ゼロの介護福祉士もいる」との声もあり、配分方法は千差万別だ。期待を裏切られたと感じるベテラン介護福祉士も多く出そうだ。
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■千差万別の様相に 配分方法は事業所次第

 同加算は現在、条件を満たし加算を付けたいという事業所の届け出が終了し、県などで書類の精査が進められている。当初のキャッチフレーズからすれば、勤続10年以上の介護福祉士に一律、月8万円渡すというのがもっとも単純な方法だ。しかし、それでは、事業所内でのバランス、人事評価・賃金体系との関係で問題も生じる。そこで決着したのが、一定条件を満たした事業所の介護報酬に一定の比率で上乗せする「加算」という仕組みだ。ただし、その比率は、各事業所のベテラン介護福祉士の数によるのではなく、訪問介護、通所介護などサービス区分ごとに設定した。

 加算額の配分は、各事業所で「月8万円以上の待遇改善」または「年収440万円以上」の介護福祉士を1人設定すれば(例外規定もあり)、一定のルールの下、かなり自由に配分できる。10年の基準も緩和した。

 その結果、個々の介護福祉士の待遇改善は事業所の判断次第に。また、介護報酬が少ないため加算額も少ない小規模事業所で働く介護福祉士や、人材育成が進んで介護福祉士が比較的多い事業所で働く介護福祉士が不利になる不公平も生じた。十分な配分が不可能な事業所からは「職員の事業所不信を招きかねない」と怒りの声も上がる。

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